しとしとと雨が降り続ける。まだ梅雨は明けず、日の光を分厚い雲が遮る。
長雨によって増量した川は水を増し、濁った水が泥色に染める。
そんな中、一匹の青黒い獣が堂々と歩を進める。
一見すれば犬だと思うだろう。だが良く見ればその透き通るような青い目は鋭く、体もしなやかな肉食獣のもの。それは今は絶滅したはずのニホンオオカミだった。
「オオオオオォォォン!」
雨の音にも負けぬ力強い雄叫び。するとびちゃびちゃっと川から何かが這い上がってきた。
ぬうっと現われたのは黒く長い髪に、色白の女の顔。濡れた髪から水が滴る。顔だけ見れば人のものだ。だがその首から後ろは人などではなかった。蛇。それは巨大な大蛇の体を持っていた。川に続く胴体の先はどこまで続くのか見えない。
女の顔が陸に上がるのを確認すると、オオカミは歩み去っていく。
それから暫くすると、傘を差した子供達が近くを通るのが見えた。女はまるで蛇のような長い舌を出して動き出す。するとじゃらりじゃらりと金属のぶつかる音がした。それは女の首に繋がれた鎖の音。地面へと続き、まるでこの地に女を縛るようだった。
「やあ、雨ばかりでイヤになるねぇ」
だらしなくシャツをはだけた能登・誠一郎(高校生エクスブレイン・dn0103)が灼滅者へ顔を向ける。
「また新しいスサノオが現われてね、その手で古の畏れが生み出されたんだ」
スサノオが生み出したは古の畏れは顔は人、体は蛇の姿をしている。
「古の畏れは濡女っていう妖怪みたいだね、これを放っておくと人を襲うんだ。だからその前にみんなに退治してもらいたいんだよ」
現状移動をする様子は無い。鎖に繋がれ遠くにも行けない。だが人が近づくと襲い掛かるようだ。
「場所は島根県にある河川敷だよ。幸い雨の所為か人通りは少ないみたいだね」
今から向かえば被害者が出る前に到着できるだろう。
「敵はその蛇のような体を使って人を襲うみたいだね」
その長い胴体で巻き付き川に引き込み、窒息させながら絞め殺すようだ。
「スサノオ本体とは出会えないけど、目覚めた古の畏れを放ってはおけないからね。みんななら被害を出さずに退治できるはずだよ。どうかお願いするね」
誠一郎の言葉に頷き、スサノオの好きにはさせぬと灼滅者は席を立ち島根へと向かった。
参加者 | |
---|---|
アリス・バークリー(ホワイトウィッシュ・d00814) |
奥村・都璃(焉曄・d02290) |
鏡・瑠璃(桜花巫覡・d02951) |
病葉・眠兎(年中夢休・d03104) |
大場・縁(高校生神薙使い・d03350) |
フルール・ドゥリス(解語の花・d06006) |
久瀬・隼人(反英雄・d19457) |
日輪・戦火(汝は人狼なりや・d27525) |
●降り続く雨
どんよりとした梅雨空が一日中続いている。少し止んだと思っていた雨はまた強く降り始める。
強い雨に川の勢いもまた増したように思えた。そんな川縁に一人の女が傘も差さずに立っている。濡れた長い黒髪が体にべったりと張り付く。その体は細長く川へと続いている。それは人のものではなく蛇のものだった。
「これで人払いは大丈夫ね」
レインコートを着たアリス・バークリー(ホワイトウィッシュ・d00814)は、雨に打たれながら音が外部に伝わるのを封じる結界を張った。
「あれが人面蛇身の妖怪、濡女ね。どうも日本の古典には詳しくないんだけど、有名な方なのかしら?」
「濡女、全国的に分布している妖怪のようですけれど……妖怪は地方でずいぶんとヴァリエーションありますからねー」
アリスの問い掛けに病葉・眠兎(年中夢休・d03104)が答える。
「ゲームとかにいるラミアに近い、かと思いきや、首から下がもう蛇身なんですよねぇ。これ。題材によってはラミアみたく上半身あったりもしますが」
続けて鏡・瑠璃(桜花巫覡・d02951)が濡女について説明を始めた。
「この辺りだと牛鬼に使役される妖怪って説があるようですね」
今回は現われないでしょうけどと、殺気を放って人払いをする。
「濡女さんって、昔からの伝承に残る妖怪なんですか……。もしかしたら、おとぎ話に出てくる妖怪達もダークネスの話が伝聞して出来てたのかもしれませんね」
その説明を聞いた大場・縁(高校生神薙使い・d03350)は、色々なお話に出てくる妖怪達を思い出し想像を膨らます。
「スサノオ………また妙な事件………を………!」
日輪・戦火(汝は人狼なりや・d27525)は嫌悪を込めた視線で、古の畏れを見つめ戦意を高める。
「雨で足元が滑る、気を付けていこう」
ぬかるんだ足元を注意するよう仲間に声をかけて、奥村・都璃(焉曄・d02290)は剣を抜き放つ。
「そうですね、油断せずに仕掛けましょう」
フルール・ドゥリス(解語の花・d06006)はその言葉に頷いて、霊犬のリアンと並び立つ。
「はい……。き、気をつけ………ます」
人見知りな戦火は仲間の声にビクッと肩を震わせて頷いた。
「古の畏れはこれで三匹目だが、相変わらずじめじめとしみったれた感じのヤツばっかだなァ、オイ」
久瀬・隼人(反英雄・d19457)が雨に濡れながら鋭い視線で敵を見下ろす。
「それじゃみんな、始めましょうか!」
「ああ、カビる前にとっとと片付けっか」
アリスが仲間と視線を合わせて確認すると、隼人は気負い無く駆け出す。間合いに踏み込み、一瞬にして腕を鬼の如く膨張させて顔面を殴りつけた。
●妖怪
『ギィヤアアア!』
不意に顔を殴られた濡女が雨の音も聴こえぬほど甲高く叫ぶ。そして殺気に満ちた瞳で睨み付ける
『おのれぇっ、おなごの顔を殴るとはぁ!』
「女というよりは、化け物の範疇だろうぜ」
恨みの籠もった言葉に、隼人は鼻で笑って返す。
『貴様ぁ!』
川から伸びてきた尻尾が薙ぎ払おうと迫る。それを割り込んだ都璃が剣で受け止めた。
「非礼は詫びよう。だが人を襲う存在を放っては置けない。ここで倒させて貰う」
ぎゅっと柄を握る力を込めて、剣で尻尾を押し返す。そして離れ際に斬りつけた。
「それじゃあ一つ、演奏を始めましょうか」
瑠璃はピックを弾く、高く跳ねて落ちてくるのをキャッチするとツインネックギターをかき鳴らす。
「踊れ」
放たれた音が風の刃となり濡女の体を切り裂く。リズムに乗り風の刃が次々と襲い掛かる。衝撃に体が踊るように跳ねる。
『ぐああぁっ、おのれおのれぇ!』
濡女は蛇の体を捩じらせて続く攻撃を躱す。そして瑠璃を捕らえようと尻尾を伸ばした。だがその尻尾は途中で弾かれる。
「却説(さて)、妖怪退治と参りましょうか」
そこには剣を持った眠兎が居た。そのまま横に薙いで尻尾に斬り傷を付ける。
「Slayer Card,Awaken!」
アリスの持つカードが白銀に輝き、光がその身を包むと殲術道具が現われる。
「蛇の体は狙いづらいわね。なら……」
その瞳に力が宿る。すると敵の動きが手に取るように分かるようになった。
「いくわよ!」
指で宙に魔法陣を描くと、そこから放たれた白銀の矢が濡女の体に突き刺さる。
「お前を………倒して……やる……!」
うっかり愛用の槍と間違えて座布団を持ってきてしまった戦火は、代わりにそれを突き付けて宣言した。
『ふざけるんじゃないよ、そんなもので……どうすると言うんだい!』
濡女の尻尾が襲い掛かる。どれほどの長さがあるのか、川に浸かった胴体はまだ全身を現さない。あっという間に距離を詰めて尻尾の先端が戦火に届く。
「伝承どおりにお話しもできるんですね……でも、お話してる余裕はなさそうです、ねっ」
その攻撃を縁がロッドで受けた。だが尻尾はたるみを作って力を溜めると、鞭のようにしなって縁を吹き飛ばした。それを追うように蛇の尾が迫る。
「そ、それ以上は………させん……!」
戦火が座布団を投げ込み、まるで鋼のように硬い盾にして攻撃を弾いた。
「仕掛けますよ、リアン!」
フルールは霊犬のリアンに指示を出しながら雷を放つ。リアンも同時に六文銭を撃ち込んだ。
雷が穿ち、銭が傷を深くする。蛇の鱗が割れて血が流れ出た。濡女は痛みに体を捻らせる。
『よくもやってくれたね、流れた血の分も吸い取ってあげるよ!』
口を開けてフルールに迫る濡女。細く伸びた舌が庇おうと前に出た都璃の腕に突き刺さり、まるでストローのように血を吸い上げる。
「仲間を攻撃したければ、先に私を倒すんだな」
都璃は血を吸われながらも一歩も引かずに蹴りを放つ。炎を纏った一撃が舌を蹴り上げた。
『あぢぃぃっ』
じゅぅっと肉の焼ける音と共に濡女が身を引く。それを追い駆けるように銀色のオーラの塊が飛来し、濡女の顔面を叩いた。
「次は私が相手よ、濡女!」
アリスが更にオーラを飛ばすと、濡女は体を曲げて器用に避ける。
『ならその血肉を喰らってやろうかぁ!』
濡女は牙を剥き、頭上から襲い掛かる。それを眠兎が剣で受け止めた。
『ええい、邪魔だよ!』
「――簡単には、突破せさませんよ?」
押し通ろうとする濡女の頬を蹴り飛ばす。
「ここは現実、幻想が許される場所ではない」
怯んだところに続けて瑠璃が鬼の如く腕を変化させ、胴体に拳を叩き込んだ。
『ギィアッ』
口から赤の混じった唾を飛ばし、濡女は憎しみの籠もった視線を向けると、尻尾が鞭のように放たれる。
「今度は押し負けませんよっ」
その前に立ち塞がった縁がロッドに魔力を込める。淡い青色の水晶が輝き、迫る尻尾とぶつかると、尻尾は撥ね飛ばされるように後退した。
『小娘がぁ!』
尻尾とは逆方向から濡女の顔が迫り、鋭く伸ばした舌が迫り肩を突き刺した。
「裁きの光よ、邪悪なるものを打ち払え!」
フルールが指差し光条を放つ。それは濡女の顔を照らすと、その皮膚を焼いた。
『ギャァッ、顔がぁっ』
「ハッ、化け物らしい顔になったじゃねぇか」
怯んだところへ隼人が踏み込む。瞬時に取り出した槍が蛇の鱗を突き破り穴を穿つ。その間に縁は刺さった舌を抜いて逃れた。
「怪我を……す、すぐに治療……します……」
戦火は穏やかな風を起こして仲間の傷を癒していく。
●濡女
『この人間どもめぇ!』
濡女は体をうねらせて隼人に巻きつく。骨を折り砕こうと込められる力に、隼人はオーラを纏って抗う。
『血の一滴まで吸い尽くしてやるわぁ』
その頭上から濡女の顔が迫り、舌が針のように伸びた。
「させん」
跳躍した都璃が剣を横に一閃する。刃は舌を切り飛ばし、濡女は口から血を噴出して悲鳴を上げた。
『ギィィイアアアアッ!』
「その邪魔な体を両断出来るかしら」
その隙に近づいたアリスが白光の剣を生み出し、蛇の胴体へ振り下ろす。刃は蛇の鱗を裂き肉を抉る。だが骨を断つ前に止まった。
『痛いぃああ』
尻尾がのたうちアリスは吹き飛ばされる。だが締め付けが緩んだところへ、隼人は拳の連打を浴びせて抉じ開けると抜け出した。胴体を蹴って離れ際に、全身に仕込んである投げナイフを投げて牽制する。
「風よ、疾く駆けろ!」
瑠璃がギターをかき鳴らす度に、風の刃が次々と巻き起こり濡女を切り裂いていく。それを嫌がり瑠璃を狙って尻尾を振る。
『邪魔なんだよっ!』
「この程度では私を抜くのは無理ですね」
その尻尾に向かって全力でローラーダッシュした眠兎が蹴りを放つ。摩擦で炎を宿した蹴りが尻尾の軌道を変え、灼滅者の頭上を横切らせる。
『熱いぃ』
濡女は尻尾を川に浸けて燃え移った炎を消す。
『よくもよくもぉ呪ってやるぅ……』
怒りの形相で濡女は眠兎を睨む。濡れた髪が顔に這いつき目だけが爛々と輝いていた。
「あの、すみません」
そこへ横から不意を突いた縁が、炎を纏ったロッドで顔面を殴りつけた。
『ああああぅっ』
顔に炎が燃え移る濡女は絶叫して川に飛び込む。同時に尻尾が縁の足に巻きついていた。足を取られて倒れた縁は流れの激しい川へと引き寄せられる。
「リアン、止めますよ!」
このまま川に引き込まれるのは拙いと、尻尾にフルールが杖を向けて雷を放つ。衝撃に尻尾の動きが僅かに止まる。続けてリアンが口に咥えた刀で斬りつけた。
「川には……行かせ……ません」
尻尾の力が弱まったところへ、戦火が座布団を捻じ込み隙間を開けた。縁は足を抜き尻尾を蹴り飛ばすと後ろに飛び退く。
『っぅ、逃したか』
口惜しそうに水面に顔を出す濡女。その顔は焼け爛れていた。
「安心しな、テメェは逃がさねぇよ」
隼人が蛇の胴体の上を駆けて、まるで水面を走るように顔まで近づく。迎撃しようと舌を伸ばす攻撃を跳躍して躱し、頭上を越えるとその後頭部に蹴りを放った。隼人はそのまま川に水飛沫を上げて落ちる。蹴られた濡女は衝撃で岸の方へと体が押し出された。
『ぬぁああ!』
何とか胴体を絡めて川に止まろうとする。だがそこへアリスが飛び込んだ。
「一太刀で無理なら、もう一度……!」
先程半ばまで斬った胴体へ向けて、一寸違わずに斬りつける。刃は骨を断ち蛇の体を両断した。
『ギアアアァ!』
顔と5メートル程の胴体が岸に打ち上げられる。残りの蛇の体は川に流され沈んでいく。
『そんな……わたしの体がぁ!?』
濡女はそれを見ると顔を引き攣らせて川に戻ろうとする。
「そろそろ終わりにしよう」
助走をつけて跳躍した都璃が流星の如く飛び蹴りを放つ。足は胴体を打ち抜き動きを止めさせた。
「幻想が現実に追い付く前に、潰えろッ!」
追い討ちのように瑠璃が異形化した拳を胴体に打ち込んだ。ぐちゃりと潰れた肉が岸辺に縫い付けられるようにめり込む。
『いいやああああ!』
耳をつんざくような女性の悲鳴が轟く。傷だらけの体で這うように川に向かう濡女。だがその前に人影が立ち塞がる。
「申し訳ありませんが……子どもを傷つける妖怪を逃がすわけにはいかないんです」
縁は魔力を込めたロッドを振るう。顔に食らい仰け反る濡女。そこへフルールとリアンが左右から挟撃を仕掛ける。
「永久の眠りに誘いましょう」
フルールが符を投げ、濡女の意識を僅かの間奪うと、駆け寄ったリアンが刀でその喉を切り裂いた。
『ごふっがはっ』
「そのまま……ずっと、眠って………」
血を吐きふらつく濡女に、戦火が風の刃を放った。体中が切り裂かれ、長い髪も散り散りに風に舞う。
もはやいつ倒れても可笑しくないほどダメージを受けた濡女は、力を振り絞って暴れ回る。濡れた髪をべったりと顔に貼り付けて幽鬼の如く襲い掛かる。
「どれだけ暴れようと、私は引きません……!」
眠兎は剣の平を盾にしてその体を押し留める。そして敵が止まると剣を立てて斬りつけた。だが濡女も反撃に舌を伸ばす。剣は深く胴体を抉り、舌は眠兎の腕を貫く。
『か、わに……戻れば、まだ……』
ずりずりと濡女は川に近づき、あと一歩というところまで迫る。その時、川からざばぁっと槍が突き出てきた。
「残念だったなァ? ここまでだ」
川から現われたのはずぶ濡れとなった隼人。その手にした槍は濡女の口を串刺しにしていた。
『がっ……ばっ……』
濡女は化け物らしいしぶとさで体を巻きつけようとする。
「魔力の牙よ、篠突く驟雨を越えて駆け、我が敵を滅せよ」
隼人の後ろ、川から上半身を出したアリスが魔法の矢を放つ。白銀の光は隼人を避けるように顔の横を通り過ぎてから方向を変え、濡女の額に突き刺さった。
『うら……めしやぁ……』
恨みの籠もった言葉を残し、濡女は息絶えた。
●雨の日の日常
雨の振る中、濡女の体が溶けるように形を失い。ただの水となって消えて行く。すぐに雨の染みと変わらぬものになってしまった。
「目覚めず………ず、ずっと…………眠って………いれば良かったの………に」
戦火は嫌悪の混じった目で、濡女が消えた場所を見つめ続ける。そこには人狼としての根深い負の感情があった。
「折角レインコートを着てきたのにびしょびしょになっちゃったわ」
アリスは岸に上がりずぶ濡れになった服を絞る。
「さて、これを生み出したスサノオはどこへ行ったのかしら?」
既に雨にスサノオの足跡も消え、今から探しても容易に見つかるものでもない事を思い、溜息を吐く。
「スサノオ本体をどうにかせませんと対症療法になるだけで、こういう妖怪みたいなモノが次も生まれるのですよねー……」
眠兎もこれからまた起こるであろうスサノオの行動を考えて眉をひそめた。
「島根で、何か探しているのでしょうか?」
それとももっと違う何かなのかと、フルールはスサノオの行動を想像して首を傾げる。
「私達にできる事をしていけば、いずれスサノオとも戦う時がくるだろう」
ならば戦い続けるだけだと、都璃は剣を納める。
「ま、何匹だろうと、片っ端からぶっ潰してやりゃいいんだよ」
濡れた赤いサングラスを拭って掛け直し、隼人は余裕の表情で口元に笑みを浮かべる。
「そうですね。今回のように被害を未然に防げればそれが何よりなのですけれども」
都璃の言葉に頷いた眠兎はスサノオの事は置いておいて、まずは作戦が上手く行った事を喜ぶことにした。
「本当は戦いが無くなれば良いのですけど難しい、ですよね。せめて濡女さんの魂が安らかでありますように……」
縁は手を合わせて濡女が無事に成仏する事を祈る。
「歪みし理は……潰えるが道理。だがせめてもの手向けです……」
瑠璃はゆっくりとギターを爪弾く。それは死者の魂を送るレクイエム。
雨の音がリズムをとるようにメロディと合わさり、その音は優しく響いた。
遠くから赤や青の色鮮やかな小さな傘を差す子供達が歩いてくる。雨だというのに楽しそうにはしゃぎ傘を回す。
その様子に微笑みながら、灼滅者達は自らが守ったものを目に焼き付けた。
作者:天木一 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2014年7月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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