芸術の秋。
武蔵坂学園の秋を彩る芸術発表会に向けた準備が始まろうとしてた。
全8部門で芸術のなんたるかを競う芸術発表会は、対外的にも高い評価を得ており、武蔵坂学園のPTA向けパンフレットにも大きく紹介されている一大イベントである。
この一大イベントのために、11月の時間割は大きく変化している。
11月初頭から芸術発表会までの間、芸術科目の授業の全てと、特別学習の授業の多くが芸術発表会の準備にあてられ、ホームルームや部活動でも芸術発表会向けの特別活動に変更されているのだ。
……自習の授業が増えて教師が楽だとか、出席を取らない授業が多くて、いろいろ誤魔化せて便利とか、そう考える不届き者もいないでは無いが、多くの学生は、芸術の秋に青春の全てを捧げることだろう。
少なくとも、表向きは、そういうことになっている。
芸術発表会の部門は『創作料理』『詩(ポエム)』『創作ダンス』『人物画』『書道』『器楽』『服飾』『総合芸術』の8つ。
芸術発表会に参加する学生は、これらの芸術を磨き上げ、一つの作品を作りあげるのだ。
芸術発表会の優秀者を決定する、11月21日に向け、学生達はそれぞれの種目ごとに、それぞれの方法で芸術の火花を散らす。
それは、武蔵坂学園の秋の風物詩であった。
しっかりと立てたイーゼルに真っ白なキャンバスを立て掛けて。
水を張った洗筆バケツに、太い筆や細い筆、丸筆や平筆を浸す。
パレットの上に並べた色とりどりの絵の具と絵の具を筆で混ぜていけば、見る見るうちに新しい色が生まれていく。
さぁ、真っ白な世界を何色で染めていこう――。
「……芸術といえば、やっぱり絵は外せないのです。で、みなさんには人物画を描いてもらいたいのです……」
プリントに目を落しながら人物画部門の説明をするのは、雛花・朱天(小学生エクスブレイン・dn0207)。
既に顔が赤らんでいる。その理由は……。
「……絵の、テーマは、『恋人さん』なのです……」
そう、芸術発表会の絵画部門のテーマはずばり、『恋人の肖像画』なのだ。
恋人という甘いフレーズに、教室内がざわめく。もちろん説明している朱天の心臓も高鳴る。
想い人を真っ白なキャンバスに写し取っていく。
その人をじっくりと観ることで、意外な一面や新たな魅力に気がついたり。
また、好きな表情やしぐさをリクエストして、実際に描いてさらに自分だけのものにしてみたり。
そして深まるのは、きっと恋以上の尊い感情――。
「……なんだか素敵なのです……。みなさんもそう思うのです、よね……?」
朱天はそんな恋人の様子に想いを馳せて、頬を赤らめつつもふんわりとした笑顔を見せた。
「……テーマが『恋人さん』でわかるとおり、絵画部門の参加条件は『恋人同士さんのペア』であることなのです」
これだけだとちょっとハードルが高い。教室内からため息がもれる前に朱天は口を開く。
「でっでも、現時点で恋人同士さんじゃない人たちも、好きな人がいて告白するチャンスを探していた人も、これを期に思い切ってお誘いして、恋人同士になるのも素敵なのですよ……♪」
勇気を出して告げた気持ちは、生み出される作品を素敵なものへと変えていくから。
「愛のこもったすてきな絵がたくさん観られることを、朱天も楽しみにしているのです……♪ ではみなさん、期日までに作品の提出、お待ちしているのです♪」
恋人達の幸せと、新たな恋人達の門出を祝うように、朱天はふんわりと笑んだ。
●
「あ、くるみ。その、ちょっと話があるんだよ」
「あ、マハルさん。ボクも、ちょっとお話が……」
話したいことはお互い同じ。でも、お互い恥ずかしがって譲り合いが続いてしまう。
結局、どっちからともなくモデルの話が出て、同じことを思っていたんだねと笑いあった。
さぁ、大好きな君の笑顔を白い世界に写し取っていこう。
いつも健気に自分について来てくれる葵に、淼は恩返しがしたかった。
「そのまま座ってろ、十分絵になるから」
言うとおり椅子に座る葵。誘ってもらったことが嬉しいけど照れてしまう。
手先の器用さには自信がある淼だけど、絵となると勝手が違う。
「悪い、俺にはこれが限界だ。」
悔しがる淼。本当はもっと可愛く描いてやりたかった。
「そんなことはないよ。でも、ありがとう」
がんばって描いてくれた自分の絵を見て、葵は頬を染めた。
今度は葵が描く番。希望したポーズは淼が一番かっこよく見える姿。
「空くん、リラックスしてー」
自然体で笑う笑顔が一番好き。灯倭は照れてしまう空に声をかけた。
「見られてる中リラックスしようって改めて思うと、中々できないもんさね」
笑いながら答える空に、じゃぁ何か好きなものを眺めていて。とお願いすると。
空に見つめられて、灯倭は顔を赤くしながらキャンパスに向かった。
今度は灯倭をモデルに、空が描く。
改めて向かい合うと、やっぱり照れて、笑ってしまう。
「あ、ごめんね、落ち着きなくて描きづらくない?」
「大丈夫さ、どんな灯倭も素敵だよ」
空も灯倭と同じくふんわりと笑んだ。
今日はたくさん、笑顔が咲く日。
真咲がカツァリダにお願いしたのは小学生の制服。たまには年相応の姿が見たかったのだ。
一方のカツァリダのお願いは西部劇。格好いい姿の中の優しさや素直さを写し取っていく。
(「制服姿のツァリちゃん……♪」)
いつもの服装とは違う彼女を前に、なんだか感じてしまう背徳感は内緒の方向だ。
恋人達でにぎやかな美術室の一番端、流希は白いキャンパスに向かう。
彼が描くは隣を歩いていてほしかった思い出の女性だ。
出会うことはもうないが、居場所はいつも流希の側にある。
「忘れてしまうよりは幾分かマシな気が致します……」
「中学3年生ですし、中学最後の制服を着てみませんか?」
「うん、いいかもっ」
実とアルレットが描くのは、お互いしか知らないお互いの本来の姿。
出来上がった作品は、男子制服の実と女子制服のアルレット。
「二枚一組、たぶん私たちだからこそですよ、アルル♪」
「そうだな、みのり♪」
出来上がった作品を前に、二人は微笑みあう。
可愛らしい魔法少女の衣装に身を包むひいかと、悪の幹部風の衣装を着込んだ雪花。
ロッドを手にポーズを取ってみせる。そんな可愛らしさを、雪花は慣れた手つきで描いていく。
一方のひいかも、がんばって描く。
「ツンが少なくなって、出会った頃よりも可愛くなった♪」
出来上がった絵は満足の一品。それは自分に軟化してくれた彼女。
「ツンとか意味わかんないし!」
言いながらちょっと赤くなってそっぽを向きつつ、ひいかも描きあがった絵を見せる。
不器用な絵だけど、愛情は人一倍。
綺麗で可愛い中にも男らしく、優しくて暖かな黒曜が大好き。藍晶はそんな想いをキャンパスに。
凛々しく真面目だけど押しに弱く照れ屋な藍晶。愛おしさをこめて黒曜も筆を動かした。
だけどお互い、絵には自信がなくて。
「ごめんね藍晶ちゃん。頑張って描いたんだけど」
「その、私もあまり上手くはないん、だけれど」
愛情をこめて描いた絵は、きっと二人の宝物になるだろう。
「ミギリの好きなところ、全部?」
アルベルティーヌは、目の前に座らせた砌の顔をメインに描くことを決めた。
向かいに座る砌の心は、楽しみ、不安、ちょっと恥ずかしい。でもその心は総じてドキドキ。
長いまつげに綺麗に澄んだ瞳。サラサラの髪。砌の全てが愛おしい。アルベルティーヌは真剣にキャンバスに向かう。
描き終わった彼女に、砌は照れ笑いを見せながら一枚の紙を差し出した。
「アルビィさん、ありがとう。これからもよろしくね」
それは砌が事前に描いていた、アルベルティーヌの絵だった。
寛子の優しい眼差しに見つめられると温かい。
大好きな寛子に似合う服装と髪型を想像しながら、そして幸せを感じながら藍は筆を動かしていく。
キラキラの瞳、ふわふわの髪の毛、柔らかな頬。藍の絵を描く寛子も、彼の魅力的な部分が伝わるように可愛らしい絵柄で描いていく。
あとは、寛子が抱いている藍への想いもこめて。
完成した絵は、お互いへのプレゼント。
「清十郎?」
雪緒に声をかけられて、現実に戻ってきた清十郎は彼女に見惚れてしまっていたことに気がつく。
一方の雪緒も彼の微笑みを描こうとするが心臓が高鳴って見惚れてしまう。
作業とモデルを交代して作品を作っていくが作業速度は牛歩。
「ん、できたーのですよ!」
「こっちも出来たぜ!」
作業時間をいっぱい使って描き上げた絵は、穏やかで柔らかな笑みの二人。
「でも、俺の腕じゃ雪緒の魅力を描ききれてないなー」
「実物のほうがやっぱり素敵なのです」
想いをこめて上手く描けても、やっぱり本人には敵わない。
「成る程。これがリア充の空気」
美術室の甘い空気に圧倒されているのは狛。
「自分に恋人ができるなんて、学園に来る以前は思ってませんでしたからね」
その横でキャロルが微笑むと、狛もふっと笑う。
「わたくしもこんな縁が出来るとは」
席に着いた狛は愛用のギターを構えて笑むと、キャロルがその姿を写し取っていく。
デッサンの基本は、見たものを見たまま写し取ること。そんなキャロルの視線に狛は少し顔を赤らめる。
「そんなに見つめられると、照れると言いますか」
手を動かす時間より見つめる時間が長くなってしまう。それはキャロルにとって幸せの証。
向かい合って描きあうのは青羽と舞。
ふと顔を上げれば目が合って、その度に心が高鳴って顔が熱くなってしまう。
艶やかな髪と愛らしい瞳、控えめに笑む仕草。そんな彼女が時折見せる素の表情。何より彼女のこれからの幸せを祈る気持ちもこめて。
見た目の格好良さは然る事ながら、大人びた中に優しさと面倒見もよさと情熱的な面、そして年相応な一面もある。
何より自分を好きになってくれた愛おしい人。
舞は、青羽の暖かい眼差しと穏やかな笑顔を描き写して、最後に藍色の髪飾りをその髪に描き足した。
二人はお互いへの愛情を込めながら、静かに筆を動かしていく。
「いやあ、絵を描くのって難しいねぇ」
向かい合って座る多久等とキャンバスを交互に見比べて、一樹は息をついた。
はにかんだ様な可愛らしい笑顔を写そうと奮闘中だ。
「あはは、普段から描いてないと難しいよね」
二人で一緒に何かをしているこのひと時がとても大切。多久等も笑いながら筆を進めていく。
そんな多久等も、彼のいろいろな表情を思い浮かべていると手が疎かになってしまい。
「多久等の方はどうだい?」
「うぇ! え、なんでもないよ!」
急に声をかけられて焦ってしまう。
二人で一緒にいるだけで笑顔になれるのは、とても尊いこと。
「一年経つのも、あっという間だねえ」
菜々を目の前に座らせて、式は筆を進ませる。
「こうしてると去年のことを思い出すっすねー」
同じ場所で絵を描き、キスしたのは一年前。思い出すだけで菜々の顔は赤くなってしまう。
他愛ないおしゃべりをしながら笑む菜々。それは一番好きな表情。
筆に乗せるのは自分に寄り添い支えてくれる彼女への愛。
「できた」
その声に反応した菜々から絵を隠す。
絵の代わりに式が贈ったのは、飾らない言葉。
向かい合って描く亮と悠祈。
大好きな亮とこうして一緒に絵を描けて、上機嫌の悠祈は笑顔。
「りょーちゃんと一緒にお絵かき出来て幸せー♪」
かっこよくて知的で優しい笑顔を持つ亮。
絵は得意ではないけれど、大好きな気持ちを込めて一生懸命描いていく。
亮も、花のような笑顔を丁寧に描いていく。
アニメのように可愛らしい絵柄は、悠祈の愛らしさを一層引き立てて。
そんな二人の様子を見ている桃も、幸せそうに羽をパタパタさせる。
「大好きなりょーちゃん、ゆーきが大きくなるまで待っていてね」
幸せな時間は、きっとずっと先まで続く。
そっと覗けば、目が合ってはにかみ笑う夜深。
つられて芥汰も照れてしまう。
「瞳、色。表現、難シ」
思うような色にならずに悩む夜深に、芥汰はふんわり笑んで。
「そっちのがきらきら綺麗で零れ落ちそうよ?」
夜深は、瞳を褒められてにっこり笑う。
海の色の瞳に輝く髪。そして今は見えない八重歯。芥汰の好きな部分を思って描く。
夜深のまっすぐな眼差しに艶やかな髪、柔らかい輪郭に赤い頬。何より真面目で一生懸命なところが大好き。
「あくたん、完成しタ? セーのデ、見せ合イ、まショ!」
「それじゃ、見せ合いっこね。せーの」
足りない画力は愛で補う!
「キレーに描いてやるからな! オレもカッコ良く描いてくれよ?」
「よーし覚悟しな。とびっきりカッチョよく描いてやる!」
ヘキサが描くのは去年の夏に一緒に行った向日葵畑と青空の下で、麦藁帽子を被り向日葵を抱いた笑顔。
鴎は海賊姿を描く。海をバックに躍動する笑顔とトレードマーク。そして込めるのは、彼との未来への期待。
完成のハイタッチの後ろには、太陽のようにまぶしい二つの笑顔が描かれていた。
ポーシャは窓の外を眺めて歌を紡ぐ。
その美しさに見惚れながら、思い出と重なる彼女を描くのは朝斗。
「……君は」
「私のぼーっとしていた顔を描くなー!」
赤くなって暴れ出した彼女の勢いに押されて、朝斗は口をつぐんだ。
描きあがった朝斗の絵を見て、ポーシャはその上手さに絶望的な気持ちになる。
自分もこれ位上手く描けるのか? いっそ抽象的に描いてやろうかと思うが。
「アサト、狼になって!」
要求に絶句した朝斗だったが、彼女が楽しんで描ければいいかと要求を聞き入れた。
「なにこれ、ピカソ?」
えもいわれぬ抽象的な出来に、困惑気味の杏子は思わず声を上げてしまう。
「にょわわぁ」
一方のひかりも前衛的な出来栄えに思わず声が上がってしまう。
これでは杏子に見せられない。
「ごめんひかりん」
「あんこちゃんごめ……」
同時にぺこりと謝る二人は顔を合わせて、出来上がった絵も見て、ぎゅっと抱き合って笑いあう。
作品はおかしくなったけど、これはこれで参加した甲斐があったというもの。
「あんまイチャついてると変顔にしてやるからね」
「できればイケメンに描いていただきたい」
響華を伴った玲仁を描こうと決めた七緒。びしっと釘をさすと、玲仁は静かに笑んで七緒を見つめる。
玲仁を独占できて上機嫌で筆を進める七緒だが、彼と響華の絵になる姿に少し嫉妬してしまう。
対する玲仁が描く番。七緒の笑顔を描きたいとフードに手を伸ばしながら名を呼んでみるが、七緒はいたずらっ子の笑みを残してフードで顔を隠す。
「何をしているのだ。顔が見えないではないか」
でも、これはこれで可愛いから、しばらく眺めてみる。
「僕、放置されてる?」
透き間から見えたのは、玲仁の幸せそうな笑顔。
想希の魔法のような手から生み出されるお菓子は、どれもとても美味しい。
食材を見つめる優しい眼差しも、悟にとっては全てが宝物で愛おしい。
時々照れてリンゴとナイフを持つ手元が狂いそうになりながら、想希が作ったのはうさぎリンゴ。
差し出したそれを美味しそうにほおばる悟の笑顔は、想希が描きたい笑顔。
力強く優しい手も、いつも輝く瞳も、元気をくれる言葉を紡ぐその唇も、想希は悟の全てが大好き。
出来上がった互いの絵は、去年よりもずっと満足のできる絵に仕上がって。
「俺の為に、明日も美味い飯作ってくれるか?」
「ええずっと、これからも君に変わらぬ愛を」
そう告げると、お互いの唇に柔らかな愛が触れた。
慧犀がじっと見つめる先には、ビハインドの姿。
「恋人、か」
自分を見つめ返すその姿は、かつて失った恋人の面影そのもの。
「願わくば、この恋しさと憎悪が決して風化しませんように」
願いや祈りを込めて彼女を描いていく。
「絵は全く上手くないですから、ね?」
断って、識はマイスの前に座った。
そう告げられたマイスも絵には自信がない。いつも見ている彼女なのに絵に起こすとなると難しい。
彼の真剣な顔も真っ直ぐな視線も大好き。でも一番は優しさ。好きなところを再確認して識の顔は赤くなりっぱなしだ。
識の全てが好きだけど、特に印象的なのは藤色の綺麗な瞳。
声をかけると目が合って、ふんわり笑みがこぼれる。
「識に会えて本当に良かった」
「自分も、マイス君に出会えて幸せ、です」
「迷惑じゃなかったかな?」
「迷惑なんかじゃねーよ」
勇気を出して自分を誘った真意は言わずとも解っている。
クーガは足を組んで椅子の背もたれに体を預けてキャンバスに向かった。
描くのは笑顔。
ユリアーネは小さく笑んで彼の姿を描いていく。サングラスの奥に輝くのは暖かな瞳。
今は友達同士。でもユリアーネは描きあがった絵に『恋人の顔』と名づける。
クーガも絵が完成したようだが早々に小脇に挟んで隠してしまう。
そんなシャイでいて楽しくて優しい友達に、今の気持ちを伝えよう。
きっと彼は照れながら金の髪に優しい手のひらを乗せてくれるから。
「えへっ♪ミルフィ、お上手に描いて下さいね♪」
可愛らしい笑顔でそんな風におねだりされたら頑張り甲斐があるというもの。
ミルフィはウサギのぬいぐるみを抱っこしたアリスの絵を描いていく。
美しい蜂蜜色の髪と青い瞳。その姿はまるで不思議の国の少女の様。
キャンバスに向かうミルフィに、アリスは伝えたいことがあった。のだけど。
「ミルフィ、だいすき、です……」
寝息を立てるアリスの頬にくちづけを。
「わたくしも、アリスお嬢様の事、お慕いしておりますわ」
普段は活発な彼のじっとしている姿はとても新鮮。そして、いつの間にか成長していた姿に目を細めながら、静菜は丁寧にその姿を写し取っていく。
対する心太は彼女との思い出を話しながら、彼女の笑んだ表情を描きとっていく。
描き終わった静菜は意を決して立ち上がると、付き合ってもらったお礼を告げ。
「それと私、しんちゃんの事、好きですよ。恋とか恋愛とか、恋人になれれば良いなと思う男の子として――、ですっ!」
顔を真っ赤にして言い切った静菜は、自分と心太が描いた絵を手にすると足早に美術室を後にした。
「え、好き? 恋、人?」
静菜の言葉を頭でリピートしている心太が、その真意に気がつくまで後、数秒。
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当日。
優秀賞の花をつけたのは、舞を描いた青羽の作品だった。
作者:朝比奈万理 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2014年11月21日
難度:簡単
参加:52人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 17/キャラが大事にされていた 8
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