攻撃こそ最大の防御なり

    作者:立川司郎

     小さな道場内に満ちた熱気は、入り口に人影が立ったとたんユラリと揺らいだ。
     訓練相手を求めてこの道場跡に集ったアンブレイカブル達をじろりと睨め付け、彼は足を踏み入れる。
     恐れ知らずはアンブレイカブルの性分。
     一人が足を踏みならしながら、彼に掴みかかる。
    「テメェも戦いに来たのか。下っ端は床掃除でもして……ッ」
     掴んだ腕を振りほどきもせず、彼は真っ直ぐ拳を打ち付けた。吹っ飛ぶ相手を一瞥し、彼は口を開く。
    「ようやく歩き始めた子供みたいなお前達でも、木偶の坊くらいには役に立つだろう。……悔しければ、守りを捨てて殴り掛かってこい」
     そのかわり、と彼が狂気に満ちた笑みを浮かべる。
    「俺も相応に相手をする」
     守りはしない、と言ったのは本当だった。
     わずかな動きで相手の攻撃を躱し、彼はひたすら殴りつづける。殴られる事もまた喜びであるように、笑みすら浮かべて攻撃に専念する。
     体が汚れようと、彼は無言で戦いを挑む。
     恐怖と戦いへの歓喜に震える、若いアンブレイカブルの顔面を砕き、彼はふうと息をひとつついた。
    「……これで終わりか」
     つまらねぇな。
     ぽつりとそう呟くと、振り返った。
     
     ここ最近のアンブレイカブルの報告書を読みながら、相良・隼人(高校生エクスブレイン・dn0022)はどこか楽しそうにしていた。
     獄魔大将シン・ライリーによってアンブレイカブル達が集められているという報告があったばかりで、彼らが集まっている町に関する報告は隼人だけでなく灼滅者達にも届いている。
     この町に潜入した灼滅者達が、ケツァールマスクから自由に稽古に参加していいという同意を得たというのである。
    「これを利用しない手は無ェ。それに、戦いの臭いを嗅ぎつけた恭二も居るようだ。恭二がすんなり話に応じてくれるかどうかは分からないが、まあとりあえずぶん殴っておけば何とかなるだろう」
     しれっと隼人はそう物騒な事を言うと、笑った。
     今回は模擬戦という事なので、灼滅する訳にはいかない。だが模擬戦が終われば、情報収集に動く事も出来るだろうと隼人は言う。
    「獄魔覇獄がどういう戦いになるかは分からないが、この町で対戦相手の情報を手に入れられると有利に働く」
     ただ、シン・ライリーは町には居ないようだった。
    「恭二はこの町にある道場跡で、何人かのアンブレイカブルをなぎ倒してる所だと思うぜ。……そこに居るのは何人束になっても恭二に敵いやしねぇ奴等ばっかりだからか、恭二は退屈しているようだ。まぁ相手をしてやってくれ」
     今回は調査が目的となる。
     情報収集は24時間を目安とし、敵地である事を認識して慎重に行うようにと隼人は話した。
     獄魔破獄に関する事、相手の事などの情報を得る事。もし望むなら、恭二と手を組めば獄魔破獄で共闘を……。
     と言いかけて、隼人は首を振った。
    「いや、そいつはつまらねぇな。こいつとは戦って殺すか殺されるかでやり合うべきだ。そうだよな?」
     今のは忘れてくれ、と隼人は断った。


    参加者
    御盾崎・力生(ホワイトイージス・d04166)
    海堂・月子(ディープブラッド・d06929)
    羊飼丘・子羊(北国のニューヒーロー・d08166)
    森沢・心太(二代目天魁星・d10363)
    鏡・エール(カラミティダンス・d10774)
    狩家・利戈(無領無民の王・d15666)
    清浄・利恵(根探すブローディア・d23692)
    午傍・猛(黄の破壊者・d25499)

    ■リプレイ

     人の営みの中に見え隠れする、影の存在。
     歩きながらその戦い気配を感じ取ったか、利戈はぞくりと背筋を振るわせる。今この町に足を踏み入れている灼滅者は、いったいどれ位居るだろうか。
     そして、どれ位のダークネスが戦いを繰り広げているのだろうか。
     前を歩いていた海堂・月子(ディープブラッド・d06929)が、一件の道場跡を覗き込む。そしてふりかえると、ここだと小さな声で皆に伝えた。
    「どいつだ?」
     中から聞こえる打撃音や呻き声を聞き、狩家・利戈(無領無民の王・d15666)が顔を覗かせた。
     既に中にいたアンブレイカブル達は打ちのめされた後であり、ぽつんと中央に一人の男が立っている。
     愛想のない仏頂面と、鮮やかに染めた金髪。
    「総ナメか。どんだけ強えんだよアイツは」
     午傍・猛(黄の破壊者・d25499)が呟くと、御盾崎・力生(ホワイトイージス・d04166)や月子が以前の戦いについて話始めた。最初に力生が会ったときは、まだここまで強くはなかったと思われる。
     そのうち業大老配下のアンブレイカブル達は様々な戦いに身を投じ、柴崎が灼滅されて恭二は一人で修行を続けて来た。
     その果てに、ここに辿り着いたという訳だ。
     力生がそう話していると、恭二の動きが止まった。
    「……次は誰だ」
     恭二がそう聞きながらこちらを振り返ると、彼に月子が軽く手を振った。その後ろから入ってきた森沢・心太(二代目天魁星・d10363)は、既に恭二と会うのが三度目とあって顔を覚えられていたようだ。
     灼滅者か、と聞かれて心太は頭を掻いた。
    「お久しぶりです。また会いましたね」
    「たまたま会ったような口を利くな。……噂を聞きつけてわざわざ来たんだろうが」
    「そうですね」
     心太は笑って返すと、仲間を振り返った。
     清浄・利恵(根探すブローディア・d23692)は頷いて、荷物を降ろす。
    「よければ、手合わせを願えないかな?」
     態々来たと見抜かれているなら、この勝負も織り込み済みだと思われているだろうか。そう利恵は思ったが、恭二も戦いを挑まれたなら、断る理由もない。
    「だったら、守りを捨ててかかってこい」
     そう言い構える恭二に、八人は一斉に武器を取ってかまえた。いや、八人ともう『一人』……鏡・エール(カラミティダンス・d10774)はちらりと愛犬を見下ろし、目を合わせる。
     守りを捨てて……か。
     エールは小さく呟いた。普段芝丸とコンビを組むエールは、どちらも揃って最前線で攻撃に専念する事はあまり多くないかもしれない。
    「……行くよ、メイキョウシスイ!」
     力を解放すると、エールは仲間とともに一斉に攻撃を仕掛けた。
     巨大なハンマーを構えた猛が、振り上げながら迫る。
    「全力がお望みってんなら、それに乗ってやるのが人情ってもんだよなぁ!」
     装甲服を纏い、猛は振り下ろした。

     恭二の側面に回り込むように動いた月子や力生に対して、正面から攻撃を仕掛けたのは羊飼丘・子羊(北国のニューヒーロー・d08166)と猛であった。異形化した腕を振り回して殴り掛かった、子羊。
     心底楽しがっているような笑顔で、子羊は名乗りを上げて腕を振りかざす。
    「北国のニューヒーロー、羊飼丘・子羊、参上!!」
     ご当地ヒーローの名乗りは、無言でスルーする恭二。だが名乗りを上げたモノから殴り掛かるのは、出た杭は潰す派なのかもしれない。
     鬼神変による攻撃に対し、恭二も拳を返した。
     異形の腕の大ぶりな動きをするりと躱した恭二に、今度は猛が威力を増したハンマーで叩く。
     ハンマーのダメージをわずかに削ぐように受け流し、恭二はまず子羊の幼さの残る顔へ、容赦なく拳を叩き込んだ。
     パンチを浴びても、子羊は笑いを消さない。
    「楽しいね!」
     全力でぶつかるって、ほんっとうに楽しい。
     恭二の拳を受けて転がった子羊は、そう言いながらひょいと立ち上がって立ち向かう。元気があるのは良いが、やはりダメージは大きいようだ。
     エールは芝丸に声を掛けると、治癒を任せて自分は鳴饗屍吸を中段に構えた。流れるような剣捌きで、何とか恭二の腕を捕らえようとするエール。
    「少しは威力を殺さないと……っ」
     隙を狙うエールに気付き、力生が視線を交わした。
     互いに動きを見て、力生が恭二に攻撃を仕掛ける。恭二の死角に回り込むように動きつつ、力生はあえて恭二の気を惹くように声をかけ続けた。
    「どうした、後ろががら空きだぞ!」
     こうも囲まれていては、一人一人に攻撃の手が届かないのは分かって居る。子羊に攻撃を専念している恭二は、力生の攻撃を躱してはいるが……。
     何があっても喰らい付く、という覚悟を決めて望んだ力生はあえてエールの足がかりとなる役割を担っている。
    「……退け!」
     思わず振り返った恭二。
     月子が反対側に回り込んで、蹴りあげた。鋭い蹴りが、恭二の頬に血筋をつけた。力生と月子、二人が恭二の死角に回り込んで攻める。
     彼が視線を外した時が、月子の槍が伸びる時である。
    「余所見はしないでね」
    「くっ……!」
     鮮やかに、月子の槍が恭二の足を突いた。恭二が二人の対応で集中を乱すのを、月子たちは待っていた。
     同時に力生が身を引くと、エールがすうっと踏み込んだ。
     見事な一撃が恭二の腕を叩き、痺れさせた。
     腕を押さえたまま、更なるエールの追撃を躱す恭二。
    「腕を封じられているのに、身軽だね」
     もう少し恭二の攻撃を引き留めようと、利恵が蹴りを叩き込む。利恵の蹴りを片手で受け止め、恭二は振り払った。
     着地し、もう一撃蹴り技で仕掛ける利恵。
    「御盾崎くん!」
     力生が自分と同じように、恭二を引きつける役目を担っている。利恵は攻撃の手を緩めず、恭二の攻撃を子羊から自分達へと向けた。
     一対多、という状況を生かして戦う…そう力生は言っていた。利恵は、攻撃を仕掛けながらどうやって『守護』という役目を担えるか、考えていた。
    「今のうちに治癒を」
     利恵が子羊に治癒を促し、気合いを入れ直した恭二にチェーンソーのモーター音を響かせて斬りかかる。
     攻撃も、音も、動きも、全て守る為の動き。
    「仲間のアタッカーが攻撃を叩き込む為、ボクは君の足止めをする。これがボクなりの『守護』だ」
     利恵は凛とした声で、そう言った。
     ただひたすら攻撃をくり出した恭二の姿も、戦いの姿の一つであろう。だが利恵は、攻める事を仲間の為に使う。
     恭二は血にまみれた顔で、笑う。
    「だったら守ってみせろ!」
     恭二は、渾身の力で利恵に拳を叩き込んだ。
     ぐらりと体勢を崩した利恵を、後ろから心太が支える。シールドを展開して更なる攻撃に威圧しながら、心太は今までの戦いを思い返していた。
     今まで恭二が拳を振るうのを何度も見たが、守ってみせろ…と言うという事は、少しは自分達の戦いに興味が出てきたのだろうか。
     それでも、一人で戦い続けるのだろうか。
    「あなたや柴崎さんの戦いを通して、僕も戦いを組み立ててみました。受けてもらえますか?」
     一つ一つ戦いを経て、心太が得たもの。
     それは相手が居て、仲間に支えられ、そして様々な想いの中で得たものであった。拳を叩き込む心太は、真っ直ぐに相手を見据える。
     ただこの一撃に、全ての神経を注ぐように。
    「……!」
     拳に拳で返した恭二が、心太の拳を押し返した。
     弾かれたのは、心太だけではなく……体制を崩しながら心太は恭二も姿勢を崩したのを見た。すかさず、利戈が影を放って恭二の足元を攫う。
     なかなか隙を見せない恭二を捕らえる機会は、今しかない。
    「掴んじまえばこっちのもんよ!」
     と、霊力を放出しつつ縛霊手で掴みかかる利戈。
     拳で受け止め、恭二がギリギリと利戈と睨み合う。
    「それなら、こいつはどうだ!」
     猛のハンマーが押しつぶすと、利戈はのしかかるように縛霊手で掴みかかった。拳に拳で返す恭二に、利戈はからからと笑う。
     ただひたすら、戦って戦って戦い続ける。
     気付くと恭二は疲れ果てて倒れていたし、猛が利戈の腕を掴んで止めていた。
     ふ、と見上げると猛がにいっと笑う。
    「ギブアップだとよ」
    「……誰が……」
     ギブアップなんか、と言いかけて恭二は目を閉じた。

     恭二が体を起こすと、既に道場内からは力生やエールの姿が消えていた。
    「少しは気が晴れた?」
     月子はにこりと笑って、恭二に聞いた。
     指で眉間に皺を作りながら、月子は『こんな顔をしていたわよ』と話している。今だってそんな顔をしているようだが、さっきよりはまだ落ち着いた様子だった。
    「退屈凌ぎになったならよかったわ」
     月子は笑って言った。
    「じゃあ、この後食事でもどう?」
    「勝手にしろ」
     恭二はそう言い捨てた。
     すると、どこからともなく子羊がどーんと、おにぎりの入ったお弁当箱を取り出してきた。たくさん取り出しながら、一つ一つ中身について説明する子羊。
     さっきの戦いと同様、にこにこ楽しそうだ。
    「美味しそうですね」
     心太が覗き込むと、こくりと子羊が頷いた。
     中身は北海道特産のものが入っているらしい。
    「鮭、エビ、蟹の魚介類と、ぎゅうにゅう」
    「……えっ?」
     声が上がる。
     聞き間違いかと猛が手をそろりと出し、当のおにぎりを取った。
     聞き間違いでなければ、牛乳だ。
     牛乳掛けごはんって美味しいよね。
    「いらねえ」
     即答した恭二に、子羊ははじめて表情を変えた。そこからしばし、牛乳かけ御飯のおいしさを語り続けた子羊であった。
     牛乳談義を止める為に利恵が取り出したのが、肉パフェだったからまたカオス。
    「俺が言うべき事じゃねえが、まともなモン食え」
     きっぱり恭二が言い返す。
     すると利恵は笑顔で言った。
    「逃げるの?」
     この肉パフェから。
     そう言われれば、絶対引き返すはずがないのは心太や月子は気付いていたし、利恵はパフェ容器を差しだす。
     まあそのパフェと牛乳ごはんは、心太や月子、猛といった面々も食べる羽目になった訳だが。

     その牛乳御飯と肉パフェから逃れた、力生とエール、利戈。
     町を歩く利戈が気付いたのは、人間とその他半々といった所だろうか。
     違和感なくアンブレイカブル達が混じっているが、決してダークネスだけの町という訳ではなかった。
    「……すげえ味すんな!」
     笑顔で利戈が、ジュースを力生に差しだした。
     どこから見ても普通のカフェなのに、出てくるものはプロテインの入っていそうな飲み物である。喉越しはザラザラしているし、甘さがゼロ。
     利戈はそれを飲み干しながら、ウェイトレスに声を掛けた。
    「なあネエちゃん、ちょいと訪ねたいんだが」
    「はい?」
    「ここ、強い奴しか居ないのか?」
     彼女はそう聞かれると、笑顔で頷いた。
     だって、ここは戦うモノが集う町なんだもの。そういう彼女もまた、アンブレイカブルであるようだった。
     よく見ると、客もアンブレイカブルである。
    「アウェーだな」
     ぽつりと力生が呟く。
     出来れば、騒ぎは避けたい所だ。
     力生の言葉に、エールは安心したように雑談を振ってみた。とりあえず道着の話を振ってみると、良い道着屋があると、客の一人が教えてくれた。
     ちなみに、売っているのは質の良いただの道着であり、飛んだり跳ねたりはしない。
    「俺達、さっきも向こうの道場でやり合ってきたんだがな。あんた達も強いんだろう?」
     利戈は客に声を掛け、さきほどの戦いについて語った。
     恭二については、客のうちの何人かは知っていたようだが、強さから言うとやはりシン・ライリーやケツァールマスク達に及ぶものでは無い。
    「じゃあ、その中でも有力者は誰なんだ?」
     力生が聞くと、彼らは首をかしげて考えこんだ。
     まずシン・ライリーやケツァールマスクを除くと、他にも幾つか自分達が強いと思う名前が出てきた。
     しかしいずれも、自分より強いか弱いかというアンブレイカブル理論での強弱な訳だ。
    「ここ最近ちょっと噂になってるとか、すごく強いとかいう人はどの人なんですか?」
     エールはジュースをもう一杯皆に出してあげて、と店員に注文するとアンブレイカブル達に聞いた。
     この町のアンブレイカブル達の中でも一際強いと言われているのが…。
    「やっぱりマッスルマグマだろう!」
    「いやいや、チャリオットレディの方が凄いって」
     彼らは力生達を放っておいて、その二人の話をしはじめた。どうやら彼らの話を聞きかじる所によると、どちらもケツァールマスクの配下のプロレスラーであるようだった。
     レディって言うからには女の人なのかな、とエールも興味を示して話に加わる。
     名前からして燃えるじゃないか、と利戈はにやりと笑う。強い強いと言われると、余計に会ってみたいし戦いたくなる。
     ケツァールマスクの配下であれば、相手にとって不足は無しだ。

     獄魔破獄については、恭二もあまり口は割らなかった。
     そもそもルールや時期について、彼らは知りたいと思っていないようだった。おそらく他のアンブレイカブルに聞いても、同じような答えが返るに違いない。
     心太は他の大将について、恭二に話した。
    「スサノオの姫、四大シャドウ・デスギガス配下。いずれも獄魔大将らしいんですが、恭二さんは知っていますか?」
    「知らんな。そもそも俺達と関わりのあった連中だとは思えんが」
     恭二は興味なさげに言う。
     もっとも、スサノオやシャドウといった連中の情報はアンブレイカブルの彼らは知らなくて当然かもしれない。
    「それも全部業大老が仕組んだ事なんだよね? いったい業大老って何を考えているんだろう」
     探るように、利恵が聞く。
     すると、ふと恭二が鼻で笑った。
    「まだ分かってねえのか。俺達アンブレイカブルの原動力なんざ、最初から戦いしかない。めんどくせぇ遠回しな理由とは思えねえな」
    「それって柴崎たちの事だろう? 業大老も戦う為ってわけじゃないだろう」
     利恵は言い返した。
     恭二も業大老の真意は分からないのかもしれないが、戦いの果てにいったい何があるのか……実際は大老以外誰も知らないのかも知れない。
    「なあ六門、ひとまずこの勝負はお預けにしようや。たとえば、今度の獄魔破獄とか……な」
     猛がそう切り出した。
     獄魔破獄は乱戦になる、その時戦うにしても邪魔者を片付けた後の方がいいだろうと猛はそれとなく共闘を切り出した。
    「お前さんにとってどうしても邪魔な奴がいる、ってんなら倒すのを手伝うのも悪くはねえぜ」
    「自分で倒せないから手を借りる、っていう話なら死んでも断る」
     恭二の返答に、月子がふと薄く笑った。
     いつか戦うとしても、今じゃなくてもいいじゃないか。
     そんな風に思った。

    作者:立川司郎 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年11月27日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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