クリスマス2015~レッツ肉☆憎パーティ!

    作者:カンナミユ

     12月24日。
     ある者にとっては何の変哲もない一日であり、
     ある者にとっては大切な人と過ごす一日であり、
     ――ある者にとってはしっとの炎を燃やす一日である。
     
    「お前達、12月24日は暇か?」
     灼滅者達を前に、結城・相馬(超真面目なエクスブレイン・dn0179)は話を切り出したが、唐突すぎて反応が返ってこなかった。
     なので、眼鏡のブリッジをくいっとしながら言い直す。
    「お前達、今年のクリスマスこそは誰かと過ごす予定があるんだろ? ……家族とか友人以外で」
     ぐさあっ。
     何人かの心に鋭く突き刺さる音が聞こえた気がしたが、気のせいだろう多分。
     胸の辺りを押さえて呻く灼滅者を気にもせず、相馬は話を続ける。
     事の発端は相馬の後輩、三国・マコト(正義のファイター・dn0160)の一言からだった。
    「マコトが今年も皆とクリスマスを楽しみたい! って言い出してな。もし予定がないなら皆で集まってパーティーをしようと思うんだ」
     相馬の言葉に灼滅者達は去年の――あのカオスな鍋パーティーを思い出し身震いするが、どうやら今年は違うらしい。
     なんとマコトが用意したのは超巨大プレート。畳よりもはるかに大きく、成人男性が正座してもなお余裕がある鉄板を用意したのだ。
    「ま……まさか……」
    「ああ、今年は行うのは……肉の宴だ」
     ごくりと息を飲む灼滅者達を前に、エクスブレインは眼鏡のブリッジをくいっとしながら言い放つ。
     場所は武蔵坂学園の教室。今年も教室内は薄暗く、飾りつけも華やかな学園内とは対照的に暗黒感溢れた雰囲気になっている。
    「リア充への恨み、しっと、憎しみ……そう、『肉』。ありとあらゆる肉を喰らいつくそうと思って様々な肉を用意した。クリスマスを一緒に過ごす予定で埋められる恋人がいないお前達ならしっとの炎やオーラで肉を美味しく焼き上げる事ができるだろ?」
     無茶言うな。
     眼鏡を光らせ相馬が見せたリストには、牛肉に豚肉、鶏肉に羊肉、他にも桜肉や牡丹肉なども並んでいた。
     なお、焼肉だけでなくローストビーフにローストチキン、ローストポークやから揚げ、ステーキ、とんかつ、串カツ、ジンギスカン、すき焼きなど様々な肉料理が用意されている。
    「ああ、言い忘れたが、この宴は肉のみだ。野菜やご飯はない。魚肉もアウトだ」
    「「「な、なんだってー!!」」」
     程よく焼けた肉をさっとくぐらせた焼肉のタレをご飯につけ、そして肉と共に食せば口内に広がるの焼肉とご飯の絶妙なハーモニー。
     そして脂っこくなった口をさっぱりとリフレッシュさせ、新たな肉を食す為の清涼剤である野菜がないという事に灼滅者達は戦慄した。
     もちろん、焼けた肉で熱くなった口の中を優しく冷やす飲み物もない。
     あるのはただ――常温の水だけ。
    「あっさりしたものが食べたいというのならしゃぶしゃぶを食べればいいし、クリスマスだしケーキが食べたいというのなら肉を重ねてミルフィーユにでも見立てればいいじゃないか。カルビを分厚く巻けばブッシュドノエルっぽいし」
     いやぜんぜん違うだろ。
     色々と抗議したくなった灼滅者達だったが、
    「お前達、今年一年はどんな年だった?」
     真摯な表情と言葉にその言葉を飲み込んだ。
    「今年も様々なことがあったと思う。喜び、笑い、泣き、怒り……そして憎しみ。それは大なり小なり誰の心の奥底に存在し、眠らせているはずだ。それを自らが喰らい尽し、新たな気持ちで年を迎えよう。……そういう考えもあると思わないか?」
     ふと表情を和らげ相馬は灼滅者達を見渡した。
     この宴は、去年同様にぼっちやしっとの炎を燃やすシングルヘルだけではなく、食欲旺盛なチャレンジャーからお肉大好き肉食系灼滅者、そしてラブラブなリア充まで参加可能だ。
    「せっかくのクリスマス。我々は同志だ、ぼっちなどいない! 皆で楽しもうじゃないか、肉の宴を!」
     
     なお、このパーティは食べつくすまで終わりません。
     グッドラック☆


    ■リプレイ


     今日は楽しいクリスマス♪
     ツリーやキャンドルの輝きを受け、武蔵坂は華やかだ。
     ……この教室にはそんなもん今年も届きませんが。
     
    ●ようこそ、肉の宴!
    「しかし本当に肉オンリーなんだな。潔い……」
     目の前にどーんと並ぶ肉を前に、好きなだけ肉が食えると聞いてやって来た千尋はごくりと息を飲む。
     様々な肉を前に、まずは宴の基本、ステーキと焼肉から。
     気のせいだろうか。何だかプレートが熱すぎるような。
     まさか嫉妬の……?
    「嫉妬? なんのことかな……単にあたしはお肉が食べたかっただけだし?」
     焼肉をつつきまわしながらもぱくり。
     ちょっと胸焼けがしてきた気がするけど、多分まだ大丈夫。
     次に皿に取るのは比較的あっさりなローストビーフ。わさび醤油で一口。
    「次はしゃぶしゃぶあたりが狙い目かな……」
     そう言いちらりと見れば、流希が肉を煮え立つ鍋にくぐらせていた。
    「まぁ、一人で過ごすクリスマスよりは……、幾分かマシなの……でしょうか……?」
     薄暗い暗黒感漂うこの教室での宴。既に何かスタートラインから物凄い勢いで後ろに下がったような気もする流希だが、気にしたら負けだ。
     ぼこぼことやたら煮え立つしゃぶしゃぶの火力は半端なく、まるでシングルヘルの炎に当てられたかのよう。
     そんな中、せっかくだからと流希はクリスマスの定番(恋人達の為)の曲を奏で、
    「来年は、どなたかと二人で過ごせると、良いですねぇ……」
     来年こそはと決意を胸に、しゃぶしゃぶを口にした。
     
    「マコトくん遊びに来たよー」
     手書きの案内を手にやって来た真理がにこりと笑顔で作るのは、脂身が少ない肉を使ったさっぱり系の味付け料理。
    「男の子だからステーキとか好き?」
    「先輩が焼いてくれるんですか?」
     真理はマコトから味付けと焼き加減の好みを聞き、自慢の腕をふるってステーキ作り。
    「美味しそうだね」
    「相馬先輩も食べます?」
     嬉しそうに受け取るマコトを目に真理は相馬にもステーキを勧め、皆でパーティだ。
     最近は宇宙絡みのニュースが多く、宇宙の話やお気に入りの星座の話をしたり。
    「来年こそ良い年にしたいね」
     その言葉にマコトは頷き、真理から受け取った野菜ジュースを口にすると、
    「わ――――、すごい! お肉ってこんなに種類あるんだ?」
     聞えるのは目を丸くし驚く陽桜の声。
     様々な種類の肉が並ぶ光景を目の当たりにした陽桜の皿にはお肉がてんこ盛り。
     お肉だけだけど、結構食が進むって聞いた事がある。
    「マコトさんも相馬さんも一緒にたべましょう……って、マコトさん、お肉、それじゃ焦げちゃいますよ?」
     ふと見ればマコトが焼く肉は黒焦げ間近。
     慌てる陽桜はマコトや相馬のリクエストに応えて焼き上げ、自分も美味しく焼けたお肉をぱくり。
    「リア充ならぬ、りあるじゅうじゅう……で、りあじゅー? なクリスマスですね?」
     これも結構楽しいかも♪
     にこりと飲み物を手に、皆で乾杯!
     
    「ん~♪ 美味しいずよー!」
     見覚えのあるツリーを目にしながら紅華は超巨大プレートで焼き上げる肉に舌鼓を打っていた。
     羊肉や桜肉など珍しい肉は普段口にする機会が少ないので嬉しいが、自分磨きの手を抜く事はない。
    「あと550kcal……桜肉なら5皿はイケるずね」
     ちゃっかりカロリーを計算してあと5皿。
     食べ終えた様子を目にマコトはにこりと笑顔。
    「舞笠先輩のぉ~♪ ちょっとイイトコみてみたいっ♪」
    「よーし! 舞笠紅華、いっきまーっす!」
     言葉に紅華はペットボトルを手に立ち上がると、手拍子つきのコールを耳に烏龍茶を一気飲み!
    「ぷはーっ☆」
     今年も彼氏はできなかったけど、来年もいい年でありますように!
     
    ●仲良く宴!
     ぱーん! ぱぱぱん!
     暗黒感溢れた雰囲気の中、イオとレビが手にするクラッカーが鳴り響く。
    「俺も仲良い知り合いと楽しく過ごせるだけで、めっちゃ嬉しいぞっ」
    「ふふ、俺もイオちゃんと同じ同じー。大好きな皆と一緒に過ごせるだけですっごく幸せだよ!」
     というか寂しいなら友達とでもいちゃいちゃしちゃえば良いじゃん☆
     にっと笑うイオの口元にレビはお肉を差し出し、
    「イオちゃん、あーん♪」
    「って……ちょ、レビ! また子ども扱いして!」
     子供扱いにちょっぴり不機嫌イオだが、くすくす笑って否定するレビの言葉に渋々ぱくり。もぐもぐ。
    「あっ……食べてくれた! じゃあさ、イオちゃんもやって? ほらほら~」
    「は!? この上俺にもやれって!?」
     抗議の声を上げるイオだが、自分を見つめるレビの瞳はわくわく期待に満ちており。
    「う、そんな目で見られると……あーもう! 仕方ねぇな……ほらっ」
     若干照れつつも言う通りお肉をレビの口元へ。
    「ふふり、照れながらも結局乗ってくれるイオちゃん大好き!」
     嬉しそうに食べるレビはマコトにもあーんと食べさせ、イオもちょっぴりコイバナをしたり。
    「肉も美味いけど、甘いもんも食べたいし二次会はケーキ食べまくろうぜっ! マコト達も来るか?」
    「甘味は別腹別腹~♪」
     頷くマコトと相馬を前に嬉しそうに話す二人の宴はまだまだこれからだ。
     
    「こういうクリスマスの過ごし方も面白いな。たくさん食べて元気になれそうだ」
     友衛は様々な種類の肉を前にどうやって食べようか悩んでしまうが、夜野の答えは単純かつ明快だった。
    「う? ぼっち なに です? やけている おにくを たべること。それいじょうに だいじなこと あるです?」
     意味が分からぬ単語は気にもせず、熱されたプレートに夜野は沢山の肉を並べていく。
     どれも新鮮で美味しそうなそれらはじゅうじゅうと美味しそうな音を響かせ焼き上がり、友衛は皆がどうやって食べているのかを聞いて参考にしたり、焼肉を口にしたり。
    「それにしても尾守は本当に食べるのが好きだな。とても美味しそうに食べているのを見ていると、こっちも幸せな気持ちになってくる気がする」
     塩胡椒で味付けした肉を主食に、タレをつけて焼いた肉を幸せそうに食べる夜野を目に友衛はこくりと水を一口飲んで心行くまで肉を食べれば、最後に待っているのはデザートだ。
    「オレ しってる です。 クリスマスのデザートは これだって」
     キラキラ輝く眼差しの先にあるのは、七面鳥の丸焼き。
     しかも丸々1羽分が1人前という豪快さ。もちろんおかわり自由である。
    「丸焼きを食べるのは私も初めてだな。さあ、満足いくまで食べようか」
     友衛の言葉に夜野は頷き、幸せそうに頬張った。
     
    ●おいしく宴!
    「……こんなにたくさんのお肉を食べるなんて、そんなにないわよね……」
    「食べつくすまで終わらないお肉の宴……! ふふん、受けて立つんだ、よ!」
     特盛りの肉を目するクレイを前に、リアとましろは言葉を交わす。
    「肉好きの俺にピッタリお誂え向けとはこのことだ。今日は目一杯食うぞー!」
     そう言いシグマも肉をプレートへ。
    「ぎゅーたん! ぎゅーたん! タン塩ネギ盛りにんにく増々レモン汁で決まりだろ! ふがあぁぁ……目の前一杯牛タンで埋め尽くす幸せ……ひとつひとつ味わって喰わねば……って焦げる焦げる!」
     はしゃぐ心の声はだだもれで。
     じっと見つめるクレイの視線にシグマははっとなり、
    「……く、クリスマスサービスってことで……」
     そういう事にしておこう。
    「誰かもうおなかいっぱいで食べれない、ってなったら部長を頼っていいからな☆」
     肉だけの宴という強敵相手だが、クラブの部長として部員達に情けない姿を見せるわけにはいかない!
     そんな訳でちょっとかっこよくクレイが言ってみれば、リアは用意された全ての種類の肉を味わっていた。
     以外に食べられるなあと、思いつつカルビや牛タン、豚の生姜焼きや鳥の炭火焼をもぐもぐ。
     そしてちっちゃいけれど胃袋はでっかいましろは焼肉じゅーじゅータイム☆
     あげたてほかほかの唐揚げや串カツ、甘辛いすきやきに、さっぱりしゃぶしゃぶ。
    「んふふ、こんなにたくさん食べたら、しあわせいっぱいでお腹破裂しちゃいそ……」
     幸せなましろだが、お腹ではなくスカートのホックがぷちんと外れた。
    「……むむむ、クレイくんにお任せしてわたしは少し休憩しよう、かな」
     バトンタッチでクレイの目前に立ち塞がるのはケーキのミルフィーユに見立てた肉塊。
    「まぁこういうの食えるのも滅多にないし……」
     うめぇうめぇともりもり食いつつ取り出すのはこの宴で唯一持参を許された飲み物。
    「誰か野菜ジュース飲みたい人いるかー?」
    「待てよ、焼き肉ったら黒烏龍で決まりだろ」
    「シグマくん、黒烏龍茶ちょーだーい」
     クレイの野菜ジュースの対抗馬にシグマは持参したペットボトルを取り出し、リアもまた飲み物提供。
    「マテ茶と……あと甘いカフェオレも持ってきちゃったわ……」
     みんなの飲み物を飲めば、口の中もリフレッシュ。
     そうしてメンバー皆で食べ尽くし、
    「……やっぱり最後はデザートかしら……?」
    「女の子はデザートは別腹だもんね」
     そう言うリアとましろの視線の先にあるものは、デザート――お肉でお肉を巻いた、カルビのブッシュドノエル。
     お肉を美味しく食べた仲間達は、お肉のデザートも美味しく食べたのでしたとさ。
     

    ●きらめく宴!
    「魔法陣とこの照明、肉不味そうにならねーの? コンセプトおかしくね」
     暗黒感漂う室内を目に供助が言えば、多岐も似たような事を思っていたようだ。
    「にしても何だここは。飯不味くなるようなシチュエーションにしてんじゃねーよ……」
     これはもう主催者のセンスのなさを呪うしかない。
    「どっちかってと野菜派なんだよな~」
     そう言う民子だが、肉だけ目一杯食べられる機会もそうないし、折角なんで色んな肉を肉する宴に突入である。
    「メリークリスマス。プレゼントじゃなく、ジンジャーエールと烏龍は持ってきたぞー」
     供助は用意した飲み物を並べ、民子もまた本気の闘いに用意したジャスミンティーを取り出すと、クリスマスだと思い出した多岐は悔いが残らぬよう一年分の肉を食す気持ちで肉を焼く。
     とりあえず牛。ハラミを黙々と、そして粛々と焼き、食す。
     そしてそれを狙う手が現れようなら容赦なく払い落とす中、佐井は箸を握り肉とにらめっこ。
    「リア充じゃないモン同士、くっついちゃえばいいじゃなーい!」
     なんて初めは女子学生をきょろきょろと観察していたのだが、気付けば一人正座して薄暗い中もうもうと立ち込める肉の煙に燻されながら至極真面目な表情で肉を狙っている。
     そんな中、供助は何を食べるか迷いつつ唐揚げに手を伸ばし、それからクリスマスっぽいしとローストビーフも頬張ると。焼肉はタン好きだから後で食べようと思いつつ、仲間達へと視線を向ける。
    「高岳は何食ってんの? メインは焼肉か。さわたみさんと多岐さんは……って、肉しかねえけど、何肉派?」
    「あたしはねー、薄い肉が好きー」
     供助に民子は応え、片っ端からしゃぶしゃぶに。
     牛豚鶏と、ラムと順に味わう民子だが、ここに水菜があればな……と思ったり。
     だが残念な事にここには水菜も米もない。肉が織り成す肉の宴。
     色々なタレや調味料をで味を変えて味わうが、生肉はないのだろうか。
    「肉、肉だ、燃えろ、燃えろ……」
     嫉妬の炎、という訳ではないが、血眼になって肉を見つめる佐井は常温の水を手ににらめっこ。
    「……なんか切ないからアーンってしてやる! よし並べ! さぁ……どの肉がいい……?」
    「じゃあ豚でお願いします!」
     民子の声に供助は嬉しそうに言い、
    「あー……これ終わったらファミレスでサラダバーでもするか……」
    「あ、サラダバー奢りな」
     多岐の提案に民子はにっと言いながら豚肉を運べば、供助は会場に佇む存在感のないツリーを見上げていた。
    「きらめくだけがクリスマスじゃねえって、多分!」
     こういうクリスマスもアリ? ……多分!
     
    ●ズッ友!
    「肉だけのパーティーって……夢だったけど実際やったら後悔するやつだろこれ!」
    「すごい! 肉しかない!」
     ずどーんと盛られた肉を前に、言いながら貫はらいもんが食べやすいよう肉を運び、漣香は肉を焼きはじめた。
     焼肉、しゃぶしゃぶ、ローストチキンにローストポーク。
    「やっぱりお肉って最強だね!」
     肉祭りに突入した千巻はしゃぶしゃぶをゴマダレで味わっている。
    「あ、ちろるさん冷やした飲み物持ってきたけど要る? ジュースもお茶もあるよ」
    「あ、漣香くん、アタシお茶で んふふ、お茶は後輩くんが注いでくれるし、お肉はおいしいし、良い催しもあったもんだ!」
    「つーかマジで肉ばっかか。アサはテンションあがりすぎじゃねーの」
     受け取るお茶をこくんと飲み干す千巻を目に銀は言い、普段食べないようなステーキやジンギスカンへを焼き始めた。
     そして話題は宴に連れてこなかった銀の恋人に。
    「……笑顔がきらきらしてんだよ」
     そんな言葉からはじまる自慢話は延々と話しそうなほど長く、合間に『俺のだから』『やらねーから』が挟まれる愛しい人への独占欲。
     恋バナを聞きながら漣香はもぐもぐと焼肉を食べ、らいもんも肉を食べる中、
    「何故だろう、程ほどに食ってるはずなのにギン先輩の話を聞いてると物凄い腹いっぱいって感じだ。淡々としてるようで何だこのノロケの嵐。この人本当にギン先輩!?」
     貫は色々な意味で胃がもたれていた。
     城や朝山はギン先輩に対抗できるような良い人自慢とかないのか!? とかなんとか思う貫だが、
    「ごめーん。手が滑ったぁ」
     棒読みの千巻が銀の肉を奪っていた。
     嫉妬? いやいや、全然してないよ?
    「ね、漣香くん」
     にっこりいい笑顔。
    「ガード下は仲良しだょ☆」
    「ガード下はズッ友だょ」
     千巻と漣香はにこりとサムズアップし、ちらりと見れば貫が『ローストチキンとローストポークを重ねてローストビーフで巻いたもの』を作っていた。
    「ってかとーるくんのそれ、すごいくどそうなんだけど!」
    「トールさんの肉巻きなにそれやばくない?」
    「トールそのよく解んねー肉の塊よこせ」
     脇腹をトングの後ろで突かれた貫だが、それを仲間達に食べるかと勧め、
    「成長期のオレでも流石にこれは胃がもたれ……美味しい!」
     漣香の目が輝いた。
     4人は肉の宴を堪能していたが、まだ終わる気配がない。
    「いやー食べた……えっ完食しないと帰れない? ギンさんもうちょっと食べなよこのままじゃ帰れないよ」
    「いや俺も食おうとはしてるだろ漣香! 横から掠め取られるだけで!」
    「ごめーん。また手が滑ったぁ」
    「俺特製まだ食べるか?」
     4人仲良し肉祭り!
    「結局憎の方じゃねーかお前ら……くっそ」
     銀は最後の肉を口に放り込んだ。
     

     ……と、まあこんな感じで肉は食べきり、肉の宴はお開きに。
     それでは皆さん、今年もメリークリスマス☆
     リア充爆発しろ。

    作者:カンナミユ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年12月24日
    難度:簡単
    参加:21人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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