琵琶湖大橋の戦い~刀と天狗の橋争い

    作者:泰月

    ●妖刀は戦を望む
    「どうにも名前を覚え難い外国の横文字の怪人達に、れすらぁ、とか言う刀を使おうとせぬ連中に、半分腐った連中もいたでござるなぁ」
     安土城怪人の拠点の一角で、集まった戦力を思い出し指折り数える刀剣怪人が1人。
    「随分と、多様に集まったもんでござるが――刀を使う輩が少ないのは残念でござる」
     誰に言うでもなく独りごちているのは、刀剣怪人の筆頭、妖刀・村正であった。
    「まあ、安土殿がこれだけ集めているのでござる。恐らくは天海の奴も、方々から戦力を集めているでござろう……直に、大きな戦いになるでござる」
     村正の声のトーンが、一段上がる。
     同じ時間は敵にもあったのだ。詳細までは掴めないにせよ、戦力を増やしているのは間違いあるまい。
     故に、そう遠くなく、大きな戦いになるだろう。
     刀が武器として振るわれる世を望む村正にとっては、絶好の機会だ。
    「今の内に戦に備えて、ペナント衆を鍛えるでござるか」
     内心の昂ぶりを抑えて、村正は揚々と配下達の元へ向かって行った。

    ●大戦勃発、迫る
    「集まってくれてありがとう。琵琶湖の情勢の事で、ね」
     夏月・柊子(高校生エクスブレイン・dn0090)は集まった灼滅者達に話を始める。
     天海大僧正と安土城怪人。
     2勢力は戦力拮抗状態のまま、互いに援軍を集め戦力増強を続けていたようなのだ。
     そんな危うい均衡が、いつまでも続く筈がない。
    「その戦端が、開かれようとしているわ」
     琵琶湖大橋を確保しようと互いに軍勢を繰り出し、その戦いが契機となって、両勢力の全面戦争に突入すると言う。
    「戦いが起こってしまうと、琵琶湖周辺は人の住めない地になってしまうのは、ほぼ間違いないわ」
     被害が出るのを、黙って見過ごすわけには行かない。
    「私から提案できる方法は、3つよ」
     1つ目は、琵琶湖大橋に集まっている軍勢同士が戦いを始める前に、その双方を、武蔵坂学園の灼滅者が制圧してしまう事。
    「両方を相手取る以上、とても困難な方法よ。だけど、一番平和的に解決できる方法でもあるわ」
     残る2つは、よりシンプルだ。
     2つ目は、琵琶湖大橋の東側、安土城怪人の軍勢を一方的に攻撃する事。
     3つ目は、その逆。琵琶湖大橋の西側、天海大僧正の軍勢を一方的に攻撃する事だ。
    「それぞれのメリット、デメリットは纏めておいたわ。目を通しておいてね」
     詳細をまとめたプリントが、灼滅者達に渡される。
    「あと、前に介入した刀剣怪人の妖刀・村正だけどね。今回、最前線だからかしら。琵琶湖大橋に出てくる事はないわ」
     前線に出張りそうな性格だが、出現の予知はないと、柊子ははっきりと告げた。
    「今までも琵琶湖の時はそうだったけど――今回も、どの方法が正しいって言うのは、言えないの。どれを選ぶかは、皆の判断に任せる事になるわ」
     灼滅者の選択で、琵琶湖を巡るダークネスの勢力図がどう変わるかが、決まる。
    「だからね。どうか、悔いのないように。それと、無事に帰って来てね。気をつけて、行ってらっしゃい」


    参加者
    館・美咲(四神纏身・d01118)
    天城・桜子(淡墨桜・d01394)
    九条・泰河(祭祀の炎華・d03676)
    桃地・羅生丸(暴獣・d05045)
    加賀見・えな(日陰の英雄候補生・d12768)
    豊穣・有紗(神凪・d19038)
    鳳翔・音々(小悪魔天使・d21655)
    氷灯・咲姫(月下氷人・d25031)

    ■リプレイ

    ●琵琶湖の西にて
     その日、琵琶湖周辺は常ならざる空気が漂っていた。
    「んー、人が足りないとこがないといいのだけどね」
     他のチームが思い思いに散っていった方向に視線を巡らせながら、天城・桜子(淡墨桜・d01394)が呟く。
     天海大僧正の軍勢を叩きに来たチームは、今回の作戦の全員ではないのが実情だ。
    「平和的、と言うのは良い言葉です。でも……」
    (「これは、未来からも現実からも目を背けた、まやかしじゃないでしょうか」)
     鳳翔・音々(小悪魔天使・d21655)は言いかけた続きを胸中で呟いて、琵琶湖の対岸をちらりと伺う。
     向こう側でもそろそろ戦いが始まっているだろうか。
     結果的に東西の両方を攻めていると言う、旗色を明らかにしたとは考え難い状況に、音々はもどかしいものを感じずにはいられなかった。
    「何らかの決着は、つけたいですね」
     小さく呟いた加賀見・えな(日陰の英雄候補生・d12768)は、正面に見えるぼやけた人影を見据える。
    「武蔵坂の灼滅者か……妨害を受けたとは聞いていたが」
     鈍く光る槍をこちらに向けて、刺青を持つ羅刹が睨んでいた。
    「最初に言っとくが、てめえと戦う事を選んだのは偶々だ」
     桃地・羅生丸(暴獣・d05045)は獰猛な笑みを浮かべて、拳を握って地を蹴る。
    「てめえ等には何の恨みもねえが、こいつも仕事なんでな。悪いがとっとと死んでもらうぜ!」
     羅刹の向ける槍を掻い潜り、鋼の様に鍛えられた拳を叩き付ける。
     その反対から、白い影が羅刹に飛び掛る。
    「妾としては誰とやり合おうと、戦いが楽しめればいいのじゃ」
     白虎を模した装甲を纏った館・美咲(四神纏身・d01118)は、ニヤリと笑みを浮かべて槍を突き込む。
     ギィンッ!
     螺旋の捻りが加わった槍は、羅刹の構えた槍に弾かれる。
    「先入観かもしれませんが……天海さんって、何だか腹黒そうで。怖いんですよね」
     氷灯・咲姫(月下氷人・d25031)が素直な心境を口にしながら、銀無垢型の縛霊手を掲げる。
     薄紫のバラが淡く輝き、力を鎮める結界が羅刹にのしかかる。
    「揃いも揃って……いいだろう、怪人共の前に片付けてくれる!」
    「させません」
     羅刹が突き出した槍の前に、破邪の光を纏ったえなが飛び出す。
     肩に刺さった槍を頼りに、ぼやけた視界に移る相手へ輝く刃を振り下ろす。
    「本当は仲良くやりたいもんだけどね……でも、天海さん達はこのままだとは思えないんだ」
     明智だしね、と続けながら、九条・泰河(祭祀の炎華・d03676)は影を伸ばす。
    「甘い!」
     膨れ上がった影を、羅刹は巨大化させた拳で上から押さえ込むように捻じ伏せる。
    「ぐっ!?」
     しかし、その腕を螺旋に回る槍が貫いた。
    「まあ、ボクはただ、ボクの信じる戦いをしましょう」
     槍を引き抜きながら、音々が呟く。
     いつまでも、もどかしさや憤りに縛られる愚は冒すまい。
    「ま、最初くらいはきっちり斬らせてもらうわよ!」
     素早く羅刹の背後に回りこんでいた桜子が、縛霊手の爪で羅刹の足を切り裂く。
    「ボク達も行くよっ、夜叉丸!」
     豊穣・有紗(神凪・d19038)は間合いを詰めて変異させた鬼の拳を羅刹に叩き付け、霊犬は魂を癒す視線をえなに送った。

    ●戦いを避ける為の戦い
    「ぬん!」
     風の刃を追い越した羅刹が、旋風を巻き起こす勢いで槍を振り回し、灼滅者達を纏めて薙ぎ払う。
    「いくらでもきなさい、耐えてみせるんだから!」
     時間差を置いて飛来した風の刃を阻んだ桜子が、縛霊手の指先に癒しの霊力を集めながら言い放つ。
     その後ろから、純白のドレスを翻し咲姫が跳び上がった。
    「焼き芋食べたくなりますね!」
     ハイヒール型のエアシューズに炎を纏わせ、上空から蹴りつける。
    「夜叉丸、桜子さんをお願い!」
     霊犬に回復の指示を出しながら、有紗は光の輪を飛ばす。
     何度も弧を描いて空を舞った光輪は、羅刹の背中を深く切り裂いた。
     一撃の威力で勝る羅刹に対し、人数と手数を活かして包囲する事で、灼滅者達は優勢に戦いを進めていた。
    「何故天海さん達に味方するのかな? どんな利益があるの?」
     優しい風を招いて前の仲間達へ吹き渡らせながら、泰河が羅刹に問いかける。
    「……貴様らに答える必要はない」
    「答えられない様な事を企んでるんじゃないんですか?」
     音々は天海達への嫌悪を露わに冷たい目を向け、冷たく鋭い氷を槍の先から放つ。
    「何とでも言うがいい!」
     羅刹は氷に包まれた腕で槍を構え、同様に槍の先から鋭い氷を放つ。
    「がっちり庇っていきますよ」
     軌道に割り込んだえなが、己を盾に氷を遮る。
    「またお前か! 気が付けば邪魔な所にばかり……ぐっ」
     忌々しげな声を上げた羅刹が、よろめき膝をつく。
     その体を燃やす炎は、徐々に勢いを増し羅刹の体力をじわじわと奪っていた。
    「なんじゃ、もう膝をつくのか」
    「ぬかせっ!」
     美咲につまらなそうに言われた羅刹は、刺青のある腕を変異させて地を蹴り飛び掛る。
    「お主には、飽いて来た。そろそろ終わりにしようかのぅ」
     迎え撃つ美咲の両拳を覆うオーラに照らされ、彼女のオデコがキラリと光る。
     鬼の拳と連撃がぶつかり、体躯で劣る美咲は衝撃に弾き飛ばされる。
    「悪いがてめえじゃ物足りねえ。そろそろ先に行かせてもらうぜ!」
     片方の拳を砕かれ、だらりと腕を下げた羅刹の頭上に、羅生丸が鉄塊の如き武骨な刃を振り上げる。
     数多の血に染まった漆黒の刀身は、羅刹を容赦なく地に叩き伏せた。

    「いよっしゃ! 続き……の前に回復お願いするわ」
     羅刹が消滅したのを確認し、桜子は傷口を押さえながらも、僅かに安堵の混ざった笑みを浮かべる。
     だが。
    「……どうやら、ゆっくり休んでいる時間はなさそうだよ」
     泰河が緊張した声色で、遠くの一点を指差した。
    「あれって……槍を持った慈眼衆の人と……強化一般人さん?」
     向かってくる集団の正体の先頭、慈眼衆とその得物を確認し呟く咲姫。
    「敵の数が多いです、油断なくいきましょう」
    「ひい、ふう……次は4人か! これは、さらに楽しめそうじゃのう!」
     纏うオーラを癒しの力に変えながら小声で注意を促すえなの横で、美咲はそんな事はお構いなしと言った様子で、笑みまで浮かべて嬉しそうな声を上げる。
    「これじゃ、周囲の把握が追いつかないよ」
     苦虫を噛み潰すような顔で、泰河は地図を折りたたんでしまう。
     地図に周辺の状況を逐一メモするつもりでいたが、戦いながらでは、地図上での現在地を把握するのが精一杯だった。
     地図に現在地を表示する能力を用意していれば、まだ違ったかもしれない。
    「心霊手術はおろか、相手を選ぶ余裕すらないですか……」
     せめてと泰河の招いた優しい風に吹かれ、音々も内心で臍を噛む。
     次第にはっきり見えてきた敵の様子から、まだ戦闘していない部隊と思われる。対して此方は、戦った直後だ。
     全チームが西側に来ていない結果、敵の数の方が多くなっていたのだった。
    「続き、やるしかないわね……無理はしないけど、やれるところまで!」
     自分でも自分の傷を癒しながら、桜子が鼓舞するように声を上げる。
    「上等じゃねえか。あいつら倒して、天海の首目指して突き進もうじゃねえか!」
     喧嘩慣れしている羅生丸に、動揺している様子はない。
     不敗の暗示と共に、拳を掌にパシリと打ち付ける。
    「勝ったらすぐに次の戦い、かぁ。戦国時代もこんな感じだったのかなぁ? もしかしてボク達歴史的に重要な場所に居るんじゃ。未来の歴史で語られたり……って、バベルの鎖があるかぁ」
     誰かがつっこむより早く自分でつっこむ有紗に、霊犬は物言いたげな眼差しを向ける。
    「夜叉丸。今度は前でみんなを守ってね」
     そんな霊犬へ、有紗はポジションの変更を指示した。
     限られた短い時間の中、それぞれに準備を整え、灼滅者達は次の戦いに飛び込んだ。

    ●続く戦いの結末は
     渦巻く風の刃が飛ぶ度に、辺りの地面が赤く染まる。
    「っ……まだ、まだ」
     少しでも長く耐え、守れば、仲間が敵を倒してくれる。
     そう信じて、えなは、傷だらけの体に力を込めて再び立ち上がろうとする。
     しかし、更に2つの風の刃が、ようしゃなくえなを斬り裂いた。
     倒れるえなを白い影が追い越して、炎が閃いた。
    「やはり敵が多い方が楽しめるのう!」
     その方が、武器も拳も足技も存分に使い分けられる。
     興奮と喜色を浮かべた美咲が、摩擦の炎を足に纏って、強化一般人の蹴り上げ昏倒させる。
    「武蔵坂学園め。結局は我らの敵となり、戦を邪魔するか!」
     倒れた配下に構わず、慈眼衆は旋風を起こす勢いで槍を振り回し、灼滅者達に飛び掛る。
    「あっまぁーい!」
     次々と仲間をなぎ倒す槍を、桜子が文字通り体を盾に食い止めた。
    「ここは通さないわよ、っと!」
     赤が滲む痛みを気力で堪えた桜子は、縛霊手を掲げて慈眼衆達を押さえ込む結界を作る。
    「良く言いますよ。邪魔と判れば、背後から襲うくせに!」
     かつて別の慈眼衆から受けた仕打ちを思い出し、音々が言い放つ。
     同時に魔術を放ち、慈眼衆と強化一般人を飲み込む激しい風の渦を巻き起こす。
    「この季節になると、流石にこれは冷えますかね?」
     竜巻が収まるのを待たずに、咲姫が熱を奪う魔法を放った。
     慈眼衆達の周囲が一気に氷点下まで冷え込み、細氷が風に煽られる。
     激しい風と冷気の後には、優しい風が灼滅者達に吹く。
    「本当はこういう殺し合いなんてしたくないんだよね。ましてやダークネス同士の……しかも一般人にまで迷惑かけてね」
     風を招いた泰河が、慈眼衆を見据えて静かに告げる。
    「……灼滅者も因果なんだろうね」
     望まない形でも、避けられない戦い。放置しては別の惨劇にしかならない。
     それに、敵も感傷に浸る暇は与えてくれそう似なかった。
    「弱っている奴から狙え!」
     慈眼衆が指示を飛ばし、強化一般人が2人同時に駆け出した。
    「はいっ、忙しいので動かないで下さい!」
     咲姫が銀無垢型の縛霊手を掲げて結界を構築するが、1人が結界を抜けて飛び出した。
    「ごっめん……壁役が倒れちゃ駄目なんだけど、流石に限界……かも」
     鬼の力の宿った拳に対し、桜子は一歩も退かず――だが、ここで力尽きる。
    「こっちも標的をあわせましょう!」
     拳を突き出したままの強化一般人へ、音々が槍の穂先から鋭い氷を放つ。
    「夜叉丸!」
     有紗の放った光輪が貫くと同時に、霊犬が咥えた刃で斬り付ける。
     カシャンと乾いた音を立てて氷が砕け散る。力尽き、崩れ落ちる強化一般人。
    「犬風情が!」
     慈眼衆の放った激しい風の刃に斬り裂かれ、霊犬が消えて行く。
     その直後、ズガンッと地面が揺れそうな重たい衝撃が辺りに響く。
     漆黒の鉄塊を振り下ろした格好の羅生丸のすぐ目の前に、強化一般人が倒れていた。
    「所詮は人間……この程度か」
    「さて。残るはお主じゃ。どれだけ妾を楽しませてくれるのかのぅ!」
     舌を打つ慈眼衆に、美咲が飛び掛る。
    「夜叉丸の分のお返しだよ!」
     同じタイミングで、有紗が後ろから一気に間合いを詰めようと地を蹴る。
    「舐めるな!」
     オーラを纏った拳の連打を左腕で受けながら、慈眼衆は巨大化させた右腕を有紗の縛霊手にぶつけて押し戻し、そのままそのまま腕を旋回させて美咲を殴り倒す。
     大振りの隙を逃さず、拳を握った羅生丸が躍り出る。
    「遅いっ!」
     その動きに気付いていた慈眼衆が放った槍が羅生丸の脇腹をかすめ、背中の愛の一文字を貫いた。
    「くくっ、滾るじゃねえか! もっと派手に激しく、ぶちかまそうぜ!」
     だが、深い傷を負っても羅生丸は止まらない。
     拳を逸らそうとした慈眼衆の手を弾いて、鍛えた拳を顔面に叩き付ける。
    「なっ……これが灼滅者の力だと!?」
     単純な力押しだが、羅生丸の力強さは、並みのダークネスには見切られて尚も押し切れる目がある域に達しつつあった。
     とは言え、そうあっさり倒れるほど慈眼衆もやわではない。連続で繰り出される灼滅者達の攻撃の幾つかを防ぎ、確実に反撃を入れて来る。
    「回復入りますよー!」
    「誰一人死なせるつもりはないんだよ!」
     咲姫も回復を中心に動きを変えて、泰河と手分けして残る4人の仲間を支える。
     そして――。
    「ちくしょう、が」
     間合いを詰めた所を風の刃に斬り裂かれ、羅生丸が崩れ落ちる。
     それと同時に、音々と美咲が左右から慈眼衆へ飛び掛かっていた。
    「くっ!」
     下がろうとした慈眼衆に、有紗の影が絡みつき、咲姫の構築した結界が足を止める。
    「ば、馬鹿な……」
     螺旋に回る槍に左右から貫かれ、驚愕を浮かべて慈眼衆が崩れ落ちる。
    「か、勝てたぁ……」
     慈眼衆が消えて行くのを確認し、有紗が安堵の声を漏らす。
    「近くに敵の気配はないですね。今の内に撤退しませんか?」
    「確かに、これ以上の連戦は厳しいですね」
     泰河の提案に、音々も頷く。
     まだ5人立っているが、次にダークネスと遭遇したら、勝ち目はあるまい。
    「他の敵は見当たらないですし、今の内なら安全に戻れそうですね」
     周囲に視線を巡らし敵影がない事を確認し、咲姫も頷く。
     戦争が回避出来たのかは、まだ此処からでは判らないが潮時だった。
     5人は、まだ目を覚まさない仲間と一般人を抱え、琵琶湖西部を後にするのだった。

    作者:泰月 重傷:天城・桜子(淡墨桜・d01394) 桃地・羅生丸(暴獣・d05045) 加賀見・えな(日陰の英雄候補生・d12768) 
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年10月1日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
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