甘くて冷たいあなただけのパフェ

    作者:天木一

    「今日も暑いな……」
     うだるような暑さに貴堂・イルマ(中学生殺人鬼・dn0093)は流れる汗をハンドタオルで拭う。
     空を見上げれば太陽から焼け付くような日差しが伸びていた。トンッとステップを踏み、逃げるように建物の影に入る。
    「ありがとうございましたー」
     ちょうどその時、建物のドアが開き中から人が出てきた。ひんやりと冷房の空気が漏れてくる。思わず立ち止まって一息つく。
    「カフェか」
     お店に目をやればそこは小洒落たカフェだった。中は大勢の客で賑わっている。皆暑さに辟易として逃げ込んだのだろう。
     店頭のディスプレイをイルマはじっと見る。軽食や色鮮やかなジュースが並んでいる。だがイルマが見ているのはその上、背の高い大きなグラスにアイスやフルーツそしてケーキなどが載ったパフェだった。
    「美味しそうだな……」
     イルマは小さな財布を取り出して中身を確認する。
    「くっ……今月の残り戦力では無理か」
     財布とパフェを交互に見て無念そうに溜息を吐く。
    「やあやあ、こんにちは。喫茶店に入るの?」
     そこに現われたのは買い物袋を提げた能登・誠一郎(高校生エクスブレイン・dn0103)だった。
    「こんにちは先輩。いえ、パフェを食べようかと思ったのですが、残念ながら予算が足りませんので」
     渋い顔で財布を見るイルマを、誠一郎は納得したと頷いた。
    「あー、中学生のお小遣いじゃパフェは高いよねぇ」
     ふむふむとディスプレイを覘く誠一郎。
    「それじゃあ、自分で作ってみたらどうかな?」
    「自分で?」
    「うん、パフェなんて基本は盛り付けるだけだから、凝った物を作らない限りは簡単に出来るし、安上がりになると思うよ」
     その言葉にパァッとイルマの顔に日が差す。
    「なるほど……それは素晴らしいアイデアだ! では先輩も一緒にどうだろうか?」
    「そうだね、パフェの話をしてたら食べたくなっちゃったし……そうだ、他にも人を誘って作ればいいんじゃないかな。その方が材料費も安く出来るよ」
    「うむ、皆で作れば楽しく料理できそうだな。それでは早速誘ってみることにしよう!」
     頷いたイルマは日差しなど気にする事無く駆け出した。

    「今度の休日にパフェを作らないか?」
     教室でイルマが灼滅者達に話しかける。
    「学園の調理実習室を借りてある。そこで自分好みのパフェを作って食べようと思っているんだ」
     生クリーム、アイス、フルーツの缶詰、コーンフレーク等、基本的な材料は割り勘で揃え、個人的に使いたい特別な素材は自分で用意することになる。
    「甘くて冷たいパフェを食べて、夏の暑さを忘れよう」
     既にパフェの事を考えているのか、イルマは顔をほころばせていた。その姿は既に暑さなど忘れているようだった。


    ■リプレイ

    ●パフェ作り
    「イルマと誠一郎はお誘い感謝だ」
    「ご招待ありがとうございます」
     芥とレミが声をかけるとイルマは振り向いて微笑む。
    「いや、参加しもらえて嬉しい。今日は美味しいパフェを作ろう」
    「大きいパフェを作るよー」
     イルマが一礼し、誠一郎が材料の山を用意して気合を入れる。
    「手作りパフェ、それは夢をかなえる魔法の言葉。折角なのででっかいのを作りませんか」
     昭子が用意したのは大きな金魚鉢サイズの器。
    「正気か……」
     それを見て純也が思わず呟く。
    「分かったよ。皆で特大パフェ作ろう、ね」
     覚悟を決めたようにたまきが頷いてパフェ作りが始まる。
    「純也くんはお暇ですか、でしたら生クリームの泡立てをどうぞ」
     桃と夏みかんを用意しながら昭子が声をかけた。
    「これを混ぜればいいんだな」
     純也は説明書きを読みながら作業を開始する。
    「片倉。あまり焦らず、生クリームの固さを確認しながら泡立てるんだ。固くなり過ぎて修正するほうが厄介だからな」
     手本を見せる真心に、純也はなるほどと手を動かす。
    「うふ。昭子ちゃん……アイスはこの私に任せてもらう、よ」
     たまきがどや顔で餡子、白玉、抹茶アイスと和風に盛り付ける。
     とにかく大きい器をと百合と一都が探し出したのは、特大のビールジョッキ。
    「では盛り付け!」
     一都がフレークを入れ、生クリーム、フルーツを入れていると中身が減っているのに気付いた。
    「んぐんぐ」
     隣を見れば百合が頬を膨らませてそっぽを向いていた。
    「またこのパターンなのか!?」
     一都のじと目に、百合はもぐもぐと咀嚼しながら知らないと首を振った。
    「どーも、あいにゃくんのダチです」
    「おー、アイナーの知り合い、か。お初に、宜しゅう。不良って変わった名だな」
     智之が挨拶をすると、紋次郎も挨拶を返して珍しそうに尋ねる。
    「あ……ええと、俺ン名前は不良じゃなくて、とも――」
    「取り敢えず言っておくが、猫呼ばわりされる謂れも猫変身してやる義理も、ない」
     そんな話はどうでもいいとアイナーが割り込むと、えっと紋次郎が二度見した。
    「僕は、チョコレートたっぷりのパフェを作ります」
    「割り勘ってことは、量を多く作った方がお得ってことだよね!」
     文具とルクルドがチョコと生クリームを手にして残る一人を見る。
    「ぼ、僕……お菓子作りとか好きだから……っ」
     見られて緊張したのかユァトムがぼそぼそと喋る。
    「あ、後で一緒に、食べよう……ね」
     そうして3人はそれぞれのパフェを作り始める。

    ●料理
    「まずは中身ね。うーん、何入れよっか?」
    「まずはコーンフレークかなー……と」
     紫が尋ねると殊亜は見向きもせずに作業に没頭している。
    「俺はコーンフレークにチョコで小さく目とかつけて、子ライオン作りに忙しいの! 土台は任せたよ紫さん!」
    「今日の殊亜くんは職人さんねっ。頼もしいよ、こっちは任せておいて!」
     胸を叩いて紫が大きなパフェグラスにフレークを詰め始める。
    「よし、綺麗に出来たっ。さて、次は……あっ。少しくらいなら気づかれないよね」
     こっそりと余ったお菓子を食べる。その姿を殊亜はじーっと見ていた。
    「だって、だって……美味しいんだもん!」
     それに気付いた紫が頬を膨らませながら抗議する。
    「つまみ食いする女子ってどう思うイルマさん……」
    「ん? もぐもぐ……ごくん。つまみ食いはいけないが、食材がどんな味か確かめるのは大事な作業だと思う……かな?」
     頬を膨らませたイルマが目を逸らした。
    「だよねー!」
     仲間が出来たと紫はその手を取ってはしゃぐ、殊亜は諦めたように溜息を吐いた。
    「相変わらず手際いいなあ」
    「手際いいかな? 手は確かに大きいが」
     修太郎が大きな手で作る様を見て、郁はやっぱり好きだと思いこっそり頬を緩めた。
    「パフェ作り……それは果てしない挑戦」
    「まてまて」
     円理が手刀でスイカを割ろうとするのを、十織が慌てて止めた。
    「モチーフはこれにするか、シーサー、お前も好きだろ? 作り方は手本見せてやるから安心しろ」
    「シーサーモチーフ……それは心躍る」
     円理が見蕩れる中、十織が手本を見せるがそれはシーサーというよりたわしだった。
    「この辺がシーサーっぽい……よな? イメージとの差が激しいがそれもまた個性」
     よく分かったと円理は手で林檎を割った。
    「パフェってあんまりつくるイメージないよね」
    「そうだね、フルーツだけだとちょっと物足りないだろうし、僕の方はちょっと合成にしてみようかな」
     鈴がアイスを黎也が果物を盛り始める。
    「これ、くまさんに。良かったら使って?」
    「おお、これは……うむ、使わせてもらおう。感謝する!」
     千巻の作った砂糖菓子のリボンを、イルマは喜んで受け取る。
    「お手伝いするよぉ、大きなパフェって浪漫だよねぇ」
    「あ、千巻さん。助かるよ、やっぱり自分で作るならジャンボパフェに挑戦したいよね」
     千巻を見て誠一郎が笑顔で迎える。その手にはたっぷりのクリームが握られていた。
    「……我が事ながら、無駄に気合が入っていますね」
     絶奈は真剣な表情でチョコペンを動かす。アイスやフルーツを使ってトラ猫の顔を作っていた。
    「いやはや、パフェですか……。この暑い時期に食べるものですから、出来るだけ冷たくて食べやすいものが良いでしょうかねぇ……」
     流希は桜、苺、ブルーベリーのジャムで彩のあるパフェを作り始める。
    「はー、甘い物はいいですよねー。しかも自分で作るなんて最高ですね」
     史雄はブサイクな猫の描かれた青いエプロンを着けた。
    「何だか遊んで欲しそうだったから、たまには。おれ、やさしい」
    「法花クンが珍しくどーしても行きたいっつーから付き添い。海より深く感謝しろよっ」
     葛黎と遵がお前だろと言い合う。
    「つーか男二人でパフェとか大丈夫!? 社会的に! だってホラ、女のコとかリア充ばっかじゃんかぁ……」
    「誰もおれたちのことなんか見てないし、気にもしないよ。みんな、パフェに夢中だ」
     遵が葛黎の背中に隠れる。
    「まあ、来たからには食うけどさ! って、法花クン何それ!? 真っ茶色な上に何かすげーグロいんだけど!」
    「おれは、チョコレートだけあればいい」
     とにかくチョコレート系を攻める。対して遵はアイスや果物の爽やか系を作ろうと盛り始めた。
    「……あ。遵のそれ、知ってる。昇天ユニコーンMIX盛り、ってやつだ。やべー」
    「え、昇天……何!? 何かかっけー響きだからいいけど!」
     訳が分からないと笑い合う。
     芥は指示を仰ぎながら桃、みかん、サクランボを並べる。
    「もっと甘くしない?」
    「そうですね、じゃあもう少しだけ」
     甘党の芥がねだると、レミは軽く微笑んでシロップを多く垂らした。
    「パフェが自分で作れる! へへ、すごーくすごーく楽しみにしてたんだ!」
    「大好きなものたくさん入れて、美味しいパフェを作ろうね」
     紗奈とひよりは顔を合わせて笑顔になる。
    「あのね、クッキーとケーキを入れたいなって」
    「わたしは桃を入れたいな」
     紗奈の言葉に頷き、ひよりはチーズケーキと桃を用意する。
    「どっちが高いの作れるか、競争しましょう! 負けた方が帰りのラーメン奢りね。あ、勿論パフェは、自分で食べられなきゃダメですよ?」
    「ん、競争? 良いね、負けないよ――って帰りの?!」
     冴の言葉の途中で頷いた司だが、最後の言葉で顔を青くした。

    ●甘いひと時
    「クッキーを焼いてきた。良ければ上に幾つか乗せてやってくれ」
    「クッキー、かわいい」
     真心から受け取った昭子が最後に飾ってパフェが完成する。
    「あーん、です」
    「わ、えへへ……じゃあ、昭子ちゃんもあーん、だよ」
     昭子がスプーンを差し出すとたまきは嬉しそうに口を開く。そしてお返しとスプーンを差し出した。
     真心も満足そうに食べると、純也は携帯で巨大なパフェが攻略される様を収めていた。
    「姉さん、オレのは出来たよ」
    「あたしのも完成☆」
     七星とシアンがパフェをお披露目する。それはお互いをイメージしたパフェだった。
    「姉さんのパフェはチョコとベリー系で纏まって美味しそう。オレのはちょっと変わっててこのシロップをかけると……かき氷が蒼からピンクに変わるんだ」
    「ナナのは……きれーい☆ゼリーやクラッシュアイスで涼しげでいいわ! シロップかけると色が変わるのも素敵♪」
     互いのパフェに見蕩れスプーンを手に取る。
    「……うん、ビターチョコの甘さにベリーの酸味で美味しいわ! あ、ナナはい、あーん♪」
    「うん、こっちもさっぱりしてて美味しい。姉さん食べる? って……ね、姉さん!?」
     七星は差し出されたスプーンを恥ずかしそうに見る。
    「なによ照れる事ないでしょー、……ど、美味しい?」
    「流石にそれは恥ずかし、むぐっ………あ、甘い、よ」
     シアンが口に突っ込むと、七星は頬を赤くしながら頷いた。
    「はい、あーんv」
    「あーん♪」
     鈴がマンゴーを差し出すと、黎也は大きく口を開ける。
    「なかなかおいしい! 愛情の味がするよ!」
     黎也がお返しにあーんと桃を差し出すと、鈴も嬉しそうに口を開ける。
    「んvおいしいv」
     その甘さにはにかんだ。
    「ジャンボなパフェにスプーン二本挿してっと……よし、でーきたっ」
    「完成ですね」
     リコと夏樹が作ったのは夏の果物をふんだんに使ったパフェ。
    「……で、美味しいのはいいんだけど桃、一切れだけだなあ……」
    「僕はいいですからリコが食べてください」
     それならとリコは桃を半分かじって差し出す。
    「あーん」
    「え……ええ!?」
    「あーん!」
     驚く夏樹にリコは繰り返す。観念した夏樹はあーんと口を開いた。
    「らぶりーキュートでプリティー!」
    「食べるのが勿体無いですねぇ」
     パフェからは2本のバナナが顔を出す。それは愛しの白蛇オブさんとオスさんをイメージしたもの。イコはカメラを取り出して記念の一枚を撮った。
    「イコさん、あーんと食べさせてあげますよぉ」
     円蔵がスプーンを差し出すと、イコは笑顔でぱくりと食べる。
    「はい、あーん?」
     お返しにとイコも差し出す。
    「って、ぼくにもですか、ヒヒヒ、照れちゃいますねぇ」
    「あら、照れなくて好いのですよ!」
     笑顔で二人は食べさせ合いを楽しむ。
    「こんなもん? さて隣は……桃か、いいね」
     修太郎が生クリームをたっぷり使ったパフェを置いて郁の方を見る。
    「あーんてしてもいい?」
     郁が桃のパフェを掬う。
    「……え、あーんって? はい」
     どぎまぎしながらも、差し出されたスプーンをぱくりと食べる。
    「うん美味しい。じゃあ僕のも、はい、あーんして」
     お返しと修太郎もプリンと生クリームを掬って差し出すと、あーんと郁も美味しそうに食べる。
    「……好きな人と一緒だと余計に美味しく感じるね」
    「うん、2人でいられて嬉しい」
     照れながらも甘い時間が流れる。
    「はい先輩、あーん」
     荒れ果て事件現場の中、円理がスプーンを運ぶ。
    「……ココにある材料使ったんだよな? パフェ以前に食いモンだよな?」
     十織はゴクリと唾を飲み、震える口を開けた。
    「まあ、こういうパフェもありだろ? ほれライラさん」
    「……うん、いい味。美味しいよ」
     巧のコーヒーパフェをライラは味見する。次に自分の超巨大なエベレストパフェを一口食べると、巧の口元へ持っていく。
    「……はい、巧もどうぞ。美味しいよ?」
    「うん、いろいろ味が混じって美味いな」
     巧は食べながら視線を逸らした。ライラがアラビアン踊り子風の水着を見せびらかす様に着ていたからだ。
    「感想は?」
    「……す、しゅいません」
     水着が気になって何も考えずに食べたが、今更間接キスをした事に気付いた巧は顔を赤くして横を向く。
    「し、しかし水着似合ってるが、流石に冷えるぞ」
     似合ってるという言葉に、ライラは嬉しそうに微笑んだ。
    「レミと一緒に菓子を食べることはあっても、作るのは初めてだな。何だか何時も以上に美味しく感じる」
    「私には少々甘みが強いですが、とても美味しいですね♪」
     芥とレミは見つめ合う。恋人と一緒に作ったパフェは一層甘く感じ、心まで蕩けるようだった。
    「や、やっぱツライよ食べ切れるかな……! 調子乗った! 美味しいんだけど……!」
     冴の食べるスピードが明らかに落ちていた。
    「食べられなかったら潔く負けを認めた上で可愛くお願いするなら、手伝ってあげても良いんですよ?」
     司がふふんと余裕の表情で笑う。
    「可愛くってなんだよ気持ち悪いだろ! ぐぐぐ……!」
     悔しそうに冴は唸る。だがその手は完全に止まってしまった。
    「ま、参りました。残りを食べて欲しい……わん……」
    「え? なんですって?」
     絶対に聞こえてるだろうと顔を赤くした冴が司を掴んで揺さぶる。
    「あっ」
     声が重なり、倒れそうなパフェに二人は慌てて飛びついた。

    ●みんなで
    「金平糖ですか、カリッとしてて美味しいですね」
    「ん、んん」
     一都が百合の作った和風パフェを食べる。金平糖と手鞠飴の食感が楽しいパフェだった。喋る間もなく百合は頬一杯に一都のパフェを口に収めていた。
    「おいしそう」
    「さなちゃん。はい、口開けて」
     パフェを眺める紗奈に、ひよりがスプーンを差し出す。
    「あーん」
     蕩けるような桃の味が広がる。
    「ひよりちゃんも、はい! あーんっ」
    「うん、やっぱりおいしいー」
     あーんと食べるとひよりも満面の笑顔になった。
    「サーニャちゃん、ご褒美持ってきたよー」
    「ご褒美! うん、とっても美味しそうなパフェでござるな!」
     テストの点が上がったご褒美にと、咲耶の持ってきたパフェを見て目を輝かせる。
    「拙者のと半分こしようでござるよ、そして一緒に食べるでござる」
     サーニャが作った青いゼリーの海色パフェを置いた。
    「……どうかな?」
    「美味しいに決まってるでござるよ」
     尋ねる咲耶にサーニャは口一杯ににして返事をする。
    「本当!? ありがとう!」
     咲耶は安堵して海色パフェを美味しそうに頬張った。
    「交換」
     アイナーは紋次郎の白玉団子の猫や栗のヒヨコが飾られた、可愛らしいパフェを食べる。
    「うまっ!」
     智之はアイナーのカステラにレモンジェラートのパフェを食べて思わず叫ぶ。
    「ほうじ茶も意外と美味いな」
     智之のパフェを紋次郎が味わう。
    「そっちのも食べさせろ」
     アイナーがそう言ってパフェにスプーンを伸ばした。
    「あう……や、やっぱりお店の人みたいに……うまくできない……な」
    「ユァトム先輩のも美味しいよ!」
     ユァトムのカラフルなフルーツパフェを食べる文具。
    「あ、ありがとう……お、美味しい……っ!」
     ユァトムもルクルドの作った生クリープたっぷりのパフェを口にして頬を緩ませる。
    「男同士でっていうのも良いよね! ところで他に誘う女の子とかはいない感じ?」
     ルクルドはチョコだらけのパフェを口にしながら二人に尋ねる。するとユァトムは恥ずかしそうに顔を伏せ、文具は食べるのに夢中だった。
    「可愛い!」
    「もったいなくて食べれないよね」
     紫と殊亜は完成したライオンパフェを満足そうに眺める。
    「うむ……だが食べねば溶けてしまうな」
     イルマが作ったのはチョコクマパフェ。3人はせーのでスプーンを突き刺した。
    「いただきまーす!」
    「いただきまっす!」
     誠一郎と千巻は大きなパフェに挑むように食べ始めた。
    「イルマさんのクマパフェも素敵な仕上がりですね。良かったら味見させて頂けませんか?」
    「もちろん構わないぞ。わたしも絶奈さんのを味見してもいいだろうか?」
     尋ねる絶奈にイルマはパフェを差し出す。
    「ええ、私の猫パフェも是非味見して下さいね」
     二人は可愛らしいパフェを交換して微笑む。
    「……単調だな、これクマと被りそうだ」
     既濁が作ったのはパンダパフェ。抹茶ゼリーで作った笹も芸が細かかった。
    「それはパンダか、可愛いな」
    「あぁ、食ってみるか?」
     コーヒーゼリーを食べながら勧める既濁に、イルマは笑顔で頷いた。
    「……と、普通に作っていたのは良いのですが、なぜに何と言いましょうか……」
     流希の前にあるのは凄まじい色合いのパフェだった。
    「ちょっと欲張りすぎてくどかったですね」
     でも満足そうに菜々乃はプリンとアイスたっぷりのパフェを食べ、その視線がイルマのパフェに止まる。
    「イルマさんちょっと交換してもらえませんか?」
    「ああ、喜んで」
     イルマは頷き交換会が始まる。
    「一人で食べるのもいいですが、やっぱり美味しい物は皆で食べた方がいいですねー。私も参加していいですか?」
     史雄が苺とチョコのパフェを持ってくる。
    「イルマ様、誠一郎様のパフェもおいしそうですわね。宜しければ、少し交換でもしませんか?」
     シャーティもワイングラスにメロンゼリーやカステラ、ほうき星のクッキーの乗ったパフェを見せた。
     にあのが作ったのは綿菓子パフェ。ラムネにブルーハワイで固めたゼリーの上に綿菓子が乗る。
    「いつもは食べる方がメインですけど、作るのも楽しいですね」
     完成したパフェを眺め、記念にと写真を一枚撮った。そして交換会が始まっているのを見て、自分も参加しようとパフェを手に近づく。
    「みんなで食べよう。パフェはまだ一杯あるからねぇ」
     誠一郎はジャンボパフェを食べながら手招きする。
    「皆さんにこのような幸せを届けられる武蔵坂が大好きですわ」
    「ああ、この学園の仲間といると、笑顔が絶えないな」
     シャーティとイルマはパフェを頬張る。
     世界に一つだけのパフェの前には皆の笑顔があった。

    作者:天木一 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年8月2日
    難度:簡単
    参加:46人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 7/キャラが大事にされていた 3
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