●武蔵坂学園内掃討戦~学園に残りし蒼き光
武蔵坂学園、サイキックアブソーバー強奪作戦。
危機なる一戦は、無事に武蔵坂学園側の勝利に輝く。
しかし……。
『ウ、グゥゥ……』
校舎内に多数残る、残滓の敵。
デモノイドや淫魔、六六六人衆や吸血鬼達が、武蔵坂学園内の様々なところに残ってしまっている。
……そんなデモノイドロードの一匹が、行き止まりに追い詰められてしまう。
退路がない……逃げ道は、目の前に居る灼滅者達を倒す他に、ない。
そして……彼は。
『……グ、ウウウウ……ウガアア……!!』
目をキラリと光らせ、襲いかかるのである。
「皆さん、まずはサイキックアブソーバー強奪戦を無事に防いで頂き、ありがとうございました。本当皆さんのお陰で、サイキックアブソーバーを奪われずに済んだと想います。ありがとうございます」
五十嵐・姫子は、まず灼滅者達に小さく笑みを浮かべつつ、頭を下げる。
一時は学園の危機と想われた、その一戦。
多数の敵が襲来し、倒し続けた一日……ほっと一息をつきたい所だが、姫子の表情は少し硬い。
「とはいえ敵の影は、どうやら武蔵坂学園の中に未だ残っている様なのです。撤退に取り残されたダークネス達……という所ですね」
「このダークネス達は、校舎内や校内施設に籠城、或いは潜伏してしまっています。そこで皆さんには、学園内の残敵を掃討する為の作戦を続けて遂行して頂きたいのです」
そう言うと、姫子は詳しい敵について説明を加える。
「このダークネスは、武蔵坂学園の校舎内、行き止まりの所に追い詰められているようです。皆さんが、デモノイドロードを校舎内の一角に追い詰めているのが見えました」
「デモノイドロードは、退路をふさがれ、立ち塞がる者達を殺すことで、どうにか逃げ去ろうとしています。つまりは窮鼠猫を噛むといった状況下に置かれています」
「そのような状況となれば、デモノイドも躍起となって、どうにか助かろうと全力を出してくる事でしょう。そんな敵の戦闘能力は、前に出ての重い重い近接攻撃が主軸となります」
「元々、デモノイドの動きはそんなに素早くはありませんが……戦闘場所は校舎内です。かなり動きが制限される状況下に置かれると想いますので、その点についても、ご注意下さい」
そして、最後に姫子は。
「学園に取り残された残敵とはいえ、戦闘能力は高く、侮ることは出来ません。追い詰められた状況故に、下手に油断しようものなら、自暴自棄の攻撃を喰らわされるという可能性も充分にあります」
「学園を守る為には、皆さんの力が必要なのです。どうか皆さんの力で、学園に残る残敵達を、灼滅してきてください。宜しくお願いいたします」
と、深々と頭をs上げた。
参加者 | |
---|---|
花守・ましろ(ましゅまろぱんだ・d01240) |
不知火・レイ(星に誓いを・d01554) |
マルタ・エーベルヴァイン(ピュロマーネ・d02296) |
戦城・橘花(鬼哭啾々・d24111) |
氷灯・咲姫(月下氷人・d25031) |
翠川・夜(神薙使いの夜・d25083) |
日輪・ユァトム(汝は人狼なりや・d27498) |
リゼ・ヴァルケン(緋色の瞳・d29664) |
●蒼く残る残骸
姫子から依頼を受けた、灼滅者達。
この母校、武蔵坂学園で繰り広げられたサイキックアブソーバー強奪作戦……その残滓として残ってしまった、デモノイドロードの討伐依頼。
「……戦争は終わっても、まだまだ問題は山積み、だね」
「そうだな。戦争は終わったが、まだ残っているとはな……」
花守・ましろ(ましゅまろぱんだ・d01240)に、戦城・橘花(鬼哭啾々・d24111)が肩を竦める。
戦争には勝利したのは間違いない……中々に、危険な状況ではあったものの。
そして、戦争の後に残るは多数の逃げ遅れた敵の配下達……このデモノイドロードだけではない。様々な敵陣営が、ここ、母校……武蔵坂学園に点在しているのだから。
「色々難しいけど、でも今はできることからひとつずつ、新たな被害を出さないためにも、残敵は全部綺麗にお片付けする、よ」
「そうなのです。ここで何とかしとめましょうなのです。ね、ユァトム君?」
「……うん……でも、デモノイドロード……強そうで、格好いい、かも……? 戦争中は無我夢中だったから、気づかなかったけど……うーん……」
ましろに翠川・夜(神薙使いの夜・d25083)と、日輪・ユァトム(汝は人狼なりや・d27498)が小首を傾げる。
確かにデモノイドロード……ユァトムの言うとおり、特撮に出てくる悪役っぽいかと言われれば、そんな気がしないでもないが……でも、危険な敵であるのは間違いない。
「まぁ……何だ。逃げ遅れた相手を倒すのは少し気が引けるところだが……放置するわけにもいかないのは判っている。残党狩りといこうか」
「ああ……デモノイド、特別うらみはないけど、学園にいてもらうと困るから」
「うん。デモノイドは既に行き止まりに追い詰められているようですし……校舎内のあちこちに的さんが潜んでいるのはぞっとしますね。ロッカーの中とか、お手洗いの隣の個室にいたりしそうで怖いですよ」
不知火・レイ(星に誓いを・d01554)、リゼ・ヴァルケン(緋色の瞳・d29664)、氷灯・咲姫(月下氷人・d25031)が次々に言葉を紡げば、橘花、マルタ・エーベルヴァイン(ピュロマーネ・d02296)が。
「……確かに追い詰めた。だが、それは油断できないだろう。窮鼠猫を噛むと……いや、戦闘能力的には相手が植えだろうから、たぶん違うか。ともかく、全力で相手をする事には変わらない」
「そうだねぇ……まぁ、みすみす逃がすような事はしないように気をつけるとにしようか。特に窓とか、壁とか。もしも崩れたりして開いたら、そこから逃げる可能性もあるしねぇ」
「そうだな……余り派手にぶっ放すことも避けた方がいいだろうな……」
マルタに橘花はまた瞑目。
……そして、レイが。
「よし……皆、行くぞ。俺達の母校だし、地の利はこちらにある筈だ」
と決意の言葉を紡ぐと共に、灼滅者達はデモノイドロードの居る校舎の一角へと向かうのであった。
●逃路探して
そして校舎内を駆けて、暫し。
……姫子に言われたとおり、このデモノイドに限らず、種々の残滓達が校内に点在している……いろいろな所から、音が聞こえてくる。
呻き、戦闘の音、そして……潜む声。
『ウ、ウゥゥゥ……』
「……んと、こっちの様だな」
そんな鳴声を鋭く感知し、方向を指示するレイ。
決して敵に事前に察知されない様、注意してその場へと近づいていく……そして、デモノイドの声が、はっきりと聞こえてくる。
『ゥ、ウゥゥゥ……』
また、もう一つ呻き声……そしてその呻き声に続けて、ガタン、とちょっと大きな音が聞こえくる。
「追い詰められて、もはや余裕もなし……といった所の様だな」
「そのよう、だね……」
リゼにましろが頷く……そして、マルタが。
「まぁ……隙あらば逃げるとか考えてるのかもしれないけど、考える余裕もないくらいに、ぶったたいてあげるよ。すでに余裕はなさそうだけどね……なんてね」
くすりと余裕の笑みを浮かべるマルタ……そして……彼の居る所に到着する。
『ウ、ウアア……』
目の前に立つデモノイド。
校舎内をかなり動き回っていたのであろう……少しばかり、疲弊しているようにも見える。
そしてやって来た灼滅者達に背中をとられ……退路も完全にふさがれてしまう。
つまり、八方ふさがり……そして逃げられない程度に間合いを詰めて、灼滅者達が防衛陣を組んでくる。
『……グ、ゥゥ』
鋭い、怨みの視線を向けてくるダークネス……そんなダークネスに、速攻で橘花が。
「……覚悟はいいな? ……喰らえ」
黒いスーツの立ち居振る舞いから繰り出す初手、黒死斬の一撃。
『ガ、アアア!!』
一閃で、がっつりダメージを喰らわすと……更に続けてユァトムが。
「ミナカタの霊験よ、碧玉の瞳に灯りを灯し給えっ!」
と白炎蜃気楼を叩き込む。
……そんな灼滅者達の攻撃に対し、デモノイドは退路をつくろうと……その蒼い体で、突進を仕掛けてくる。
『っ……!』
しかしその一撃は、ディフェンダーのリゼと、夜の霊犬が組んで、後ろには通さない。
「回復は任せるですよ!」
と夜が即時、清めの風でリゼ、霊犬を回復。
……そして耐える一方で。
「なんだ、逃げるのか?」
「おやおや、逃げる気かい? 必死なところ悪いが、そう簡単に通してやる気はないよ?」
「そう、です。ほらほら、鬼さんこちら、だよ」
レイ、マルタとましろが挑発の言葉を投げかけ……そしてましろがドグマスパイク、咲姫が。
「痛いですよ、ぐりっと捻って突いちゃいますから!!」
と螺旋槍を突き立て、体の中でぐりっ、とねじりあげる。
さすがにその一撃は、デモノイドにかなりの痛みを与えたようで、かなり大きな絶叫を上げる。
……が、それに。
「まったく……逃げ道など、もうどこにもない。俺達を倒す意外は、な。無理ならお前はここで終わりだ。まぁ……そうなる未来しか、俺には見えないがな?」
と宣告。
……そんな宣告に、デモノイドは。
『ガァア……ウウウ……!!』
と、咆哮を上げるばかり。
「全く……煩いねぇ。少しは静かにしなよ」
とマルタがグラインドファイア、レイがトラウナックルを、クラッシャー効果含めて叩き込み、体力をがっつりと削る。
合わせてリゼのビハインドが小太刀で斬りかかり……一巡し、次のターン。
レイ、マルタのクラッシャー二人で、確実な大ダメージを叩き込み、合わせて咲姫、橘花、ユァトムが。
「氷灯という苗字ですが、炎の扱いもお手の物なんです!!」
「斬り裂き給え、ミナカタの神威っ!」
と言いながらグラインドファイア、騒音刃、神薙刃による連続攻撃。
バッドステータス効果もしっかりと蓄積しており、デモノイドの動きも確実に鈍りつつある……それに怒りの叫びを上げるデモノイド。
『ガ、ガアア、ガァアアア!!』
……その叫び声に、一瞬目をつむるが……すぐユァトムは。
「か、勘違いしないで……攻めてきたのはソッチだけど……いまは立場、逆……狼はこっちで、羊は、そっち……っ」
と、反撃の声を上げる。
……とは言え、ダークネスがそれにひるんだりすることはない……再度タックルで攻撃を嗾け、腕を振り回しての攻撃もたたきつけてくる。
やはり、追い詰められたとは言えデモノイドロード……攻撃力は高く、一撃一撃は、大きく灼滅者達の体力を削り去って行く。
とは言え体力回復は、最後列につく夜がしっかり行うことで、そのダメージを回復。
また、挑発は休むことなく続けることで、彼が逃げようとするのをせき止めていく。
……そんな攻防が続くこと、十数ターン。
流石に長い戦いに、灼滅者達も疲労の色が隠せなくなってきては居るが……決して手を緩めることはなく、攻撃を継続。
……そして、対するデモノイドも、体からいくつも血を流し、呻き声も大きくなりつつある。
『ガ、アァ……ウガアア……』
いや、大きくなったと言うよりは……悲壮感が強く漂いつつある。
そんな彼の叫び声を聞きながら。
「さぁさぁ、氷柱でハリネズミみたいにしてあげますよ!!」
と咲姫がマジックミサイルを叩き込めば、ましろも影喰らい。
更にレイ、マルタがDMWセイバーに、スターゲイザーを立て続けて叩き込む。
……いや、そのスター芸座の一撃に、デモノイドが。
『ガ、ガガ……アアアア!!』
一際大きな悲鳴を上げるデモノイド。
……穿たれた一撃の一閃を、胸を押さえながらもだえるデモノイド。
勿論、会話などできぬデモノイド故に、その真意を感じ取ることはできない……もはや、倒すのみ。
「さぁ……そろそろ潮時だろう。この一閃でトドメを刺してやる」
と橘花が穿った騒音刃の一閃が、デモノイドの頭上からばっさりと一閃切り伏せ……デモノイドは辛い咆哮を上げて、崩れ去っていったのである。
「……ふぅ……おわったみたいだね? ……みんな、お疲れ様」
軽く息を吐いて、微笑むましろ……それに周りの仲間達も息を吐き、微笑む。
だが、一人厳しい表情を崩さないのは橘花……窓の外を眺めて。
「他の戦場は無事に終わったのだろうか……」
とぽつり呟いた橘花に、咲姫が。
「そうですねぇ……デモノイドの他にペイルホースとか、校舎の中にまだまだ点在しているといいますし。まぁ、私達と同じように、沢山の灼滅者達でダークネスを倒しに行こうとしていますし……きっと、大丈夫ですよ」
と、ニコリ微笑む。
……そしてましろが。
「そうですね……と、そういえば結構学校が荒れてしまいましたし、皆さんで少し片付けしていきませんか? わたしたちの学校ですから、こんな荒れた学校でいたくありませんし、ね」
「ん……そうだな」
とレイも頷き、そして灼滅者達は色々壊れた道具を片付けたり、崩れた所を補修したり……。
そして一通り片付けてから、疲れた体を引きずりながら、その場を離脱するのであった。
作者:幾夜緋琉 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2014年9月16日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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