勝手にお餅(つきたて)が飛んでくる?!

    作者:森下映

    「皆さん、今日は集まってくれてありがとうございます」
     度は入っていない眼鏡の向こう、金の瞳を少し細めて若宮・想希(希望を想う・d01722)が言った。
    「昨年末から調査を続けていたのですが、一般の方には危険きわまりない上、少々季節外れな都市伝説が出現していることがわかりました」 
     正月にはよく餅つきが行われ、おしるこや雑煮がふるまわれる河川敷の一角。今年もたくさんのこどもたちが集まり、そして『餅が勝手に口に飛び込んでくる』なんて噂がさんざん囁かれたらしい。その噂が餅つきが行われない時期になっても残り、
    「都市伝説化してしまったようですね。あまり命中率が良くないようで、ほとんどの被害者の方は『顔につきたてらしい餅がぶつかってきたので逃げた』そうです。喉につまらせてしまったというような事態は今のところ耳にしていませんが、早めに対処はすべきかと」
     現在わかっている被害者からの情報は、『河川敷の一角にしばらくたむろしていると、餅が飛んできた』『一瞬手足が見えたような気がするが、ぶつかった後の餅は普通の餅だった』『『モチチ』『モチ』などという囁き声が聞こえたきもする』。
    「一般の方は攻撃力の高い都市伝説には遭遇していないようなので、サイキック攻撃をしかけることが、都市伝説本体出現の鍵になっている可能性が高いと思います」
     飛んでくる餅にはぶつかってもダメージはないか、大したダメージを受けないと考えられるが、
    「迷惑に思う方は多いでしょうし、万が一喉を詰まらせる人が出ないとも限りません。今回しっかり灼滅してしまいましょう。それから、」
     たぶんこの餅、捕まえれば食べられますよね? 
     最後に想希はそう言って、もう1度にっこりと微笑んだ。


    参加者
    東当・悟(の身長はプラス七センチ・d00662)
    七瀬・遊(烈火戦刃・d00822)
    若宮・想希(希望を想う・d01722)
    ミリア・シェルテッド(キジトラ猫・d01735)
    彩瑠・さくらえ(三日月桜・d02131)
    桜川・るりか(虹追い・d02990)
    九十九坂・枢(飴色逆光ノスタルジィ・d12597)
    見崎・遊太郎(ひるかくろふ・d25602)

    ■リプレイ


    「俺の好物がこんな形で来よるとは」
     大八車をひきつつ東当・悟(の身長はプラス七センチ・d00662)。
    「想希でかしたで!」
    「悟と食べたかったから……調査した甲斐ありました」
     照れつつも満足気な若宮・想希(希望を想う・d01722)。ペアリングがお互いの指で光り、揃いの黒のクロノグラフは悟の瞳のように時折藍を滲ませる。
    「って俺まで大八車……」
    「流石だね、東当さんってばおっとこまえー♪」
     こちらは和服姿の彩瑠・さくらえ(三日月桜・d02131)、
    「なーんて、自分もちゃっかりのっちゃってますが♪」
    「素敵な都市伝説発見してくれて若宮さん有難う! 本当に有難う!」
     九十九坂・枢(飴色逆光ノスタルジィ・d12597)に、
    「おもち食べ放題、ひゃっほう!」
     桜川・るりか(虹追い・d02990)。ひゃっほう!
    「勝手に飛んでくるなら仕方ないよなー」
     と、七瀬・遊(烈火戦刃・d00822)。
    「思う存分お餅(つきたて)を堪能しようぜ☆」
    「よーし、食べまくるぞーーっ」
     るりか、拳ぐぐっ。と、
    「……お餅ぱーちー、です……」
     何やらできてない英語発音。ミリア・シェルテッド(キジトラ猫・d01735)は視線を荷物で遮るべく隙間に入り込んでいる。
    「ふふ、タダで餅が飛んでくるだなんて神社の餅まきを思い出すね」
     茶色の瞳を細めて見崎・遊太郎(ひるかくろふ・d25602)が言った。赤い襟巻きには恋人の『狼のお嬢さん』から貰った三連の星を模ったブローチ、煌之連が繊細に光る。
    「もっともあれは焼く前の固い餅なわけで……詰まらせる人が出る前になんとかしないとだね」
    「うんうん。お餅三昧したら灼滅しないと。てか、すごいねすごいね、皆準備いい!」
     さくらえが言う。枢はモチものを取り出しながら、
    「どっさり詰めこませてもろたよー! 砂糖醤油、醤油、出汁海苔に、チーズ♪ あとお皿もお箸もそれからそれから……♪」
     ウキウキと詰めてきた様子が目に浮かぶ。
    「ボクも色々揃えてきたよー!」
     るりかも、ぶい。さくらえも自分の持参物を並べ、
    「お餅トッピングってざっと並べてもこんなにあるとは。すごい楽しみだー♪」
     遊はキャッチ用に箸を準備。と、何やら顔面に粉をつけている女子が。
    「るりか、何してんだ?」
    「うん、顔面キャッチはもったいない! から避けるつもりだけど、もし当たってもお餅がベタつかないようにしとくんだー」
    「おー、なるほど!」
     素直に感心する遊。と、自分も桃香からのプレゼントに餅がついては大変と、La Roue de Fortuneを襟の中へしまい直した。
    「さ! どっからでも来いや!」
     食う気満々の悟、またも皆をのせた大八車を軽々とひき、いざモチチ探し。
    「あとで私も曳くー!」
     と言った枢、何を隠そう、
    「私……もの運ぶ手段これ以外思い浮かばへんくらい大八車が好きなんや……」
    「頭の中大八車一択だったって言ってたもんね。っとと!」
     餅がとんできた。さくらえ、取りこぼしそうになりながらも、
    「あっぶない、ギリギリセーフ!」
    「モチ」
    「モチチ」
    「モチチ……かわいすぎやろ」 
     く、となる悟。
    「よしっ!」
     遊は飛んできた餅をはしっ! カッコイイ。枢は箸とお椀を顔の前にかざしてモチかまえいや待ち構え、るりかも、
    「ちょっと腰を落として……と」
    「モチ!」
    「ボクが美味しく食べてあげるからね!」
     見事キャッチ。想希もお皿で受け止め、遊太郎も、
    「とれた! ……ってこう可愛く鳴かれるとやりにくいね」
    「モチ」
    「!」
     遊太郎、次の餅も受け止めるが、
    「今、目が合った気がする……さすがに気のせいかな」
    「モチチチ」
    「悟!」
     想希が悟を狙うモチに気づいた。
    「よっしゃ、来い!」
    「モチー!」
     悟の顔にモチビターン! が早いか餅はちゅるーんと口に吸い込まれ、悟、黄な粉を後吸い。
    「ふう……灼滅者やなかったら危なかったで!」
     額についた餅を拭う。
    「はわ、間に合いました……」
     悟の顔面ヒットとさくらえのなんて恐ろしい子なのって顔を無事にカメラに収めたミリア。にも、
    「モチ」
    「えと、鍋……はわ、カメラ……」
    「ミリア、カメラパスだっ!」
    「ミリアさん鍋だよっ!」
     カメラは遊の手に、るりかが渡した中華鍋でミリアもセーフ。
    「七瀬さん、桜川さん、ありがとうございま……ありがとうモチチ……」
     なんか言い直したミリア、鍋の中で餅を転がしきな粉をまぶす。
    「ちょっと罪悪感あるね」
     とった餅をみながら、モチを思い出して遊太郎が苦笑した。
    「んーやっぱり崩れちゃったのあるなあ」
    「よかったら煮込む用にもらうで」
     るりかに悟が言う。
    「じゃあこれはこっちに……」
     餅を分けるるりか。悟はるりかの用意したあずき、焼き海苔、醤油、砂糖、出汁のラインナップに目を止め、
    「さっすがるりかん品揃え豊富やな。貰ってえぇか」
    「もちろん!」
    「おおきに」
     そして、
    「モチモチモチチ♪」
    「枢先輩、ひいてもろてええか?」
    「モチ!」
     枢に頼み、悟はこうじゅうたんを手に車に乗り込む。
    「イチモッチ、ニモッチ、サンモッチ!」
     枢、意気揚々。
    「ふふふ。1人でもひけちゃいそうだけど、手伝いますね」
     面倒見のいい遊太郎。悟は飛んできた餅をこうじゅうたんで次々受け止め、黄な粉をまぶしていく。
    「もどりまモチ! あ、手が」
     車をひいて汚れたらしい手を見る枢の前に、さっと差し出されるウエットティッシュ。
    「どうぞ?」
     遊太郎、紳士。
    「ほな、食おか!」
     悟が言った。
     枢、手をふくと早速、
    「チーズいれて海苔で巻いて醤油つけて……お礼に見崎さんもどう?」
    「わ、いただくね」
    「ワタシはチョコとココア持ってきたよ」
     と、さくらえ。
    「溶かしてフォンデュもいいし、板チョコを一欠片お餅にくるんで食べてもおいしいんだよー。あとゴマもよかったら!」
    「チョコ!」
     甘党のるりかがとんできて、
    「チョコ……」
     ミリアも釣られて荷物の影から顔を出した。るりかは早速チョコをくるみ、ミリア用は悟が取り分け。
    「オレは大根おろしと醤油で!」
     遊が言うと、
    「おろし大根もいいよねぇ」
     枢、香りにうっとり。想希は、
    「まずは粒餡で……いただきます」
     パクリ。
    「ん、おいしい。やっぱりつきたて最高です」
    「うめー!」
     遊が言い、
    「はー、つきたてモチモチ♪ それにチョコ美味しい!」
     るりかも言う。
    「じゃ、俺も次はチョコで。なんつったって育ち盛りの男子大学生、もりもり食うぜ!」
     遊はさくらえからチョコを受け取りながら、
    「あ、でも女子はあんまり食べ過ぎると太……っ、いや、なんでもないデス……か、枢、大根おろしいるか?」
    「いるー!」
    「ワタシもいただきまーす♪」
     さくらえも言う。
    「悟のきな粉もおいしそうですね」 
     想希が言うと、悟、
    「想希、あーん!」
     想希、嬉しそうにぱくり、
    「ふふ、きな粉最高です」
    「皆にもあーん! や!」
     悟は餅を千切り、器ごと皆に差し出した。
    「きなこもすごい好きー!」
     大根おろしにからめながらこちらもつまんでほくほくの枢。さくらえも受け取り、
    「ありがとう。東当さんもよかったらチョコどうぞー」
    「おおきに! きな粉チョコにするで〜」
     と、悟はきな粉餅にココアとチョコをかけ、
    「パフェみたいや! 和洋のハーモニーサイコーや!」
     喜ぶ悟の向こう側で、何やらまたまぶそうとしているミリアを見つけた想希、そっと近づき、
    「ミリアさん、普通の餡ありますよ」
    「はわ、あ、ありがとうございま……ま……モチ……」
    「それから折角季節ですし、ずんだ餡作ったんです。皆さん味見しませんか?」
    「ずんだ餡おいしそう」
     遊太郎が早速ひょいっとつまんで口にいれ、
    「……おいしい」
    「流石遊太郎先輩えぇとこ知っとるで。ずんずんずんずんずんだこ♪ えぇなー」
    「はい、あーん」
     悟には想希が差し出し、
    「あーん」
     ぱく。
    「もっちもっちうま!」
    「私も味見したいー!」
     枢、餅あるところへ縦横無尽神出鬼没。
    「色もきれいだねー」
    「ずんだもうまいよなあ」
     さくらえと遊。ずんだを食べる皆を見て嬉しい想希。【unalterable days】で楽しそうな様子を撮影する。
    「こっちも焼けるよー」 
     るりかが言った。るりかにもずんだ餅を持っていきながら、想希は交換に焼き餅を貰い、
    「ん、香ばしい。磯部もいいですね」
    「醤油と砂糖もジャスティスだぜ!」
    「砂糖醤油もいいよね〜モチモチ♪」
     遊と枢は砂糖醤油にからめ、悟も、
    「俺も砂糖醤油! 甘辛ギャップたまらん。焦げ目もえぇ塩梅やー流石やで」
    「あ、俺も砂糖醤油もらっていいですか?」
     想希も言い、
    「甘いのとしょっぱいの交互だと沢山食べれますね」
    「さ、こっちも練るで〜」
     悟はチーズと餅を煮込んでフォンデュの準備。
    「練れば寝るほど色が変わって〜♪ いや変わってへんな……とにかく餅ふぉんでゅー!」
    「すごい」
     想希が感心。るりかもやってきて、
    「わー、お餅ってなんとでも相性いいよね。優秀!」
    「んじゃみんなが餅ふぉんでゅーしてる間に」
     遊は鍋と油を火にかけ、
    「オレはサクっと揚げ餅するか」
    「遊さん、さすがですね」
    「ふらいやー先輩やからな!」
     フラインドファイアなる新技まであるとかないとか。
    「ほれ、揚げ立てアツアツをプレゼントだ!」
     遊は箸でつまむと超裏声で、
    「遊太郎くん、あーんしてっ♪」
     約束通り。遊太郎は笑顔でぱくり。
    「おいし……あふい」
     はふはふの遊太郎、
    「先輩、次はふーふーを要求します」
    (「はっ、浮気現場……」)
     誤解の濡れ衣にもとづき這い出すミリア。遊がふーふー、遊太郎にあーん、
     パシャ。
    「……あ」
     ミリアのカメラに捉えられたのは写り込みガードの悟。
    「カメラが俺を呼ぶで! っと遊先輩その揚げ餅貰ってえぇか」
    「いいわよっ」
     ヤケの裏声が返ってきた。
    「うーまい! 餅三昧で贅沢やー皆も摘みや……ん?」
     見れば想希が悟の服をくいくい。
    「俺も合わせたいです……」
    「よっしゃ。行くで遊先輩」
    「悟もふーふーするのよっ!」
    「せーの」
    「「あーん♪」」
    「……ばっちり撮れました……あ」
    「どうしたんや」
     今度は真っ赤になって湯気が出ている焼きモチチが写り込んでいた。
    「きっと想希先輩と悟が熱々だからだね」
     遊太郎は2人のほうをちらりと見ると、遊に、
    「ふふ、彼女さんじゃなくてごめんね?」
    「そそそそんなことなくってよ! じゃなくて、ないぜ!」
     からかい甲斐もある男、遊。何より大事な彼女とはまたの機会に。
    「こちらもいい具合ですよ。善哉食べる人?」
     想希が言った。
    「善哉ほっすい!」
     悟に続き皆の手がだだっと挙がる。荷物の影からもちらっ。想希は小豆汁を椀によそって、
    「モチ?」
     ときたところを直接キャッチ。皆に渡していく。と、
    「そうだ、さくら。珈琲善哉なんてどうです?」
    「珈琲ぜんざいもあるの?!」
     先日珈琲解禁になったさくらえ、目をきらっきら。
    「さくらえ先輩だけ特製なんか。俺も〜!」
     という悟に、想希は餅を2個キャッチした善哉を渡し、
    「勿論……特別ですよ」
     あーん、ぱく。と想希、
    「……さくらも……します?」
    「え……って、え?!」
     思わず餅と想希を交互に見ながら、あわあわするさくらえ。
    「またあーん発生!? これは激写案件!」
     と言いながらも枢、手は餅から離さない。
    「ぼ、僕はいいから?!」
     しかし近づく餅に断れず、さくらえ口を開ける。が、
    「想希の餅は俺のもんや!」
     と悟、横餅ぱっくん、もぐもぐどやぁ。
    「ん、ごめん悟」
     想希、苦笑い。あらためて悟の分を差し出した。
    「流石東当さん、侮れない子……っ」
     言いつつ、さくらえは内心安堵。
    「てか想希は僕からかって遊ばないー」
     赤面しながらむぅむぅとふくれるさくらえに、想希が普通に出し直す。さくらえは、
    「東当さん、なんなら半分どーよ? 味見する?」
    「えぇんか? ひと口貰うで」
    「珈琲ぜんざい分けっこだと……?」
     枢の眼光がギラリ。
    「私も食べたい!」
    「作りますよ、まだ材料ありますから。それに、」
    「モチ、モチチ」
    「お餅もまだまだ」
     モチをみながら、想希が微笑んだ。
     

    「お腹も餅みたいに膨れたし、そろそろいきますか!」
     遊が言った。が、
    「モチチ」
    「うっ。こ、心が揺らぐけど喉に詰まったら危ないし」
    「俺の家の隣に発生してくれてたら……生まれた所が悪かったな。残念やで」
    「本当に……モチチ」
     悟に想希頷き、
    「とてもおいしい餅でした。でもいきなりつきたての餅が飛んで来たら危ないと思うんです」
     断腸の面持ちで眼鏡を外す。
    「モチチ美味しすぎて可愛すぎてだったけど」
     さくらえも封印を解除。妙音天影の変化した蛇が足元に現れた。
    「ここは感謝も込めてきっちり、だね」
    「勿体ないけど仕方ないなあ」
     【 division by zero 】のスーツ姿で枢が言い、遊太郎も赤い襟巻きはそのままに忍者装束で備える。と、毛布ポジション準備完了のミリア、
    「……お餅を飛ばしてくる都市伝説ってどんな感じでしょう?」
     ピッチングマシーンのようなものを思い浮かべている模様。
    「……都市伝説じゃなくてアンカブルです?」
     イメージがピッチャー的なアンブレイカブルになったようだ。
    「本当惜しいけど、やっぱり退治はしないといけないし」
     七不思議達を従えて、るりかがバベルブレイカーを駆動。
    「モチチ」
    「モチ」
    「うーん鳴き声可愛いねv ……って事で!」
     一切容赦なしのダイナミックな一撃! 途端小さなモチは消え去り、
    「モーーーチーーー」
    「はわ……野球選手じゃなくて相撲取りです……?」
     ミリアが言う。低音、ふてふてぶしい、でかい。が、散々食べたおかげか弱い。ピンチといえば悟がもちとり粉できゅっとなったくらい。それも想希が愛とオーラで浄化して、最後は、
    「美味しいお餅への感謝の気持ちを、熱く燃やしてキメるぜ!」
     との遊の言葉通り、皆で一斉に炎で攻撃、ボスはこんがり焼きモチになって消滅した。
    「ご馳走さまでした!」
     遊が言い、るりかは、
    「お餅飛んで来てくれてありがとう。いいオヤツタイムだったよ」
     しゅびっと敬礼。
    「大変美味しゅうございました。ご馳走さまでした」
     深々と一礼する枢に、
    「ごっとさーん」
     悟も合掌。
    「ごちそうさまでした――いや、ごちそうさモチチ」
     遊太郎が言い、
    「ご馳走様でした……ありがとう」
     想希は眼鏡をかけ直す。そして後片付けのち、
    「この都市伝説がこの類の最後のものとは思われへん……」
     大八車の取っ手を握り、遠くを見る枢。
    「ひとの食欲ある限り、これからも無数の都市伝説が……うん、絶対に」
    「なんか腹減ったな。帰って餅つきしよか」
     悟が言う。それを聞いたるりか、
    「実はアイテムポケットにいっぱい入れておいてみたんだ」
    「ほんまか! でかしたでるりかん!」
    「おいしさ分けられますね」
     悟も皆も自分をも。幸せにしたいと願う想希らしい言葉だった。

    作者:森下映 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年6月9日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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