狙われた、ノーブラ娘!

     雛山・愛梨沙(のーぱんぱんちゃー・d24988)は、こんな噂を耳にした。
     『ノーブラ娘にブラを配る下着店員が現れた』と……。
     この店員は都市伝説で、ノーブラ娘を見つけると、ブラを配らずにはいられなくなってしまうようである。
     そうは言っても、ノーブラ娘は、ある意味レア。
     それ故に、都市伝説自ら相手のブラを奪い、それを返すという手段に出ているようである。
     いくら、自分のブラだったとは言え、それをまわりに晒す事は、罰ゲーム以外のナニモノでもない。
     そのため、自分のブラを受け取らぬまま、両手で顔を押さえて、走り去っていくノーブラ娘までいるほど。
     それを見て都市伝説は歪んだ欲望を満たそうとしているらしく、その性格は変態そのもの。
     常にあんな事やこんな事を考えている百合属性の困ったちゃん。
     その話を聞いた大豪院・麗華(高校生神薙使い・dn0029)は、げんなりしている様子だが、引き受けてしまった以上、やるしかないと思っているようである。


    参加者
    御門・心(スピカ・d13160)
    東雲・菜々乃(お散歩大好き・d18427)
    雛山・愛梨沙(のーぱんぱんちゃー・d24988)
    大夏・彩(白炎は常にあなたのそばに・d25988)
    仮夢乃・聖也(小さな夢の管理人・d27159)
    正陽・清和(小学生・d28201)
    九条院・ヰリス(白水晶の蜘蛛・d29561)
    エリス・バートランド(シルバーアロー・d29765)

    ■リプレイ

    ●ブラを求めるモノ
    「わーい、麗華さんと一緒だぁ♪ 嬉しいなー♪ ……敵は絶対麗華さんを狙ってくるよね。最高の瞬間を見逃さない……じゃなかった、麗華さんの至高のぷるるんばるるん巨乳を守る為に、ずっと傍に付いてるからね!」
     雛山・愛梨沙(のーぱんぱんちゃー・d24988)は上機嫌な様子で、大豪院・麗華(大学生神薙使い・dn0029)と腕を組む。
    「そ、それは心強いですね」
     その言葉に麗華が苦笑い。
     この時点で嫌な予感しかしていない。
    「また変態の都市伝説かぁ。……でも、今回は文くんが助けてくれるから大丈夫だよね!」
     そんな中、大夏・彩(白炎は常にあなたのそばに・d25988)が、常儀・文具(バトル鉛筆・d25406)に期待の眼差しを送る。
     都市伝説は目にも止まらぬ早技で、相手のブラジャーを奪い取るようだが、今回は彼氏(文具)が一緒。
     例え、都市伝説が迫ってきたとしても、絶対に文具が守ってくれる……はず。
    「……ブ、ブラジャーを奪われないよう、全身全霊を持って頑張りますっ!」
     そのせいか、文具も自分自身に気合を入れて、テンションMAX。
     ここに来るまでは、『どんと来い!』といったノリでいたのだが、都市伝説が確認された場所が近づくにつれて、心の中に少しずつ不安が広がってきた。
     それに彩は今までにも下着を食べられたり、エッチな相撲を取らされたり、水着姿を晒されたりと破廉恥な目に遭っている。
     そんな彼女の頭上に輝くピンクのフラグから、目を離す事が出来なかった。
     この状況でフラグを回避する事は至難の業。
     場合によっては、それ相応の犠牲を払わなくてはいけないのだから……。
    「……な、何と言うか、ちょっと……、反応に困る都市伝説です、ね……。放置してても、そこまで大きな害はないかもですけど。……んと、強引なのは、ダメですよね……。……んー……わたし、どう恥ずかしいのかとかあんまり良く分からないから……、真剣さが少し、足りない気がするよ……」
     正陽・清和(小学生・d28201)が、複雑な気持ちになった。
     何だかよく分からないが、まわりはピリピリ、警戒ムード。
     おそらく、都市伝説の奇襲を警戒しているのだろう。
     都市伝説がいつ、いかなる状況で現れるのか分からないため、色々な意味で注意が必要である。
    「まあ、女性の都市伝説だから、まだマシかな」
     エリス・バートランド(シルバーアロー・d29765)が、深い溜息を漏らす。
     対都市伝説用に、今回はパッドも増量!
     下着は白のフリル付きの可愛い物。
     わざわざセクシーなものを身に着けてきたため、都市伝説に襲われるのは、確実である。
     その隙をつくようにして攻撃をすれば、都市伝説を捉える事も出来る……はず。
    「とりあえず、ブラジャーは付けていくばい」
     二重・牡丹(セーブルサイズ・d25269)も、ブラジャーを重ねるように身に着けて、準備万端。
     これで都市伝説がブラジャーを奪いに来たとしても、時間を稼ぐ事が出来るため、仲間達が攻撃を仕掛けるチャンスが生まれるはず。
     そのために、わざわざ滑りやすい素材を選んでいるため、都市伝説が如何なるテクニシャンであっても、そう簡単には奪えない。
    「私も、念のため……」
     麗華が着替える場所を探して、恐る恐る辺りを見回した。
     だが、こういう時に限って、着替える場所が……ない!
    「大丈夫。何かあったら、守るから」
     水島・佳奈美(シャドウスイーパー・d20264)が、怯える麗華を励ました。
     佳奈美はサイズの合うブラジャーがあまりないため、普段から着用しないで過ごす事が多く、今回も身に着けていないのだが、そのぶん自分の身を案じる心配がないため、麗華に何かあっても守る事が出来る。
    「まあ、ぶらじゃあをつけなければいいのでしょう? 簡単ですわ」
     九条院・ヰリス(白水晶の蜘蛛・d29561)が、軽く流す。
     自分の下着を見られる事ほど、恥ずかしい事はないため、迷う事無くノーブラである。
    「こころもブラジャーなんてつけてないの!」
     日輪・こころ(汝は人狼なりや・d27477)も、同じくノーブラ。
     この格好ならば、都市伝説にも狙われる心配がないだろう。
    「でも、店員の都市伝説だから、奪ったブラじゃない場合は、お代を要求してくるのかな?」
     御門・心(スピカ・d13160)が、不思議そうに首を傾げた。
     店員というくらいなのだから、タダでブラジャーをくれる訳がない。
     例え、それが奪ってあったものだったとしても、ちゃっかりお代を要求してきそうである。
    「……その場合は……困りますね」
     エリス・メルセデス(エンドレスデザイア・d22996)が、心の後ろに隠れて答えを返す。
     場合によっては、法外な金額を吹っ掛けられて、払うまで付き纏ってくるかもしれない。
    「と、とにかくっ! 人に迷惑をかける都市伝説をこらしめてやるのです!」
     仮夢乃・聖也(小さな夢の管理人・d27159)が、小さくコホンと咳をした。
     だが、まわりにいるのは女性ばかり。
     それが原因で、嫌でも緊張してしまう。
     その緊張を解すため、妹と一緒にお風呂に入っている時のイメージで、まわりに接しようと思っていたが、あまりにもスタイルが違い過ぎるため、余計に緊張しまくった。
    「つってもなあ……、なんとなく居づらいっつーか、なんつーか」
     高遠・玲次(銀翼の楯・d29766)が、気まずい様子で汗を流す。
     何とも言えない居心地の悪さである。
     そうしているうちに、都市伝説が確認された場所に辿り着いた。
    「それじゃ、大豪院先輩。頑張ってくださいね」
     東雲・菜々乃(お散歩大好き・d18427)は物陰に隠れると、『頑張って!』と言わんばかりの勢いで握り拳を作る。
    「え、は、はい……」
     麗華も引くに引けない状況に陥り、トボトボとした足取りで歩き出した。

    ●生贄の巨乳
    「……ほ、本当に大丈夫でしょうか……」
     清和が不安げに麗華の背中を見守った。
     彼女の背中から漂う溢れんばかりの不安。
     あからさまにそれが伝わってくるため、どうしても心配になってしまう。
    「大豪院さんには悪いけど、これも運命だから……」
     念のため、聖也が殺界形成を発動させる。
     これで一般人がこの場に現れる事はない……はずだったのだが、麗華の前をスーツ姿の女性が横切った。
     その女性はニコッと佳奈美に微笑むと、真っ白なシルクのブラジャーを手渡した。
    「ひょっとして、このブラは……麗華さんの?」
     佳奈美が不思議そうに首を傾げる。
    「えっ? 本当にっ!? 見せて、見せて♪」
     これには愛梨沙も、興味津々。
    「か、か、返して下さい」
     途端に麗華が顔を真っ赤にして、あたふたとし始めた。
    「おーっほっほっほっ! その顔……たまらないわっ! ゾクゾクしちゃう。みんなもアタシにイイ顔、見せてぇ~」
     女性こと都市伝説が、ウットリとした表情を浮かべる。
     その間に佳奈美がボレロを脱ぎ、慌てふためく麗華に着せた。
    「でも、愛梨沙はいつもブラつけてないよ♪ ぱんつも穿いてないし♪」
     愛梨沙が何の恥じらいもなく、さらりと答えを返す。
    「だったら、他の子を狙うだけよっ!」
     そう言って都市伝説が一気に間合いを詰めていく。
    「彩さんは僕が守ります!!」
     それを迎え撃つようにして、文具が彩の前に陣取った。
    「し、信じているからね」
     彩が文具の背中にしがみつく。
    「チィッ!」
     都市伝説は舌打ちすると、手当たり次第に襲い掛かる。
     それと同時に大量のブラジャーが宙を舞う。
    「こ、これは……あー……なるほど、底上げかあ……女心って複雑だよなー」
     玲次がパッドつき白いフリルブラを拾って、笑いながらエリス(シルバーアロー)の顔を見た。
     ……明らかに減っている、彼女の胸が……!
    「ま、まーその、犬に噛まれたと思ってだな」
     それに気づいた玲次が、慌てた様子でブラジャーを返す。
    「み、見るなァ!」
     エリス(シルバーアロー)が顔を真っ赤にして、胸を押さえる。
    「わたしのブラジャーは……108式まであるばい!」
     そんな中、牡丹は強気。
     だが、都市伝説には、それも無意味。
     下着を奪う事に関してだけは、バケモノレベル。
    「枚数なんて関係ないのよ。アタシには、ね」
     都市伝説が勝ち誇った様子で、奪ったブラジャーをこころに渡す。
    「どうもありがとうなの! ……何に使うのかしら。持って帰って姉様に聞いてみるの」
     こころが都市伝説から貰ったブラジャーを眺めた。
     まだブラジャーをつけた事がないため、どうやって使うのか興味津々なようである。
    「せっかくだから、私も貰っておこうかしら」
     心もサウンドシャッターを使った後に、都市伝説からブラジャーを受け取った。エリス(エンドレスデザイア)も都市伝説からブラジャーを受け取って、何となく赤面。
     望みの物を貰う事が出来たものの、何だかちょっぴり恥ずかしい。
    「さあ、最後の仕上げと行きましょうか」
     それに気を良くしたのか、都市伝説が舌舐めずりをして、最後に残ったブラジャーを盗もうとする。
    「このまま、やられっぱなしでいられるわけにはいかないんですよっ!」
     次の瞬間、菜々乃が都市伝説の腕を掴み取り、そのまま勢い余ってふたりで地面を転がった。
    「ヱリカ姉様以外に触られたくはありませんの。死んでくださいます?」
     それに合わせて、ヰリスが下半身を白水晶の大蜘蛛に変化させ、都市伝説に対して殺気を放つ。
    「こ、こんなはずじゃ……」
     都市伝説が悔しそうに傷口を庇う。
     一瞬の油断が自爆を誘った。
     都市伝説には、それが悔しくて仕方がなかった。

    ●ユリの花を咲かせましょう!
    「……あ、あの……ブラジャー……、ありがとうございます……」
     エリス(エンドレスデザイア)が心の背中に隠れて、都市伝説にお礼を言った。
    「だったら、アタシにもお礼をするべきでしょ? その体でね」
     都市伝説が含みのある笑みを浮かべる。
    「ねえねえ♪ 愛梨沙にも、ブラ頂戴♪ ちゃんとお礼もするから♪」
     レインコートと一緒に腹掛けも脱ぎ捨て、愛梨沙が淡いピンクが小さく息づくすべらかな胸を見せ付け、都市伝説を挑発した。
    「そう、これよ、これっ! 素直な子って好きよ」
     都市伝説が満足した様子で、愛梨沙の体に舌を這わせていく。
    「あ、あ、あ、あの……視線のやり場に……困るんですが……」
     それを目の当たりにした清和が赤面。
    「麗華さんも一緒にしよう♪」
     その隙を突くようにして愛梨沙が麗華に抱きつき、服の隙間から両手を入れて、胸を直接揉み始めた。
    「きゃあっ!?」
     それに驚いた麗華が、悲鳴を上げる。
    「ふふっ……、緊張しているのね。いいわ、アタシが解してあげる」
     そう言って都市伝説も、麗華の肌に触れようとした。
    「いいとこなんだから、邪魔しないでよっ!」
     その途端、愛梨沙が麗華に抱き付いたまま、都市伝説を影縛り。
     ……都市伝説は動けない。
     指ひとつ……、動かせないっ!
    「上手く使えば悪くない都市伝説ではあると思うんですけど……、仕方ないね」
     心が残念そうに溜息を漏らす。
    「いくですっ!」
     それと同時に、聖也がフォースブレイクを仕掛け、都市伝説にトドメをさした。
    「……最近、いつもひどい目にあっているような……」
     エリス(シルバーアロー)が顔を真っ赤にして、フルフルと震える。
     何とか、都市伝説を倒す事は出来たものの、失うモノが多過ぎた。
    「文くん、守ってくれてありがとう! すっごく、かっこよかった! 大好きだよっ!」
     それとは対照的に、彩は上機嫌。
     恋人の文と腕を組んで、ルンルン気分。
    「それじゃ……、わたくしは下着を買って帰りますわ」
     ヰリスがブラジャーを盗まれた女性達に同情の眼差しを送る。
    「でしたら、一緒について行ってもいいですか」
     菜々乃もヰリスの後をついていくようにして、その場を後にするのであった。

    作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年10月28日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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