血まみれ少女は夢をみる

    作者:高遠しゅん

    「こんばんは、お嬢さん。とても血なまぐさい、いい夜だね」
     かつん、と響く革靴の音。
     少女は足元に転がる『何か』から興味をなくし、その男に視線を移した。
    「こんばんは、おじちゃん」
    「おじちゃん、か。まだ若いつもりだったが、お嬢さんにはかなわない」
     仕立ての良いスーツをスマートに着こなした男は、苦笑してスーツの内ポケットから小さな紙片を出した。屈んで少女と視線の高さを合わせると、それを手渡す。
     少女は不思議そうに紙片を眺める。名刺は、少女にとってただの紙切れでしかない。
    「遊び相手がいないようだね」
    「みんな悪い子なの。ごあいさつもしないで、マリーベルをおばけって言うのよ」
    「お友達をたくさんあげるよ。だから、おじちゃんの所に来てほしいんだ」
     青い瞳を瞬かせ、少女は表情を輝かせた。
    「いく! クララもうれしいって、お友達ができるの!!」
     まだ七歳ほどに見える赤いドレスの少女は、大きな熊のぬいぐるみを抱きしめて無邪気に笑った。むせ返るほどの血のにおいの中で。


    「就職活動、か。私も数年後には他人事ではない話だが」
     就職活動中の者が突然闇落ちする事件が多発していると、櫻杜・伊月(大学生エクスブレイン・dn0050)は手帳のカレンダーの印を数える。
    「新たな動きだ。『人事部長』と呼ばれる六六六人衆が、他の六六六人衆をヘッドハンティングして配下に加えようとしている。六六六人衆は、ただでさえ強力で厄介なダークネスだ。しかも今回は獄魔覇獄にも関連しているらしく、組織化されるなど堪ったものではない」
     ヘッドハンティングされた六六六人衆の灼滅と、黒板に書き付け。
    「君たちに頼みたい」
     目にかかる前髪をうっとうしそうに払い、伊月は地図を開いた。

     敵は六六六人衆、序列五七五位・マリーベル。大きな熊のぬいぐるみを抱き器用に戦う、幼い少女の姿をしたダークネスだ。過去に一度、学園の灼滅者をゲームと称して闇堕ちさせ、そのまま姿を消していた。
     エクスブレインの予知にかからなかった理由はわからないが、その間も『遊び』と称する殺戮は止めることはなかっただろう。下位の六六六人衆の襲撃から身を守る実力がなければ、生き延びることは不可能なのだから。
    「五七五位という序列は伊達ではない。見た目は幼いが、強い」
     殺人鬼のサイキック、咎人の大鎌に加え妖の槍を使い、攻撃してくる。
    「加えて、前回同様、抱えているクマのぬいぐるみを壊されると豹変する。隙は大きくなるが、どう変化するかまではわからない」
     注意してほしいと伊月は言う。

     それでも、過去に戦ったことのある六六六人衆だ。戦闘の情報があることは有利であり、また因縁のある相手を灼滅する機会としては申し分ない。
    「彼女は前のように撤退しない。君たちが撤退する場合も、追ってはこない」
     『人事部長』と戦うことはできないけれど、戦力増強を阻止できるなら、それは大きな意味があると言えるだろう。
    「撤退しないとはいえ、序列は決して低くはない。充分な戦略と考察が必要となる。……君たち全員揃っての帰還報告を、待っているよ」


    参加者
    梯・紗希(武蔵境の虎頭犬・d08837)
    本田・優太朗(歩む者・d11395)
    夢代・炬燵(こたつ部員・d13671)
    リッタ・バレッタ(陽の花・d16521)
    システィナ・バーンシュタイン(希望と絶対の狭間・d19975)
    ヴォルペ・コーダ(宝物庫の番犬・d22289)
    氷室・侑紀(ファシキュリン・d23485)
    龍ヶ崎・藍(天雷无妄・d26058)

    ■リプレイ


     とうに閉園時間を過ぎた遊園地。
     昼間は歓声と軽快なBGMに充ちていただろう、イルミネーションも消えたそこは、わずかな常夜灯に照らされて廃墟さながらに見える。
     奥から吹いてくる風に乗るのは、死の香り。
    (「飲み込まれそうで、もう二度と戻れなくなりそう」)
     暗くて判らないけれど、足元にばらまかれた塊は、もとは『何』だったのだろう。リッタ・バレッタ(陽の花・d16521)は眉を歪める。
     血のにおい、死のにおい。血は、嫌いだ。
    「楽しいはずの遊園地が、リアルお化け屋敷みたいになっちゃって……」
     これこそが六六六人衆かと、システィナ・バーンシュタイン(希望と絶対の狭間・d19975)は風をはらんで乱れた髪を押さえる。
     閉まった入口ゲートを身軽に越え、八人の灼滅者が向かうのは、この先の中央広場だ。
     ああ、見えた。氷室・侑紀(ファシキュリン・d23485)が独りごちる。
     背の高い会社員風の男と、夜目には黒く見えるほどの赤いドレスを着た人形のような少女。年の頃は六、七歳、波打つ金髪が常夜灯の青白い灯りを跳ね返す。
    「来たようですね」
     男は商談相手に見せるような笑みを浮かべて、八人の灼滅者を振り返った。少女もまた視線を向ける。
    「ではお嬢さん、邪魔な彼らと沢山遊んであげてから来てください。できますか?」
    「できるよ。お兄ちゃんたちがいなくなったら、マリーベルを連れて行ってね」
    「はい。では、後ほど」
     とん、とアスファルトを蹴る音がしたのは一瞬のこと。
     男はあっという間に観覧車を越え、夜の中に姿を消した。視線で追うこともできない。
    「……本当に子供だね」
     やりにくい、と。梯・紗希(武蔵境の虎頭犬・d08837)は呟く。
     思っていたよりずっと幼い。容姿も、口調も。身長の半分ほどもある大きなクマのぬいぐるみを抱いた姿は、殺気さえなければほんとうに子供なのだ。
    「やりずらいんだけど、仕方ない」
     ダークネスの見た目ほど、あてにならないものはない。
     龍ヶ崎・藍(天雷无妄・d26058)は、長い三つ編みを指先で弄びながら、ふとシスティナを振り返った。『堕ちるな』と釘を刺す。システィナは肩をすくめた苦笑で返す。
    「マリーベルと遊んでくれるのね。嬉しい、だれも遊んでくれないから、いつもクララとふたりきりだったの」
     ぎゅっとぬいぐるみを抱きしめる少女。無邪気に微笑み、くるりとステップを踏むように、足元の肉塊を踏みつける。ぐじゅりと厭な音がした。
     六六六人衆、序列五七五位。息をするように殺す、食事をするように殺すと言われている、最凶最悪と称されるダークネス。
    (「ダークネスにも、心のよりどころがあるなんて」)
     エクスブレインが言っていた言葉を、夢代・炬燵(こたつ部員・d13671)は思い出す。あのぬいぐるみ、壊せば少女は豹変するという。
     ひとりきりはダークネスでも辛いのか。ならば壊すことなど、できない。
     本田・優太朗(歩む者・d11395)が配ったライトが周囲を照らしだした。
     ――見えないほうが、気は楽だったかもしれない。
     アスファルトはどす黒く粘つく液体が大きな染みを作っており、周辺には元が何だったか判別すらできない、腐臭を放つ肉塊が散らばっている。
     爪先に何か当たった。見れば鋭利な刃物で斬られたらしい、人間の指だ。それ以外の部分は見あたらない。
    「ねえ、マリーベルと遊ぼう? いっぱい遊んでくれたらね、あのおじちゃんが楽しいところにつれていってくれるの」
     ああ、と思う。この少女は、どこまでも、六六六人衆なのだ。
     その少女に近づくのは、中折れ帽を目深にかぶった青年だった。鍔を上げて、微笑んでは少女の青い瞳を覗き込む。
    「こんばんは、愛らしい小さなレディ」
    「こんばんは、おじちゃん」
    「いやぁ、おにーさんって呼んでくれると嬉しいな」
     ヴォルペ・コーダ(宝物庫の番犬・d22289)は苦笑した。マリーベルは首を傾げる。その様子はビスクドールのように愛らしい。
    「おにーさん達と遊ぼうか……眠りにつくまで」
    「うん!」
     花のように笑うマリーベル。その手に血錆びた無骨な鎌が現れる。
     一瞬で灼滅者達は、武装を整え陣を組む。
    「おともだち、連れてきてくれたのね。いっぱい、いっぱい遊ぼうね!」
     ぎゅん、と少女の鎌が唸りを上げた。息の詰まりそうな殺気が周囲に充ちる。
     少女の楽しげな笑い声が響いた。


     地を蹴って距離を詰める。小さな体に叩き込むのは、一撃一撃が閃光を放つような目にもとまらぬ連打。
    「怪しい叔父さんに付いて行っては危険ですよ」
     優太朗の拳を受けても、少女の体は揺るぎもしない。この細い体のどこにそんな力があるのか、不思議な思いに捕らわれるほどに。
    「あのおじちゃんは、マリーベルよりずっとつよいよ」
     ひゅんと鳴らした鎌の柄で拳を弾く。刃先を優太朗に食い込ませようとしたその狭間に、闇の力を纏った炬燵が割り込んだ。
    「遊園地には、昼間に来たかったですね」
    「明るいときにも来たよ、みんな悪い子ばかりだったの」
    「……!」
     防御の姿勢で刃を身に受ける。傷口から流れ込んでくる冷たい気配は『死』そのもの。そして少女の言葉から、昼間、この遊園地で少女が『遊んだ』ことを知る。
     この少女はこのままにしてはいけない存在だと、思い知る。
    「わかってるよな?」
    「わかってる。無茶はしないよ」
     Dear Snowの照準を合わせながら、システィナは二度目の念を押す藍に笑ってみせる。以前堕ちたときには長い間心配をかけたから、藍の気持ちもよく分かる。
    「合わせるよ」
    「おう!」
     広げた藍の盾、その影からシスティナが飛び出す。炎を纏ったガンナイフの刃を、少女の体に突き立てる。手応えはあった。少女が身をよじり逆手に鎌を振るう。
    「ちっ!」
     勢いに押し切られそうになった藍が剣の柄を握れば、その前にヴォルペが立ち塞がった。
    「無理無茶厳禁。相手はあれだ、怖い子だよ?」
     炎の翼を広げ、ヴォルペは笑う。
     弧を描き飛び込んでくる鎌が縛霊手に食い込む。衝撃を殺しきれない重い攻撃。血のしぶく感触に、思わず笑みがこぼれる。ああ、俺は生きている、と。
     気合いと共に鎌を弾き、踏み込む勢いでエアシューズのホイールが軋む。蹴り上げた軌跡が炎を描き、小さな体が吹き飛んだ。
    「どっちが無茶だ、尾っぽ」
    「いちいちうるせー、蛇女」
     侑紀の軽口に軽口で応える。
    「言ってろ……僕はあいにく、子どもの扱いが得意ではなくてな」
     薄明かりに鱗がぬらりと光る。命を削り、手術によって得た灼滅の力、侑紀の体に巻き付く白蛇。頬の半ばまでも鱗を纏わせ、侑紀はわずかに目を細める。
    「悪餓鬼には、おしおきが必要だ」
     自らを高めるために突き刺した注射器を肩越しに捨て、身を低くして駆ける。利き手の巨大な縛霊手に力込めたなら、網状の結界が幾重にも少女の体を縛り付けた。
    「おにいちゃん、悪い子!」
     転がって身を離した少女は、癇癪を起こして地団駄踏んで叫ぶ。
    「ここには無茶ばかりする、悪い子ばかりいるみたい」
     紗希も拳を固めた。侑紀の影から入れ替わるように伸び上がり、少女の腹を貫かんばかりに鋼鉄の拳を叩き込む――と、拳が触れたのは鎌の刃。器用に片腕で鎌を操る少女が、柄に螺旋を描かせ突き込んできた。
    「おねえちゃんも、悪い子」
     腕を削り胸に食い込む感触に、ぞっとして飛びずさる。避けていなければ、返す刃で首まで落とされていたかもしれない。熱いものが半身に滲んでいく。
     少女の動きが、見えなかった。
     五百番台を維持する六六六人衆の実力は、予想を遙かに超えてくる。
    「序列は伊達じゃないってことね」
    「誰かを傷つける遊びなんてないっ! 紗希先輩っ!!」
     リッタが声を上げた。ナノナノのジェームズも、ぱたぱたと羽を動かす。
     引き絞った弓から放たれた癒しの矢が、紗希に届いた。温かく胸に沁みていく。
    「ジェームズさん、どんどんお願いしますっ!」
     応えるナノナノもまた、くるり回ってハートを飛ばした。
    「お兄ちゃんもお姉ちゃんも、ごあいさつしない悪い子ばかりなの」
     マリーベルは身の丈を越す鎌を器用に構え、ぎゅっとクマのぬいぐるみを抱きしめる。
    「マリーベルはいい子だから、おじちゃんのところに行って遊ぶのよ」
     だからもう、おにいちゃんたちは、いらない。
     ひゅんと頭上で鎌を舞わせば、無数の刃が灼滅者の頭上に出現する。それぞれが狙いを定めているかのように、雨あられと降りそそぐ。
     血のにおいがいっそう辺りを暗くした。


     傷を負っていないものはない。全員がどこかから血を流し、それでも前を見ている。誰一人として、まだ諦めるつもりはない。
     少女もまた無傷ではなかった。赤いドレスはぼろきれのように切り刻まれ、片方の靴はどこかに飛んでしまっている。
    「どうしてマリーベルのおねがい、きいてくれないの。おじちゃんの所に行くの。おともだちが待ってるの!」
     苛立つ少女が叫べば、身を戒めていた効果が千切れて消える。轟々と唸る殺気の渦は、留まるところを知らないようだ。
    「何か変なこと考えてるだろう」
     傷つけば傷つくほど笑みを深くする悪友に、侑紀がぼそりと問いかける。侑紀自身もまた、闇色の血に塗れているが。
    「いーやなんにも? 考えてないぜ蛇女」
     ヴォルペは頭から流れる血の筋を、ちろりと舐めて言い返す。
     楽しい、愉しい。あの少女、あの首筋を切り裂いたなら、どんな華が咲くのだろう。きっと極上のルビーのように赤く赤く、甘い華に違いない――
    「……背中、借りる」
     ヴォルペを盾に駆けた侑紀は呆れたように呟き、急旋回で少女の弱点を捕捉する。深く注射器の針を突き刺し捻れば、どす黒い血が噴き出した。
    「やだぁ!」
     少女は叫んで鎌を振るう。心得たようにヴォルペが行く手を塞ぎ、振り上げた縛霊手で刃を防いだ。まだだ、まだ自分は『自分』でいられる。
    「そろそろ良い子はねんねの時間だぜ」
     少女の青い瞳が闇をはらんで睨み付けた。遊ぶ余裕が無くなったのか、殺戮を本性とする性質をあらわに、ぎりと奥歯を噛みしめる。少女の顔が憎悪に歪む。
    「まだまだ!」
     炎を拳に纏わせた紗希が回り込む。その懐に吸い込まれる鎌の柄。少女が逆手に持った大鎌の石突きが、槍の鋭さをもって螺旋を描く。
     背まで突き通った柄を一振りすれば、紗希の体は高く跳ね上げられた。数瞬の後、地面に転がり、動かなくなる。気合いで戦うだけでは倒せない相手に、正面から挑み続けた結果だった。周囲とのわずかな呼吸の乱れを、察知されたのかも知れない。
    「合わせましょう、ジェームズさんっ!」
     リッタが夜霧を呼べば、ナノナノもハートを飛ばす。どちらも攻撃に回る余地は残っていない状況、ここで倒れるわけにはいかない。回復量も追いつかない中で、もう一人でも欠けては少女を灼滅することができない。
     夜に充ちた夜霧に紛れ、システィナが低い姿勢で少女に迫る。
    「いい子にして、お兄ちゃんたちの言うこと聞こう?」
     少女が息を呑む音すら聞こえる距離で、血濡れた鎌の柄ごと少女に斬りつける。ガンナイフの刃が深々と横腹を切り裂いた。
    「どんなに小さくてもさ、やっちゃいけないことは、いけないんだ」
     長い三つ編みを指で弾き、藍はエアシューズのホイールを鳴らした。空を切り裂く蹴りが、炎の帯を夜闇に描く。
    「マリーベル、悪いことなんてしてないもん!」
     殺気を振りまきながら、少女が叫ぶ。それでも必死にぬいぐるみを抱きしめ、炎から庇っている。
     人間が空腹になれば食物を食べ、喉が渇けば水を飲むように。六六六人衆は、六六六人衆だから殺す。
    「マリーベルさんは、良い子ですよ」
     こんな出会い方でなければ、きちんと挨拶をして、一緒に遊園地で遊べたかもしれない。
     何故、こんな少女が闇に堕ちたのだろう。炬燵は思う。ダークネスでなく、灼滅者でなく、人間と人間として出会えたなら、きっと。
     巨大な鬼腕が少女を捉えた。アスファルトの地面をへこませるほどの力で体を潰され、少女は虚空に目を見開く。腕からぬいぐるみが転がり落ちた。
     少女を灼滅しなければならないのは、自分が灼滅者だからだ。優太朗は無機質に光を弾く杭を、少女の胸に突き立てた。
     地面を穿つ鈍い音がした。
    「さようなら、リトルレディ」
     その言葉を最後に、少女の体が崩れていく。指先が、爪先が、体が、粘つく粘液となって地面に染みこんでいく。
    「……クララ」
     金色の髪が溶け、白い頬も額も溶けていくなかで。青い瞳は最後まで、転げた縫いぐるみを見つめていた。


     倒れたままの紗希にリッタが駆け寄った。息はある。止めを刺せるほど、マリーベルには余裕が残っていななかったと推測できた。
     優太朗がそっと、黒い染みの傍らに転がっているぬいぐるみを拾い上げる。よく見れば擦り切れて、戦闘の余波ではなく傷んでぼろぼろのぬいぐるみだ。どれほどの時間を、少女はぬいぐるみとふたりきりだったのか。
    「……ごめん」
     意識しない涙が頬を伝う。
    「っかー! こういうの、ヤなもんだな」
     ぼろぼろになりながらも仲間を守りきった満足感と、少女を消したやりきれなさ。ヴォルペは近くの芝生に大の字になって転がる。
    「上手く遊んでやれただろうか」
    「オトモダチ、いっぱいできる夢を見れたらいいよなー」
     隣に座る侑紀に、それでも疲れを見せない口調で応える。
    「甘いものでも食って帰ろうぜ。疲れたときには甘い物、だろ?」
     藍が重い空気を吹き飛ばすように笑う。システィナがポケットから潰れた饅頭を出しながら、釣られるように笑った。
     戦場だった遊園地には、いつかまた子供達の笑い声が満ちるのだろうか。
     炬燵はマリーベルの笑顔を思い出す。友達ができると言って、笑っていた少女の姿を。

    「こんばんは、マリーベルさん。みんなで一緒に、楽しく遊びましょうか」

    作者:高遠しゅん 重傷:梯・紗希(武蔵境の虎頭犬・d08837) 
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年11月28日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 7
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