豆腐の角をぶつけてくる豆腐の都市伝説

    作者:森下映

    「なー豆腐の角に頭がどーとかって言い方あるじゃん?」
    「ああ、『豆腐の角に頭ぶつけて死ね』だよな」
    「それってこっちからぶつけにいくってことだよな?」
    「まあそうだけど……比喩っつーか冗談つーか……」
    「なんかさ」
    「?」
    「向こうから角ぶつけてくる豆腐が出る場所があるらしいぜ」
    「は? なんだそれ。爆笑なんだけど」
    「いや笑い事じゃないんだそれが。向こうから頭にぶつかってきたら死ぬらしいから」
    「え……やな噂だな」
    (「豆腐の角をぶつけてくる豆腐……」)
     通りすがり、噂話を耳にした庭・瞳子(ケロベロスの猟犬・d31577)は、報告のため学園へ急いだ。

    「うーん、やっぱり都市伝説だったよ。瞳子さん、報告ありがとう!」
     須藤・まりん(高校生エクスブレイン・dn0003)は霊犬のロゥと一緒に教室にいる瞳子にぺこりと頭を下げると、地図を広げた。
    「その『角をぶつけてくる豆腐』の都市伝説が出る場所はこの河原。寒くなってきたし、もともとジョギングコースや遊歩道からも外れてるから、滅多に人は通らないみたい。そのおかげもあっていまのところ被害は出ないですんでるみたいだね」
     出てくる豆腐は一丁の木綿豆腐に小さな手足がついたもの。頭を狙ってジャンプしてくるが、なにかにぶつかれば普通の豆腐になる。
    「頭にあたった時のみダメージがあるよ。一般の人だと問題だけど、みんなならそんなに気にすることないんじゃないかな」
     ちなみに頭への命中率はあまりよくない模様。
    「こちらからサイキック攻撃を豆腐たちに向かって仕掛けると都市伝説の大元である『豆腐ボス』が出てくるけど、それまではただ豆腐が角をぶつけに出てくるだけ。だからうまくやれば『野外で豆腐料理を楽しむ』なんてこともできるかも。角をぶつけてくるからちょっと崩れちゃうのは仕方ないとして」
     角をぶつけられずそのまま地面に落ちた豆腐など、衛生的に問題が出た豆腐は消える安心仕様でもある。
     豆腐ボスは自分も角をぶつけてきたり、冷気をふきかけてきたり、大きな鍋を出現させていい感じに茹でてきたりする。ポジションはジャマー。その前にたくさん一丁豆腐を出現させていればいるほど弱体化する。
    「さすがに今の時期の河川敷は寒いだろうから、風邪ひかないようにね! じゃ、よろしくね!」


    参加者
    東当・悟(の身長はプラス八センチ・d00662)
    御子柴・天嶺(碧き蝶を求めし者・d00919)
    若宮・想希(希望を想う・d01722)
    ミリア・シェルテッド(キジトラ猫・d01735)
    長姫・麗羽(シャドウハンター・d02536)
    宮代・庵(中学生神薙使い・d15709)
    庭・瞳子(ケロベロスの猟犬・d31577)
    吉武・智秋(秋霖の先に陽光を望む・d32156)

    ■リプレイ


    「豆腐ですか……何が如何してこうなったんだか……」
     御子柴・天嶺(碧き蝶を求めし者・d00919)がはぁ〜とため息をついた。
    「こんなので死んだら、一般人には悪夢以外の何物でもないわね」
     庭・瞳子(ケロベロスの猟犬・d31577)が言う。
    「だからこそ、この豆腐を倒すのは私たちの役目よね」
     霊犬のロゥも、わん! と応えた。
    「豆腐の角に頭をぶつけてっていうけど、実際当たっても大した衝撃じゃないよね。でも、」
     地声の高さを抑えつつ、長身に目隠し。長い黒髪にはニット帽を被った長姫・麗羽(シャドウハンター・d02536)。
    「豆腐小僧だっけ。妖怪の話だってあるくらいなんだから、歴史のある食べ物であるのは間違いないし、それだけ人に触れると言い回しに使われるのもわかるかな」
     と、天嶺の影から、
    「豆腐をぶつけてくる都市伝説なんて、許せません……」
     声がした。
    「食べ物を粗末にして、鈍器にするなんて……」
     見ればねこぐるみにすっぽり包まれ、ふるふるしているミリア・シェルテッド(キジトラ猫・d01735)。
    「そんなびびらんでも大丈夫やで? あ、想希寒ないか?」
     東当・悟(の身長はプラス八センチ・d00662)は、都市伝説を誤解している模様のミリアに声をかけ、隣の若宮・想希(希望を想う・d01722)の肩にはコートを。想希は微笑み、
    「ありがとう。君は大丈夫ですか?」
    「俺はESPで万全や」
     2人の指にはお揃いのリングが光っている。
    「お豆腐、ぶつかったりしたら大変……歩いたりするのも、怖い……」
     こちらは小柄故に影に隠れてしまいそうな吉武・智秋(秋霖の先に陽光を望む・d32156)。ミリア、はっとして、
    「はわ、そうでした……歩くんでした……!」
    「ん……けど、ちゃんと食べるの」
     智秋が言うと、想希は、
    「この前鍋に豆腐を入れ損ねた俺に死角はありません。今日は食べまくりますよ」
     先日は豆腐を切らしていたことに気づかなかったらしい。想希は気合いを入れると後ろを振り向き、
    「庵さんも準備万端ですね」
    「こ、これは……!」
     白菜などの野菜に二次会用豆腐、土鍋、ブルーシートにガスコンロ。さらに安全第一とかかれた頭防護用ヘルメット持参の宮代・庵(中学生神薙使い・d15709)。
    「あくまで豆腐の健康被害がでないか確かめるのと、わたしたちが囮になって鍋をすることで一般人がターゲットになるのを防ぐためであって、鍋を楽しむためではありませんからね!」
     一気に言った。
    「ミリアさんもすごい荷物なのだけど」
     瞳子が言う。
    「どこにあったんです、この台車」
     天嶺も言い、ミリアのひいている台車の上から荷物を減らす。
    「はわ、ありがとうございます……鞄に収まりきらなくて……」
     台車にのっている数々の鍋グッズ。はともかく、
    「コタツは、確かに、鞄には……入りません、ね?」
     智秋が言った。
    「これは何に?」
     瞳子が毛布をおろしてやる。
    「あ、隠れ場所用です……戦闘中は御子柴さんの後ろとか、東当さんと若宮さんの影とか、隠れられないですし……」
    「いそいそのせてたんはそれやったんか」
     悟が言った。そして到着。皆でシートを広げ、ミリアもコタツを設置。人見知りゆえの殺界形成もすませ、
    「ぱーちー会場確保完了です……」
     できてない英語発音で言った途端、
    「トフフ」
    「あ、」
     固まる智秋。
    「出たわね」
     前に出る瞳子。麗羽も笊を持って立ちはだかる。
    「大事な食材……」 
     天嶺は中華鍋を、想希も眼鏡を外して鍋を持った。ミリアは2人の後ろに隠れつつ湯豆腐すくいと盾がわりの木製鍋蓋を装備。そして、
    「学園の秩序も鍋会の秩序も、このパーフェクト庵ちゃんと土鍋シールドが守りますよ! 流石ですね!」
     颯爽とヘルメットを被り、予備の土鍋を盾にした庵。さらに、
    「昨日飯抜きやった俺にも死角はあらへんで!」
     悟は不敵な笑みを浮かべ、
    「さぁ来いや俺の飯!」
    「トフフー!」


    「あー痛っ、死にそうや!」
    「トフ?」
    「トフフ♡」
    「豆腐怖っ! あーれー!」
    「トフー!」 
     苦戦演技の悟に騙され嬉しそうに向かっていく豆腐。
    「見ている方が恥ずかしいくらいですが、効果があって何より。と、」
     想希は飛んできた豆腐を鍋で優しく受け止め、天嶺は、
    「よいしょ、逃がすか……」
     中華鍋を器用に扱い、 
    「上手く滑って入れよ……」
     豆腐を捕らえる。 
    「ロゥ、気をつけて」
     瞳子は食器を駆使してロゥのくわえたお皿に豆腐を落とした。
    「味見してみる?」
     ロゥと一緒に瞳子もぱくり。
    「ん、このままでも美味しいわね」
     麗羽は頭を片腕でガードしつつ、豆腐を笊に確保すると、
    (「よかった、崩れてないな」)
     料理用に運ぶ。
    「よっしゃ!」
     悟もぶつかってきた豆腐を地面に落ちる前に鍋で受け止める。そして綺麗な布巾で水気をとると、火鉢に網とホイルをのせ、
    「焼き豆腐や! お握りに餅、芋と栗も焼くで!」
    「ではその間に冷奴にしましょうか」
     想希が言い、薬味をずらり並べた。
    「好みの薬味で。何がいいですか?」
    「俺、鰹節冷奴がえぇな」
    「鰹節に醤油ですね」
     想希が準備し、悟に差し出す。
    「ぷるぷるうまー! 幸せや」
     目を細める想希。悟は、
    「想希は何のせや?」
    「あ、俺はそこに生姜追加で」
    「できたで。あーん」
     想希、悟が箸で差し出した豆腐をぱくり。
    「ん、おいしい」
    (「トフ」)
    (「トフトフ」)
     そんな2人を遠巻きにする豆腐達。想希は、
    「冷奴食べたら冷えてきましたね」
     悟にくっついた。
    「おう、ちょうどあったかい奴出来たで」
     悟も想希の肩を抱いて寄り添うと焼いた豆腐に甘味噌を絡め、
    「口休めや」
     と、あーん。
    「あ、田楽食べたかったんです」
     想希、ぱくり。
    「おいしい。口直ししたらどんどん食べられますね」
    「よし、じゃ、これもな」
    「はい」
     焼き餅や栗もあーんと想希に食べさせる悟。想希は、
    「俺、湯豆腐も食べたいです。準備しますね」
    (「トフ」)
    (「トフ……」)
     豆腐達は空気を読んでその場を去り、2人きりにするのだった。
     一方、
    「ふー、これで湯豆腐ぱーちー、できます……」
     鍋に無事豆腐を落としたミリアはコタツの上で湯豆腐の準備。が、
    「はぅ、柚子とかポン酢とか、忘れてました……」
     しょげながらもあたたまった豆腐を食べようとしたところに、
    「調味料、あるよ……?」
     智秋がやってきた。 
    「はわ、ありがとうございます……」
     パアアとミリア。智秋は、
    「あと、お鍋も、つくるね。最近、すっごく、寒くなったし」
    「これも使って?」
     瞳子とロゥが捕獲した豆腐を持ってくる。
    「ありが、と。つみれと、ネギと白滝と……人参と、シイタケも……薄味で、いい、かな?」
    「美味しそうね……」
     あまり料理が得意ではない分、皆のための防御をがんばっていた庵が振り返って言った。智秋は鍋を作りながら、
    「庵さん、も、一休みして、食べて、ね」
    「そ、そうね。闇鍋化しないよう見張る役目もあることだし!」
    「私も、味見……さっきまで、動いてた、けど動いてたけど……」
     智秋は豆腐を恐る恐る口にいれ、
    「あ、でもこれ……美味しい、美味しいね」
    「本当ですね! これはどんどん食べなければ!」
     庵の顔もほころぶ。
    「できるだけ、食べて、弱くするけど」
     智秋は動けなくなることを気にしているのか、
    「あんまり、食べ過ぎない、ように、気を付ける、の」
    「私も、戦闘に支障がおきない程度にしておかないと」
     瞳子も言った。とそこへ、
    「いれていいかな?」
     確認し、麗羽が笊から豆腐を鍋へうつした。
    「長姫さんは食べないんですか?」
     ロゥに湯豆腐をフーフーしてあげながら、瞳子が言う。
    「これをあちらに届けたら湯豆腐頂くよ」
     麗羽が示した方向では天嶺が、
    「さて、料理に入りましょうか……」
     と、豆腐を賽の目に切り始めたところ。
    「足りてる? よければこれも」
    「あ、助かります」
     天嶺は麗羽の豆腐も切って中華鍋へ。刻み葱も追加。ラー油で味をととのえる。そして、
    「もっと、温まるように、チゲ鍋とかのほうが、よかったかな……?」
    「辛いのもできましたよ」
     智秋が言ったところに、ちょうど天嶺が麻婆豆腐を持ってきた。
    「味は各自、このラー油で調整して好みに合わせてね」
    「御子柴くん、湯豆腐と鍋もどう?」
     瞳子が言う。
    「いただきます」
     瞳子が取り分けると、天嶺は、
    「あっこれ、美味しい……隠し味は何だろう?」
    「これは、庵さんの、お野菜と、この、調味料を……」
     智秋が答える。瞳子は麗羽にも、
    「長姫さんもおかわりいかがですか?」
    「オレはもう湯豆腐頂いたから満足だよ。小食なんだ。……ん?」
     麗羽の視線の先、何故か湯気の上がっている豆腐の一団が。
    「ふふ、懐かしいですね。悟と湯豆腐食べに行ったの、もう2年前ですか」
     言いながら想希が取り分け、
    「今日は火傷しない様ふーふーして下さいね? ……俺もしますから」
     それをきいた悟、
    「ふーふーし愛やな! えぇで!」
     と、ふーふーして想希に差出す。ぱくり。パシャリ。
    「あ!」
     真っ赤な想希を写真に撮り、満面の笑顔の悟。周囲では、
    「トフー……」
     ゆだった豆腐が次々に倒れる。すかさず収穫する麗羽。皆合流して、さらに鍋タイム。
    「タラ持ってきましたよ。ここへ加えても大丈夫でしょうか?」
     想希が言い、智秋が頷いた。
    「たらすきーや!」
     目を輝かせ、嬉しそうに頬張る悟。想希は、
    「去年はミリアさんも一緒にタラ鍋でしたね」
    「(もごもご)」
    「そうか、ミリアとの鍋も2回目か。食いっぱぐれん様今年もとったる。何食う?」
    「(もごもご)」
     頬張っていて喋れないミリアに、悟は食べ頃の豆腐やタラを取り分ける。
    「(もごもご)」
     お礼を言って? 受け取るミリア。
    「俺は豚肉持ってきたで」
    「わ、豚しゃぶいいですね」
     悟が出した豚肉を、想希が皿に並べた。
    「これは美味しそうです」
    「ロゥ、お肉も食べる?」 
     天嶺と瞳子が言い、しゃぶしゃぶも開始。智秋は麗羽が捕獲した下茹で済の豆腐と庵の野菜を追加する。悟はしゃぶしゃぶした豚に豆腐をまいて、
    「あーん」
     ぱくりと食べた想希、
    「んー、おいしい。悟と毎年色んな鍋食べれて幸せです。一緒に食べると寒さも忘れますね」
    「おう、想希とやったら何処でもほっこほこやで」
     手を握り合う2人。茹だる豆腐続出。
    「す、すごい熱量ですね」
     言いながら庵も、豆腐を麗羽とともに確保して回る。
     そして鍋も終盤、
    「締めはこれで!」
     悟がパリパリに焼いたお握りに鍋の出汁をかけ、豆腐を乗せて、どーん! 
    「出汁お握り! 豪華ですね」
     想希が言い、ぱくりと食べると、
    「ん、おいしい」
    「これも一緒にな。手製の千枚漬けに茄子の糠漬けや!」
    「すごい、お手製、ですか……?」
     感心する智秋。と、天嶺が、
    「メインデッシュばかりと言うのもなんですし……甘い物も作ろうと思うけどどうだろう?」
    「デザートえぇな」
     悟が言う。
    「(もごもご)」
     =豆腐デザートってどんな感じでしょう……? とミリアも好奇心で釣られている。
    「天嶺さん、一緒に作りませんか?」
    「はい、お願いします。豆腐の水切りからでいいですか?」
     てきぱきとデザートの準備をする想希と天嶺。できあがったのは、豆腐白玉にきなこと黒蜜、さらに悟の焼いた栗を添えたもの。早速悟が食べ、
    「ぷるぷるうまっ! 贅沢や〜」
    「はい、デザート」
     瞳子はロゥにもわけてやり、
    「んー! 幸せですね!」
     庵もほっぺたをおさえて笑顔。
    「トフー!」
    「はい、邪魔しない」
     豆腐は麗羽がガード。鍋会の秩序も最後まで保たれた。


    「ふー……満腹や」
     悟が言い、想希も、
    「食べましたね……名残惜しいですけどそろそろメインと行きますか」
    「ん、みんな、頑張ろう……ね」 
     立ち上がった智秋の身体の周囲には影絵の蔦のように映る帯が現れた。ミリアもこたつから這い出して毛布をかぶる。
     天嶺は月の様な輝きを放つ刃を持つ薙刀、紫蘭月姫【蒼】の、蒼い組紐が巻き込まれた柄を握り、皆を守る壁となるべく麗羽が前に立った。
    「ロゥ、ルゥ、狩りの時間よ」
     瞳子がスレイヤーカードを解放。両脇に狼とも見紛う猟犬のような容姿、純白のロゥと漆黒のルゥが獲物を狙うように控える。瞳子が噴出した炎を受け取ったルゥと、ロゥが豆腐達へ突進する。
    「トフ!」
     炎の軌跡ともに一丁豆腐はいなくなり、
    「トーフー……フー」
     ボスが現れた。
    「思惑通りすでに疲れてますね! 流石、わたしですね!」
     ツインテールを揺らし、庵が駆け出す。
    「トフー……フ!」
     ヨタりながらも向かってきたボスへいち早く届いたのは麗羽の歌声。惑わされぐらつくボスを、想希の槍と天嶺の薙刀が貫き、死角から悟が切り裂いた。が、ボスも負けじと、
    「トフー!」
     智秋のいる場所に巨大鍋を出現させ、
    「はふ……なんだか、ちょうどいい温度で、ねむ……く……あ、ダメ、頑張らなきゃ、いけないの」
    「はわ、大変です、吉武さんが湯豆腐に……」
    「わたしも手伝いますよ!」
     ミリアが符を、庵が帯を智秋へ飛ばした。
    「ミリアさん、庵さん、ありが、と」
     目をこすりながら、走る智秋。
    「美味しい、美味しかったけど……ぶつかっちゃ、ダメ」
    「トフー!」
     湯豆腐にしたと思っていた智秋にふいをつかれ、炎の蹴りをまともに喰らったボス。弱体化している上、麗羽に激怒させられ攻撃も単調に一方的に戦いは進む。
    「どう料理されたい?」
     と天嶺。悟と頷き合うと、2人同時に炎を噴出。
    「この炎で焼き豆腐にしてくれる……」
     天嶺は炎を薙刀へ宿し、黒いロングジャケットの裾を翻して叩きつけた。悟の炎は夜陰乃翼が運んで天翔け、ボスを焼く。
    「焼き豆腐一丁あがりや!」
    「ふふ、焼き豆腐おいしそう。最後までおいしく頂くとしますか」
     ボスを紅のオーラたなびく想希のシューズ、天翔が斬り裂き、
    「ロゥ、ルゥ、とどめよ!」
    「トフー!」
     瞳子がルゥを走らせ、噛み付いたところを、ロゥの刀が一閃。ボスは崩れ消えた。
    「ごっそさーん」
     悟が言う。
    「おつかれさまでした……」
     さっとその後ろに隠れてミリアが言った。
    「怪我、あったら、手当する、ね」
     智秋は皆を見て回り、麗羽は戦闘で乱れたものをさっと片付ける。
    「残念。さっぱり消えてしもたな」
     言いながら悟は荷物をあけ、
    「ほな二次会しよか! 鍋続行や! 俺らの鍋はこれからや!」
     豆腐を鍋にどさっといれた。
    「いいですね」
     想希が手伝い、
    「豆腐ぱーちー再開、ですね……」
     ミリアはコタツに潜る。
    「まだ野菜もありますよ! 流石、わたしですね!」
     庵が野菜を運んできた。智秋は、
    「二次会も、楽しみ、ね」
     野菜を受け取ると、
    (「今夜は、お豆腐料理にしようかな……あげだしとかも、食べたいの」)
     兄と管理している下宿へ帰ってからのことを考える。
    「お疲れさま」
     ロゥを労う瞳子。賑わいは暫く続きそうだ。

    作者:森下映 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年12月4日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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