群衆の主

    作者:佐伯都

     がふりと大きな鼻が、酸素を求めて大きな音を立てた。
     肥満体とも見まごうような半裸の巨漢の男が、商店街の裏手のゴミ置き場でうずくまっている。いや、正しくは、男のような何か、だった。
     人間の顔があるはずの部分には奇怪な、象のような頭部。耳は象ほど大きくはなく通常サイズの倍ほどではあるが、顔の中心に鎮座する大きな鼻はまさしく象じみて長い。
     手足もくびれがほとんどないずんぐりとしたもので、指も太く極端に短い。象人間、というものを具現化したとしたらこんな姿なのかもしれなかった。
     がふり、がふりと象人間は喘ぐように息を継ぎ、しばらくそのままじっと動かずにいる。
    「鎮まれ……鎮まれ」
     荒い呼吸をようやく落ち着かせ、ゆらゆらと燃え上がるオーラに呼応するように閉じていた目が開く。
     象人間の額へ横一列に並ぶ四つの目。
    「まずは、そこらで肩慣らしといこうか」
     がふ、と鼻を鳴らし象人間は凄惨な悦びに顔をゆがめて立ち上がる。その胸元にはダイヤのスートが見えた。
     
    ●群衆の主
    「現実世界にシャドウが実体化して事件を起こす、って話は最近聞いたことがあると思う」
     アーケード街の裏手、そこに象人間としか表現しようがないシャドウが出現する。なんらかの目的で実体化し活動することに習熟するため、模擬戦だの何だのと称して一般人を襲うことは、これまでの例で判明している通りだ。
     ルーズリーフを開いた成宮・樹(高校生エクスブレイン・dn0159)はそこで一瞬沈黙し、やや皮肉げな苦笑を漏らす。
    「この象人間的なシャドウ……ガナ・イーシャ、サンスクリット語で『群衆の主』って意味の名前を自称してるけど、残念ながら本家本元にはなり損なってるね」
     万民の願いを叶えるどころか死の絶望をふりまくなど、片腹痛いというものだ。
     現実世界に出現したシャドウはなべて高い能力を持つが、ある程度の時間以内にソウルボードへ帰還しなければならない制約がある。しかし、このたび何らかの目的で実体化したシャドウはその高い能力を制限することで、長期間活動することを可能にしているらしい。
    「制限されているとは言っても、そもそも現実世界に出てきたシャドウの実例自体が少ないからね」
     これまで現実世界でシャドウと相対した具体例がほとんどない以上、決して油断するべきではないだろう。
     象人間のシャドウ、ガナ・イーシャは真っ昼間のアーケード街の裏手にあるゴミ集積所付近に出現し、そこから買い物客や通行人を殺害するため表通りに出ようとする。何らかの手段で裏手に人が入りこんでこないような工夫が必要だ。
     ただし表通りとは裏腹に、元々ゴミを捨てに来る商店関係者くらいしか用のない場所でもある。こちらへの対処には、あまり手こずることはないはずだ。
    「一体シャドウが何のためにこんな事をしているのか、まだ不明な点も多い。よく用心して事に当たってほしい」


    参加者
    鏡・剣(喧嘩上等・d00006)
    レイン・シタイヤマ(深紅祓いのフリードリヒ・d02763)
    三上・チモシー(津軽錦・d03809)
    桐城・詠子(逆位置の正義・d08312)
    汐崎・和泉(碧嵐・d09685)
    アルディマ・アルシャーヴィン(詠夜のジルニトラ・d22426)
    梶間・宗一郎(無為無窮の拳・d30874)

    ■リプレイ

    ●群衆の主
    「どういった裏があって実体化したのかはわかんねーが、危害を加えるならきっちりお灸を据えてやらねーとなあ」
     放置された冷蔵庫を踏み越えていく汐崎・和泉(碧嵐・d09685)とその霊犬ハルを先行させ、レイン・シタイヤマ(深紅祓いのフリードリヒ・d02763)は作業員が深々と頭を下げるイラスト付きの看板をアイテムポケットから取り出す。
     通りを塞ぐようにその看板を置いてからふと振り返るが、『この先作業中』の文言が作業どころか正真正銘の戦闘……なのかと考えると何やらシュールな光景に思えた。
     アーケード街の裏手へ続くやや薄暗い道は、一歩入れば見事なほど人の気配がない。
    「あまり手こずる事はない、とはこういう事ですか」
     なるほど、と納得しながら桐城・詠子(逆位置の正義・d08312)は殺界形成を発動させた。
     詠子はひそかに相棒のヴァンキッシュを連れて戦列を離れ、反対側から挟撃を狙うことも考えていたがそれは断念する。
     時間的な余裕は十分あるが、現実世界に出現したシャドウの例がまだまだ少ない。何より油断すべきではないとエクスブレインに警告されていた以上、作戦にない単独行動は危険だ。
    「『群衆の主』なあ。主っつうなら存分に強いんだろ? そいつは楽しみだ」
     そう言いつつ獰猛に笑う鏡・剣(喧嘩上等・d00006)の声を聞きながら、梶間・宗一郎(無為無窮の拳・d30874)は晒が巻かれた左拳を撫でる。
     力を、強さをただ望み、強敵との戦いを貪欲に求める宗一郎にとってはまたとない好機。
    「俺も力試しは好きだけど、どうせなら強い相手とやりたいね」
    「力のありそうな敵だからこそ、あまり近寄りたくはないですね」
     人目がないことを確認してから、セラフィーナ・ドールハウス(人形師・d25752)はカードを開放しビハインドを傍近くへ寄せた。
     甲冑姿のビハインドはその名の通り、淑女に仕える騎士といった風情でセラフィーナの斜め後ろを追従する。
    「これまでの報告を聞く限りでは、恐らく武神大戦に関係があるのだろう。少しでも情報が欲しい所だが、まずは全員での生還を第一に考えるとしようか」
    「実体化したシャドウは、皆ダイヤマークなんだよね」
     アルディマ・アルシャーヴィン(詠夜のジルニトラ・d22426)がなにげなく漏らした武神大戦というフレーズに、三上・チモシー(津軽錦・d03809)はふと視線を彷徨わせる。
     これまでチモシーはどちらかと言えば己のルーツであるシャドウハンター、ひいてはシャドウにもあまり関心を持てずにいた。
     しかしブラックフォーム時に浮かび上がるスートがダイヤである事。そして、このたびの一連のシャドウ実体化事件に関わるシャドウのスートもまた皆ダイヤという一致をみた事で、多少興味をそそられたのだ。
     これまでスートはただの記号だと思い気にも留めてこなかったが、存外そういうわけでもないのだろうか……果たして、どうなのだろう。
     右は何か大きな建物の裏手、左はアーケード街にならぶ商店の裏手。
     どこか深い谷底を思わせるひんやりした空気には、総菜を揚げる油の匂いと湿っぽい匂いが混じっていた。前衛を張る剣とチモシー、そしてアルディマが進む先に『共同ゴミステーション』の立て札が見える。
     そしてそのさらに向こう、丸い肩が見えた。こちらへ背を向けるようにして蹲っている。
     気配を感じたのだろうか、盛り土めいた丸い肩がぐるりと巡り、奇怪な頭部が灼滅者を振り返った。
     人間ならば眼窩があるはずの位置は妙にのっぺりとしていて、なぜか額の部分に目がある。顔の中心から垂れ下がる大きな象鼻、肥満体とも見まごうような屈強な身体は往年のレスラーを思わせた。
    「我が名に懸けて!」
     カードの封印を解いたアルディマを中心にして、その場の音という音すべてが遮断される。
     現実世界に現れたシャドウという何ら不足ない強敵。その戦いの幕開けに心を震わせる宗一郎の全身をオーラが覆い尽くし、眼球全体が黒に、瞳の部分が金に塗り替えられる。

    ●暴威の士
     セラフィーナは二重にサウンドシャッターを施そうと考えていたが、それを実行した所で遮音効果が高まるわけでもない。重ねがけは意味がないことに気付き、今は目の前の戦闘へ集中すべきと意識を切り替えた。
     ぬるりと半身を引き起こした象男――ガナ・イーシャは凄惨な悦びに四つの目を細め、灼滅者を見下ろす。
     太い胴、太い手足、メンバー中最も長身の和泉でさえ見上げるような体躯。
     やや光沢がある織りの帯を巻き、柔らかい質感の布地をたっぷりと使った長いパンツはまさしくインド風の衣装に似ている。これで二つ目の完全な象頭で扇耳、片方牙が折れてさえいればどこぞの歓喜天だ。
     たとえどのような見目であってもシャドウはシャドウ。異国の神を思わせる姿であっても、レインにとっては等しく、許せた存在ではない。
    「頼んだ」
     言葉少なに傍らのビハインドへ命じると、青年の姿をした人ならぬ相棒の周囲へ昏いオーラが凝る。ガナ・イーシャを一発なりとも殴りつけてやりたかったが、残念ながらそれはこのたび課された役目ではないことも、レインは理解していた。
     まずは挨拶代わりとばかりに抗雷撃で殴りにきた剣を、シャドウは避ける様子もなく自らサイキックで相殺した。ひたすら攻撃一辺倒で攻める剣を、ガナ・イーシャは頑是無い子供を見るような目で見下ろす。
    「なり損ないか、丁度良い。まだ慣れぬ身体ゆえ」
     がふりと鼻を鳴らし、ガナ・イーシャはひどく歪んだ笑い方をする。
     ブラックフォームによるダイヤのスートを胸元へ浮かべたまま、チモシーは龍砕斧を振りかぶった。
    「はじめまして、ダイヤのぞうさん。お揃いだね」
    「ハル!」
     その足元へ走り込む、チョコレート色のラブラドールの姿をした和泉の霊犬ハル。和泉は完璧なコンビネーションでハルの斬魔刀に影喰らいを重ね、そこへ金魚の尾を飾ったかのようなチモシーの斧が横凪ぎに払われた。
    「わるいけど、ここから先は進入禁止ね」
     チモシーの声には応えず、がふり、がふりと長い鼻を鳴らしてシャドウが嗤う。
     動きが止まった一瞬を見計らい、がら空きの胴へアルディマが閃光百裂拳を食らわせた。ガナ・イーシャはその勢いに押され一歩後退するが、顔色も変えない。
     一方宗一郎はまだまだ実体が闇に包まれたままのシャドウから、この機会に少しでも情報を得ようとしていた。しかし。
    「我を止めるつもりのようだが」
     四つの目が笑みに細まり、分厚い筋肉を備えた肩が揺れて。
     その情報の代価は非常に高いものであることを宗一郎は唐突に知る。
    「次はこちらの番かね?」
     明らかに防御を捨てており与しやすしと判断したのだろう、象頭のシャドウはオーラをまとった右手で剣へ襲いかかった。
     全身が砕けそうな、想像を超えたダメージ量で意識がぐらつく。腹から臓腑を引きずり出すかのようにトラウマを晒された剣が、苦痛の声を上げ膝をついた。
    「鏡!」
     その尋常ならざる様子に、和泉の顔色が変わる。
     強敵と相対することは剣にとっても望む所だったが、多少力量はセーブされているとは言えさすがに防御を捨てるのは得策ではなかったかもしれない。
    「騎士よ、守りなさい!」
     それでもしゃにむに攻めようとする剣を支えようとセラフィーナが回復をまわし、聖堂騎士をその前へ出すことによって物理的にも援護する。
     詠子が戦闘を優位に進めようとシャドウを包囲できる立ち位置を探っていたが、かねてより面識のあったレインがそれを察した。なんとかその意図に応えようと、レインはビハインドを詠子の援護射撃にさしむける。
     サーヴァントも複数おり手数は豊富だったが、戦術における意思統一が十分でなかったのか、いまいち歯車が噛み合わないような、何かがズレているような違和感があった。
     その、正体の見えない歯がゆさ。思わずアルディマが眉を寄せる。

    ●無間の生
     ならば、と腹をくくりアルディマは両手でクルセイドソードを構えての白兵戦を仕掛ける。一分一秒でも早く戦闘を終わらせることさえできれば、早くこの違和感から脱することができるのだから。
    「そら、もっと踊れ」
     がふり、がふりと鼻を鳴らして笑いながら、ガナ・イーシャは陰惨な喜びを隠そうともしない。
     四つの目を爛々と輝かせるシャドウの動きが、徐々に鈍重なものから鋭さを増していた事に剣は気付いていたのか、どうか。
    「あ? まだやんのかコラァ!」
    「よく吼える奴よ」
     閃光百裂拳を叩きこまんと間合いに踏み込んだ剣を、ガナ・イーシャは避けようともせず迎え撃つ。何のてらいもない打ち込みをバックステップで躱し、シャドウは至近距離からのオーラキャノンで剣を打ちすえた。
     がっ、と血反吐を吐き捨てた剣は足元をふらつかせるも、戦意を捨てない。
     消耗の激しい剣の代わりに、アルディマがさらに前へ出た。確実に当てて削っていくことを重視し閃光百裂拳を選択する。
    「……」
     一撃一撃が想像以上に重く、盾に徹していても癒やしきれずに蓄積されていくダメージ量が馬鹿にならない。決して戦闘経験が少なくはない和泉でこれだけの負担なのだから、もしセラフィーナや宗一郎に漏れた時のことを考えるとぞっとした。
     そうならないためにも、和泉は相棒のハルをチモシーの前へとまわす。守るばかりでは勝利できない。攻め手が欠けるのはどうあっても避けたかった。
     宗一郎のグラインドファイアによるものだろうか、シャドウの身体を真っ赤な炎が舐めあげる。その炎をさらに重ねるように、アルディマのレーヴァテインが追い打ちをかけた。
     ひとけのない裏道を赤く染めて燃えさかる炎。
     それが効いているせいなのか効いていないことを嘲笑っているのか、いまいち判然としない、狂気がにじむシャドウの笑い声。
    「愉しくなってきたではないか」
     続けざまに攻め込もうとするシャドウの前にチモシーが割り込んでくる。その一方で宗一郎の抗雷撃が炸裂し、象じみた顔が苛立ちにゆがんだ。
    「ダイヤのぞうさん、金魚は好き?」
     シャドウが金魚の存在を知っているかどうかはわからないが、それでも詠子の回復の時間を稼ぐためチモシーは声をあげる。宗一郎がその意図を察してくれているかどうかもやはり不明ではあったが、それでも手強い相手の注意を分散するような立ち回りは有り難かった。
     微妙に意思統一がなされていないままの戦闘を仕切り直すため、セラフィーナは前衛のカバーにまわりひとまず体勢を立て直すことに注力する。
     なにより30を越える依頼を経験してきた和泉とレインが、それぞれ回復と盾の要を担ってくれているのは心強かった。

    ●群衆の王
    「キミが現実世界に来たのはただの腕試しが目的かい?」
     たとえ1体でも灼滅者が8人がかりで対応すべきとされる相手だ。宗一郎自身まともな返答があるとも思えなかったが、それでも尋ねてみる。
     現実世界に現れた目的なりシャドウというダークネスが武神大戦に関わる目論見なり、何らかの情報を引き出すのは詠子やアルディマも考えていた事だった。
     しかし、やはり灼滅者ごときに答える気はないという事なのか、象頭のシャドウは宗一郎には目もくれない。
     ついにヴァンキッシュが詠子を狙った拳の前に力尽き、それからほどなくして満身創痍のままガナ・イーシャの前に立ち続けた剣もまたシャドウの猛攻に倒れた。
     セラフィーナの聖堂騎士と和泉の相棒・ハルのお陰で、チモシーは戦闘不能に陥らずに済んでいる。
     アルディマもまだ戦えそうだが、剣の矢面に立っていた詠子への負担が大きい。さすがにシャドウもダメージが積み上がってきたようだが、あまり長引かせて消耗戦になれば、どう転がるか。
    「どう思う」
    「さて、どーすっかねえ。俺はいつも通り護るだけだ」
     レインは微妙に言葉を濁して和泉に戦闘の続行について尋ねてみたが、和泉はレインを振り返りもしないどころか、何か妙に突き放すような返答を寄越してきた。
     ところがレインはなるほど、とほのかに笑ったきり気にも留めない。場数を踏んだ者どうしにしかわからない、通じない、そういうものがある。それを知らぬ者が見れば、レインと和泉のやりとりは不可解なものにしか思えなかっただろう。
     セラフィーナはその様子を横目にしつつ、前衛へ向けた祝福の言葉を風に乗せた。これまでに蓄積されてきたダメージは無視できないが、かと言ってこれ以上の戦闘を諦めるにも理由がない、……そんな、空白にも似た一瞬。
     その一瞬を好機に変えるべく、アルディマが電光石火の勢いで仕掛けた。そこに宗一郎の援護が加わる。
    「肩慣らしは私にお付き合い願おう。ここで果てるまで、な!」
    「なり損ないに付き合う気はない!」
     額の四つ目を剥いて、シャドウが全身で吼えた。なり損ないに苦渋を舐めさせられかねない現実を認識したのかもしれない。
     そして、次の標的と定めた詠子へ漆黒の弾丸を撃ち込んでくる。
    「……っく、……!!」
     盾にならんと立ちふさがる聖堂騎士をすり抜けてきた一撃。せめて少しでもそのダメージを減らすべく、身体の前で交差させた腕に掛かってきた負荷は詠子の頬を歪めさせるのに十分だった。
     しかし、裏道のアスファルトを派手に踵で削りながらも持ち堪える。その一方で保ってあと二発か、というふとした自己分析が詠子の負けず嫌いに火をつけた。
     保って二発?
     否、その前に終わらせる。終わらせてしまえば最後の二発目など、永遠に来ないのだ。
     それまで防御と仲間のカバーに徹していた詠子が急に反転し、剣を手に斬りかかってきたのを見てガナ・イーシャは戦慄する。たった一瞬で形勢がひっくり返されたことをシャドウが理解したかどうかは、誰にもわからない。
     半ば、灼滅者達の勘と意地が引き寄せた好機だったかもしれない。詠子の縛霊撃がシャドウの足元を地面へ縫いつけ、チモシーの細身の体躯からは想像もできない重さを伴った龍骨斬りが目前に迫る。
     深紅の飾り布が噴き上がる鮮血のように一閃して、シャドウの体勢が派手に流れた。入った、とチモシーは致命傷を確信する。
     ぐらりと大きな体躯がバランスを崩してたたらを踏んだ先、宗一郎の鋼鉄拳が逆方向へと押し戻す。
     裏道の奥へとシャドウはよろめき歩き、そして、妄執に満ちた四つの目をセラフィーナへ向ける。最後に、彼女へ一矢報いんとしたのかもしれない。
     しかしシャドウにはもう興味を失ったかのような和泉が、その視線を遮る。
     ここで果てるまで、という宣言通りアルディマが象頭のダークネスへ引導を渡した。激戦の終焉を告げるように地鳴りを轟かせて倒れた音は、裏道からほんの少し先のアーケード街には鈴の音ほども漏れない。
     それでいい、とレインは両手を降ろしながら小さく息を吐く。少しだけ頭が痛かった。

    作者:佐伯都 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年11月16日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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