修学旅行2014~沖縄そばを心ゆくまで

    作者:天木一

     春も過ぎ去り、暑い夏の日々がやってくる。
     6月はまさに今から夏を迎えるに相応しい時節だ。
     そして小学6年生・中学2年生・高校2年生にはまた別の思い出深い季節でもある。
     6月24日から6月27日までの4日間。学園の修学旅行が行なわれるのだ。
     行く先は日本の南国、沖縄。美しい海に豊かな自然。そして美味しい郷土料理と沖縄ならではの楽しみを満喫する事が出来る。
     仲間と共に過ごすひと時は、学生生活をよりカラフルに彩ることになるだろう。
     
     透き通るようなスープから湯気が立つ。
     割り箸を片手で抜き、歯で噛んで割ると、スープの中へと潜らせる。
     掬い上げたのは白っぽい麺。それを素早く口に運ぶと、ずっずっずずぅっと一気にすする。
     汁が跳ねるがそんなものは気にしていられない。弾力のある麺を噛み締め、絡みついたスープの味との競演を楽しむ。
     スープはカツオと豚骨からとっている。シンプルなものだが、その味わい深さは素材の良さだろうか。
     そして次に箸を伸ばすのは存在感を発し続けるべっこう色に煮込まれた豚肉。三枚肉と呼ばれる部分で、脂と肉がくっきりと分かれて見える。
     箸でつまみかぶりつく。しっかりとした歯ごたえと共に甘辛い肉汁が溢れ出る。
     美味い美味いと更に麺を食べようとした時、肩を叩かれ振り返る。
     そこにはもう授業終わったぞと告げる灼滅者の姿があった。
    「あれ? 沖縄そばは? ここ……沖縄じゃ?」
     顔に居眠りの跡をつけ、机に突っ伏していた能登・誠一郎(高校生エクスブレイン・dn0103)は寝ぼけ眼で起き上がった。
    「や、やあやあ、みんなもう修学旅行の準備は出来たかな?」
     教室でガイドブックを読みながら寝入っていた誠一郎が、誤魔化すように灼滅者に声をかける。
    「僕はもうばっちりだよ。今は自由時間でどこを見て回ろうか悩んでるところなんだ」
     手にした沖縄のガイドブックには付箋が数え切れない程挟まれていた。
    「でも、やっぱり外せないのはこれだよね!」
     そう言って開けたページは沖縄そばの見開きだった。
    「せっかくご当地に行くんだから、本場の沖縄そばを味わわないと」
     うんうんと頷き興奮気味に力説する誠一郎。
    「ちょうど二日目の昼食は、本部町にある県道84号線のそば街道でとる事になるんだ」
     そこは沖縄そばの激戦区であり、老舗から新店まで様々な沖縄そばの店が並んでいる。
    「学生だと沖縄なんてまず行けないからね。この機に沢山食べるつもりだよっ」
     見れば雑誌の地図には幾つもの印が、行く予定の店の場所にチェックが入っていた。
    「よかったら一緒に食べ歩こうよ。沖縄そばと言っても色んな種類があるみたいだからね。三枚肉じゃなく、ソーキを使ったソーキそばとかも有名だよね。食べておかないと、お腹一杯になるまで食べ歩くつもりだよ!」
     楽しそうに語る誠一郎を見ていると、沖縄そばへの期待が膨らんでくる。
     だがまずは落ち着いて涎を拭けと教えると、誠一郎は顔を赤くして寝ぼけてついた涎を拭った。
    「これはあれだよ、涎が出るくらい沖縄そばが美味しそうってことだね! 修学旅行では沖縄そばもだけど、美味しいものを沢山食べたいね」


    ■リプレイ

    ●沖縄の夏
     まだ6月だというのに、真夏のような陽気の中バスが止まる。焼けるような暑い日差しを受けながらバスを降りる少年少女達。
     その目の前にはずらりと並ぶ沖縄そばの店。沖縄の本部町にあるそば街道に到着したのだ。
    「おきなわ!! おきなわ!!」
    「いやぁ、沖縄は暑いねぇ」
     バスから降りた五百旗頭・ウグは陽気を浴びて気持ち良さそうに両腕を伸ばすと、続いて降りてきた疲れた顔の能登・誠一郎はハンカチで汗を拭う。
    「やはり沖縄に来たからには、沖縄そばを食わんとな。名物食わずして旅行を名乗れんぞ」
    「そうだよね。沖縄の有名なご当地料理だものね」
     店を眺める風間・小次郎の言葉に、誠一郎は大いに同意して頷く。
    「よーしいっぱいたべるぞっ!!」
    「玖栗もいっぱい食べちゃうよー!」
     ウグと一緒に日輪・玖栗も元気良く手を上げた。
    「沖縄そばとソーキそばが有名だよね。どっちを先に食べようかな」
     誠一郎の言葉にウグが振り向く。
    「え? 沖縄そばとソーキそば……?」
    「具に使われる肉が違うんだよ。沖縄そばは三枚肉と呼ばれる赤身と脂身が交互になった部位を使ってて、ソーキは骨付きのスペアリブの事でそれを乗せてる訳だね」
     饒舌に説明する誠一郎にウグはなるほどと頷く。
    「へー、似てるけどちゃんと違いがあるんだな。じゃあどっちも頼んじゃうぞ!」
    「片っ端から食べちゃおう!」
     早く行こうと、ウグと玖栗の足取りはスキップしそうなくらいに軽くなる。
    「今日のオレは食い倒れるまで食うぞ、ついてこい! まずはあの海老のありそうな沖縄そば屋からだ!」
    「にーさまちょっと待って!」
     暴走気味に店に突っ走る篠原・鷲司と、それを追い駆ける妹の篠原・朱梨。
    「じゃあ僕たちもそこに行ってみようか」
     他の面々も釣られるように暖簾を潜る。
    「メンソーレー」
     古びた感じの小さな店に入ると、人の良さそうなオバァがにこにこと微笑んで声をかけてくる。沖縄の独特な言葉が耳に残った。
    「じゃあ、沖縄そばください」
    「ゆし豆腐そばがとっても気になる……玉子のせも美味しそう……」
     他の仲間達がオーソドックスな沖縄そばを頼む中、沢山あるメニューと睨めっこをする朱梨は顔を上げて兄を見る。
    「にーさまはどれにする? ……あ、エビ乗せはないよ?」
     朱梨の言葉に、愕然とした表情で鷲司は勢い良く立ち上がった。
    「馬鹿な、エビが無いだと……女将を呼べぇい!!」
    「ってちょっと、女将さん呼んでどーするの!」
     朱梨は慌てて兄を取り押さえる。
    「どーしたさぁ?」
    「すみません冗談だったんです。でもエビトッピングがどうしても食べたいんです!」
    「不肖の兄が本当にすみません……」
     何事かと顔を出したオバァに堂々と要求する鷲司。隣で恥ずかしそうに朱梨が頭を下げる。
    「ちょっと待つさー」
     そう言ってオバァは入り口から店を出る。その行動に驚いて待っていると、すぐにビニール袋を手にオバァが戻ってくる。
    「そっちのネーネーは何にするネ」
    「えっと、それじゃあゆし豆腐そばを……」
     突然話を振られた朱梨は慌てて注文する。
    「すぐに食べさせてやるさぁ」
     袋から取り出したエビを炒め始め、出来上がったのはエビの乗った沖縄そば。
    「さあ、カメー」
    「おお!」
    「ありがとうございます」
     テーブルに置かれたそばの上、出汁を泳ぐように載せられた赤いぷりぷりのエビを見て鷲司は目を輝かす。続けてゆし豆腐そばが朱梨の前に置かれ、二人は早速美味しそうに食べ始める。オバァはそれをにこにこと眺めて調理に戻った。

    ●沖縄そば
    「美味しそうだねぇ、やっぱりソウルフードはご当地で楽しまないとね」
    「沖縄そば怪人は居ないよな??」
     誠一郎のご当地という言葉に、思わず戒道・蔵乃祐が反応して周囲を見渡す。
    「さも当然の様に居そうだから怖いわ。マジで……あ、写真撮ってもいいですか?」
    「いいさーチュラカーギーに撮ってくれんね~」
     ポーズを取るオバァに、蔵乃祐は苦笑いしながらその姿を一枚撮り、続けてそばを写す。
    「う~ん、すっげーうまそう!!」
    「これが沖縄そばか、初めて食べるから楽しみだ」
     出てきたそばを前に、ウグは香りを嗅いで鼻をぴくぴくと小動物のように動かし、江田島・龍一郎は早速割り箸を割って麺をずずっとすする。
    「ふむ、蕎麦というよりもうどんに近いかな?」
     白っぽい麺はコシがありツルツルとしていて、軽く食べれてしまう。
    「いただきますっ!」
     手を合わせてウグも一口食べると、夢中で食べ啜り始める。
    「美味しいね!」
     ふーふーと息を吹きかけては食べる玖栗は、幸せそうな顔で熱々の麺を頬張っていた。
    「んん~麺にコシ、スープにキレ、実に旨いね」
    「なるほど確かに。蔵乃祐さんは味に一家言持ってるんだね」
     蔵乃祐が麺を味わい難しい顔で評すると、隣で同じように食べていた誠一郎が頷きながら尋ねる。
    「いや、それっぽいことが言いたかっただけだ」
     悪戯っぽく笑った蔵乃祐に釣られ、誠一郎も笑ってしまう。
    「ふむ、美味いな。たまらん」
     小次郎はじっくりと麺を噛み締め思わず唸る。本場の味はやはり現地でしか味わえない物だ。ゆっくり食べるつもりが箸の動きが速くなって無心にすすっていた。
    「この豚肉も上手いな……」
     龍一郎は蕩けるような三枚肉を噛み千切る。べっこう色の肉がほろりと口の中でほどけ、噛むほどに味が溢れ出た。
    「ほんとだ、これは美味しいね~。チャーシューとはまた違う味わいがあるよ」
     誠一郎も大きな肉を噛み千切り、口いっぱいにして至福の表情で味わう。
    「そばはとっても熱いけどそれでも超うめー! ソーキそばに乗ってる肉は沖縄そばに乗ってるのと違ってボリュームがあるんだなぁ」
     ソーキそばの肉に大きく口を開けてかぶり付き、ウグは口の端を汚しながらも満面の笑顔を見せた。
    「沖縄そば……これは記憶には残ってるんですよね」
     奏川・狛は何かを確かめるようにじっとそばを見る。
    「弾力の在る麺にカツオと豚骨の混合ダシ……そして何よりソーキ軟骨」
     口にするとどこか懐かしい味がする。目を閉じてその味覚を思い出すように味わう。
    「へぇ、ソーキも美味しそうだね」
    「この軟骨部分からチューチューとストローで吸い出すのが堪らないんですよ」
     その様子を見ていた誠一郎の言葉に目を開け、狛は力説するようにソーキ軟骨を語る。
    「じゃあ次のお店では僕もソーキを頼んでみようかなぁ」
    「なら次は軟骨ソーキが美味しいお店に行きましょうっ!」
     二人は次の店を選ぶ為、パンフレットのチェックを始めた。
    「おばあちゃん! この沖縄そばの味はどうやって出してるの!」
    「あーそれはねぇ。確かおばぁが若い頃の話よ……」
     堂々と味付けを聞く玖栗に、オバァは何故か昔話を始め、店の出来た頃から延々と話は続き、最後に漸く味の話になっていた。他の面々もそれを聞きながら美味しいそばをすすった。

    ●食べ歩き
    「これが20食限定の木灰そば!」
     百目鬼・八重子の目の前には待ちに待ったそばが置かれていた。これを食べる為にバスを降りるなり、1人急いでこの店にやって来て行列に並んだのだ。
    「では、いただきます」
     一口食べると、その弾力と出汁の旨味にずるずるっと続けてすすってしまう。
    「かつおの風味がとっても強くて、すっごく美味しいです!」
     味はしっかりしているのに、澄んだスープが飽きさせる事なく食を進ませる。
    「先輩から教えてもらったように、本当におうどんみたいで面白いな~」
     ずずぅっと食べながらも次はどこに行こうかと、お昼の間にどれだけ食べ歩けるか計画を考えるのだった。
    「どこから行ってみよっか?」
    「うーん、どこに行こうか。あまり下調べはしてきていないのだ……」
     伊織・順花がパンフレットを見ながら声をかけると、天地・玲仁は目移りしながら悩ましく首を傾げた。
    「さて……これだけあると、悩むな」
     蛇原・銀嶺は付箋が大量に貼りついたパンフレットを手にしていた。
    「蛇原は真面目だな。俺の場合、こういう時は直感だ」
     それを玲仁は感心したように後ろから覗き込む。
    「そばのお持ち帰りが出来る店には寄ってみたいな」
    「持ち帰りが可能な店は……こことここがそうらしい。この店は真空パックしてくれるらしいから、お勧めかもしれないな」
     お土産にしたいと言う順花に、銀嶺がパンフレットを指差す。
    「ならそこに行ってみよう」
     玲仁の言葉に賛同し、高校の時のクラスメイト3人は少し歩いたところにある小奇麗な店に入る。
     冷房の効いた店内に一息つき、メニューを見ながら出されたお茶を飲む。
    「沖縄そばを……3つ」
     銀嶺が二人の顔を見ながら3人分を注文する。暫くパンフレットを見ながら今後の予定を相談していると、湯気の立つ丼が目の前に置かれた。
    「では、いただこうか」
     手を合わせた玲仁は、まずはとスープを味わい麺をすする。
    「鰹出汁に豚骨、だったか。ふむ……なるほど。東京の濃い味のうどんやラーメンに慣れていると新鮮だな」
     味わいながらも難しい顔で、少しでも味を盗もうと吟味していく。
    「この味を帰ってから上手く再現できればいいのだが……!」
    「玲仁は楽しそうだな。銀嶺は……」
     端を止め丼から顔を上げた順花の視界に、ふーふーと麺を冷ましている銀嶺の姿があった。
    「銀嶺は猫舌だったか?」
    「猫舌……ではなかったと思うのだが。普段は熱い物あまり食べないからな……」
     肩を竦めた銀嶺は漸く少し冷めたそばを口にした。

    「わぁ、ここのソーキは大きくていいねぇ」
     誠一郎は出てきた大きなソーキの載ったそばに目を輝かせる。続けて2件目に入った店ではソーキそばを頼んでいた。
    「しかし沖縄そばって一口に言っても店によって違うもんだな」
     ソーキそばを前に、龍一郎は湯気で曇った眼鏡を拭きながら感心するように頷いた。
    「こ、この肉は……! 軟骨まで蕩けるように柔らかく、旨味が閉じ込められている!」
    「こ、これが沖縄のご当地グルメ、本場のソーキなんだね!」
     蔵乃祐のノリに合わせて誠一郎もそれっぽいコメントを続け、二人は笑い合う。
    「ソーキ軟骨とそばの組み合わせの美味しさが理解できれば、立派なスバジョーグーですよ」
     狛は軟骨の部分を美味しそうに食べながら、熱く沖縄そばとソーキを語り出した。
    「ぐおっ……こ、これは効く……! だが、これがいい!」
     小次郎は沖縄の島とうがらしを使った調味料をかけてそばを喰らう。カッとくる辛さに汗を流しながらも、病みつきになったように食べ続ける。最初はずずっとすする音が今でずるずるずぉっという勢いのある音に変わっていた。
    「すいませーん! ソーキってどうやって作るんですか!」
     ソーキを頬張り美味しさに震えた玖栗は、またもや店主にレシピを聞く為突撃していた。
    「誠一郎も食べるか?」
     ウグが差し出したのはジューシーを握ったおにぎり。
    「修学旅行だって言ったらおにぎりくれたから一個あげるよ」
    「ありがとう、いただくよ。うん、そばと一緒に食べても美味しいねぇ。麺とご飯って何故か合うんだよね」
     笑顔で受け取ると早速食べ始める誠一郎。そばを一緒にすすると美味しさが倍増した。
    「わたくしの倶楽部もといお店でも、今回味わった沖縄そばを出したいですね」
     玖栗の質問攻勢を横で聞きながら、狛は味を少しでも盗もうと、真剣な表情でメモを取った。
    「南国か……いいものだ」
     食べ終えて汗を拭った小次郎は、満足そうに呟いて店内で回っている扇風機の風を受けていた。

    ●修学旅行は続く
    「さぁ、次の店に行くぞ。朱梨はどの店がいい? 選んでいいぞ!」
    「もしかして、他のお店も行くの?」
     店を出た鷲司が尋ねると、朱梨が聞き返す。だがすでにその視線は周囲の店へと向かっていた。
    「選ばないならそこの店にするか!」
    「にーさまが食い倒れる程度だと朱梨が死んでしまうので、どうかほどほどに……」
     全く人の話を聞かぬ兄に溜息を吐きながらも、仕方ないなと後を追う妹。それは誰が見ても仲の良い兄妹の姿だった。
    「美味かったな、帰ったら作ってみよう。だが、きっとどれほど上手く作れても、ここで食べるほど美味しくはならんのだろうな」
     青く広がる広大な空を見上げながら玲仁は眼鏡をくいっと押す。
    「お土産も買ったし俺の目的は達成したな、まだ食べれるけど次はどこにしようか?」
    「味に関してはこちらの店が人気らしいが、やはり昼時は混むらしい。この店はあっさりめ、ここはボリュームがすごいらしい」
     土産の入った紙袋を手にする順花に、銀嶺がパンフレットを開いて説明する。
    「……で、どこにしようか」
    「これだけ細かくチェックしてるのにどこに行きたいとかないんだな」
     説明を終えて満足したような銀嶺に、順花はそのしっかりと店の特徴まで調べ書き込まれたパンフレットを呆れたように覗き、横から玲仁が笑いながらパンフレットを指差した。
    「せっかくだ、その人気の美味い店に行こう」
     3人は息の合った様子で、高校時代と変わりなく肩を並べて歩いていた。

    「麺の形から、具材から、スープまでどこのお店も違っていて楽しかったです♪ そして何より美味しかった……」
     店から出た八重子は噛みしめるように呟く。次はどうしようかと周囲を見渡すと、その視界に同じ学園の仲間達がちょうど店から出てくるのが見えた。
    「まだいけるなあ。次はどこの店にしようかな」
    「もっと色々な店を食べ比べよう。まだ大丈夫だ」
     蔵乃祐と龍一郎は年頃の男子らしく、二杯食べてもまだまだ余裕の表情だ。
    「色々細かい違いがあっておもしろいから、他のお店のも食べてみたいな!」
    「次のお店ではどんなレシピが教えてもらえるかなー!」
     ウグが元気に影を踏みながら歩くと、玖栗はワクワクしながら後ろに続く。
    「八重山そばというのもありますよ」
     狛がそう言うと、誠一郎はふむふむと頷いてパンフレットを見た。
    「八重山そばか~、それもいいね。じゃあ次は八重山そばが出るお店に行こうかなぁ」
    「能登さん! 能登さんも一緒にデザートを食べませんか?」
     次の目標を探している誠一郎に、既に4件ハシゴをした八重子が手を振って近づいてきた。
    「ご一緒に南国フルーツ満喫のデザートを食べましょう!」
    「デザート……少し甘い物で舌を刺激するのもいいかもね」
     暑い日差しを受け汗を流しながらそう言うと、デザートも置いてそうな店へと歩き出す。最初のそば屋にもぜんざいが置いてあったなという話になり。沖縄のぜんざいとは何なのかという話で盛り上がる。
    「冷たいもので涼をとるのも良さそうだ」
     その後を、小次郎は吹き抜ける南国の風を感じながらゆっくりと歩く。
     夏の日差しはまだまだ強くなる。地面から昇る陽炎はまるで湯気のよう。
     沖縄の夏はこれからが本番だ。だがそれすらも楽しむように、誰も彼もが色鮮やかな笑顔に彩られていた。

    作者:天木一 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年6月25日
    難度:簡単
    参加:12人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 6
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