怪しげな儀式と定礎石

    作者:緋月シン

    ●怪しげな儀式
     それは異様な光景であった。
     定礎と書かれた石の前に沢山の人が横たわり、そのさらに前には頭がペナントの形をした者が二人も居るのだ。それが異様でなければ一体何が異様なのかといった状況である。
     一見しただけで怪しいと分かり、しかももう少しだけじっくりと観察してみれば、それが何らかの儀式を行なっている最中なのだということが分かるだろう。
     だが異様なのはそれで終わりではなかった。むしろ儀式という言葉からも分かる通り、それからが本番である。
     変化があったのは、その直後だ。しかしそれが訪れたのは、石でもなければ異様な様相の二人でもない。地面に横たわっている、そのうちの一人である。
     普通の、何の変哲もない一般人であったはずの身体が、その輪郭が、崩れていく。まるで別の何かに成ってしまうかのように――否、それは文字通り、別のモノに成るのである。
     特に顕著であったのは、その頭部だろう。時間にして、ほんの少し。変化が終わった時にそこにあったのは、定礎と書かれた石であった。
     そうして、その場にまた新しいそれ――定礎怪人が誕生したのであった。

    ●儀式を阻止するために
    「先日の琵琶湖での戦いはお疲れ様。おかげで戦争は未然に防ぐことが出来たわけだけれども……そのせいで、安土城怪人の勢力が新しい作戦を開始したようね」
     四条・鏡華(中学生エクスブレイン・dn0110)はそう言って教室を見回すと、全員揃っていることを確認してから説明を始めた。
    「事を起こしているのは、安土城怪人配下のペナント怪人よ。どうやら一般人を誘拐しては、深夜に怪しげな儀式を行っているようね」
     それが行なわれるのは、とある橋のすぐ傍だ。定礎と書かれた石――即ち、定礎石のある場所で儀式を行なうことで、一般人を定礎怪人か強化一般人にしてしまうものであるらしい。
    「何故そんなことをしているのかは分からないけれども……まあ、碌でもない理由なことには、違いはないでしょうね」
     そうでなくとも、一般人が巻き込まれてしまう事件だ。何とかしなければならないだろう。
    「その場に居るペナント怪人は、二体。普通に戦えば、まず負けることのない相手よ。……ただし、今回は制限時間があるわ」
     制限時間は十分。それまでにペナント怪人を撃破することが出来れば、そこで事件は解決だ。
     しかしもしもそれが出来なかった場合は――
    「集められた人達の何人かが、ご当地怪人化したり強化一般人となってしまうわ」
     それを防ぐためには、何としてでも制限時間内にペナント怪人を撃破する必要がある。
    「ちなみにだけれど、ペナント怪人は集められた人達が逃げ出した場合その人達を優先して攻撃するから、一般人を先に避難させるというのは難しいでしょうね」
     反面、逃げ出さなければ一般人を攻撃する事は無いので、一般人の保護については考えなくても問題はないと言えるだろう。
    「あと何か伝えることはあったかしら……ああ、そういえば、集められた人達は滋賀県から輸送されてきたようだけれども、それが何かと関係あるのかは、やはり不明よ」
     それだけを伝えると、鏡華は手元の本をパタンと閉じる。
     そして。
    「集められた人達がどうなるかはあなた達次第だけれども……問題ないわよね? 期待しているわ」
     そう言って、灼滅者達を見送ったのだった。


    参加者
    天方・矜人(疾走する魂・d01499)
    四月一日・いろは(剣豪将軍・d03805)
    千葉魂・ジョー(ジャスティスハート・d08510)
    レナ・フォレストキャット(山猫狂詩曲・d12864)
    大御神・緋女(紅月鬼・d14039)
    武蔵野・恋也(アンチェインライダー・d16064)
    ハリー・クリントン(ニンジャヒーロー・d18314)

    ■リプレイ


    「うぬぬ、ご当地怪人と思うて甘く見ておったのじゃ。よもやこのような恐ろしき所業を……」
     その光景を前にしながら、慄くように呟いたのは、大御神・緋女(紅月鬼・d14039)であった。
     定礎石の前に並べられた、沢山の人々。その前にはペナント怪人が二体。
     そこに敵意は感じられないため、他と比べればマシかもしれない。だがあくまでもマシというだけであり、そもそも怪人にさせられてしまえば大差はないのだ。
    「ペナント怪人も次から次へと忙しいな」
     呆れたようにそう言う武蔵野・恋也(アンチェインライダー・d16064)ではあるが、その目元は厳しく細められている。
     幾ら敵意を感じられずとも、変貌してしまう彼らにも家族や生活がある筈なのだ。
    「それを見過ごす訳にはいかないぜ」
     ――正義の為ではなく、普通の人の普通の生活の為に。
    「安土城怪人め、何を企んでいやがる!」
     まさか無意味にこんなことをするはずもないだろうから、これにも何かしらの意味があるのだろう。
     だが、と、千葉魂・ジョー(ジャスティスハート・d08510)は自身の掌に拳を叩き付ける。
    「俺も千葉城のヒーローとして負ける訳にはいかねえ。お前らの計画は、このチバジョー様がぶっ潰してやるッ」
     その決意を込めて、睨みつけた。
     だがそうしてシリアスってる一方――
    「うにゃ、定礎ってにゃんにゃんだろうにゃ?」
     レナ・フォレストキャット(山猫狂詩曲・d12864)はそう言って首を傾げていた。今まで棚に置いていたが、ここに来て不意に気になったらしい。先ほどからしきりに首を捻っている。
     そしてそれに応える声があった。
    「確かに、拙者もこの依頼を受けるまでは、妙に様々な建物で見かけると思っていたでござるな」
     ハリー・クリントン(ニンジャヒーロー・d18314)だ。うんうんと頷き、同意を示している。
    「にゃ? もしかしてアレがにゃんにゃのか分かったのかにゃ?」
    「拙者も確証があるわけではないでござるが、今回の依頼から考えるにほぼ間違いないと思うでござる」
    「にゃ……あたしは分からにゃかったのにゃ」
    「まあ拙者ニンジャでござるからな。そういったことも得意なのでござる」
     自身満々な様子のハリーであるが、何処かぽんこつな気配がするのは気のせいか。
     しかしハリーはその様子のまま、続けて言い放った。
    「ずばりあの『定礎』と言う石は、ダークネスの陰謀なのでござる!」
     本来であればここはツッコミの出番なのだが、生憎と今回はいなかった。何も知らないレナは、それに感心したように頷くだけだ。
    「そうだったのかにゃ……そういえば、よくわかんにゃいんだけど、にゃんていうか、頭の中で誰かがそういう事を言っていたようニャ気がするようニャ?」
    「それも証拠の一つでござるな」
     頷くハリーと、さらに感心するレナ。ツッコミ役が完全に不足していたが、まあご当地怪人の依頼では割とよくあることである。
    「ともあれ、罪もない一般人は必ず救い出してみせるでござるよ!」
    「にゃ。人を怪人にしようニャンていう事はさせにゃいようにしにゃいとにゃん」
     というわけで空気も良い感じに戻ったので、そういうことで。
     視線の先では、儀式も佳境に向かおうとしていた。指定された時刻までは、あと僅か。
     それを確認し、皆の顔を見回すと、一つ頷く。
     地を蹴った。


    「わざわざ大勢の人を集めてきてご苦労なこった。だが、ここまでだ!」
     真っ先にその場に飛び出したのは、天方・矜人(疾走する魂・d01499)であった。
     対する怪人達は、ある程度予測していたのか、矜人の登場にもそれほど驚いている様子はない。が、何であろうとも関係はない。
    「何のつもりか知らねーが、この人達は返して貰うぜ?」
     宣言するように告げ、構える。
     そうしている間にハリーがサウンドシャッターを展開し、外に対する対応を終える。後の問題は、内側だ。
     念のために緋女が魂鎮めの風を使用してはみたものの、戦闘終了時まで起きてこなかったところで、戦闘の余波を受けてしまえばただでは済まない。
     故にまずは怪人達を一般人から引き離す必要があり、しかも今回は十分という制限時間付きだ。
     怪人は倒す。一般人は助ける。両方を同時にこなさなければならないのが辛いところではあるが――
    「さあ、ヒーロータイムだ!」
     それを当たり前にやってこそのヒーローだと嘯き、矜人は一歩を踏み出した。
     一足飛びに盾役の怪人の元へと飛び込み、拳を握り締める。至近で視線が交わり、直後に繰り出す。
    「どうせ崇高なる目的の為とか言うんだろうが一応聞いてやる、何が目的でこんな事をした!」
     言葉と鈍い音とが響いたのは、ほぼ同時だ。迎え撃った拳と拳が衝突し、周囲に僅かな余波を吐き出す。
     一瞬の停滞。しかし両者はすぐに動き出し――それよりも先に、怪人を一筋の閃光が貫いた。
     レナである。
    「にゃあ、ペニャント怪人、ここでにゃにしてるにゃ? 人を怪人にして、にゃにするんだにゃ? 安土城怪人も、一体、にゃにがしたいのかニャ?」
     言葉と攻撃の割り込み。今の一撃に怪人はその身体を僅かによろめかせ、だがすぐに持ち直した。
     それから言葉を向けてきた二人に視線を向けると、鼻を鳴らす。
    「ふん。言ったところで理解できぬのならば、口にする理由はあるまい。それにそんなことを言っていられるのも、今の内だけよ」
     怪人の口調はその言葉の通り、何処か余裕を持ったものであった。
     だが。
    「知った事か。私達には関係無い」
     それを、エリスフィール・クロイツェル(蒼刃遣い・d17852)は切って捨てた。
    「何を考え求めているかは知らぬが……好きにさせる謂われは無い」
     元より敵同士。何を考えていようと、企んでいようとも、結局のところやることに違いは無いのだ。
    「ま、4大幹部にも比肩するザ・グレート定礎にキミ達が縋りたくなる気持ちは解らないでもないけどね」
     四月一日・いろは(剣豪将軍・d03805)がその名を出したのは、揺さぶりのためであった。もっとも、なれば儲けもの、程度であり――
    「というか、あの天海大僧正を易々と出し抜けると思ってるのかな?」
     続けた言葉にも反応がないことに、肩を竦める。
     だが元よりただの鎌かけだ。効果がないというのならば、真っ当に打ち破るだけである。
     純白鞘【五番の釘】に手を添え、大太刀【月下残滓】の柄を握り、地を蹴った。
     そしてエリスフィールが動いたのも、ほぼ同時だ。
    「あまり時間をかけられぬからな……一息に行くぞ!」
     踏み込む足には、非実体動輪により高い踏破力を誇る滑走靴――Storm Raider。地を滑るように駆け抜け、風の如くエリスフィールの身体が一瞬で怪人へと迫る。
     それを迎撃しようと、怪人の身体が動き――
    「おいおい、誰か忘れてねえか?」
     一瞬の隙を突き、拳が突き刺さった。
     その衝撃に怪人の身体が軽く浮き、しかしそこで終わりではない。矜人が身体を引いたのと、流し込んだ魔力が爆ぜたのはほぼ同時。空中で一瞬身体が硬直し、その視界の端を、何かが横切った。
     だがそれが着物の袖であることに気付いたのは、次なる衝撃をその身に受けてからだ。急所に抉りこまれているのは、金属製の鞘。
     その先にある柄を握っている手は、いろはのものだ。
     そして、巨大な刀と化した腕が迫ったのは、その直後である。
    「蒼刃、叩っ切れ!」
     エリスフィールのそれが振り抜かれ、即座に後方に飛び退く。そちらは儀式が行なわれていた場所とは逆の方向であり、即ち怪人達を一般人から引き離すための行動である。
     と同時に、それは仲間へと誘導するためのものでもあった。
    「紅蓮の如く燃え散るがよいぞっ。行くぞ怪人共め、紅月鬼の緋女がいざ参る」
     その先に居たのは、怒りに瞳を燃やす緋女だ。その手に握られているのは、曙光を思わせる深紅に染まった刀身を持つ剣――荒神切「暁紅」。自身の内より噴き出す炎が剣に宿り、その刀身をさらに紅く染め上げる。
    「そこに並ぶがよいっ。そのぺなんと頭を火事にしてくれるのじゃっ」
     飛び込み、言葉の通りにせんが如く、叩き付けた。
     しかし当然ながら、敵もやられっ放しではない。微かに頭を燃やされながらも、眼前の緋女へと視線を向ける。
     そこに拙いと気付いた緋女は咄嗟に後ろに下がろうとするも、遅い。僅かに煌きを見せているそれは、ご当地の力だ。
     収束し、指向性を持たされたそれが放たれ――だがそれが、緋女へと当たることはなかった。
     その直前に耳に届いたのは、エンジン音。眼前に躍り出たのは、相棒であるライドキャリバーの紅花號に跨った恋也だ。
     緋女の代わりにその一撃を受け、堪える。直撃ではないものの、小さくない傷を負い、しかし即座に自身の力で癒した。
     だが一つをやり過ごしても、敵は二体。もう一つのご当地が煌き、しかしそれを言うならば、こちらも一人ではない。遮ったのは、もう一人の盾役であるジョーだ。
     そしてさらに言うならば、ご当地の力を扱うのは、何も敵ばかりではない。
    「菜ノ花ビームッ!」
     お返しとばかりに、ジョーからもご当地の力を宿したビームが放たれ――続けて放たれるのもまた、とあるご当地の力が宿されしもの。
    「ニンジャケンポー・イガ忍者キック! でござる!」
     炎が燻っているその頭に、ぶち込んだ。



     怪人の身体がよろめき、崩れ落ちる。
     その場に電子音が鳴り響いたのは、そうしてようやく敵の一体を倒した時であった。
     その発信源は、ハリーの腕だ。戦闘開始より、七分が経過したことを告げる音であった。
     残る敵は一体。時間は少なく、だが関係はない。時間内にアレを倒しきる。それだけだ。
    「さあ、ダイナマイトにハジけるぜ!」
     叫ぶと同時、矜人の姿が変わった。もっともそれだけであり、戦力が上がるわけではないが――ラストスパートの気合を入れるためには、十分であった。
    「時間でござるな。一気にたたみ掛けるでござるよ!」
     回復や防御を優先していた緋女やハリー、恋也も意識を攻撃に切り替え、レナとジョーは回復することを捨て去る。その様子に残った怪人も気を引き締めたようであったが、どうでもよかった。
     文字通りに時間がないのである。余計な言葉や行動は無く、ただ動いた。
     矜人とジョーの拳が突き刺さり、いろはの振るった刃が斬り裂き、恋也が持ち上げ叩き付ける。レナの影が絡みとり緋女の影が斬り裂き、ハリーの霊力が縛ればエリスフィールが蹴りでぶち抜いた。
     敵の攻撃とそれによって受ける傷の一切を無視して攻撃を只管に続け――だが、その場に再度の電子音が鳴り響く。
     今度もまたハリーより。それは、戦闘開始より九分の経過を告げる合図。
     そして、敵は未だ倒れていない。
     このままでは間に合わ――
    「こっからはロスタイムだな……サヨナラ勝ちといこうじゃねーか! 諦めんなよッ」
     否、間に合わせる。
    「チバジョーナッコォ!!」
     最後の力を振り絞り、込めるように、ジョーが幾度も拳を叩き込んだ。
     それが止まない内に、矜人がさらに懐へと飛び込む。二人の拳が重なり、続く。止み、引いたのは同時であり、そこに一つの影が飛び込んだのも、同時だ。
     それは二つで一つの影。相棒の紅花號の射撃が作った隙を狙い、突撃の勢いのまま恋也が飛び上がる。
     モトクロスキック。
     ぶち込んだ。
     吹っ飛び、だがその先で待っていたのは、もう一つの蹴り。炎を纏ったハリーの足が、やってきたその身体を上空へと跳ね上げる。
     直後、そこに狙いを付けていたのは大槍型の撃杭機。撃杭槍ラジェンドラという名のそれが貫くのは、死の中心点。
    「杭槍……撃ち抜くぞ。疾く駆けよ!」
     エリスフィールがそのまま、地面へと叩き付けた。
     衝撃に地が軋み、砕け、だがまだ終わらない。そこに追加されたのは、石化をもたらす呪い。ついでとばかりに、レナの指に嵌められたルナティック・フェリンより魔法弾が放たれ、ほぼ同時に現れた刃が怪人へと殺到する。
     しかしそれでもまだ終わりではない。
    「刻め風の刃よ、影の刃よ!」
     追加の刃を緋女が放ち、さらにその身体を斬り裂く。
     だが、そこまでされて尚、怪人は生きていた。ふらふらと立ち上がり、今にも崩れてしまいそうではあったが、まだやられてはいない。
     そして、時間はもうすぐそこに迫っている。
     その事実に、怪人の口元が笑みの形に歪み――二つに分かたれ、ずれた。
     その後方に居たのは、腕を振り切った体勢のいろは。そのまま残心を保ち、しばしの後に息を吐き出すと、ゆっくりと解いていく。
     剥き出しであった刀身が鞘に仕舞われ、一つの音が鳴る。
     そしてそれが、戦闘の終了を告げる合図となったのであった。


     戦闘を無事に終了した八人は、しかしすぐにその場から立ち去ることはなかった。幾つかやることがあったからだ。
     その一つである定礎石を調べながら、レナは首を傾げる。
    「この石って、結局にゃんにゃんかにゃ? ニャにか、分かるかニャ? 普通の石にしか見えニャいけどにゃん」
    「ダークネスの陰謀でござるからな。それとすぐに分かるようなことにはなっていないと思うでござる」
    「にゃるほどにゃ」
     ハリーの補足は生憎と明後日の方向を向いていたが、やはりツッコミはやってこない。皆疲れてそれどころではないのだ。
     だがその石が至って普通のものに見えるということに関しては、皆の見解は一致した。
     それはつまり――
    「しっかし定礎石なんて日本中至る所にあるぜ? ここだけの出来事じゃ済まねぇかもな」
     遠くを眺めるように目を細めながら、矜人は呟く。
     何時でも何処でも、また同じようなことが起こるかもしれない。そういうことである。
    「きっと此の一件もあくまで序章に過ぎないんだろうね」
     いろはの抱いたその予感は、ほぼ確信であった。
    「これから大忙しになりそうだな!」
     恋也と共に周囲の警戒をしていたジョーも、それに頷く。
     しかしとりあえず、これ以上の出来事はなさそうであった。あとは――
    「さて……この人達にしてみれば、とんだ災難であったな……いや、災難で済めば重畳か。無事に各々の日常へと戻れたら良いのだが……」
     未だ眠ったままの人達の、その未来に対する不安を口にしながらも、一先ずエリスフィールは動く。
     念のために彼らの素性や、攫われている間に何かなかったかの確認。何かされたり持たされたりしていないかも調べ、その後のことは警察に任せるのが無難だろう。
    「わらわはよぅ帰りたいのじゃー」
     そんなことを考えていると、ふとぼやかれた緋女の言葉に、苦笑を浮かべた。まったく以って同感であるし、異論のある者はいないだろうが、そのためにもやるべきことがある。
     後悔してからは遅いのだ。
     少しでもその目を摘むため、まずは横たわっている者達の元へと、その足を踏み出すのであった。

    作者:緋月シン 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年10月10日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 8/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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