哀しい約束

    作者:猫乃ヤシキ

    『たつやくん。ぼくたち、ずっと、ともだちだよね?』
    『きまってんじゃん! いっしょう、ともだちだぜ!』

     親友の慶介が倒れたのは、昨晩のことだった。
     ここのところ、体調が良くないと訴えていたのは知っていた。でもまさか入院沙汰になるなんて思っていなかったから、その話を聞かされた時、竜弥はひどく動揺した。
    「親も医者も大袈裟なんだ。こんなの少し休んでれば治る。竜弥までわざわざ見舞いにこなくても良かったのに」
     病室のベッドに横たわる慶介は、竜弥の姿を見るなり、開口一番でいつもの憎まれ口を叩く。思わず、いつものノリで、舌鋒で応酬する竜弥である。
    「ふざけんな馬鹿、どんだけ心配したと思ってんだ! 突然倒れるとか、普通じゃないこと自覚しろ。少しは周りの気持ちも考えろっての!」
     竜弥の大声に驚いて、近くの廊下を歩いていたナースが慌ててすっ飛んでくる。訪問するなり叱られて、罰が悪そうに竜弥が頭を下げる。
     けれど看護婦が立ち去った後、その後ろ姿にペロリと舌を出す竜弥を見て、慶介が小さく笑った。
    「竜弥は変わらないな。……俺はずっとお前が羨ましかった。いつか、お前になりたいと思ってた」
    「……何、変なこと言ってるんだよ。お前の方がずっと優秀で、先生とか親からだって褒められてるじゃんか。俺なんて頭悪くて短気で、しょっちゅう職員室に呼び出されてるし、クラスの奴らからもバカバカ言われるし、いいことないぞ、何にも」
     すい、と伸ばされる慶介の指先は、血の気が無くて、カサカサと乾燥していた。
    「なあ、竜弥。これからもずっと、俺と一緒にいてくれるよな?」

     ――そう。ずっと。ず――っと。

     ぞわり。
     脊髄の神経を直接なであげられるような、気味の悪い感覚が竜弥をとらえた。
    「け……いす、け……? どうしたんだ、目が……真っ赤だぞ」
     ――怖い。この瞳が。
     そう感じたのが、最後だった。竜弥の意識は、混濁する闇にぷっつりと飲み込まれた。


    「それでは、今回の事件について、ご説明させて頂きますね」
     五十嵐・姫子(高校生エクスブレイン・dn0001)は、いつもの柔和な表情をわずかに引き締めて、集まった一同を見渡した。
    「闇堕ちしかけている、一人の少年を救出して頂きたいのです」
     人間が闇堕ちしてダークネスとなってしまえば、人としての意識は消えてしまう。
    「ですが、今回の対象者である生駒・竜弥さんには、まだ人間としての意識がのこっています。ダークネスの力を持ちながら、完全なダークネスにはなりきっていないんです」
     それでも、このまま彼の存在を放っておけば、いずれ完全なダークネスになってしまうことは明白だ。
    「そうなる前に、竜弥さんと戦い、彼を倒す必要があります。もしも、竜弥さんに灼滅者としての素質があれば、灼滅者となって彼は助かるでしょう」
     姫子が、わずかにまぶたを伏せた。そして、
    「でも、そうでなかったならば、竜弥さんが完全なダークネスになってしまう前に……」
     灼滅しなければなりません、と静かに付け加える。
    「竜弥さんは、親友がヴァンパイア化したことで、闇堕ちするに至りました。主となった親友の命令で、食事を求めて行動しているようです。目撃情報は夜間のみ、単体で出没していることが確認されています」
     竜弥の姿が目撃されているのは、彼の住む長野市内のとある公園だ。
     公園は多くの木々に囲まれており、昼間は散歩やジョギングをしたり、遊戯道具で遊ぶ子供たちの姿もたくさん見受けられる。市内でも有数の大きな公園だが、夜になれば人は激減する。
     竜弥は人気の少ない夜間になると現れて、会社帰りなどの通行人を襲撃するのだと言う。
    「竜弥さんはいつも、自分のことより、相手のことを優先して考えるような人物でした。だからこそ、親友からの狂気の命令に、苦悶しているはずです」
     竜弥の中からこの葛藤が消える瞬間こそ、彼が完全にダークネスになりきる時だ。しかし、その葛藤をうまくついて諭すことができれば、ダークネスとしての力を弱めさせることもできるだろう。
    「攻撃は、主に近接攻撃が主体です。ですがその分、攻撃は非常に強力で、一撃で複数の相手を傷つけることもあるようです」
     また、非常に速いスピードで移動することも目撃情報として上がっている。
     灼滅者同士でうまく連携を取りながら、ターゲットを攻撃をする必要がありそうだ。
    「危険な任務だとは承知しているのですが、皆さんのご無事をお祈りしています。よろしくお願いします」
     目の前に集まった灼滅者たちに、姫子が深く頭を下げる。
     親友たちは確かに、幼い日に永遠の友情を誓いあった。
     けれどもう二度と、彼らが元に戻ることはない。
     その思いを踏みにじる狂気を、これ以上許すわけにはいかないのだ。


    参加者
    宍倉・太一郎(羅断の迅戟・d00022)
    狐雅原・あきら(アポリア・d00502)
    朱玉・蓮奈(中学生ダンピール・d01227)
    月見里・都々(どんどん・d01729)
    四童子・斎(ラピスジョーカー・d02240)
    蓮花院・盾子(高校生ストリートファイター・d02997)
    杜羽子・殊(偽色・d03083)
    華鳴・香名(エンプティパペット・d03588)

    ■リプレイ

     涼しげな風が地平線の向こうに太陽を連れてゆくと、公園には足早に暗がりが訪れる。夜の闇に紛れて、異形のものが蠢く時間が始まるのだ。
    「ダメ、絶対。闇堕ちだなんてイケマセンネー」
     夜が始まった公園の片隅、植え込みの裏に隠れて。自分の身丈よりも大きなガトリングガンのケースを抱え直し、狐雅原・あきら(アポリア・d00502)がぼそぼそとつぶやいた。
     隣に腰を下ろす月見里・都々(どんどん・d01729)も、うんうん、と首を上下にふって同調する。帽子からぴよりとはみ出した銀色の毛が、かすかな風に煽られて、ぴこぴこと震えている。
    「上手く囮にかかってくれるかなー?」
     そうですね、と相槌を打つのは、朱玉・蓮奈(中学生ダンピール・d01227)である。
    「竜弥さんが現れたとして。僕たちの説得に、すぐに応じてくれればいいんだけれど」
     蓮奈の長い髪が風に煽られ、ふわりと宙に舞いあがる。
     そのすぐ後ろでは、腕組みをした四童子・斎(ラピスジョーカー・d02240)が、大木に身をもたせかけて、しなやかな指先で鋭く光るナイフをもてあそんでいる。
    「それにしても、一般人の悲鳴が聞こえてくる様子もないな。今日は生駒を釣るのは無理か?」
     八千矛と名付けた愛機のキャリバーに肘をついて、蓮花院・盾子(高校生ストリートファイター・d02997)が眉をひそめる。
     狐雅原と都々が、先ほどから二人してテレパスで周囲の様子をうかがっているものの、アンテナに引っかかってくる情報もないようだ。
    「いえ、油断は禁物でしょう。相手はダークネスです」
     スレイヤーカードから具現化させたバスターライフルの状態を確認しながら、華鳴・香名(エンプティパペット・d03588)が放つ言葉に、一同は深くうなづいた。
     全員がしっかりと見すえる先は、茂みの向こう。囮となっている二人に寄越す視線は、真剣そのものだ。
    「ねえ、太一郎『お兄ちゃん』、今日の晩ご飯は何がいい?」
    「……うーん、サンマでも焼くか? お前は何が食いたいんだ?」
     茂みの向こう側では、囮役を買って出た宍倉・太一郎(羅断の迅戟・d00022)と杜羽子・殊(偽色・d03083)が、辺りの様子をうかがいながら、のろのろと散策を続けていた。
     即席の兄妹設定の芝居には、なかなか堂に入っている。
    「そうだねえ、ボクは……」
     杜羽子が首をかしげた時だった。
     ふらあり。
     どこから姿を現したものか。学生服の一人の少年が、音も無く二人の目の前に現れた。黒い髪に黒い瞳。うつろな双眸は、何を映しているのかも定かではない。
     ビリビリと肌を震わせるような空気が辺りを包み、太一郎が杜羽子をそっと背の後ろに押しのけた。
    「――生駒竜弥、か」
     己の名を呼ばれた少年がびくり、と肩を震わせる。端正な顔を歪め、自身の両腕をかき抱く。
    「俺たちは灼滅者だ。生駒、お前を倒しに来た」
     淡々とした太一郎の言葉が、夜の公園に響く。
    「しかし、できることならお前と戦いたくはない。だがお前がこれ以上、一般人を襲い続けるなら、看過できない」
    「……ダメだ。だって……」
     ガタガタと震える体を自分自身で押さえつけて、唸るような低い声を絞り出す。
    「……俺は、慶介と、約束したんだよ。そばにいるんだって……」
     雑念を払いのけるように頭を振って、竜弥が大地を蹴った。獣の咆哮にも近い雄叫びを挙げながら、猛然と二人に向かってくる。
     失敗か、と舌打ちしながら太一郎が斬艦刀を構えると、背後の杜羽子もナイフを取りだす。そして、得物の柄を額に当てて、祈るようにそっと目を閉じた。


     竜弥の足元から、闇よりも暗い影が伸びる。それは実体を伴う鋭い刃となって、灼滅者達に襲い掛かってきた。
    「おっと、手が早いねぇ」
     真っ向から自分を目がけて襲ってきたその影を、四童子がアスファルトの上を転がって巧みに避けた。すかさず竜弥の間合いに飛び込んで、ティアーズリッパーをくらわせる。すぐさま解体ナイフの刃をひるがえし、竜弥の肉にジグザグスラッシュを叩きこむ。
     こちらの説得の言葉を聞きもせず、いきなり襲いかかってきた竜弥を見て、華鳴の人格制御のスイッチが、あっさりと切り替わったようだ。
     バスターライフルを振り上げて、口汚く罵る言葉を吐きながら、黒死斬を続けざまに繰り出してゆく。急所をマトモに打たれた竜弥が、足元をよろめかせる。
    「テメェがその気なら、構わねェんだぜ!! ブチ殺し合おうか、たァつやくゥーン!!」
    「……華鳴ちゃん、いきなり人格変わりすぎぃ。それじゃ、私も行っくよぉっ、GO!」
     掛け声とともに、都々のスレイヤーカードから長い影が伸び、竜弥の身体を飲みこんでいく。繰り出された影喰らいのダメージで、心の暗部のトラウマを誘発された竜弥が、苦しげに呻いて身をよじる。
     立て続けの打撃を食らい、口の端から血の泡を噴きだしながらも、しかし竜弥は一向に怯む気配を見せようとはしない。影から練りだした触手を器用に操り、目の前の灼滅者達に攻撃を続けていく。
     蓮奈を狙いすまして襲い掛かってきた影の前に飛び出したのは、太一郎だ。斬艦刀を上段に構え、真っ向からその攻撃を受け止める。
    「大丈夫か!?」
    「ありがとね、助かっちゃった!」
     刃でせめぎ合いをしながら、肩越しに振り向く太一郎に、蓮奈がにこりと笑ってみせる。蓮奈の手元ではオーラが練り上げられ、彼女の解体ナイフを真っ赤に染めていた。飛び出して竜弥の身体を切り裂く技は、切り付けられたものの体力を奪い取る、紅蓮斬だ。
    「僕もいること、忘れないデヨネー。仲間外れは、サビシイんだからネー!!」
     情熱のダンスを舞い終えた狐雅原が、楽しむように鼻歌を歌いながら、ガトリングガンを振り上げる。バラバラと派手な音を立てながら、竜弥の四肢を目がけて、弾丸が次々に撃ち込まれてゆく。
     形勢を立て直そうと、後ずさった竜弥の動きを、しかし盾子は見逃さなかった。
    「行け! 逃すな、八千矛!」
     主人の命を受けたキャリバーが、豪快なエンジン音をあげながら、竜弥の行く手に先回りする。退路を塞がれて足踏みした竜弥を目がけて、盾子の指先から無数の糸が伸びた。きらめく鋼の糸は竜弥の四肢に絡み付く。身体の自由を奪われたところに、赤く染まった杜羽子の刃が切り裂いていく。
     があッと血を吐き捨て、傷だらけの身を抱えるように起こしながら、けれどそれでも竜弥は灼滅者達に向かってくるのを止めようとはしなかった。
     尖った犬歯をむき出して、杜羽子の首筋にかみつこうとする。杜羽子がとっさに体を引くが、鋭い痛みが頬を掠め、一筋の真紅が夜の空気に散った。
     憎悪に満ちた表情でこちらをにらみつける竜弥と、杜羽子の視線がぶつかる。真正面から見すえて、ゆっくりと、そしてはっきりと、杜羽子が疑問の声を投げかける。竜弥の心の奥底を、揺さぶるように。
    「ねぇ、こんなことが、キミの本当の幸せ?」
     向けられたその言葉に、がらんどうだった竜弥の瞳に、ほんのかすかに戸惑いの光が揺れる。しかしそれは一瞬の出来事で、次の瞬間には、突風が辺りに巻き起こっていた。竜弥を取り巻く黒い影が、夜の闇の中に一気に放出されたのだ。
    「……危ない!」「きゃあっ!」
     実体を持った影が、竜巻のように伸びあがり、次々に灼滅者達に襲い掛かる。反撃する隙すら与えない連撃が、彼らを容赦なく切り裂いていった。とめどなく襲い掛かる鋭い刃は、灼滅者達の服を裂き、血煙を立ててゆく。
    「うるさい、うるさい、うるさい……! お前たちに、何がわかるって言うんだ! 慶介は……ッ」
     押し出すようなうめきが、竜弥の喉からもれた。傷ついた体を引きずって起き上がり、口の端いっぱいにためた血の泡を吐き飛ばす。
    「俺は、あいつと約束したんだ……! あいつは、親友なんだよ……!」
     竜弥が、血の涙を流しながら、絶叫した。


    「君だって本当は、これが正しくないって、分かってるんだよね。お願い、自分の心の闇に負けないでよ!」
    「駄目だ、避けろ、月見里君!」
     とっさに盾子が放ったキャリバーも間に合わない。真っ向から放たれた黒い刃に貫かれ、都々の小柄な身体が血に濡れてアスファルトの上に投げ出される。
    「きゃあっ……!」
     返す刃が、紅蓮斬を放とうとした蓮奈に襲い掛かり、握りしめた解体ナイフを弾かれる。目の前に現れた真紅の逆十字に引き裂かれると、蓮奈の意識が朦朧としはじめ、その場にへたりこんでしまった。
    「……アハハハハッ!! いいネ! 盛り上がってキましたネー!」
     楽しそうに高笑いしてみせる狐雅原が唱えるのは、しかしその実、回復のためのエンジェリックボイスだ。
     こちらがどれだけ攻撃を仕掛けても、竜弥はなかなか倒れる素振りを見せない。こちらの方が数では勝ると言えど、気づけば皆、ずいぶんと体力を削られてしまっている。
     杜羽子も、自らを覆うバベルの鎖を瞳に集中させている。予言者の瞳の力で、傷ついた自分の身体を回復しながら、竜弥に語りかける。
    「ボクもキミと同じだったから……他人事とは思えない。こんなの違うって気づいてるはずだ。キミは、抗うべきだよ」
    「……黙れよッ……!」
    「なんだなんだ、できねぇってかァ~!? テメェの意思は、便所紙よりペラッペラかァ~!?」
     罵倒する華鳴のバスターライフルから、何発目かの魔法光線が発射された。高速の光弾が竜弥の上半身に直撃して吹き飛ばされ、どう、とアスファルトの上に背中から倒れ込む。
     そこへすかさず、四童子が紅蓮斬を叩きこむ。生命力を奪われて、ぐう、と竜弥がうめく。こちらの体力も心もとないが、竜弥が受けたダメージも、相当蓄積されているはずだった。
    「なあ、闇落ちなんかに屈するなよ。こんなモン、乗り越えろよ。お前、ずっとこんな事をやり続けるのか? 友情なんて柄じゃないモン、オレには分からない。でも、間違ってるなら止めてやるのが友達ってヤツなんじゃないのか?」
    「……俺は、俺はァッ……!」
     続けざまに、太一郎の戦艦斬りが、上段から一気に振り下ろされる。実体の影が竜弥を守るように伸び、斬艦刀の肉厚の刃とがっちりとかみあって、ぎちぎちと軋むような音を立てる。
    「よく聞け、生駒。お前の取るべき行動は、こんなことじゃないはずだ。『命令』などというものが罷り通る間柄を、俺は親友とは呼ばせん。親友と言うのなら、友の愚行を止めるためにこそ、力を振るえ。くだらない命令なんて、跳ね除けてみせろ!」
    「………っ!」
     ばしゅう、と大きな音がして、竜弥を守るようにとりまいていた影が、霧散した。斬艦刀が押し込む力が勝ったのだ。ぶつかりあうエネルギーの衝撃に竜弥の身体が弾かれて、アスファルトの上をすべるようにバウンドする。そしてそのまま、ピクリとも動かなくなった。


    「あ、目が覚めたみたい」
     蓮奈が嬉しそうに微笑みながら、目を開けた竜弥の顔をのぞきこむ。
    「俺は……一体……?」
     先ほどまでの戦闘の記憶が、ぼんやりと竜弥を苛む。状況を把握できていない竜弥に、盾子が淡々と言い放ち、起き上がるのに手を貸してやる。
    「闇堕ちから救われたんだ。いや、己自身に打ち勝ったというべきか」
    「闇堕ち……? 俺が……?」
    「そうですヨー。闇堕ちなんて、ダメ、絶対。デスネー」
    「慶介は……」
     言いかけて、竜弥が口を閉ざした。もう慶介は、元には戻らないことを、悟ってしまったからだった。うつむいて黙りこんだ竜弥に、太一郎が静かに声をかける。
    「親友だったんだろう。それなら、そいつの愚行を止めて見せろ。お前にはその力がある。お前の力は、そのために振るわれるべきだ」
    「……ねえ、竜弥くん。私たちと一緒に来ない?」
     都々の帽子から飛び出した毛束が、風に吹かれてぴよぴよと揺れている。
    「一緒に……? でも、俺は、アンタたちを傷つけたのに」
    「気にしないでください。私たちは、皆、同じような境遇なんです。きっと竜弥さんの力になれます」
     闇堕ちから抜け出せた竜弥を前に、華鳴は普段の『おとなしい子』モードに戻っている。
    「そーそ。オレも、そんなに薄情じゃないからね。歩くのに肩くらいは貸すよ?」
    「生駒がボク達の学園に来てくれるというのなら、歓迎するよ。どうかな?」
     杜羽子が、ぽん、と竜弥の肩を叩く。
     ほんのわずかにためらった後――竜弥は小さく、けれどしっかりと、うなづいた。


     ―――『たつやくん。ぼくたち、ずっと、ともだちだよね?』
     ―――『きまってんじゃん! いっしょう、ともだちだぜ!』

    作者:猫乃ヤシキ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年9月15日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 17/感動した 1/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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