椀子素麺! 小豆島そうめん怪人の野望!

    作者:飛翔優

    ●小豆島そうめん怪人マタドールソーメーン
     香川県小豆島。
     島の形が牛に似ていると言われている、醤油や佃煮、ごま油などの生産が盛んな島。
     名産品の一つ素麺を愛する余り、一体の怪人が活動を開始した!
    「ソーソソソソソソソ! さあ皆様、一つこちらの小豆島そうめんをお手に取って下さいメーン。美味しいそうめんは、心を満たしてくれるのですメーン」
     名を、小豆島そうめん怪人マタドールソーメーン。
     赤い布の代わりにそうめんでできた布と、そうめんのレイピアを携えている怪人は、各地にテーブルを設置しては人々をそうめんの試食会へと誘っていく。
     いっぱい食べて楽しんで欲しいと、半ば椀子そばのような要領で小豆島そうめんをおかわりさせ続けていく!
     全ては小豆島そうめんの魅力を広めるため。ゆくゆくは世界征服を果たすため……。

     公園で野良猫を眺める傍ら、噂をまとめたメモに目を通していた桜塚・貴明(櫻ノ森ノ満開ノ下・d10681)。小豆島そうめん怪人、と記された項目にて手を止めて、じっくりと読み込んでいく。
    「ふむ……望まぬ人に椀子そば……いえ、椀子素麺は危険、ですね。」
     小さく肩を落とすと共に立ち上がり、メモを仕舞いこんでいく。草むらで寝転ぶ猫に別れを告げて、武蔵坂学園へ向かって歩き出した。
     エクスブレインへと伝え、真実かどうか探るため。真実ならば解決策を導かなければならないのだから……。

    ●夕暮れ時の教室にて
    「それでは葉月さん、後をよろしくお願いします」
    「はい、貴明さんありがとうございました! それでは早速、説明を始めさせていただきますね」
     倉科・葉月(高校生エクスブレイン・dn0020)は貴明に頭を下げた後、灼滅者たちへと向き直った。
    「香川県小豆島にご当地怪人、小豆島そうめん怪人マタドールソーメーンが出現しました」
     本来ダークネスにはバベルの鎖による予知能力があるため、接触は困難。しかし、エクスブレインの導きに従えば、その予知をかいくぐり迫ることができるのだ。
    「とはいえ、ダークネスは強敵。色々とあるご当地怪人といえど、です。ですのでどうか、確実な行動をお願いします」
     続いて地図を広げ、香川県小豆島の公園を指し示す。
    「皆さんが赴く当日のお昼前、マタドールソーメーンは配下と共にこの公園へとやって来ます」
     目的は、小豆島そうめんの試食会。
     食べてもらう事こそ魅力を伝える手段! と意気込んでの行動だ。しかし……。
    「いっぱい食べてもらいたい、という気持ちも強いのでしょう。参加した人が食べ終わるなり、まるで椀子そばの様に無理矢理おかわりをさせてしまうみたいです」
     止める手段はお椀の蓋を閉めること……なのだが、怪人の持つ気迫か慣れの差か、なかなか閉めることすら難しい。結果、危険域まで食べ過ぎてしまう可能性がある。
    「幸い、マタドールソーメーンたちが活動を開始した直後は人もまばら。人払いも容易いでしょう。もちろん、人払いがばれないようにマタドールソーメーンたちにアクションをかけて行く必要はありますが」
     後は戦いを挑めば良い、という流れになる。
     敵戦力はマタドールソーメーンの他、素麺のかつらを被っている配下が三名。
     マタドールソーメーン、姿は赤い布の代わりに素麺でできた布と、そうめんのレイピアを携えている怪人。配下がいる状態ならば八人を相手取れるほどの力量で、攻撃回復両面に秀でている。
     技は、はためく布で相手を包み捕まえるそうめんマタドール。避けることを許さぬそうめんレイピア。そして、己か仲間の傷を癒やし力を高めさせるそうめんスペシャル!
     一方、三名の配下は攻撃役。かつらからそうめんを伸ばして捕縛する、鞭のように振るい切り裂く……と言った技を仕掛けてくる。
    「以上で説明を終了します」
     地図などを手渡し、締めくくりへと移行する。
    「そうめん。主に夏、冷涼な美味しさを与えてくれる逸品……美味しいのは確かですが、決して強要して良いはずがありません。苦しい思い出を抱いては、魅力すらもあせてしまいます。ですからどうか、全力での行動を。何よりも無事に帰ってきてくださいね? 約束ですよ?」


    参加者
    東方・亮太郎(ブレイヴビート・d03229)
    クラウィス・カルブンクルス(片翼無くした空飛べぬ黒蝶・d04879)
    九条・百合音(いたずらな黒ウサギ・d06680)
    桜塚・貴明(櫻ノ森ノ満開ノ下・d10681)
    日向寺・伊澄(電子音に想いを乗せて・d12876)
    屍々戸谷・桔梗(血に餓えた遺産・d15911)
    アルクレイン・ゼノサキス(黄昏の天使長・d15939)
    紫皇・櫻(尸桜の寵姫・d24701)

    ■リプレイ

    ●お昼前の腹ごしらえ
     香川県小豆島。様々な名産品を持つ事で有名な、島の形が牛に似ていると言われている地。お昼前の公園にて、小豆島そうめん怪人マタドールソーメーンが主催する小豆島そうめんの試食会が行われていた。
     赤い布の代わりにそうめんでできた布、素麺のレイピアを携えている怪人の魔の手から人々を守るため、灼滅者たちは二手に分かれての行動を開始。
     高校生以下の食欲旺盛なメンバーがマタドールソーメーンの気を引いていく中、大学生メンバーは小豆島そうめんなどと印字されたスタッフジャンバーを着こみ一般人の誘導に勤しんでいく。
     中心となっているのは、こういうことには慣れているクラウィス・カルブンクルス(片翼無くした空飛べぬ黒蝶・d04879)。
    「会場に問題が発生しましたので場所が変更になりました」
     公園に来る者や試食会とは無関係に休んでいた人々に声をかけ、公園からの退避を促していく。
    「学生バイトの身分なので詳しくはわかりませんが害虫が発生したと聞き及んでいます。強い殺虫剤を使用するのでここに留まられると危険です」
     問い返されたのならば予め用意していた嘘を紬、一礼して入り口方面へと向かわせた。
     クラウィス同様に手際よく避難誘導を進めながら、顔には出さないながらも、桜塚・貴明(櫻ノ森ノ満開ノ下・d10681)はぼそっと呟いた。
    「……もっと普通ので良かったんですけどね」
     ――いや、これでESPなんか使わなくても絶対関係者に見えますよね。伊澄くんすごいです……などと褒めていたのは、お世辞だったのだろうか?
    「あ、すみません。害虫が発生したようなので、試食会の会場は変更になりました。駆除作業があ始まりますので公園から退避してください」
     ともあれ、内心はどうあれ貴明は手際よく一般人の退避を進めていく。
     日向寺・伊澄(電子音に想いを乗せて・d12876)の用意したスタッフジャンバーのせいかもあってか、力を使わずとも避難させることができていた。
     件の伊澄は普段の自分を封印し、男として振る舞いながら一般人を誘導し続けている。
    「はい、あちらへお願いします。すぐに終わりますので……」
    「公園で害虫駆除が始まるから立ち入らないで欲しい。何かあったら危険だからな」
     屍々戸谷・桔梗(血に餓えた遺産・d15911)もまた、人々を説得して回っていた。
     余計な被害を出さないため、戦うための場を整えるため。
     全ての避難が終わったら、誰かが近づかないよう人払いの力も活用しようか。

     赤い布の代わりにそうめんでできた布、素麺のレイピア。
     よくそんな奇怪な格好をしている相手に勧められたものを食べる気になるものだと、マタドールソーメーンの気を引く役を担うメンバーの一人、紫皇・櫻(尸桜の寵姫・d24701)はそうめんを食べながら思い抱く。
     あるいは、客引きの一種として認識されているのだろうか? ご当地怪人は相変わらず自分の道を突っ走りすぎていて逆にご当地のイメージを悪くしている気がしてならないと思いつつ、表情には出さずゆっくりとそうめんを口へ運んでいく。
     さなかには、仲間やマタドールソーメーンたちの会話へも耳を傾けた。
     ひときわ大きな声を上げているのは、すでに四杯目となるそうめんを食べ始めている東方・亮太郎(ブレイヴビート・d03229)。
    「うんめえ!この喉越し、めんつゆの爽やかな後味、涼しくなってきても色褪せねえな!程よく茹で上がった麺の心地いい歯応え、料理人の腕が相当いい証拠だ!」
    「ソーソソソソソソソソ! お褒めに預かり光栄ですメーン。ささ、もういっぱいどうぞだメーン」
    「……食べ過ぎじゃないかしら?」
     積み上がっていくお椀を見て思わず突っ込んでいく櫻。
     一方、ゆっくりと一杯目を完食した九条・百合音(いたずらな黒ウサギ・d06680)は、目を輝かせながらマタドールソーメーンに問いかける。
    「あの、マタドールソーメーン様」
    「メーン? どうしましたかリトルマドモアゼルメーン?」
    「そうめんの歴史とか文化、教えてくださいですの」
     半分は作戦として、半分は本心として、百合音はマタドールソーメーンの話を待ち望む。
     マタドールソーメーンは優しい笑顔を浮かべ、身振り手振りを交えながら語りだした。
    「そうめんの歴史は、奈良時代に遡るとも言われておりますメーン。奈良時代に唐から伝来した……」
     時には感動を、時には細かい質問を交え、讃えながら、百合音は自信満々に語るマタドールソーメーンと話し込む。
     さなかにも食べる手は止めず、不信を抱かせない事も忘れない。
     歴史が終わり、一区切り突いた時、アルクレイン・ゼノサキス(黄昏の天使長・d15939)が片手を上げて問いかけた。
    「あの、薬味とか有りませんか? 色んな味のパターンを試してみたいんですけど?」
    「メーン、もちろんありますメーン。我が偉大なる配下よ、こちらのマドモアゼルに薬味をメーン」
     支持を受け、荷物からネギやわさびなどの薬味を取り出していく、素麺のかつらを被っている三名の配下たち。
     アルクレインが薬味を投入した一杯を平らげた頃、入り口の方角から人払いを行っていた大学生メンバーがやって来た。
     戦う時が来たのだと、亮太郎は最後の一本を平らげ素早く蓋を閉めた後、机から離れ高らかなる声を上げていく。
    「来い。装甲車ァ!」
     ライドキャリバーのホライゾンと共に自動車を召喚。自動車を装甲へと変形させ、自らの体を沈めていく。
    「装着合体! 爆走甲・メタファイターGT!」
     乳白色のソーメンホワイトパールに塗り替えた装甲を輝かせながら、熱い心でポーズを取った!
     百合音もまた机から離れた後、スレイヤーカードを唇に添えて唱えていく。
    「Shall We Dance?」
     武装を整え、華麗に可憐なポーズを取りながら、マタドールソーメーンたちを見つめていく。
     残るメンバーも次々と変身し、戦うための準備を整えた。
     陣も敷き終わった頃、マタドールソーメーンはようやく自体を理解したらしい。
    「そ……ソーソソソソソ! いっぱい食べてくれたのは嬉しかったですメーン。けど、敵だったのですメーン。ならば悲しいけれど容赦はしないのですメーン。この小豆島そうめん怪人マタドールソーメーン様が、貴様らに小豆島そうめんの素晴らしさを刻み込んでやりますメーン!」
     名乗り合いが終わったなら、後は拳を刃を交えるだけ。
     小豆島そうめんを巡る戦いが、お昼頃の公園にて開幕した!

    ●小豆島そうめん軍団との戦い
     華麗なステップを踏みながら、伊澄は敵陣へと向かっていく。
     三名の配下に、そしてマタドールソーメーンに拳を打ち込みながら、小首を傾げて尋ねていく。
    「ちょーっと季節外れじゃないかしらぁ?」
    「そんなことはありませんメーン。温かいお汁で食べれば、秋冬春でもそうめんは美味しく食べれますメーン」
     事実、そうめんは夏のイメージが強いけれど、蕎麦やうどん同様に暖かな汁で食べるという選択肢もある。
     故に思考を切り替え、伊澄はさらなる言葉を投げかけた。
    「正直、素麺はキライじゃないわ。と言うか好きだけど……たくさん食べさせられたら、迷惑よね」
    「ソーソソソソソ、いっぱい食べられたら幸せなのですメーン」
     やはり、噛み合わない。
     問題無いと、伊澄は貴明へと視線を送る。
     うなずき返されたから、最後のステップで後方へと退いた。
    「本当に素麺のことを愛しているなら、美味しく食べてもらえる範囲で勧めなきゃね」
    「ソーソソソメーン!?」
     反論を許さぬ貴明の炎が、マタドールソーメーンたちを包んでいく。
     さらなる追撃と成すのだと、桔梗は殺気を放出した。
    「胃袋を捉まれて世界征服されちまうのはちょっと御免被りたいねェ……」
     ウマイものを振る舞うのは良いが食うスピードは自由、無理強いはフェアじゃない。最終目標が世界征服ならば尚更、といったところだろうか?
     若干後ろへ下がっていくマタドールソーメーンを視線を交わしながら、桔梗は杖を握りしめる。次の手を打つために、魔力を充填し始める。
    「一気に畳み掛けてくぞ! まずは配下からだ!」
     させぬとばかりに、配下たちがかつらからそうめんを亮太郎、クラウィスへと伸ばしてきた。
     即座に貴明の霊犬がクラウィスの下へと向かい、治療を開始する。
     一方のマタドールソーメーンは、そうめんのお椀を取り出した。
    「ソーソソソソソ! そうめんにはパワーがあるのですメーン! 我が偉大なる配下たちよ、これを食べて元気をつけていくのですメーン! スペシャルそうめん!」
    「させません」
     そうめんを振り払ったクラウィスが即座に虚空に回し蹴り。激しき突風を巻き起こし、配下たちとマタドールソーメーンが得たであろう力を砕いていく。
     己等を癒やし、敵の力を砕く。丁寧に攻めていけば、きっと……。

     回復役を専任するのは、貴明の霊犬のみ。後は全体で協力して治療を行う、と言った灼滅者たちの策。
     やはり一度の回復量が少ないからか、治療してなお傷は多く残る。けれど浄化の力は潤沢で、ほぼ動きを乱す事なく攻めることができていた。配下を一人倒す事も達成していた!
     今もなお配下の放つそうめん鞭によって切り裂かれた防具を繕った。その上で、アルクレインは叱りつける。
    「こんな事をしても小豆島そうめんの名を汚すだけです。なぜ、普通に美味しさを広めようとしないんですか!」
     椀子そばならぬ、椀子そうめん。
     無理矢理数を食べさせる事により、美味しさを広めようとしていたマタドールソーメーン。しかし、それはそうめんから人々を遠ざけてしまいかねない行動なのだ。しかし……。
    「ソーソソソソソ! これがもっともよい手段だからに決まっておりますメーン」
    「せっかく……美味しい素麺だったのに……!」
     方法の不味さに対する感情を滲ませながら、アルクレインは敵陣に送り込んだ魔力を氷結させた。
     凍える力を前に限度を越えたか、先頭に位置していた配下が糸の切れた人形のように倒れ伏す。
     残る配下は後一人。向かっていく仲間を支援するために、百合音は弾丸を嵐のように撃ちだした!
    「支援いたします、今のうちに配下の排除をおねがいしますわ!」
    「うぉら! まずは一撃、いや百撃!!」
     弾丸をくぐり抜ける形で、メタファイターGTは配下の懐へと入り込む。
     一撃、二撃と拳を刻み、ついには後方へとふっ飛ばした。
     回りこんでいた櫻は人形をおもわせる水晶の体から思いもよらぬほどの細やかさで、表情も変えずに黒白の翼を持つ十字架型のマテリアルロッドでフルスイング!
     魔力を爆発させ地面へと叩き落とし、昏倒させる事に成功した。
     残るはマタドールソーメーン、ただ一体。
     マタドールソーメーンは灼滅者たちから距離を取り、そうめんを取り出していく。
    「メーン、我が偉大なる配下たちがやられてしまうとは中々やりますねメーン。しかし、まだまだ負けたわけではありません。まだ、私にはこのそうめんが残っているのですメーン」
     食する事で、自らの力を高めていく。
     もっとも、すぐに打ち砕いてしまうのだけれども……。

    ●そうめんへの愛
     怪人の操るレイピアは鋭く、毒などを与えてもひらりとはためく布が傷ごと浄化を行っていく。
     が、全ては配下あってのもの。一体だけではやはり中途半端……といったところか。さほど苦境が訪れることもなく、攻めることができていた。
     今もそう。メタファイターGTの指令を受けたホライゾンが美味しいそうめんを作るのに必須な天然水を注いだ紙コップを乗せて駆けたなら、マタドールソーメーンが視線で追い始める。
     その隙にメタファイターGTは背後へと回り込み、頭に炎のハイキックを叩き込んだ!
    「メーン!?」
    「そろそろ終わりの時間だ! 覚悟しな!!」
     呼応するかのように貴明は手甲をはめた腕を振り下ろし、風刃を巻き起こす。
     一方で霊犬はホライゾンの下へと向かい、細かな治療を開始した。
     炎を宿し、風に押され仰け反るマタドールソーメーンには、櫻が注射針を刺し込んでいく。
    「過剰な押しつけは怪人故、かしらご当地ヒーローとの最大の違いかもしれないわね」
     無機質な瞳で見つめながら、毒素を送り終えるとともに退いた。
     入れ替わるような形で桔梗が放った鋭い矢が、加護ごとマタドールソーメーンを刺し貫いた。
    「そうめんパワーは貫いた。さあ、畳み掛けていこう」
    「まだ、まだですメーン。行きますメーン、そうめんレイピア!」
     刹那、マタドールソーメーンはクラウィスに向けてそうめんレイピアを突き出した。
     集中させたオーラで受け、流しながら、クラウィスはマタドールソーメーンとすれ違う。
     すれ違いざまに炎のミドルキックを脇腹へと叩き込み、さらなる勢いで炎上させた。
    「今です」
    「その行いは間違っていても、ソーメンに対しての熱い想いは受け取りましたわ。ソーメンの布教に一役担う事を、お約束いたしますわ」
     呼応し、百合音が爆熱する弾丸を打ち込んでいく。
     さらなる炎に巻かれよろめいていくマタドールソーメーンに、伊澄が影刃を差し向けた。
    「折角マタドールなんだから、トマトソースで食べてみたりとか、面白い事すればいいのにねえ。……あら、おそうめん食べたくなっちゃった……」
     軽くお腹を抑えた時、影刃がマタドールソーメーンを布ごと斜めに切り裂いた。
     マタドールソーメーンはよろめきながら、天を仰ぎ言葉を紡いでいく。
    「ソーソソソソソ……私は負けてしまいましたメーン……でも、そうめんが後世つながっていく事はわかったんだメーン……それが、せめてもの……」
     言葉を途切れさせると共に倒れ、地面に激突すると共に爆散。後には何も残さずに、この世界から消滅した。

     マタドールソーメーンが消えた場所を眺め、桔梗は静かな祈りを捧げていく。
    「今度生まれ変わったら……ウマいそうめんでも喰わしてくれよ」
     手段は間違っていても、そうめんに対する想いに違いはなかったマタドールソーメーン。その心が、正しき形で使われていれば、きっと……。
    「……」
     祈りが終わる頃には各々の治療が終わり、元配下たちに帰路を辿らせ終え、休める時間がやって来た。
     各々の形で休憩を始めていく仲間たちに、貴明は提案する。
    「私この間来たんですけどね、美味しい店いっぱいあるんですよ。一緒に行きませんか?」
     大学生メンバーは、お腹を空かせている者も多い。
     高校生メンバーも、動いてお腹がこなれた頃だろう。
     否を唱える者はおらず、灼滅者たちは連れ立って街中へと向かっていく。
     おみやげにはきっと、小豆島そうめんがちょうどいい。名物とはそうした行為を経て、自然と広まっていくものなのだから……。

    作者:飛翔優 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年10月9日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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