ロードローラーと轍の駐車場

    作者:相原あきと

     そこは地方では有名な方の観光名所……の駐車場だった。
     砂利で作られたその駐車場は、わだちだらけでとても平坦とは言い難い。有名な施設とはいえ、砂利の駐車場を整備できるほど潤沢に儲けられてはいないのだ。
    「更地なる平面を目指し、舗装をかけまくろうか!」
     キメッ! とロードローラーについた顔が虚空にドヤ顔を向ける。
     そう、わだちだらけの駐車場は今、深夜にやってきた謎のロードローラーによって少しずつ整地されていっていた。
     そして朝日が昇る頃……そこには綺麗な駐車場へ埋まれ変わっていた。
     出社してきた観光名所の職員たちは誰もが喜び合い。誰がやったのかと犯人(?)探しが始まるのだった……。

    「みんな、六六六人衆の『???(トリプルクエスチョン)』が動いたのは知ってる?」
     教室の集まった皆を見回してエクスブレインの鈴懸・珠希(中学生エクスブレイン・dn0064)が言う。
     ターゲットとなったのは特異な才能をもつ灼滅者『外法院ウツロギ』。
     彼を闇堕ちさせ『分裂』という稀有な特性を持つ六六六人衆を生みだしたと言うのだ。
     その六六六人衆こそ序列二八八位『ロードローラー』だ。
     元々二八八位は同じ分裂の特性を持つクリスマス爆発男の序列だったが、クリスマス爆発男が灼滅され空席になっていた所をロードローラーが埋めたという事だろう。
     ロードローラーは分裂により日本各地に散り、次々に事件を起こしているという。
    「もうこの説明も5回目ね……いい加減にして欲しいわ」
     はふ、と珠希が溜息を付く。
    「えっと、今回みなに向かって貰いたいのはとある地方の観光名所……の駐車場なの」
     珠希が地図を指差し教えてくれる。
    「そこでは灰色のロードローラーがわだちだらけの駐車場を整地しているの……それ以外の目的? 無いわ。時間は夜なんだけど、朝方には整地し終わって去って行くみたい」
     珠希の説明によれば、灰色のロードローラーは夜のうちに駐車場を整地して朝日が昇る前には完了しそのまま去って行くと言う。一般人の被害はゼロ、どっちかって言うと良い仕事しておしまい、だ。
    「みなが到着するのは深夜2時ごろかな? まぁ朝まで時間もあるし一般人も来ないみたいだから遠慮なく灼滅しちゃって!」
     一般人の対策も必要無いし、制限時間等も無い。純粋に行けば敵がいて、そのまま戦えば良いという依頼だと珠希は言う。
    「このロードローラー、今まで視たのとはちょっと違うのかな? 邪魔をしなければ襲ってこないみたいなの。もっとも、整地し終わって去って行く際に灼滅者がついて来るようなら『イラッ』として攻撃してくるみたいだけど……」
     ロードローラーと戦闘になった場合、敵は攻撃優先の戦い方をしてくると言う。しかも、かなり効率良く戦ってくる……つまり、落せそうな人から落とす、とか。なるべく被害を大きくして……とか。
     戦闘能力を話し終わった珠希だったが、頭を捻りながら最後に言う。
    「さっきも言った通り、ちょっと毛色が違う気がするけど……戦闘力は高いから油断しないで向って欲しいの。よろしくね」


    参加者
    加藤・蝶胡蘭(ラヴファイター・d00151)
    風間・薫(似て非なる愚沌・d01068)
    若生・めぐみ(歌って踊れるコスプレアイドル・d01426)
    リリシス・ディアブレリス(メイガス・d02323)
    有栖川・へる(歪みの国のアリス・d02923)
    斎賀・芥(漆黒の暗殺者・d10320)
    久瀬・隼人(反英雄・d19457)
    七塚・詞水(ななしのうた・d20864)

    ■リプレイ


     上機嫌に砂利の駐車場を均し続ける灰色のロードローラー。
     それを駐車場脇の草蔭から監視するのは、8人の少年少女だった。
    「まあ、何があるかわからないし。強いみたいだから気を引き締めて……って、本当に灼滅する必要あるのかな、アレ……」
     草蔭でそうボヤくのは加藤・蝶胡蘭(ラヴファイター・d00151)。ロードローラーを眺めつつポリポリと頬をかく。
    「職員さん達が喜ぶ『良いこと』をしていますし、灼滅するのは少し申し訳ないですよね……もしかして人間と共存したいのでしょうか?」
     蝶胡蘭の言葉に同意するのは七塚・詞水(ななしのうた・d20864)だ。
     「でも六六六だし」と首を横に振る仲間達。
    「じゃあ、地面の凹凸を殺すのが目的の六六六人衆で……」
     うまい。
     が、詞水も、違いますよね、と自分の考えを否定する。
    「善行を行うロードローラー……今はそれで良くとも根は666人衆だ。いつ悪行に走るかわからない……」
     全身黒い出で立ちで闇に半分同化している斎賀・芥(漆黒の暗殺者・d10320)が。
    「だが、分裂すると内面も分裂するのだろうか……それぞれバラバラの活動をしている理屈があわん」
    「おもしろい考察だけど、それだとどれだけ餃子怪人が憎かったのよ」
    「………………」
     芥がリリシス・ディアブレリス(メイガス・d02323)の言葉に黙る。全くその通りだ。
    「とりあえず」
     ナノナノのらぶりんを構いつつ若生・めぐみ(歌って踊れるコスプレアイドル・d01426)が。
    「やってる事は皆の役に立つ事なので、作業が終わるまで待ってましょう」
     誰もがコクリと頷き。
    「じゃあ、俺は寝るぜ?」
     ただ1人、ゴロンと転がりながら言うは久瀬・隼人(反英雄・d19457)だ。
    「いいの? 何か予想外の事をやるかもよ?」
     悪戯っぽく有栖川・へる(歪みの国のアリス・d02923)が言う。
    「ハッ、興味ねェな。始まりそうになったら起こしてくれや」
     眠り出す隼人にへるが小首を傾げつつ両の掌を上げてジェスチャー。
     そして……特別な事が起きずに淡々と数時間が過ぎた。
     蝶胡蘭たちの持ち込んだ明かりで本を読んでいた風間・薫(似て非なる愚沌・d01068)がパタリと本を閉じ、足下で丸まっていた霊犬の小春がピクリと立ち上がる。
     いつの間にか隼人も目覚め、灼滅者たちの空気が変わっていた。
     灰色のロードローラーが整地を終わらせ、上機嫌に帰ろうとしていたのだ。


    「おはようございます」
    「お仕事お疲れさま、精が出るな」
     突如目の前に割って入ってきた少年がぺこりと頭を下げ、横の少女が手上げつつ、そろって挨拶をしてきた。
     ロードローラーの前面についた顔が「?」と真横に傾げるが。
    「あの駐車場がこんなに綺麗に、凄いです」
     素直に言葉を続ける詞水に。
    「まーねー!」
     と上機嫌となるロードローラー。
    「ここは終わりましたけど、今から何処に戻るんですか?」
    「もちろん! 更地なる平面を目指すのさ!」
     ドヤ顔だ。
     思わず言葉に詰まる詞水、だが小学2年生の男の子は負けなかった。
    「え、えっと……一人でお仕事していて寂しくはないですか?」
     それは各地で頻発するロードローラーの事件、そこを突いた質問だった。そしてロードローラーの返事は。
    「うん。寂しくないよ」
    「……そうですか」
    「うん」
     撃沈。
     だが、詞水のおかげで何となく友好的な空気はできあがっていた。
     質問が突飛で戦闘へなだれ込むパターンもある中、幸先は悪くない。
    「外法院さん、お久しぶりです。しばらく会わないうちに不思議なお姿になりましたね」
     お辞儀をしつつ言うめぐみの言葉に。
    「カッコイイだろう?」
     ギャキィッ! と笑みを浮かべるロードローラー。
    「それはそれとして、何故ここを均しているんですか? 外法院さんらしいと言えばらしいですけど……」
    「あの人間って整地が趣味だったんだ! 気が合うな~☆」
     言葉通り受け取ってある意味素直なのだが、求めている答えじゃない。
     ブルルルゥゥンッ!
     エグゾースト音にロードローラーがそちらを向けば、そこにはライドキャリバーのファルコンをふかす芥の姿。
     芥とウツロギは知らない仲じゃない、できる限り情報が欲しい。
    「いくつか、質問に答えて欲しい」
    「いいよ♪」
     ロードローラーが笑いながら軽く頷く。
    「まず、舗装する目的とその意味を教えてくれ」
    「ロードローラーだし♪」
     それは想定内、芥は本命の質問に移る。
    「本体はどこにいる」
     思わず他の皆も黙り緊張が走る。
     だが。
    「わからないよ♪ あ、でも、それを言っても信じてくれないのかな?……アハッ☆」
     仲間の数人がカチンと来たが、芥は冷静に3つ目の質問を行う。
    「最後だ。どうして堕ちた。その目的は」
    「パス♪」
     本気で答える気が無いのか、それとも本当に知らないのか……。
     ただ、ロードローラーはそう言うと。
    「じゃーそろそろ行くねー、さらなる整地を目指して――ベブッ」
    「っと、まだ帰るのは早いんだよね」
     顔を踏んでぴょんと眼前に降り立ったへるが、にやりと笑う。
    「痛いじゃないかー!」
     口を尖らせるロードローラー。
     しかし、へるのソレを合図に灼滅者たちの雰囲気が変わっていく。
    「元は学園のお仲間だった人でしょうけど……分身体というのなら気にしなくても良いのかもね」
     リリシスが魔法陣を展開、それが手に持つロッドに収束、準備を整える。
    「少々手荒くいくで」
     即座に動いたのは薫だ。
     暴虐の音雪が弧を描き、連携して小春が六紋銭を飛ばす。
     ザザッ。
     しかし、その場にロードローラーの姿は無い。
    「ふ~ん、そういうつもりなら殺っちゃうよ~☆」
     攻撃を回避したロードローラーが殺気を高めつつ戦闘態勢へと入る。
    「ん?」
     その瞬間、前面の顔に影が落ちる。
     それは目前まで迫った鬼の拳。
     ド、ガッ!!
     顔を殴られ吹き飛ぶロードローラー。
     殴った男、隼人が言う。
    「さあ、こっからはガチンコだ。本気で殺り合おうじゃねェか?」


    「らぶりん!?」
     ロードローラーの回転に巻き込まれ、めぐみの目の前で消えていくナノナノ。
    「ごめんねらぶりん……でも、外法院さんを取り戻すため、今は……」
     くっと唇を噛み、めぐみは印を切ると巨大な法陣を展開、後衛の仲間たちの傷を癒し天魔を宿らせる。
     今回集まったメンバーはどちらかと言うと戦術に聡かった。
     敵が列攻撃をする条件は3人以上の場合であり、特に後衛が3人以上なら前衛より後衛を狙ってくる可能性がある、など。その推測は正確であり完全に読み切っていたと言って良い。完敗である。
     そして、その結論を出した彼らが取った陣形は……。

     前衛に5人、中衛に2人、後衛に4人。

    「小春! 来るで!」
     盾役の薫と小春が後衛の前に立ち塞がると同時、ロードローラーが衝撃波を解き放つ。
    「すまん」
    「気にせんでええ」
     芥の礼に、庇った薫が強がる。
     だが――。
    「みなさん……あとは……まかせ、ま……す……」
     ドサリ。
     守りきれなかっためぐみが衝撃波にやられて倒れる。
     申し訳なさそうに薫の足下へやってくる小春。
    「小春、反省はあとや、今は味方の回復を!」
     言われ小春が他の仲間を回復する。
     一方、薫もわざと狙われる覚悟を決める。
    「(流石六六六人衆、手強いな……だか負ける訳にはいかんのや。守ってや、とと様、かか様……!)」
     不可視のシールドを前面にロードローラーへ突進する薫。
    「守りに徹しないんだー☆」
    「悪いけんど、うちも格好つかしてもらいますよって」
     シールドバッシュが炸裂し、茶化していたロードローラーの顔が怒りの表情へと変わった。

     ロードローラーの攻撃が前後に散るようにはなっても、敵の狙いは後衛だった。
     その動きを眼鏡の奥で観察するは蝶胡蘭。
    「熱い視線を感じるんだけど~☆」
     回転しつつ飛んできたロードローラーが、後衛を蹂躙した後で蝶胡蘭の前で止まる。
     が、それならと蝶胡蘭は腰溜めにしていた左拳で。
    「見るぐらいでグダグダ言うな」
     鋼鉄のごとき硬度の打撃を打ち込まれ、ロードローラーがズザザと体勢を崩して押し滑る。
    「今のうちです! 正気に戻って下さい!」
     詞水が言うと共に清らかな風が後衛を癒す。
     後衛が狙われ何が困ったかと言えば、回復役が怒り状態となった事だ。それを必死にフォローしていた詞水はまさに影の立役者だろう。
     だが、それでもロードローラーの攻撃は執拗で――。
    「ファルコン……皆を……守れ」
     上空から落下してきたロードローラーに押しつぶされ、芥が凌駕すらできずに気を失う。
     芥の最後の指示を復唱するよう、ライドキャリバーのファルコンがエンジン音を響かせる。
    「もう後ろは良いかな……つ・ぎ・は♪」
     ロードローラーの顔が前衛、特に詞水へと向けられ。
     バシュ!
     その瞬間、ロードローラーの顔面が氷漬けになった。
     ぶるるっ、と顔を振って妖冷弾の氷を打ち払う。
     くるんと宙返りを打ちつつ眼前に降り立つのは、妖冷弾を打ち込んだへるだ。
    「またボクたちの事は無視するの?」
    「……寂しぃ?」
    「別に~? でも、それなら別のカラーのに相手をしてもらおうかな」
    「別のカラ~?」
    「キミは他の色のロードローラーと会ったことが無いのかい? そういえば、どうしてキミは他の色と違ってダークネスや人間を襲わないのかな?」
    「人間個性は大事だよ☆」
     あまり答えは期待してなかったが……お前、人間じゃないじゃん。

     戦いは続き、ロードローラーが前衛を崩そうと執拗に攻撃を繰り返す。
     だが盾役が連携し、どうにか耐え続ける灼滅者たち。
    「そろそろ、本体がどこにいるか教えたくならないかしら?」
     ロッドの先端に魔法陣を展開させつつリリシスが聞く。
    「べーつーにー?」
    「そう、なら……」
     言うと同時、展開した魔法陣が分裂するように複数出現し、そのままリリシスがロッドを振るうとロードローラーまで等間隔に魔法陣が配置される。
    「!?」
    「教えたくなるよう、してあげるわ」
     リリシスが等間隔の魔法陣を砕くようにロッドを走らせ――瞬後、ロードローターに魔力の連撃が直撃。
    「ま~だだよ~☆」
     しかし攻撃でひっくり返っていたロードローラーが復活、前衛をひき殺そうと反撃し……。
    「……っ!」
     結果、膝をつくリリシス。

     そしてさらに次の手番……。

    「これでトドメだね♪」
     嬉々としてロードローラーが跳躍し頭上からリリシスへと襲いかかる。
     ガッ――キンッ!
     なぜか硬い金属音が響き、思わず飛び退くロードローラー。
    「あれぇ?」
     果たしてさっきまでリリシスがいた所には、鋭い眼光の男が1人。
     シッと呼気だけが響き、飛び退いたロードローラーへと一気に距離を積める男、隼人。
     それはクラッシャーのリリシスと事前に打ち合わせを行っていた行動だった。つまり、一定ダメージを条件にした……スイッチ。
    「次はキミなの~?」
    「ああ、今度は俺が、てめェの相手をしてやンよ」


     縦横無尽に前後のローラーで前衛たちへと突撃をかましたロードローラーが、何かを察して強引に車体をウィリーさせる。
     キキキンッ!
     数本の投げナイフが前輪に弾かれ散乱。
     ズンッとウィリー状態から元に戻った――その目の前。
    「さっきまでの俺じゃねェぜ?」
     そこにいたのは足に炎をまとった隼人だ。
     慌てて回避しようとするがナイフをフェイントに一気に距離を詰めていた隼人の方が早い。赤い軌跡を描いてロードローラーの車体に炎の足跡を焼き付ける。
    「自慢のボディに……」
    「おいおい、狙ってるのが俺だけだと思うなよ?」
     隼人が意味ありげにニヤリと笑みを浮かべると同時、ズドン、という重たい音が響きわたる。
     それから僅か一拍を置いて……ドパーン!
    「えええええ!?」
     派手にロードローラーの後輪が砕け散った。
    「助かったよ久瀬先輩」
    「そっちこそ、狙い通りとはいえやるじゃねェか」
     槍の突進にて部位破壊を狙い、かつ実行した蝶胡蘭を隼人が労う。
    「ぐぐぐ、よくもやったね……これじゃあ気分的に挽き潰しができないじゃないか!」
     なんにせよ、敵の攻撃方法が1つ減ったという事だろうか。
    「詞水さん」
    「はい!」
     リリシスが詞水に声をかけ、同時に呼吸を併せ二重で癒しの風が前衛の5人の傷を癒す。
    「それにしても、元は私たちと大差ない強さの筈よね? 堕ちるとこうも強くなるものなのかしら。もし、堕ちて力を御せるのなら……」
     リリシスは思わず呟くも、そんな事は夢物語だ。それはわかっている。
     戦いは一進一退の攻防だった。
     だが、長引けば専任の治癒役がいないのが地味に効いてくる。
     そして――。
     高速で回転する独楽のように飛んでくるロードローラーに、隼人と詞水を守った小春とファルコンが消滅し、さらに耐えていた薫も限界が来てはね飛ばされる。
     魂の力でなんとか立ち上がる薫。
    「まだ立つんだ~?」
    「悪いけど、あんさんは此処で灼滅さしてもらいます……それまで、寝ている暇は無いよって」
     そして薫には解っていた。
     平気なフリをしているが、ロードローラーこそ限界が来ている事に。
    「これで終いや!」
     心の力だけで地を蹴り薫が跳躍、そのまま流星のごとき煌めきを宿した一蹴をロードローラーへとぶち当てる!
    「終わった……んか?」
    「ま、まだまだ~☆」
     一瞬動きの止まったロードローラーが再び動きだそうと――。
    「いいや、もう終わりさ」
     その声は思った以上に近くから聞こえた。
     ロードローラーの前面に腰をかける少女、へるだ。
     ぎょっとしてロードローラーの目がへるに向けられるが、へるは立ち上がると車体に手を――バベルブレイカーをつき。
    「装甲が厚くても、零距離ならどうかな♪」
     ガガガガッズガンッ!!
     ドリルのごとき杭が轟音を立てて車体をねじ切り。
    「ああああああああっ!?」
     絶叫するロードローラー。
     陣形配置こそアレだったが、長期戦での氷、ポジションのスイッチ、メディックのフォロー等、個々人でのマクロな良手の積み重ねが今回の勝因だろう。
     そして、ロードローラーは断末魔をあげつつ粉微塵に消滅していったのだった……。

    「これまでの所、人間に対して大きな被害を出していないのは外法院君の魂が抗っているからなんだろうか?」
     戦闘で再び凸凹と化した部分を均しつつ蝶胡蘭がつぶやく。
    「うん、ボクもウツロギの魂がまだ死んでないって思うよ。まぁ今は囚われの王子様を目指して一歩ずつ進むしかないって思うよ♪」
     へるの言葉に皆が頷く。
     やがて綺麗に駐車場を整地し直した頃。
    「もうすぐ朝になりますし……そろそろ、ここを去りませんか?」
     怪我が重いため横になっていためぐみが皆に告げる。
     何か手がかりになりそうな物がないか探そうする者もいたが、本体を見つける事含め、それらは事の後、別途に行動した方が良さそうだ。 
     黄、赤、青、緑、そして灰色……本体は、いずこに。

    作者:相原あきと 重傷:若生・めぐみ(歌って踊れるコスプレアイドル・d01426) 斎賀・芥(漆黒の暗殺者・d10320) 
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年6月13日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 9/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
     あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
     シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
    ページトップへ