修学旅行2014~国際通りでお買い物

    作者:刀道信三


     武蔵坂学園の修学旅行は、毎年6月に行われます。
     今年の修学旅行は、6月24日から6月27日までの4日間。
     この日程で、小学6年生・中学2年生・高校2年生の生徒達が、一斉に旅立つのです。
     また、大学に進学したばかりの大学1年生が、同じ学部の仲間などと親睦を深める為の親睦旅行も、同じ日程・スケジュールで行われます。

     修学旅行の行き先は沖縄です。
     沖縄そばを食べたり、美ら海水族館を観光したり、マリンスポーツや沖縄離島巡りなど、沖縄ならではの楽しみが満載です。
     さあ、あなたも、修学旅行で楽しい思い出を作りましょう!


     修学旅行1日目、首里城観光のあとは、ゆいレールに乗って国際通りに向かう。
     お昼ご飯は第一牧志公設市場。
     第一牧志公設市場とは、国際通りから少し歩いたところにあり、沖縄特有の食材、島野菜や色彩鮮やかでトロピカルな近海魚、豚肉やヤギ肉などの食肉類、特産物の加工品を扱う店がたくさん集まっている。
     沖縄の生活文化や食文化を垣間見るには絶好のスポットである。
     ここでお昼ご飯といえば第一牧志公設市場特有の『持ち上げ』という食事スタイルは欠かせない。
     1階の鮮魚店で買った魚介類を2階の食堂ですぐさま調理してもらうシステムである。
     お土産には持って帰れない沖縄近海の鮮魚をいただくことのできる持ち上げ、旅の思い出になる食事になることは間違いないであろう。
     昼食の後は夕食まで自由行動、その足で国際通りを散策してみるのもいいだろう。
     国際通りとは、那覇の中央に約1.6kmに渡って伸びるメインストリートである。
     その両サイドにはお土産物屋が連なり、定番菓子や伝統工芸品などの沖縄土産、トロピカルプリントが施された南国ファッション、まだ食べ足りないという人達のための沖縄グルメ、ゆっくり過ごしたい人達のためのお洒落なカフェと、沖縄をたっぷり満喫することができる場所だ。


    「せっかく修学旅行1日目の自由行動が国際通りの近くからなんだし、旅行に必要な物を現地調達とかしてみたいわね」
     朱月・玉緒(中学生ストリートファイター・dn0121)は修学旅行のしおりを眺めながら、そんなことを呟いた。
     玉緒は普段必要以上に旅行の準備をしてしまうタイプである。
     だから一度くらい最低限の荷物だけで旅することに微かな憧れを抱いていた。
    「ハイビスカス柄のチュニックやワンピース、それから定番の文字の入ったTシャツとかを買って着替えれば、沖縄気分になれるかも」
     修学旅行中の水着も、敢えて国際通りで選んで買うのも悪くないと玉緒は思った。
     南国気分を味わいながらなら、普段の自分ではしないような買い物ができるかもしれないという淡い期待もある。
    「あとサーターアンダギー、ちんすこう、紅いもタルトみたいなお菓子を、まず自分で食べ歩きしてみたいなぁ」
     早めに土産物屋の充実した国際通りでお土産として買ってしまってもいいし、まず修学旅行中に自分達が食べる用に買うのも悪くない。
    「ねえ、あなただったら国際通りで何をしたい? もし気が向いたら一緒に回ってあげないこともないわ……」
     浮かれた様子で修学旅行の予定を語ってしまっていた自分を見られていたことに気づき、玉緒は気恥ずかしげに視線を逸らす。
    「沖縄で修学旅行が楽しくないわけがないものね。今から楽しみだわ」
     照れ隠しをするように、玉緒はパタンと少し大きな音を立てて修学旅行のしおりを閉じた。


    ■リプレイ

    ●公設市場
    「昼は折角だから海鮮を……出来るだけ火が通っているものがいいな。生ものはあまり得意じゃない……」
     昼食にジョシュアは鮮魚店で珍しい近海魚を選ぶ。
     持ち上げは刺身だけではなく、あんかけや唐揚げにすることもできるので大丈夫だろう。
    「あまり買い過ぎても、俺は食べれないから自分で食べれる分だけにしとけよ……」
    「なんだ、別に両手に抱え込む量を買ってもいいだろう。自分で支払って食べるんだ。全部食べきれる」
     ジョシュアの心配そうな視線に対して沖縄の食文化を堪能して思い出として持ち帰ろうと両手いっぱいに食材を抱えた志命は笑顔を浮かべた。
    「せっかくだし持ち上げで食べてみようよ、なんか普通より格安らしいし」
     先頭を歩く鈴莉が【dice・rolers】の部員達に提案する。
    「席つく前に魚を買うんだ。とりあえずお刺身に揚げ物あたりでいいかな?」
    「へぇ、いろいろあるんだな」
     鈴莉から説明を受けながら空牙は魚介を中心に見て回る。
    「お代、そういえばうちには大学生が二人いたよね」
    「大学生のおごり? ……まあ、鈴莉と柚亜の二人分なら」
    「荷物持ちぐらいは予想はしていたんだけど、財布の方か」
     鈴莉の小悪魔的笑顔を前に空牙と京夜は顔を見合わせた。
    「柚亜さんも遠慮しちゃだめだよー」
    「……うん」
     少し戸惑いながらも美味しそうなメニューをしっかり選んでいる柚亜。
    「サイドメニューも結構充実してるんだね……って、何かテーブルの上の料理増えてない!?」
    「……またたくさん選んだな、中学生」
     鈴莉の手によって容赦なく追加されていく料理に京夜と空牙が戦慄する。
    「あんま食うと……なんでもない」
    「さすがに、この量は太らない?」
     口ごもる空牙とストレートに指摘する京夜。
    「カロリー? 燃やせばいいんじゃない?」
     しかし鈴莉に気にしている様子はない。
    (「見知らぬ沖縄の空気、賑やかな食卓、旅行に来てよかった」)
     柚亜は賑やかな部員達を眺めながら静かに微笑んだ。
    「なんだここおもしれー! ほら見てみろよ、これ!」
    「きゃー!! な、何ですかそれっ!」
    「……!? こ、こんな物も食べるのね……」
     巧太が指差した精肉店には豚の頭が鎮座しており、ヨノが驚きのあまり思わずアンネリーゼに飛びつく。
     抱きつかれたアンネリーゼも面食らって固まってしまった。
     ひとしきり騒ぎながら鮮魚店で食材を見繕うと三人はそれを2階の食堂でそれを海鮮丼にしてもらう。
    「巧太君、アンネちゃん、これも食べてみて下さい♪」
     ヨノの選んだのはカラフル過ぎるトロピカルな海鮮丼。
    「あら、美味しそうだけど。食べた感想を聞いてから頂きたいわね?」
     アンネリーゼは冷静に微笑みながらヨノの突き出した匙を巧太に譲る。
    「……お、見た目はアレだけど、美味いぜ、コレ!」
     思い切って巧太は差し出されたものを一口食べるが色彩がアレなだけで普通に美味しい海鮮丼だった。
    「二人とも早くー! こっちこっちー!」
     昼食を終えた三人は国際通りに繰り出していた。
    「あまりはしゃいで、迷子とかにはならないでよ?」
     南国柄のワンピースに着替えて少し浮かれているヨノをアンネリーゼがたしなめる。
    「おい妖。買い物に付き合うとは言ったけど、ちったぁ自分でも持ちやがれ。アンネも何か言ってやってくれよ」
     買ったばかりの派手なアロハにサングラスの巧太の両手には大量の荷物。
    「そうね、私は自分のくらい持つわ」
    「そうじゃない!」
    「美味しいデザートを奢るから怒らないでね、巧太君♪」
    「本当か!? それなら仕方ないな」
     奢ってもらうくらいで荷物持ちに気合いが入ってしまう巧太は人が好いのだろう。
    「普段はあまり騒いだりする方ではないのだけれど、たまにはいいわね、こういうのも」
     そう言ってアンネリーゼは日差しに目を細めるのだった。

    ●国際通り
    「お菓子のお土産を頼まれたが、まずは自分で味見をしてみないとな」
     一人土産物屋に足を運んだレイは味も知らずに買って帰れないと紅いもタルトに手を伸ばす。
    「なんだ、このしっとりと甘い物体は……!」
     今まで甘いお菓子と縁のなかったレイにとってその味は衝撃的であった。
    「今すぐにでも食べたい気分だな」
     友人と自分の分を購入して満足げなレイ、お土産は無事届けられるのであろうか。
    「目当ての三線屋さんはお休みだったけど、いいお店が見つかったね」
     三線、胡弓、エイサー太鼓が並んだ楽器屋で総護は店員から沖縄楽器について教わっていた。
    「弾き方は都内でも習えるよね」
     指揮者を目指している総護にとって色々な楽器に触れることが勉強になる。
    「さあ、沖縄の音色を楽しむぞ!」
     総護は楽器屋で購入した沖縄楽器を手に今にも演奏したいという様子で日差しの下に出た。
    「お、これなんて良さげだね」
     特に当てもなく国際通りを散策し、太陽が大きくデザインされたアロハシャツを手に取っていた。
    「これは修学旅行中の普段着にしよう」
     手提げ袋には沖縄のローカルヒーローのフィギュア、後で部屋に飾る予定である。
     こうして知信は沖縄、国際通りを満喫したのだった。
    「ふむ、ちゅら玉ですか」
     弘美はとあるお店で綺麗なアクセサリーを発見した。
     ちゅら玉は海で浮かべるうき玉をイメージしたアクセサリーである。
    「色にも意味があるんですね。青は皆に受け入れられる……と。ふむ、青にしましょうか」
     そう言って弘美は青いちゅら玉を手に取る。
    「……いえ、別に除け者にされてるとかそういうことじゃないですよ? ただ、これからも皆さんと仲良くやっていけるように、です」
     誰に見られているわけでもなく弘美はそう言った。
    「親睦旅行が修学旅行と同じ日程とは思いませんでしたね」
    「ビックリだけど、一緒に遊べるのはみあとっても嬉しいんだよう!」
     小学生の深愛と大学生の臣が一緒に歩くと兄妹のようで微笑ましい。
    「今日はクラブの友達にいっぱいお土産買っていくんだよう!」
    「そういえば、深愛さんはお兄さんへのお土産は何か考えていますか?」
    「お兄ちゃんのはいらないかなって。でも臣くんがそう言うなら、ちょっと真面目に考えてみるの」
    「深愛さんが選んだ物なら、きっと喜んでくださいますよ」
    「臣くんは下見から?」
    「まだ初日ですからね。自分用にシーサーの置物を考えていますが深愛さんのオススメはありますか?」
    「ピンクで丸っこいの! でも臣くんには可愛すぎかも?」
     そんな風に二人は楽しくお土産選びを続けるのだった。
    「ほら、キリキリ歩きなさい!」
    「ねえ、まだ買うの? もう限界なんだけど……」
     双子の妹の一如が次から次へと買うお土産をすべて持たされている梵我は汗だくになっていた。
    「あとでアイス買ってあげるから」
    「マジで!? じゃあ、頑張る! 絶対だよ!!」
     物に釣られる男子がここにまた一人。
     しかし文句を言いながら梵我も『祭人』とプリントしてもらったTシャツを着て沖縄を楽しんでいるのだった。
    「にえは猫用ちんすこうが欲しいんですよね、ぽっけちゃんにお土産ですよ!」
     紫芋アイスをブンブンと振り回すように仁恵はそう宣言した。
    「木刀買いましょうよ木刀、学生と言えば木刀でしょう?」
    「にえちゃんまるで調子に乗った学生ですね!」
    「寵ー、これ買って下さーい!」
    「なに年下にたかってんですか!」
     律儀にツッコミを入れながら買ってあげる寵。
     大学生に奢らされる中学生、何か弱味でも握られているのではないかと心配になる。
    「て、言うか何で君達そんなに暑苦しい格好してんです?」
     南国柄のムームーを着ている仁恵に対して寵は長袖学生服、八重華は袴に黒帽子という喪服のような格好。
     二人ともまるで我慢大会でもしているかの様相である。
    「メグミ、一口寄越せ」
     耐えかねた八重華が寵のシークワーサーシャーベットを無断で食べる。
    「あっやえちゃん勝手に食べてんじゃないですよ!」
    「あとで同じの買ってやるから」
    「え? じゃあ、次はココナッツ味で!」
     それ同じのではないとツッコんだら負けだろうか。
    「アロハシャツとかめっちゃ売ってるんですよ!」
    「僕、日焼けしたくないし……あーやえちゃんアロハ似合いそうですもんねー」
    「確かにこの格好は少し暑苦しいな」
     そう言って八重華はふらりと一軒の土産屋に入る。
     数分後、買ったアロハを着た八重華が店から出てくる。
     すかさずスマホのカメラを構えて激写する仁恵。
    「なるほど」
    「にえちゃん後で僕にも送ってね」
     普段白黒の八重華のアロハ姿はレアである。
     二人の反応に居た堪れなくなった八重華は店へと踵を返した。
    「みんな今日はTシャツがナウいね。僕も一枚買って着よう!」
     そう言って絢矢は『おさげ』と書かれたTシャツを購入した。
    「うむ、皆のもイイ感じ」
     『ぱずらー』と書かれたプリントTシャツを見つけて【井の頭高校2-8】の集団から離れていた悠歩が合流する。
    「想司はなんでアロハなんだ。んでこの流れ、Tシャツ推し?」
     そう言いながら小夜子は手近にあった『しーさー』と書かれたTシャツを試着室で着替えて購入した。
    「沖縄といえばアロハでしょう」
     みんな努めてスルーしていたアロハをツッコまれて想司が無表情なドヤ顔をキメる。
    「特に欲しいものがあるわけじゃないのだけど……」
     プリントTシャツの流れに流されて深叶も適当に手に取った物を購入する。
    「このハバネロちんすこうとか面白そうじゃない?」
     そう言いつつ絢矢はウクレレと星の砂を買い、ひたすらサーターアンダギーをカゴに放り込んでいた想司にウクレレを持たせた。
    「ほんじゃ、うちも部長らしく皆にお土産買ってくか。菓子のまとめ買いがいいかなー……」
     絢矢の発言が気になったのか小夜子はハバネロちんすこうに目をやるとカゴの中に入れた。
    「……沖縄のお土産って何? ゴーヤ?」
    「……海ブドウとか、ジャスミンティーやシークワーサーなんかもお薦めだが……」
     悠歩の質問に獅子人Tシャツを着た兎斗が答え、ふんふんと悠歩が頷く。
    「こういうのが必要そうな……ほっとけない先輩が多くてな」
     魔除けが必要そうな先輩達を思いながら、兎斗は自分用を含めてシーサーのストラップをレジへ持って行った。
    「小夜ちゃんは何を買うの?」
     興味津々といった様子で小夜子の後ろからひょこっとしいなが現れる。
    「そうだな。せっかく深叶もしいなもいるし、おそろいのでも買わね? 蛍石のブレスレットとかどーよ!」
    「……ブレスレット、買うの? ……わたしも、買うわ……」
    「それじゃ、私も。鷲城さんも一緒、お揃いだね」
     そう言って女子三人でお揃いのブレスレットを買う。
     小夜子が提案する前から二人とお揃いの物を買いたがっていた深叶は腕に通したブレスレットを指でなぞりながら嬉しそうに微笑む。
    「あ、もうダメだ。お腹いっぱい誰かヘルプ……」
     片っ端から定番菓子を買い食いしていた悠歩の顔色が青くなる。
    「茜くん……頑張れ☆」
    「悠歩……頑張れ?」
     薄情にも救いの手は差し伸べられない。
    「おや少食な。おれに任せなさい」
    「ソウシ……!」
     そこへウクレレをポロンポロンと弾きながら横からヒョイパクと食べていくアロハ。
    「今年は私がお土産に」
     そんな騒動を背後にしいなはデフォルメされたシーサーの置物を手に取る。
     去年は一つ上の部活の先輩にもらったものだった。
    「あ、あったあった。雪君、これなんかどうです?」
     それぞれの恋人へのプレゼントを買いに雑貨屋に来て指ハブで遊んでいた雪之丞に楽多が声をかける。
    「結び指輪って言って、この結び目が絆とか縁を表してるそうです」
    「……楽多、おま。俺が隣でこんなものを見てる隙にそんな……恐ろしい子!」
     でもデフォルメされた猫に『まやー』って書かれたTシャツも可愛いと思いますよ。
    「く……いただこう!」
     楽多から結び指輪を受け取ると雪之丞はレジへとそれを持って行った。
    「幸、喜んでくれるかな」
     さて、次は楽多の買い物の番である。
    「とりあえず俺、せっかくだから、かなり旅行を満喫してますみたいな恰好で歩きたいんだけど」
     青いアロハ姿のクレイが土産店内を物色しTシャツを探す。
    「お、これなんかどうだ?」
     店内を見渡したシグマが『くびちりどぅし』と書かれたTシャツを手に取る。
    「くびちりどぅし? 何それ?」
    「親しい友人って意味らしいぞ」
     首を傾げるクレイと梛にシグマは何も見ずに答える。
    「プレゼントしてやるから着ろよ」
     そう言ってシグマは乱暴にTシャツを梛に押しつけた。
    「プレゼントと言われりゃ断る理由もないけど」
    「しかし、なぜ日本人のナギよりお前の方が詳しいんだ。きっと今回の旅行を楽しみにこっそり事前に調べてたんだな」
    「なあ、どうしてこれを選んだんだ?」
     とクレイと梛が笑いながらシグマをからかう。
    「ど、どうだっていいだろ!」
     このTシャツを着て親友だというのをこっそり当てはめたかったなんて言えずに耳まで赤くなるシグマ。
    「いいなぁ、親友の服。俺も買おうっと」
    「クレイも買うか。んじゃ、シグマも買わなきゃだな」
     梛はTシャツをシグマに押しつけるようにしてレジへ向かわせる。
    「よし、これで明日の服はゲットした」
    「つーか、着替えが現地調達なのが凄い……」
     残りの服を求めて三人の買い物は続く。
    「三人でお揃いのモンを買おう」
     嵐が【千川2-4】の二人を引っ張り土産物屋に先導する。
    「私はこのシーサーの根付が気に入ったわ」
     しばらく店内を見て回ると樒がストラップに目を留めた。
    「個性的な柄だな……」
    「……魔除効果が高そうだな」
     樒が選んだのは凄まじい柄のシーサーだった。
    「あたしはこれにするかな」
     樒が肩を落とすより早く嵐が隣にあった同じシリーズのハイビスカスのストラップを手に取る。
    「綺麗だな……」
     作楽も同じ棚から星の砂の入った琉球硝子のストラップを手に取って二人に見せた。
    「白石は綺麗なトンボ玉か。三種三様だな」
     ふっと吹き出した嵐に作楽がきょとんと首を傾げる。
    「似てるようで違うタイプのあたしらが、こうやって仲良くなれたコト、嬉しいな」
    「……そうだな。今、こうして楽しむ事が出来て幸せだ」
    「良い縁に恵まれた」
     こうして三人は友情を深め合ったのだった。
    「一緒に入りませんか? 一人で入るのはちょっと恥ずかしくて……」
     カフェを見つけて入ろうか迷っていた鈴緒は、玉緒を見つけて声をかける。
    「いいですよ。買い物も一段落したところです」
     見たところ最低限の荷物でというのは失敗しているようだった。
    「おいしいですね」
     沖縄スイーツを食べる鈴緒とお茶を飲む玉緒。
     鈴緒は食べながらお土産は沖縄スイーツにしようと考えた。
    「付き合ってくれてありがとうございました」
    「いいえこちらこそ、それじゃ弓削さんまた夕食で」
    「修学旅行、お互い楽しみましょうね」
     そう言って鈴緒と玉緒は再び自由行動に戻るのだった。

    作者:刀道信三 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年6月24日
    難度:簡単
    参加:36人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 9
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