獅子咆吼

    作者:立川司郎

     戦いが終わり、人の気配が消えた新潟ロシア村にひとつの闇が降りた。
     無念。
     興味。
     そして戦いへの飽くなき執念。
    『……奴はどこに行った……』
     業大老。
     ロシアンタイガー。
     そして、戦争で戦いを繰り広げた灼滅者達。
     彼の心の中にあるのは、ただ戦いへの執着だけであった。生を得ていても、死しても戦いに食らいつき、そして遺す物もまた戦いへの執念だけである。
     それが、アンブレイカブルという存在である。
     その、うなるような声を聞いたのは、一人の闇であった。
     ぽつりと堕ちた影は、廃墟の残留思念に語りかける。崩れ落ちていた朧な残留思念は、声に応じて意識を向ける。
    「生きて戦いを求め、死しても生との狭間に止まり、そして灼滅されてなお闘争本能に囚われる、哀れな魂」
    『哀れと言うか……ふははは!』
     言うなら言え。
     罵りたいなら罵るといい。
     アンブレイカブル柴崎・明は声をたてて笑う。
    『俺を呼び起こした貴様は誰だ』
    「私は『慈愛のコルネリウス』。傷ついた哀れな魂に、救いの手をさしのべる者です」
    『偽善者め。強者と戦う為に弱者に手を差し出す我らアンブレイカブルと、些かも変わりはしない』
     彼らはまるで、水と油のようであった。
     何処まで行っても、相容れる事のない二人がしばし無言の時を過ごす。やがて、ふと柴崎は笑みを消した。
    『さりとて、あの爺を倒すまで、俺はまだ戦い尽くしたとは言えぬ。この身が再び力を取り戻すというならば、シャドウの力であれど頼ろう。お前達の行く手を強者が阻むというなら、共にゆくもまた良し』
     コルネリウスは、優しくほほえみをたたえた。
     彼女は慈しみを持って、語りかける。
    「戦いでしか癒えぬ貴方の飢えが、どうか安らぎますように……。プレスター・ジョン。このアンブレイカブルを、あなたの国に迎え入れてください」
     そこにあった共通点は、その行く手に強者が立ちはだかるかもしれないという、ただそれだけであった。
     
     道場にやって来ると、そこにはしかめ面をしたエクスブレイン、相良・隼人(高校生エクスブレイン・dn0022)の姿があった。
     いくつか手にした報告書の中に、富士急ハイランドでの柴崎戦のものがある。
     嫌な予感に、言葉を飲む灼滅者。
     ちらりと顔を上げると、隼人は口を開いて淡々と話し始めた。
    「コルネリウスが動き出しているのは、もうお前達も聞いていると思う。彼女は倒されたダークネスの残留思念に接触し、どこかに送っているようだ」
     本来残留思念には力など無いはずであるが、高位のダークネスであるコルネリウスであれば、かれらに力を与える事も出来るのかもしれない。
     実際、最近はコルネリウスに関する依頼が報告され始めていた。
    「コルネリウス自身は、こっちの話しに耳を貸すつもりは無いらしい。お前達が駆けつけるとすぐに居なくなるから、放っておくしかねぇな」
     ただ、復活したダークネスは別であると隼人は言う。
     彼女が今回力を与えたのは、新潟ロシア村での戦いで灼滅したはずのアンブレイカブル、柴崎明。
     ロシア村跡地のレストラン『ダーチャ』付近で、彼はコルネリウスから力を与えられて体を取り戻す。
    「以前手こずらせてくれた柴崎も、復活したばかりの今なら倒せるはずだ。それに、お前達はあの時より……強くなったしな」
     にいっと隼人は、嬉しそうに笑う。
     業大老やロシアンタイガーとの戦いを、柴崎は求めている。しかしコルネリウスに荷担した彼が、放置しておけばどのような行動を取るかは予測不明である。
     ロシア村跡地に急ぎ向かい、柴崎を倒せ。
     隼人は、そう皆に伝えた。
     揃った灼滅者は全部で30名。
     あの時と同じ数。
     だが、戦力はあの時と同じでは、ないはずだ。


    参加者
    因幡・亜理栖(おぼろげな御伽噺・d00497)
    柳谷・凪(お気楽極楽アーパー娘・d00857)
    叢雲・宗嗣(贖罪の殺人鬼・d01779)
    相良・太一(再戦の誓い・d01936)
    赤槻・布都乃(悪態憑き・d01959)
    立見・尚竹(貫天誠義・d02550)
    結島・静菜(清濁のそよぎ・d02781)
    司城・銀河(タイニーミルキーウェイ・d02950)
    楯守・盾衛(シールドスパイカ・d03757)
    水無瀬・楸(蒼黒の片翼・d05569)
    明鏡・止水(高校生シャドウハンター・d07017)
    アレクサンダー・ガーシュウィン(カツヲライダータタキ・d07392)
    鴨打・祝人(みんなのお兄さん・d08479)
    天乃・桐(カルタグラ・d08748)
    竜胆・山吹(緋牡丹・d08810)
    森沢・心太(二代目天魁星・d10363)
    エリ・セブンスター(金色の盾・d10366)
    天木・桜太郎(雨情枝垂・d10960)
    リステア・セリファ(デルフィニウム・d11201)
    村井・昌利(吾拳に名は要らず・d11397)
    八乙女・小袖(鈴の音・d13633)
    ティルメア・エスパーダ(カラドリウスの雛・d16209)
    崇田・來鯉(ニシキゴイキッド・d16213)
    シグマ・コード(フォーマットメモリー・d18226)
    レイッツァ・ウルヒリン(紫影の剱・d19883)
    藤堂・恵理華(紫電灼刃・d20592)
    瀬川・蓮(悠々自適に暗中模索中・d21742)
    蔵守・華乃(レッドアイ・d22909)
    朝霧・瑠理香(黄昏の殲滅鍛冶師・d24668)
    山田・霞(オッサン系マッチョファイター・d25173)

    ■リプレイ

     あの日戦った戦場は、今日は閑散としていた。
     周囲に仲間が居る事の心強さ。
     そして、戦場の高揚感。
     それらが全て風とともに消え去り、そこは生ぬるい初夏の風が土埃を吹き上げるだけの廃墟と化していた。
     ぽつん、と立った影がそこに見える。
    「戦いでしか癒えぬ貴方の飢えが、どうか安らぎますように……。プレスター・ジョン。このアンブレイカブルを、あなたの国に迎え入れてください」
     彼女の声が聞こえるまで、そこには何の影も気配も存在しなかった。ただ、そこでコルネリウスの幻像が何かをしていたのは分かる。
     語りかけるような声が終わると、そこには力強い影が落ちた。
    「……あいつだ」
     あの時、三十人で切り込んだあげく相良・太一(再戦の誓い・d01936)はたった一撃で土を舐めさせられた。その悔しさは決して忘れてはいない。
     だが、そこに居る彼が残留思念から生まれたものである事を考えると、複雑な気分でもあった。
     哀れだろうか?
     いや恐らく戦う事さえ出来れば、彼らにとって記憶も想い出も何もかも些細なものであろう。
    「コルネリウス……」
     明鏡・止水(高校生シャドウハンター・d07017)は彼女に視線を向けると、姿を消すコルネリウスの様子をじっと見つめた。去り際に軽く手を振ってみたが、彼女はこちらに視線を送る事は無かった。
     今は、それで良い。
    「それじゃあ、行くか」
     止水が声を掛けると、ぐるりと灼滅者が柴崎を取り囲んだ。
     前衛が柴崎の攻撃を交替で受け止める事で、攻撃を分散させる目論見である。しかしその作戦上において、ディフェンダーに対するフォローの優先度は低い。
     ディフェンダーが保っている間にサイキックの精度を極限まで高めて、残りが叩く流れであった。
     まずはすうっと天乃・桐(カルタグラ・d08748)が頭を下げた。
    「お初にお目に掛かります。復活したばかりの所、大変申し訳ありませんが、僕らの都合により灼滅させて頂きます」
     本当は御指南頂きたかったのですがね、と桐がもらす。
     シャドウの暗躍をこれ以上許すわけには行かない。
     柴崎は状況を問うことなく、その言葉ひとつで身構えた。
    「是非も無し」
     その柴崎の言葉に、桐はうっすらと微笑する。
     これまでの戦いの流れを見た所、ディフェンダーでも当たり所が悪ければ一撃で致命傷となる者も少なくない。
     怖じ気づくのか?
     否。
     自身に炎の翼を顕在させると、藤堂・恵理華(紫電灼刃・d20592)がじっと柴崎を見つめる。
    「その戦いへの執着、そして執念。敬服の念すら覚えます。……ではアンブレイカブル柴崎明、存分に死合いましょうか……!」
     呟いた恵理華は、うっすらと笑った。
     ガードを前衛に全て任せ、恵理華は桐と挟み込むようにして柴崎という事の足を捕らえる、その事だけを考える。
     死角を取ろうとする桐に対し、柴崎は死角に寄せ付けない。
     包囲されている状態であって、背中に目が付いているかのように反応した。
    「さすが柴崎氏、容易に背後は取れません……か」
     桐はナイフを握り、恵理華と並び隙を伺う。
     速度、そしてパワーともに圧倒的に勝った相手に斬りかかる。その刃が切り裂くには、あまりに遠い。
     剣を抜き放ち、竜胆・山吹(緋牡丹・d08810)が鋒を柴崎へと向けた。自身を取り囲んだ灼滅者達に対して全く動じず、柴崎が身構える。
     白光を放つ山吹の斬撃は、剣を振り下ろす山吹の姿を照らし出す。
     柴崎はそれを、苦も無く片手で受け流した。守りの姿勢を取る為、山吹をはじめとしたディフェンダーは体勢を整えていく。
     更に踏み込む事はせず、山吹は柴崎を見据える。
    「……貴方の生は偽りの物。私達が、その間違いを正してあげる」
     油断なく防御姿勢を整える山吹は、言葉を続けようとした……その横から、突如影が飛び込んだ。一つは村井・昌利(吾拳に名は要らず・d11397)、もう一つはエリ・セブンスター(金色の盾・d10366)である。
     双方一気に距離を詰めると、攻撃を繰り出した。
     とっさに傍にいた天木・桜太郎(雨情枝垂・d10960)が手を伸ばそうとするが、間に合わない。
    「無茶すんな、そんなんじゃ……!」
     記憶の底から戦いの記憶がふくれあがり、桜太郎に声を上げさせた。格上の相手と戦う時の苦しみを、桜太郎は知っている。
     次につなげる為、この戦いから勝利をもぎ取りたい!
     柴崎は毒を仕込んだ昌利の手刀をするりと払うように躱し、エリを裏拳でたたき伏せた。ちらり、とエリを見下ろしたのに気付いた山吹が、剣を構えて間に割って入る。
    「治癒を頼む」
    「下がれセブンスター!」
     呼吸を整えようとしているエリの腕を、赤槻・布都乃(悪態憑き・d01959)が後ろから掴んで引き寄せた。
     エリは戦う意志を見せているが、当たり所が悪ければ次は保たないのは布都乃にも分かって居た。そして柴崎の拳の重さは、割って入った山吹にも見えている。
     一撃を受けたら下がる、それがベストだ。
    「……くそっ、ごっそり持ってかれちまってる…! あいつ、こっちの動きが見えてんじゃねーのか」
     光で照らしてエリの傷を癒す布都乃は、攻撃の重さに苦悶の表情を浮かべた。力量差がありすぎて、容易に懐に入られる怖さ。
     攻撃を支える為、朝霧・瑠理香(黄昏の殲滅鍛冶師・d24668)がすぐに、夜霧を放つ。
     まずは自分の周囲に霧を、そして次は霧に紛れて槍を掴む。おそらく、どの技を使ったとしてもこれだけ実力差のある柴崎相手には差が無い。
     今までの話からすると、力押しが効かないらしいが……。
    「悪いけど、前衛を支えている余裕はない。速く治癒して、戦線復帰してもらえるとありがたいね」
     瑠理香はちらりと背後のエリに言うと、冷気を放った。
     槍を一閃して冷気を叩き込むが、拳で弾き落としていく柴崎。ふ、と笑いを零して瑠理香は影を放った。
     ……やはり、効きが悪いか。
    「コルネリウス……やっかいな事をしてくれたもんだよ」
     瑠理香はうっすらと笑うと、再び霧を放った。もっと濃く、自分達を覆い尽くしてしまう程に広がってゆけ。
     それでも、エリは前を睨む。
    「早くして、前に出なきゃ……!」
     焦るエリの視界に、蹴りを受けて吹き飛ぶ昌利が目に映る。止水は後ろからエリの治癒にもう暫くかかる事を察すると、視線をあげた。
    「柴崎。業大老は今、武神大戦殲術陣というものを発動している。お前もその力を借りた口じゃないのか?」
     答えが返るとは思って居ないが、時間稼ぎにはなるだろう。
     止水の問いに、柴崎はちらりと視線だけ投げると桜太郎の切り裂きを躱した。
    「知らんな、俺は他力本願で強くなったのではない」
    「そうか……噂によると、あんたクラスの力を貰えるらしい……っと」
     止水は話しかけながら闇を纏った鋼糸を、桜太郎の攻撃に合わせて放った。桜太郎は接近戦を挑むが、叩き込んだ拳は鉄板を叩いたような衝撃が返る。
     じん、と痺れる衝撃に桜太郎は舌打ちした。
    「くっ……」
    「その程度か」
     すぐ傍か見下ろした柴崎の低い声で、桜太郎は飛び退いて距離を開けた。
     何かヒントが無いかってェ思ったが……力量差がありすぎる…。数で押す以外の何を学べばいいんだよ。
     桜太郎は、呆然と巨大なダークネスを見上げたのだった。
     傷を塞いだエリが、立ち上がって拳を振るう。ただ、体を張ってでも一太刀とエリは拳ひとつで飛びかかる。
     だが、柴崎の前にただ飛び込むだけの策は通じる事はなかった。すうっと腰を下げて構えた姿勢の柴崎に、一瞬エリが足を止める。
     立ちすくむエリを柴崎があっと間に掴み、容赦なく地面にたたき伏せた。
     一撃には耐えたエリであったが、飛び起きた所に柴崎の拳がエリの体を抉る。
     血を吹きながら地面に昏倒したエリの体を、横からとっさに布都乃が飛び込んで引き剥がす。血が次々と流れるエリは、既に意識が無かった。
    「……生憎と、今は撤収の準備をする気分じゃありませんよ?」
     低い声で恵理華は言うと、柴崎の前方に影を放って絡め取った。ギリギリと影で締め付け、何とか動きを阻害する恵理華。
     前衛がしっかりしなければ、戦えないじゃないですか。
     そう言いたげに、恵里菜はじとりと前を睨む。
    「村井、無茶すんじゃねえ!」
    「分かってるが……生憎と下がる気は無い」
     昌利は呼吸を整えるが、傷はほとんど塞がってはいなかった。布都乃の制止を振り切って飛び込んだ昌利。
     布都乃がちらりと桜太郎と山吹を見ると、彼らはこくりと頷いた。
    「一撃受けたら後衛に下がる、そのローテーションで行くぞ」
     山吹は桜太郎と言葉を交わすと、前へと足を踏み出す。
     ただひたすら心を落ち着けて戦おうとしていた山吹に対して、桜太郎は柴崎の動きを見て仲間のフォローを気に掛けていた。
     だが、ディフェンダーが欠ける事は後衛を危険に晒すことに繋がる。
    「俺達が支えないと、後衛はひとたまりもないんだぞ」
     支え合うこと。
     それが勝利の鍵。
     攻撃を受け続けるディフェンダーは、十名以上が構えていてなお容易に吹き飛ばされる。その様子を見た止水は、笑いすら零れた。
     業大老の力など借りずとも、ヒトを捨てればここまで強くなれるのか……と。

     高い。
     昌利は、目の前の獅子を見上げて思う。
     この壁を越えたいと思い、一撃当てる事に拘る。スピードを生かした戦いよりも、むしろ積極的に拳を振るうスタイルを取る昌利。
     仲間の事も気遣いはしているが、ただ前へと進む事はやめる気はない。
    「……せめてこれを持っていけ」
     アレクサンダー・ガーシュウィン(カツヲライダータタキ・d07392)が、シールドを昌利の前へと展開する。多分彼には、昌利が何をするのか分かって居たのだろう。
     守りの構えを解いて、昌利が飛びかかる。
     どうあっても、俺は喧嘩屋だ。
    「指一本でも、届きゃ勝ちだ!!」
     飛び込んだ昌利の体に、柴崎の拳が振り上げられた。
     背後にいたアレクサンダーの目には、昌利の拳が当たったのかどうかは見えなかった。だが、柴崎の脇腹の道着が破れているのに気付く。
     ふ、とアレクサンダーは少しだけ笑うとキャリバーのアクセルを踏んだ。
     だが笑っては居られない。
     続く戦いで山吹が後方に下がり、包囲は既に三人を欠いていたのである。
    「……傷が深くて、簡単に包囲の穴が塞がらねえのか」
     ちらりと後方の山吹を見やり、鴨打・祝人(みんなのお兄さん・d08479)が呟く。
     柴崎の視線が逸れた瞬間、盾を精一杯展開した祝人は柴崎目がけて影を放った。攻守攻撃を使い分けながら攻撃の隙を伺っていた祝人の影は、一瞬の隙を捕らえて柴崎の腕を絡め取る。
     はっ、と表情を変えたと同時に柴崎の拳が飛んでいた。
     まともにふっ飛んだ祝人の傍へ、ナノナノのふわまるが飛びついた。
    「……」
     突如、柴崎が手を止めた。
     呆然と、転がったまま柴崎を見上げる祝人。体力は尽き掛け、ほんとうに……ほんとうに皮一枚で残った体力で意識を保っていた。
     見下ろす柴崎の眼光は鋭く、祝人の心に何かが芽生えるのが分かる。
    「ふわまる……竜胆を頼む」
     小さく呟くと、彼のナノナノはくるりと回って返事をした。
     背後から布都乃が光を差すのに気付き、祝人の少し痛みが和らぐ。
    「なんで何も言わないんだよ…」
     祝人が聞くと、柴崎は静かに言った。
    「俺が怖いか」
    「……怖くねぇ」
    「ならば、何故拳を振るわぬ。何故、虎に怯える兎のような守りの陣を敷く。一度に一人しか相手にしておらぬ俺に、何故そう及び腰で臨む」
     その彼の言葉を聞いた時、太一と森沢・心太(二代目天魁星・d10363)は思いだしていた。富士急での戦いの時、柴崎が守りに徹する事を嫌っていた事を。
     それは残留思念になろうと、変わりはしない……柴崎という男の戦いのスタイルであった。
    「……ならば、今度は容赦はせぬ。来い!」
     轟くような声を放った柴崎の気配が、炎のように燃え上がり、傷をかき消した。
     柳谷・凪(お気楽極楽アーパー娘・d00857)は祝人に交替するように声を掛けると、オーラを纏った拳で踏み込む。
     自分だと、マトラと戦いながらでは二度は保たない……どう楽観的に考えても、それは変わらないだろう。
     だが、ただ拳を振るうのが今の凪の役割である。
    「これを受けてください!」
     背に司城・銀河(タイニーミルキーウェイ・d02950)の放った矢が、刺激を与える。
     凪は背後からの支援に、ほっと息をついて心を落ち着けた。
    「大丈夫、みんなを信じているよ!」
     凪は崇田・來鯉(ニシキゴイキッド・d16213)の傍に向かい、フォローするように声を掛けて柴崎に拳を振り上げた。彼女の攻撃を何なく受け止めた柴崎の拳は、力強く堅い。
    「無茶はしないでよね!」
    「少しでも長く立って、盾になる。それが今の僕の役目だ」
     來鯉は、しっかりとした様子で凪にそう言った。
     何故ならば、堕ちてでも倒せる時はそれすら厭わない覚悟で来ていたからである。來鯉は堕ちるのも怪我を負うにも、何も怖くは無い……。
     そう、自分に言い聞かせている。
     ともかく攻撃で相手の武器を封じなければと思う凪は、中段に構えた刀を力強く打ち下ろす。
     鋭く重い凪の一撃も、柴崎はぴたりと手で刃を止めた。
     はっ、と気付いた時には柴崎の蹴りが下から振り上げられおり、來鯉は凪を突き飛ばして柴崎の蹴りから彼女を庇う。
     かろうじて手で受け止めた來鯉は、それでもダメージを押さえきれずに地面に転がった。
     いくら凪が神経を研ぎ澄ましても、刃が届かないのだ。
     この拳が叩きつける力だけじゃ、柴崎を押し返すことが出来ないのである。
     圧倒的な力の差に為す術もない凪に対して、來鯉はよろりと立ち上がった。意志の力で奮い立ち、再び構える來鯉。
    「戦う……」
     戦う、戦う、戦うんだ。
     朦朧とする來鯉の視界の正面、丁度柴崎を挟んで反対側から八乙女・小袖(鈴の音・d13633)が盾を展開した。わずかに、來鯉の意識がはっきりとしてくる。
    「ディフェンダーを六人以下にしないよう、意地でも立ち上がれ」
     小袖はディフェンダー全体を見て、ダメージを分散するように指示した。しかし、弱ったアレクサンダーと來鯉に攻撃が集中する。
     來鯉に矢を放とうとした山田・霞(オッサン系マッチョファイター・d25173)が、その手を迷わせた。
     恐らく次は保たない。
     後方から治癒が飛ばなくなったのも、治癒を他に回す為だと霞も分かって居た。庇いに入ろうとした霞のガードをすり抜け、柴崎が來鯉の肩を粉砕した。
    「怖いなぁ、怖い怖い」
     俯き加減で、霞が言う。
     笑いを浮かべたのは、アンブレイカブルと相対する者としての本能のようなものだろう。仲間が次々と倒れても、むしろ快感すら覚える。
    「あなたの相手は私だ」
     アレクサンダーを狙う柴崎の攻撃を、霞がカバーする。
     無闇に矢を放っていた訳ではない、と霞は柴崎に言いつつ回し蹴りを放った。力技が通じる相手ではない……ならば、技で攻めるのみ。
     鍛えられた霞の肉体から放たれた暴風のような一撃が、柴崎の左手を直撃する。
     霞の蹴りは、ようやく柴崎の構えを緩めた。
    「……この程度か!」
     霞は先ほどの柴崎の怒号に応えるように、咆哮する。
     咆えるような、低い声が響き渡る。
     その様子を見た柴崎が楽しそうに笑い声を立てると、拳を放った。柴崎の拳を、キャリバーで弾いたアレクサンダー。
     粉砕されたキャリバーを越えて、アレクサンダーをぬうっと腕が首元を掴み上げた。
     アレクサンダーが何かを言う前に、小袖が口を開く。
    「貴殿が弱者に攻撃をするような輩だったとはな。学ぶところアリと思って戦ってきたが、それももう必要ないか」
     小袖の挑発を、柴崎は意に介さぬ。
    「物量に物を言わせるお主等が弱者とは、片腹痛い。数で押しておいて負け犬面をするなら、はなから拳を振るわぬ事だな」
     そう言うと、柴崎が拳を振り上げた。柴崎の腕から逃れてそのまま回し蹴りを放ったアレクサンダーの攻撃を受け、柴崎はカウンターで拳を振り上げる。
    「ガーシュウィン、下がれ! 治癒を……」
     小袖がそう言って後ろを振り返る。
     しかしリングスラッシャーを構えていたリステア・セリファ(デルフィニウム・d11201)が、すうっと視線をアレクサンダーから外した。
    「何故治癒をしない」
    「……彼と崇田はもう次は保たないでしょう? だったら攻撃を続行するわ」
     一分とて、時間は無駄には出来ない。
     霞は自分もそうしたからこそ、その事について口を挟まず彼女の様子を伺っている。
    「ディフェンダーが倒れて、次はどうする気だ」
     強い口調で言い放つ小袖に、リステアはちらりと瀬川・蓮(悠々自適に暗中模索中・d21742)と視線を交わした。
     自分の手を見下ろし、リステアはその手に鎌がない事に表情を曇らせる。出来ればあれで倒したかったが、背に腹は替えられない。
     柴崎の攻撃でアレクサンダーが倒れたのを、視界の端に入れて何かを呟く。
     力強い歩みで、少女二人は前へと進んだ。
     治癒をしていた蓮はアレクサンダーの前へ。
     そして、リステアは治癒を止めて柴崎に狙いを定める。彼女達に支援の矢を放つと、銀河は無言でその背を見守った。
     治癒の力が十分とは言えないが、相手は一人……十分ではないが、足りない事も無いはずだ。
     補い合う為に、彼女達は進み出たのだから。
    「大丈夫。私達一人一人の力は柴崎さんに及ばなくても、皆の力を束ねて一つに出来る事、それ自体が私達の力なんだから」
    「そうですよね、銀河さん。少しの間、私がここを支えます……だから、後ろから支えていてくださいね」
     蓮はシールドを小袖に展開しながら、銀河に言った。傍にいた霊犬のルーには、治癒を頼むと小声で囁く。
     一番怖いポジション。
     だけど蓮の心は、ワクワクしている。
    「……楯守、私にも頼むわよ」
     癒やしの矢を放っていた楯守・盾衛(シールドスパイカ・d03757)に、リステアが声を掛ける。
     盾衛は出るなら出ると言っておけ、とぼやいていたが、言われた通りに矢を二人に放った。
    「さて、そんじゃあ準備運動も終わった。……そうだろう?」
     矢を大盤振る舞いした盾衛は、腕を回してにやりと笑う。
     じゃあ、そろそろ死ンでくれや、と盾衛は切り込んでいく。柴崎の不死を止める為、死角に回り込む盾衛。
     払うように繰り出した柴崎の拳は、蓮が受け止めた。
    「くっ……重い……ですね」
     蓮はかろうじて攻撃に耐え、即座に治癒に力を注ぎ込む。
     前へと出たのは、盾衛や後衛の仲間を支える為である。蓮は自分の体力が残り少ない事を悟っていた。
     その蓮の背後から、盾衛は合間をくぐるように前へと飛び出す。限界まで高めた集中力は、あの高みへと盾衛を近づけた。
     伸ばした刃は、確かにあのアンブレイカブルの身体を捕らえた。受け止めた柴崎の腕に食い込んだ刃、盾衛はにやりと笑う。
    「何を置いてもヤりてぇ事があるなら、そうすりゃいい。だから、テメェがやってきた事も何も別に間違いって訳じゃねェが、ただ……」
     最後まで押し通す力が足りなかったってダケだ!
     ナイフを引いて、盾衛は切り裂いた。
     続けて矢を受けたリステアは、鋭い視線でリングスラッシャーを放った。
    「あなたをこれ以上、コルネリウスなんかの玩具にはさせない。……アンブレイカブルとしての、あなたの誇りを失う事は許さない!」
     仲間を切り捨てたのではない。
     ただ、勝たねばならないのである。
     仲間が倒れてでも、自分達は武器を振るいつづけねばならない……その偽りの身体を引き裂いてしまうまで。
     リステアが放った渾身の一撃は、柴崎の肩を大きく切り裂いた。

     少し、風が強くなっただろうか。
     心太は、息を整えると柴崎と対峙していた。彼の背後には姉とも呼ぶ結島・静菜(清濁のそよぎ・d02781)があり、姉の攻撃をフォローしながら防衛に努めている。
     心のうちにあるのは、いつかの富士急での戦いであった。
    「少しは成長したようですね」
     心太がそう言い、柴崎の腕を差した。そこには、さきほど霞が付けた傷がぱっくりと口を開けていた。
     よく見ると、無数の傷が道着を切り裂いている。
     自分と仲間が戦った証、成長の証であった。
    「覚えて居ないかもしれませんか、僕は富士急ハイランドであなたと戦いました。……でも、あの時と同じじゃ無い。あの時より、ずっと僕達は成長したんだ」
     ディフェンダーだけでは、柴崎に押し勝つ事が出来ない。
     すうっと心太は盾を構えると、名乗りを上げて切り込んだ。
    「梁山泊二代目天魁星、森沢心太。再び挑ませてもらいます!」
     シールドを押しての戦いに挑むが、堅い柴崎相手に力技はとうてい届かなかった。強く、そして速い。
     エアシュードを生かしての攻撃は、比較的柴崎を翻弄しやすいようには感じる。
    「静姉さん、僕は機動力を少しでも奪います」
     その一言で、静菜は把握して声を返す。
     ちらりと自分の手を見下ろし、静菜は心太の後ろから狙いを澄ませた。戦いの中の怒号も剣戟の音も、精神力で押し留める。
     影をいつでも放てる状態にしておき、静菜は心太が飛び込むのを待った。
     その背が浮いた瞬間、静菜はすうっと前に身を傾けると槍を真っ直ぐに突いた。鋭い槍の一突きが、冷気を放って柴崎の腕を凍らせる。
     それは自身の攻撃であり、そして心太のフォローでもある。
    「しんちゃん、お願い!」
     静菜の声に合わさるように、心太は蹴りを叩き込んだ。
     少しずつ、相手の動きが見えるようになって来ている。静菜は、槍を引いてすうっと呼吸を整えた。
    「アンブレイカブルとは、勝利と戦いを求めるが故の終着点…でしたか。申し訳ありませんが、勝利は差し上げられません。ですが、私達が全力で最後の戦いに相応しい舞台を用意しましょう」
     ここで終わりにするのが、柴崎というアンブレイカブルの為でもあるろうと。

     戦って負けて、そしてひたすら走ってきた。
     あの戦いで消えたはずの柴崎が、再び思念から蘇ったと聞いて、それがラストだろうと太一は思っていた。
     いつしか柴崎を包囲しているのは、七人に減っていた。
     太一もあと一撃は耐えられまいと覚悟していた。
    「少しだけ、頼む」
     太一の言葉に、立見・尚竹(貫天誠義・d02550)が矢を放った。
     矢の刺激で、少し意識が澄んだようだ。太一は身体と剣を一つに包むように意識を集中しながら、滑るように懐へと踏み込んでいった。
     剣はその時、驚くほどすんなりと斬り付けたと思う。
    「あんたみたいに絶対強者にゃ通じねぇかも……だけど……人間は定命だし弱いしで、出来る事にゃ限りがあんだよ」
     太一はずるりと膝を突くと、身体を抉った柴崎の拳を見上げる。
     だが、継ぐことは出来る。
    「だから……業大老を倒すって事は、俺等が継いでいくぜ」
     そう伝えると、太一は崩れ落ちた。
     継ぐ……その言葉を聞き、尚竹はふと笑みを浮かべる。それでも自分の拳を振るい続けたいというのは、尚竹もまた彼に近いからであろうか。
     後方からしっかりと、弓を番える尚竹。
    「俺にゃ分かんねぇよ」
     水無瀬・楸(蒼黒の片翼・d05569)が言う。
     尚竹の笑い声はそういう笑みだろう、と思っていたから。楸は、また一人減った前衛で、剣を構えてエアシューズの先でトンと地面を叩く。
    「分からないか? 武人とは生きている限り戦い闘い戦い、勝つ! ものだからだ」
    「……分からないねー、でも俺達がちっぽけな弱者だってのは分かるよ」
     弱者、と言う割には楸は笑って尚竹に言い返している。尚竹の矢が放たれると、楸もまた飛び出していった。
     背に感じた尚竹の矢は、楸の神経を研ぎ澄ましてくれる。
    「……弱者は弱者でも、譲れないものがあるんでね!」
     柴崎の拳がチリリと楸の頬をかすめるが、それをすり抜けて背後に回り込んだ。抜き放った剣で、振り向きざまに横一閃。
     ただ、仲間が盾になってくれている間、楸は剣を振るって切り刻む。
     戦って戦って、ようやく届いた手を離しはしない。
     足取りが緩んだ柴崎の元へ、蔵守・華乃(レッドアイ・d22909)は距離を詰めて斬りかかった。斬撃刀を重々しく振りかぶる華乃は、上段から首切り台のようにたたき落とす。
     風を切る音が、頭上から降った。
     手傷を負ってなお、柴崎はその刃をぴたりと止めた。
    「残念ですわ。……ほんとうに、あなたとサシで刃を交えられぬ事、ほんとうに残念ですわ」
     この斬鑑刀を叩きつけるだけの力が、まだ華乃には無い。
     心底残念そうに華乃は言った。
     怪我をしてもかまわない、ただがむしゃらに戦ってみたい。
    「……堕ちれば良い。何故そうしない」
     柴崎が言う。
    「戦う為守る為というなら、手段など問わなければ良いではないか」
    「分かりますわ。……でも堕ちてしまってここに居る私は、きっと今の私ではありませんもの」
     堕ちてでも戦う。
     その気持ちは、分からぬでもない。
     ふわりと後方に飛び、構えを解いた華乃。指に光った指輪を、かざした。指輪から呪いの力を解放し、柴崎に注ぐ華乃。
     後方から更に、ティルメア・エスパーダ(カラドリウスの雛・d16209)と因幡・亜理栖(おぼろげな御伽噺・d00497)が力を放った。
    「ひたすら拳の戦いを鍛えてきたあなたには、この方法が一番効くだろうと思っていたよ」
     亜理栖はそう柴崎に言うと、次に魔法弾を放った。亜理栖とティルメアは、指輪の力を双方解放しつつ柴崎を畳みかける。
     接近戦を挑みたいであろう華乃には、残念ではあるが。
    「ねえ。柴崎おじさんは楽しいのかな」
     せっかく戦いたくて復活したのに、またすぐ灼滅しちゃう事になる。それって、ちょっと悪い気もするなぁとティルメアは思っていた。
     でも皆は、すごく楽しそうだ。
     亜理栖は、こくりと頷いた。
    「生きる為に堕ちたんじゃないんだよ。多分……生きるより大切な事があるんだ」
     それで、ティルメアは納得したかは分からない。
     戦いの中で、ふと終わってしまっていいのだろうかと思ったティルメアは、仲間をぐるりと見まわした。
     亜理栖は叢雲・宗嗣(贖罪の殺人鬼・d01779)に視線を送り、指輪が足止めをしている柴崎に宗嗣が切り込む。
     炎を纏ったローラーで蹴りを叩き込む楸に連撃で吹き飛ばすと、宗嗣は攻撃の後の隙を突いて腕を切り裂いた。
     刃が肉を割き、道着を散らす。
    「……あんたは一人で戦って来た。一人で戦って……それでも満足して死ねるなら、幸運か?」
     ああ、その言い方だと自分の方が寂しそうだ……とシグマ・コード(フォーマットメモリー・d18226)は柴崎にそう言いかけて、ふと笑った。たぶん、テイルメアはじっとこっちを見ている事だろう。
     この中でコルネリウスに共感したのは、シグマだけかもしれない。
     負傷した楸をレイッツァ・ウルヒリン(紫影の剱・d19883)が支え興し、傷口に光を差す。
    「戦いでしか癒しを得られないなんて、可哀想だね」
     それは、レイッツァがそうではないからだろう。
     仮にそれで満足しているとしても、コルネリウスのしている事に納得している訳でもなかった。
     亜理栖に合わせて制約の弾丸を撃ち込み、シグマはフードを深く被る。
    「そろそろ終いだ」
     シグマが呟く。
     宗嗣は他の前衛と呼吸を合わせ、一斉に攻撃を繰り出す。無銘白・秋星を振るい、反撃を恐れず全力を振り絞った。
     傷だらけの柴崎の手が、宗嗣を打ち抜く。
     レイッツァが、その背を光で照らした。
    「倒させはしないよ……キミなんかにっ!」
     レイッツァにちらりと視線を送り、宗嗣は柄を握り直す。力が届かなかった彼の身体も、仲間の最大の支援で少し……届くようになっていた。
    「あの時も……こうして届いていたら」
     宗嗣は思わず、呟いた。
     最後にシグマが放った影に食われた柴崎は、カラカラと笑っていたのだった。
     最後まで戦った事に、だろうか。
     自分にもトラウマと呼べるものがあった事にだろうか。最後の最後まで彼はそうして拳を振るい続け、血塗れで逝く。
     生と死の狭間で。
    「絆などという小さなものに負けたのであれば……それは……俺の」
     最後は、小さくかき消えて聞こえる事はなかった。
     彼の身体は光の粒になり、空に登って消えていく。
     蓮は光の粒をじっと見つめ、その行く先を見ようとしていた。
    「……どうしたの?」
     レイッツァが、声を掛ける。
     見上げたまま、連はぽつりと呟いた。
    「……いえ……。ここで柴崎さんに眠ってもらえたから、プレスタージョンの国には誰も行かないのかなと思ったんです」
     レイッツァは、それをきいて肩をすくめた。
     もしこれで終わりでないなら、本当に勘弁してほしいものである。そんな事があれば、コルネリウスは本当にやっかいな存在だろう。
     この向こうのプレスタージョンの国には、いったい何が待っているのだろうか。

    作者:立川司郎 重傷:相良・太一(再戦の誓い・d01936) アレクサンダー・ガーシュウィン(カツヲライダータタキ・d07392) エリ・セブンスター(封印されし黄金の盾・d10366) 村井・昌利(根無し草・d11397) 崇田・來鯉(ニシキゴイキッド・d16213) 
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年6月26日
    難度:やや難
    参加:30人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 27/感動した 1/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 4
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