秋の桜と野良の猫

    作者:佐和

     見頃を少し過ぎた秋桜畑。
     そこでは最後の催し物として、秋桜摘みが行われていた。
    「ねえねえ見て見て。花束できたよっ」
    「わー。きれー」
    「色違いを入れてもいいかもっ」
     その女の子達のグループは、今までは眺めるしかできなかった花を手に大はしゃぎ。
     人の少ない畑の外れへとどんどん進んで行って。
    「あ、見て。猫ちゃんだ」
    「首輪してないし、野良猫かな? おいでおいでー」
     現れた猫の群れにしゃがんだり手を伸ばしたり。
     猫達はそんな女の子の誘いに乗るように一斉に走ってきて。
     そのまま鋭い爪と牙で、辺りに血の花を咲かせた。
     
    「秋桜畑に行きたいとは思っていましたけれども……」
     八鳩・秋羽(小学生エクスブレイン・dn0089)から話を聞いた幌月・藺生(葬去の白・d01473)は、ふぅ、と小さくため息をつく。
     その様子を見ながらもチョコレートを食べてばかりの秋羽に、藺生は苦笑して。
     気を取り直して灼滅者達に向き直りました。
    「眷属化した野良猫さんが現れるのは、こちらの秋桜畑です。
     予知にあった女の子達は人の少ない方へと行くそうですから、先に野良猫さんが現れる辺りに私達がいれば、近づいてくることはないみたいですよ」
     秋桜畑はそれなりの広さがあるので、他のイベント参加者の心理も同様のようで。
     指定通りに待ち伏せできれば、一般人を巻き込んでしまう心配はなさそうだ。
    「野良猫さんは全部で10匹です。
     眷属ですからさほど強くはありませんが、猫なので素早いみたいです。
     見た目的にもちょっと攻撃が当て難いかもしれませんですね」
     うーん、と考え込むように藺生は少し首を傾げて。
     しかしすぐにふわりと微笑み、ぽんっと胸の前で両手を合わせた。
    「何はともあれ、秋桜畑は秋桜摘みイベントの真っ最中です。
     終わったら秋桜をいっぱい楽しみましょう」
     アメジスト色の瞳を輝かせる藺生を見上げていた秋羽は、花より団子と言わんばかりに、またチョコレートを口に放り込んだ。


    参加者
    幌月・藺生(葬去の白・d01473)
    月原・煌介(白砂月炎・d07908)
    青木・紗奈(ユネルスール・d11065)
    星空・みくる(お掃除大好きわん子・d13728)
    ルエニ・コトハ(スターダストマジシャン・d21182)
    日輪・朔太郎(汝は人狼なりや・d27538)
    アリス・ハイリヒカイト(小学生神薙使い・d28023)
    シェスティン・オーストレーム(小さなアスクレピオス・d28645)

    ■リプレイ

    ●秋桜畑を背に
     澄み渡った青空を見上げていた幌月・藺生(葬去の白・d01473)は、顔を撫でた風にアメジスト色の瞳を細めて。
     ふわり、と揺れる髪を感じながら、ゆっくり視線を下ろし、振り返る。
     そこに広がるのは桃色と緑色の絨毯。
     風に揺れる秋桜の花と葉を眺めて、藺生は微笑んだ。
    「さあ、皆で観光地の平和を守りましょうね」
    「猫さんに人を傷つけさせるわけにはいかないんだよ」
     隣に並ぶ青木・紗奈(ユネルスール・d11065)は、野良猫達が現れると言われた方向を見据え、決意と共に両の拳を胸の前で握りしめる。
     それと同じ視線を彼方へ向けて。
    「眷属さんの野良猫さん、でしたか」
     呟くように言ったのは、星空・みくる(お掃除大好きわん子・d13728)。
    「都市伝説さんの猫さんはお見かけした事がありますが、眷属さんの猫さんは初めてですね」
     何やら違います事はありますのでしょうか? と首を傾げる。
     すぐに襲ってくると言っていた辺り、凶暴そうではあるけれども、明確な違いがよく分からずに、隣を漂うナノナノのノノと目を合わせると、みくるは逆側へとまた首を傾けた。
     何はともあれ、被害を出してはいけないことは確かで。
     みくるは、つられて首を傾げていたらしい紗奈ににっこりと笑うと、大丈夫です、と言うようにしっかりと頷いた。
    「きれいな場所ですね」
     そこに、ルエニ・コトハ(スターダストマジシャン・d21182)ののんびりした声が響く。
     振り向くと、お菓子を抱えて秋桜畑に目を細めるルニエの姿があった。
     その傍らには、持参した保温水筒と紙コップを置く場所を探す見回す月原・煌介(白砂月炎・d07908)がいて。
     さらに。
    「その籠の中身は何かの?」
    「お茶とお菓子です。お菓子は、クッキーと……」
     シェスティン・オーストレーム(小さなアスクレピオス・d28645)が持つ一抱えほどのバスケットを覗き込んで、アリス・ハイリヒカイト(小学生神薙使い・d28023)が瞳を輝かせている。
    「花より猫より、団子だねぇ……」
     その様子を眺めながら日輪・朔太郎(汝は人狼なりや・d27538)が、ヒヒヒ、と笑った。
     にやりと笑ったナノナノの恭次郎が、その前をすいーっと通り行く。
     そのうちに。
     煌介が示した場所に、ルエニとシェスティン、そして藺生も荷物を置いて、準備は万端。
     紗奈は秋桜畑の向こうを見て、予知されていた女の子達を含め、近づいてくる人がいないことを確認する。
     秋桜も楽しみだけれども、その前にしっかり事件を解決しなければならないと。
     秋桜畑を背にして、視線を揃える灼滅者達の前に、小さな影が次々と現れた。
    「やはり、普通の猫さんとは違いますね……」
     迷うことなくこちらへと走ってくる10匹の猫を見て、みくるが呟く。
     都市伝説との違いは分からないが、ただの猫とは行動が違いすぎる。
    「この眷属達は、怒ってるんだろか。泣いてるんだろか」
     サウンドシャッターを展開しながら、煌介は誰にともなく囁いて。
    「……分からない、な」
     ふぅ、と息を吐くと白梟の風切羽を模した槍を構えた。

    ●野良猫を前に
    「参ります」
     まず飛び出したのは、みくる。
     愛用のモップを振るうと仕込まれた刃が閃き、先頭の猫を斬り捨てた。
     その猫を中心に、藺生が祭壇を展開し、結界を構築。
     そこに、ルエニが破邪の白光を放つ剣を、紗奈がオーラを収束させた拳を構える。
    「人を襲うのでしたら、きちんと倒さなければなりません」
    「ごめんね。あのお姉さんたちには猫さんを好きなままでいて欲しいんだ」
     しかし猫は、素早い動きで剣と拳をするりとかわすと、紗奈へと向かって飛びかかり。
     だが、そこに割り込んだ朔太郎が、代わりに鋭い爪を受ける。
    「ヒヒヒ……怖い猫さんだねぇ……」
     笑いながら後ろへ飛び、一度間を空けた朔太郎は、しかしすぐさま元の場所へ戻るように、猫に飛び蹴りを放つ。
     不意を突かれた猫の小柄な身体が宙を舞った。
     それを目で追う朔太郎に、他の猫の爪が襲う。
     同じく前衛のみくるとルエニ、そして紗奈も今度は庇われる間もなく、傷を重ねた。
     すぐさまシェスティンが夜霧を展開する。
    「本当に……可愛いですけど、怖い、猫さんですね……」
     傷つく仲間に、そして、傷つけてしまう猫に、痛ましげに瞳を揺らしながら。
     だからこそ仲間を守ってみせると、戦況をしっかりと見据える。
     そんなシェスティンを応援するように、ノノと恭次郎がふわふわとハートを飛ばした。
     支援の体制を確認したアリスは、改めて猫達へと向けた金瞳を細めて、
    「さすがに素早いの」
     呟きながらしっかりとその動きを追い、捻りを加えた槍を突き出す。
     狙い違わず貫いたのは、最初に攻撃を受けていた猫。
     さらに、音なき疾風のように煌介が間を詰めて。
    「おやすみ、を、言いに、来た、よ」
     無表情のままその槍で猫を穿つ。
    「まず、1匹……」
     姿を消す猫を見下ろしながら淡々と数えて。
     けれどもその瞳には、哀しみと優しさが揺れていた。
     眷属であり、殺意剥き出しに襲い掛かってはくるものの、その見た目は小さな猫。
     傷を癒すべく、にゃーにゃーと鳴く姿だけを見れば、本当に愛らしく。
    「眷属と知らなければ、つい抱き上げてしまいそうじゃな」
     アリスも、杖と魔力を叩きつけながら顔をしかめる。
     周囲に魔法の矢を生み出したみくるも、一度目を伏せて、
    「このような事はあまり行いたくはありませんが……」
     呟いてから意を決して顔を上げ、猫へと撃ち放つ。
    「まぁ急にこんな形になっちゃった事は同情するさぁ」
     俯き気味に言う朔太郎だが、猫達から隠れた陰で口元をにやりと歪め。
     爪には爪を、と言うかのように、己の鋭い銀爪を振るう。
    「だからといって加減はしないけどねぇ……?」
     ヒヒヒ、という笑いの下に、また1匹、猫の姿が消えた。
    (「猫さん、こんなに可愛いのに……」)
     それを見送ったルエニも、心の奥底に悲しみを抱える。
     眷属にされてしまうことがなければ、猫達にも別の未来があったかもしれないのに。
     もうありえない、選ぶことすらできない『かもしれない』を必死に振り払って。
     でも表には悲しみの片鱗すら見せずに、バベルの鎖を瞳に集中させていく。
    (「今度は眷属じゃなくて、自由に生まれますように」)
     紗奈も、素早い猫達に対抗するために短期行動予測力を向上させながら、祈る。
    (「そしたら一緒に遊びたいな。武器じゃなくて、おもちゃで」)
     ちょっと引っかかれるくらいなら、じゃれて噛まれるくらいなら、ケガをしたっていい。
     でも今の猫達では、そんな程度じゃすまないから。
     だから。
    「なるべくすぐに、終わらせるからね……!」
     迷いなき瞳を見せる紗奈の周囲を、淡い緑色の光に包まれた白い花弁が舞った。
     仲間達の葛藤と決意。
     それを感じ取って、藺生はウェーブのかかった髪をふわりと揺らし、優しく微笑む。
     そして、決意を称えるように、原色鮮やかな縞模様の棒手裏剣を手に取って。
    「猫さん、こちらへおいでませなのです」
     前衛に集中しがちな猫の攻撃を中衛でも引き付けんと声をかける。
    「ほれ、次はこやつかの」
    「ん……」
     アリスも鋭く槍を穿ちながら1匹を示し、各個撃破による敵の数減らしを意識し。
     短く応えた煌介は、その声に従い、真珠色に波打つ美しい刃を滑らかに艶めかせる。
     そうしてまた猫の数が減って。
    「ヒヒヒ……回復は任せるよぅ」
     回復寄りに動いていた朔太郎も、エアシューズを駆り、攻撃メインへとシフトし。
    「お願い、します」
     2匹のナノナノに声をかけて、シェスティンも踊りながら前へと出る。
     狙UPをかけたルエニと紗奈も、今度こそと剣と拳を揃え。
     朔太郎の炎を纏った蹴りをひらりとかわした猫へ、その回避の先を読んで斬り殴る。
    「こおりいきますよこおり」
     藺生の生み出した冷気が残る猫達を覆うと、煌介もさらにその体温を奪っていき。
     動きの鈍くなってきたところを、スナイパーのみくるとアリスが魔力を叩きつける。
     にゃーと弱々しく鳴いた猫にも、紗奈が迷いなく拳を振るい。
     最後の1匹となった猫が、毛を逆立てて灼滅者達を威嚇する。
     そして、鋭い牙を見せつけるようにしながら、小柄なルエニに飛びかかって。
    「駄目、だよ」
     しなやかな跳躍を見せた煌介が、空中でその姿を蹴り、炎が銀粉を散らすように舞う。
    「もう眠る時間じゃ」
     アリスの槍が叩き落とすかのように猫を捕えて。
     落下する猫に、みくるはそっと優しく手を向けた。
    「せめてものお気持ちです……」
     発動させたのはサイキックではなくESP『クリーニング』。
     傷は無理だが汚れの消えた猫は、もふもふの毛玉となって愛らしい瞳をくりんと向け、最初に目指していたルエニに飛び込むように落ちてきて。
     しっかりとその姿を捕えたルエニは、一切の躊躇いも見せずにウロボロスブレイドを伸ばし、巻きつけるように捕えつつ切り裂いた。
     連結刃の間で姿を消す猫をシェスティンは見つめ。
    「さよなら、です」
     柔らかく告げると、秋の風がふわりと凪ぎ、秋桜の揺れる音がざわわと静かに響いた。 

    ●秋桜を手に
     猫達が消えたその場所へ、煌介は目を伏せ、静かに黙祷を捧げる。
     藺生も少し寂しげにその瞳を曇らせて。
    「愛すべきもふもふが眷属になっちゃう理由って、なんでしょうね。
     裏で悪いことを企んでる人が居るのかなぁ」
    「それに、眷属さんと言います事は、また現れます事がありますのでしょうか」
     辺りを掃除していたみくるも、考え込むように一旦手を止める。
     藺生の疑問にもみくるの懸念にも、答えられる者は誰もおらず。
     佇む2人の足元では、紗奈がしゃがみ込むんでいた。
     その前に並べられたのは10個の小石。
     何も残らなかった猫達の代わりの墓標を、こうしてあげたかった、と優しく撫でる。
     涙で瞳が潤むが、零さぬまま一度目を閉じて。
     目を開けると同時に振り返ると、笑顔で皆に声をかけた。
    「さあ、お花見しましょう!」
    「そうじゃの。せっかく来たのだからして、楽しまねばのう」
     意を汲んだアリスがにっと笑い、ほれ支度せい、と煌介とルエニを焚き付ける。
     みくるもバスケットを持ち上げ、どうぞとシェスティンに手渡した。
    「ちゃんとシートも持ってきたんですよ」
     藺生がばさりとレジャーシートを広げれば、お花見会場の出来上がり。
     皆それぞれ、思い思いに腰かけて、花にお茶にお菓子にと、目移りが始まった。
     ぐるりと見回したアリスが目を留めたのは、煌介が注ぐお茶。
    「何やら珍しい香りじゃのう」
    「友達が、先日くれた、っすよ」
     Glitterってお茶っす、と淡々と説明する煌介の手から、シェスティンも紙コップを受け取って。
    「金木犀の香り、します。美味しい、です」
     秋らしくブレンドされた花茶に目を輝かせた。
     そしてお返しにと自分の持ってきたお茶もふるまう。
     朔太郎も、恭次郎が運んできてくれたお茶を受け取って。
    「どうぞなのです~」
     そこにずいっと差し出されたのは、みかん。
     にこにこ笑顔の藺生を見上げながら手を伸ばせば、伝わる冷たい感覚。
    「冷凍みかんです。駅の売店で売ってたのです!」
     前回の依頼で出会ったそれを見かけて、つい手にしてしまったようだ。
     ちょっと溶けているけれど、その溶けかけがまた美味しい。
     藺生はまたリュックから次の冷凍みかんを取り出して、他の皆にも配り始めた。
    「このひよこクッキーも、サクサクで美味しいです」
    「手作りらしいですよ」
     こちらはルエニの持ってきたお菓子を楽しんでいる、みくるとルエニ。
     そこをノノがふよふよと漂って。
     くすりとみくるに笑いかけてから、ルエニがノノにもクッキーを差し出した。
     嬉しそうにくるくる回るノノに目を細めて、みくるはその向こうの畑を眺める。
    「秋桜、とてもきれいです」
    「秋桜いっぱいですっごくすっごくきれい! 向こうまでずーっとだよ!」
     改めて眺めた一面の花々に、紗奈は飛び込むような勢いで駆け出した。
     ルエニも秋桜にそっと近づいて、目の高さ近くに揺れる花をつんつんとつつく。
     ゆらり、ゆらりと揺れる彩。
    「秋桜っていろんな色があるのですね」
     同じピンクでも濃淡などが違う花を見つめて、感心するように呟いたのは藺生。
     調べて来た秋桜を思い出しながら、畑の中へ、秋桜探しに進んで行く。
    「ピコティというのが、可愛らしかったので、探してみますね」
     花弁が縁取りされたような花を求めて、シェスティンもその後を追う。
     楽しそうに秋桜畑に分け入っていく仲間の背中を眺めて、煌介は紙コップを傾けた。
     美しい景色、秋の薫り。
     そして仲間とのゆったりした時間。
     それこそが、幸せな秋。
     ほんの少し細めた瞳に、秋晴れの空と秋桜畑との境界線を映して。
    「秋桜、風や空と話しているみたい、だね」
     ぽつり呟いてから、また金木犀の香りに包まれる。
     行儀よく座ったアリスだけがその小さな声を聞くが、応えるのも野暮と、無言のまま菓子に手を伸ばした。
     そんな仲間達から少し離れたところに陣取った朔太郎も、のんびりと辺りを眺めて。
     付き合ってやる、というように隣に降り立った恭次郎を横目でみながら、茶をすする。
    「たまぁには、こうやってゆっくりと花を見るってのもいいねぇ……」
     秋桜畑では、カメラを構えた藺生が、青空と桃色とのコントラストを追いかけていて。
     花を覗き込むシェスティンの楽しそうな顔も1枚ぱしゃり。
    「皆、秋桜摘む?」
     ふと思い出したように紗奈が聞くと、眺めるだけで充分との答え。
     それもそうかもしれないけど、とちょっと困った様子の紗奈に、みくるがくすりと笑いながら歩み寄った。
    「ボクも御一緒させて頂いていいですか?」
    「うん。もちろん。
     でも、えと、ちょっとだけ、だからね」
     嬉しそうに微笑んで、でも皆が眺めている花を気遣って。
     紗奈は1つ1つ丁寧に、秋桜を手にしていく。
     みくるも倣い、手にした秋桜を抱えると、藺生から声がかかり。
     秋桜とノノと一緒に記念撮影。
    「こちらも、思い出にどうぞ」
     思い立って、藺生に1本差し出して。
     それから他の皆へも1本ずつ渡していく。
     花を抱くように受け取るシェスティン。
     ルエニは、ありがとう、と微笑んで、アリスは、優雅に手を伸ばす。
     朔太郎の分は恭次郎が代わりに受け取って。
     無表情に眺める煌介には、ノノがその髪に飾って渡す。
     そんな皆の様子を楽しんで。
     ふと気づくと、紗奈が秋桜の花束を手に、先ほど石を並べていた辺りにいた。
     1本1本、祈るように、石の前に置く。
     みくるも1本、一番端の石の前に捧げて。
     並んだ10本の花を、秋の風がそよそよと、緩やかに揺らす。
     そこにルエニが小さく呟いた、さよなら、の声が乗った。

     生まれ変わったなら、いつか、今度こそ遊ぼうね。
     

    作者:佐和 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年10月27日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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