武人の町でボクシングしたりせよ!

    作者:本山創助


     ここは武人の町。
     多くの道場やプロレス団体が存在し、日夜、稽古に励んでいる。稽古を受けているのは最近闇堕ちしたらしいアンブレイカブルの少年少女。稽古をしているのは業大老配下のアンブレイカブルである。
     町の一角にあるボクシングジムからは、今日もまた、威勢のいい声が漏れ聞こえていた。
    「ジャブを打てジャブを。ジャブジャブッと! そう、そうだよ!」
     リングの上では、小学生位の少年と少女がスパーリングを繰り広げていた。セコンドに立ってコーチングしているのは、見ただけでヘビー級と分かる黒人ボクサーだ。
    「ガッとやるんだよ! ガーッと!」
    「今だろ! 今ボコッてしなかったらいつボコッてするんだよ!」
     日本語は完璧だが、コーチングの内容はものすごくフワッとしている。それでもリング上の少年少女はコーチの言うことを耳を傾け、すぐ実践に応用しているようだった。
    「シュッ! シュッ!」
     少年と少女が激しいパンチの応酬を繰り広げる。ジャブ一発で世界チャンプになれるのでは、と思わせるスパーリングの内容だが、この町での実力はまだまだ下の方である。
    「イイネ! 今のブワァーはイイネ!」
     コーチに誉められながら、少年と少女は共に切磋琢磨するのであった。


    「キミ達には武人の町に行ってもらいたい!」
     逢見・賢一(大学生エクスブレイン・dn0099)が説明を始めた。

     アンブレイカブルが集まっている町が発見されたのは知ってるかな? この町に潜伏した灼滅者達がケツァールマスクと接触してくれたおかげで、キミ達も自由に稽古に参加出来るようになったんだ。
     稽古は模擬戦の形で行われるから、殺したり灼滅したりは出来ないけど、戦闘自体は普通に出来る。稽古に来たことを伝えて模擬戦を行った後ならアンブレイカブルと交流したり町中で情報を集めることも出来ると思うから、これを利用して色々探ってきて欲しい。ただ、シン・ライリーは町にいないみたいだから、シンとの接触は期待しない方がいいだろうね。
     今回の目的は、模擬戦と調査だ。模擬戦や交流を通してこちらの印象をよくすることが出来れば獄魔覇獄である程度の共闘も可能になるかもしれないし、調査を通して獄魔覇獄に関する情報を得ることが出来れば獄魔覇獄で優位に立てるかもしれない。
     アンブレイカブル達は悪人というわけではではないけど、ダークネスであることには違いない。些細な事で殺傷沙汰になることも多いから、慎重に行動してね。
     情報収集は町に入ってから二十四時間を目処にして、それまでの成果を持ち帰って欲しい。
     ちょっと変わった依頼だけど、キミ達なら殺傷沙汰を起こさずに無事帰ってきてくれると信じてる。それじゃ、がんばってね! 行ってらっしゃい♪


    参加者
    嵯神・松庵(星の銀貨・d03055)
    森村・侑二郎(尋常一葉・d08981)
    山田・透流(自称雷神の生まれ変わり・d17836)
    鳳仙・刀真(一振りの刀・d19247)
    月代・蒼真(旅人・d22972)
    犬塚・小町(壊レタ玩具ノ守護者・d25296)
    夕崎・ソラ(灰色狼・d27397)
    山野・ぬい(おひさまろんど・d29275)

    ■リプレイ

    ●訪問
    「たのもー!」
     ボクシングジムに、山野・ぬい(おひさまろんど・d29275)の元気な声が響き渡った。ちょうど休憩中だったらしく、トレーニングをしている少年少女達はベンチに腰掛けて汗を拭っている。
     そんな中、黒人ボクサーのみが、リングに立ってシャドーボクシングをしていた。そのボクサー――ボビーが、手を休めて振り返る。
    「おや? お客さんがたくさん来たね!」
     入り口に立つ八人を見て、ボビーが嬉しそうに笑った。
    「はじめまして、武蔵坂学園か来た灼滅者です。今回稽古をつけて頂きたくやってきたのですが、よろしいでしょうか」
     森村・侑二郎(尋常一葉・d08981)が挨拶すると、子供達がはしゃぎ始めた。
    「灼滅者だってさ!」
    「つよいのかな?」
    「俺が稽古してやるよ!」
    「だめよ、わたしが――」
    「コラ! うるさいよ!」
     ボビーが一喝すると、子供達はピタッと口を閉じた。
    「あの子達もアンブレイカブルなんだよね……あんな子供が私たちひとりひとりよりも強いだなんて、なんて恐ろしい」
     ただの小学生にしか見えない子供達を眺めながら、山田・透流(自称雷神の生まれ変わり・d17836)が呟いく。
    「そういえば、ケツァールマスクが何か言ってたね。イイヨ、ボビーがスパーリングしてあげる。さあ、準備が出来てる子からリングに上がりな! 一人ずつ相手してあげるよ!」
     ボビーが笑顔で手招きした。

    ●ぬい
    「じゃあ、ぬいから!」
    「さあ来い!」
     ぬいはリングに駆け上がると、身長百九十センチはありそうなボビーの懐に飛び込み、がら空きのボディーにパンチを百発くらい叩き込んだ!
    「イイよイイよ! ちびっ子なのに、ガーッとしててイイパンチだよ!」
     ボビーの腹筋は鉄の壁のようだった。殴ってるこっちの拳が痛くなってくる。それでも、夢中になって殴った。
    「ほらほら、ボビーをよく見て! キミを殴ろうとしてるよ!」
     ハッとしてボビーを見上げた瞬間、ぬいは顔面にパンチを食らってひっくり返った。いたい! 
    「ほら、パパっと立つ!」
    「おう!」
     ぬいは跳ね起きると、満面の笑みを浮かべた。
    「ぬい、いっぱいつよいなりたい! もういっかいたのむ!」
    「もちろん! ほら、相手をよく見て! よく狙って! 足を使って!」
     最初は攻撃を受けてくれていたボビーだが、次第に避けるようになってきた。ぬいはボビーの助言を聞き入れ、威力重視の構えから命中重視の構えにシフト。リングを縦横無尽に駆けめぐり、ボビーにコンパクトな打撃を与えていく。
    「こうか? こうか?」
    「そうだよ! それでイイんだよ!」
    「えへへ」
     ボビーにほめられ、ニコニコしながら戦うぬいであった。

    ●ソラ
    「オレ、強くなりたいんだ。稽古つけてくださーい!」
    「イイヨー! さあ来い!」
     夕崎・ソラ(灰色狼・d27397)はジャブを放ちながら様子見したが、強烈なボディーブローを食らって体がくの字に折れた。
    「痛ってええ……でもまだまだああああ!」
    「ふふふ、ガンガン来ないなら、こっちから攻めるよ!」
     ソラはガードを固めながらボビーの動きをじっくり観察した。重い一撃を食らう度に気合いを入れて叫ぶことでダウンを防ぐ。顔面にパンチを食らうときでも、決して目は閉じない。
    「そのガッツはイイネ! みどころあるよ!」
     ボビーがどう避けてどう攻めてくるのか、何かつかめるものはないか、盗める技はないか――そう考えながらボビーの攻撃に耐えるが、何もわからない。
    「キミはボビーの技を盗みに来たんだね。じゃあ手加減の度合いを少し変えよう!」
     ボビーが腕をぐるぐる回した。その度に、ボビーから感じるプレッシャーが増大する。
     なんかヤバいかもしれない……と思った刹那、ボビーの強烈な右ストレートに顔面を持って行かれた。
     放物線を描いてリング外に吹っ飛ばされるソラ。
    「……わかった……わかったぞ……!」
     吹っ飛びながら、譫言のように呟いた。
     あの右ストレートから何かをつかんだのだ。
     その喜びを噛みしめた瞬間、床に落下し、意識を失った。

    ●透流
     透流は、リングに上がると拳以外に武器を持っていないことをアピールした。ボビーはにっこり笑ってファイティングポーズを取る。ものすごい威圧感だ。一対一では勝てる見込みのないダークネス――しかも、そのコーチと対峙しているのだ。当然、心に恐怖が芽生える。
    「この恐怖を乗り越えるために……私は強くなる!」
     透流が影を宿した拳で殴りかかる。
    「イイ心構えだね! でも、ちょっと力みすぎだよ!」
     カウンターでボビーの右ストレートが炸裂!
     吹っ飛んだ透流は、ロープの反動を利用してボビーと同じ右ストレートを繰り出した。的確なパンチがボビーのボディーにヒット!
    「イイパンチね!」
     透流は、実力差を知るため、そして、透流自身の意地も込めて、ボビーが使った技と同じ攻撃で応酬した。
    「イイネ! 動きが良くなってきたよ!」
     戦いの中で徐々に緊張が解けていき、透流は本来の力を発揮していくのであった。

    ●小町
    「ガッといってキュキュッ! そしてスパパーン!」
     白炎に包まれたリングの上で、犬塚・小町(壊レタ玩具ノ守護者・d25296)が躍動していた。炎で気配を曖昧にしながら、フットワークとジャンプを駆使して攻撃し続ける。
    「ナイスなフットワークね! でも、このパンチを食らって立ちあがれるかな?」
     ボビーの目がギラリと輝いた。
     次の瞬間、小町は鋭いアッパーカットを食らい、天井に叩きつけられた。
     リングに落下し、そのままダウンする小町。
     暗転した視界の中で、過去の思い出がよみがえる。
     大好きな人と街を護るために一人孤独に戦い続けた、あの日々。そして、全てを失った、あの日。
     もう二度と愛する人を失わない為に、同じつらさを味わう人を出さない為に、強くなりたい。ならなきゃいけない。
    「だから……だからどんな手を使ってでも、ボクにできる全てを使って貴方を倒す!」
     小町は立ち上がった。
    「そうだよ! その心意気だよ!」
     小町は力の限りボビーと戦った。
     小町の決意は、遥かな強敵と一人で対峙しても揺るがない。

    ●刀真
    「強者と戦うのは武人の誉れ。全力でお相手仕る!」
     鳳仙・刀真(一振りの刀・d19247)がクルセイドソードを横薙ぎにした。ボビーは身を低くしてこれを回避。あっ、と思った瞬間、刀真は強烈な右フックを食らって倒れていた。
     刀真はすぐに立ち上がり、ソードを構える。
    「それっ、ブワーッと行くよ!」
     ボビーは刀真を容赦なく攻撃した。刀真ならこの位耐えられる、と考えてのことだろう。刀真は、ボビーの重い一撃に足を踏ん張りながら、その技を目に焼き付ける。
    「イイネ!イイ目をしてるね! その気持ちを剣に込めて、シュバッと振り抜くんだよ!」
    「アンブレイカブルに教えを請えるなんて夢のようですよ」
     ソードが一閃。
     ボビーはこれを左腕でガードするも、ダメージを殺ぐことは出来ない。
    「そうだよ、その調子だよ!」
     笑みを浮かべながら、ボビーが次々と拳を繰り出してくる。
     刀真は、ボビーの動き、戦術を目に焼き付け、その言葉を心に残そうと、一秒でも長く立ち、戦い続けるのだった。

    ●侑二郎
    「よろしくお願いします」
     ボビーに一礼すると、侑二郎は炎をまとった拳を繰り出した。ボビーはこれをニ三発もらいながら、もっと打ってこいと手招きする。
     勝てないのは重々承知している。だから、攻撃だけに意識を集中したりはしない。ボビーの動向に気を配りながら、拳を丁寧にぶつけていく。
     侑二郎はボビーのフットワークに微妙な変化を感じた。
     次の瞬間、侑二郎のメガネが宙を舞った。しかし、侑二郎にダメージはない。
     侑二郎はボビーの高速アッパーをギリギリで避けていたのだ。
    「イイネ! ぼーっとしてるようで、しっかりしてるね!」
    「ありがとうございます」
     スペアのメガネを掛け、ファイティングポーズをとり直す侑二郎。
    「じゃ、次は受けの練習をしようか! ドババーっとパンチするから、両腕を使ってガシガシッとガードしてね! 無駄な動きをしたりビビったりしたら、あっという間にKOされちゃうよ!」
    「やってみます」
     重い連打をかろうじてガードしながら、稽古の手応えを感じる侑二郎であった。

    ●蒼真
    「戦うときに重要なのは、怯まないこと!」
     月代・蒼真(旅人・d22972)がボビーに飛びかかった。
    「隙だらけだよ!」
     ドカーン!
     蒼真はボビーの右ストレートをモロに食らい、ロープを越えてジムの壁に叩きつけられた。
     が、すぐに立ち上がる。
    「くっ……弱気は徹底的にねじ伏せて、食い下がれ!」
     蒼真に格闘術を教えてくれた先生の言葉を叫びながら、リングに駆け上る。
     ボビーの懐に踏み込み、その顔めがけて鋼鉄拳を繰り出す。
    「イイネ! あのパンチを食らっても怯まない根性はイイネ!」
     ボビーはそれを左手で弾くと、蒼真のボディーに右拳を突き刺した。
    「かはっ……」
     蒼真は両膝をつき、ぶっ倒れた。
    「その根性、いつまで続くかな? もう終わりかな?」
    「……ま、まだまだ……!」
     蒼真は気合いで立ち上がりながら、ゼロ距離からのオーラキャノンをぶっ放した。ボビーのボディーで光が爆発し、ジムが閃光に包まれる。
    「イイネ! 今のはちょっと効いたよ!」
     蒼真は闘志を奮い立たせながら、果敢にボビーを攻めるのだった。

    ●松庵
    「嵯神・松庵(星の銀貨・d03055)だ。一手、手合わせ願おう」
    「よろしく、サガミくん! さあ、かかってこい!」
     ボビーがにこやかに手招きする。
     松庵は、仕込み杖左手に下げ、特に構えることなくボビーを見つめた。
    「ふうん、それがサガミくんの構えなのかな? じゃ、こっちから行くよ!」
     突っ込んでくるボビーに対し、松庵は居合いの構えをとった。
     松庵はこれまでの戦いをじっくり観戦しながら、ボビーの動きを脳内にインプットしていた。フットワーク、ジャブ、ストレート、フック、アッパー、それぞれの技の癖、予兆を拾い集め、分析していた。だから、ボビーが右ストレートを繰り出すことは分かっていた。それを最小限の体捌きで避けつつ、居合い斬りで胴を払う――松庵は、一瞬の間にそこまでイメージした。
     しかし、次の瞬間。
     松庵は右ストレートをモロに食らい、ロープに跳ね返ってぶっ倒れた。
    「く……やはり速いな。癖を確認してからでは遅いか」
     血を拭いながら、松庵は立ち上がった。そして、先ほどと同じようにボビーを見つめる。
    「何か狙ってるね! イイヨ! その誘い、ノってあげるよ!」
     ボビーが動き出すより先に、松庵は仕込み杖を抜く動作に入った。勘である。が、この勘はこれまでのデータを元にしている。賭ける値打ちはあるはずだ。
     二人は一瞬のうちに交差した。
     松庵が刀身を鞘に収めると、ボビーの体内で小爆発が起きた。ボビーの口から、つ、と血が流れる。
    「グフフ……まさか、鞘の方で殴ってくるとは思わなかったよ……!」
     一本とられたのに……いや、一本とられたからこそ、嬉しそうに目を輝かせるボビーであった。

    ●ボクチャンの店
    「いただきまーす♪」
     ジムの隣の食堂に、灼滅者達とアンブレイカブル達の元気な声が響いた。
     皆が取り囲むテーブルには巨大な鍋がおかれていた。肉、魚、カニ、野菜、キノコ、練り物、などが味噌で煮込まれ、おいしそうな湯気を立てている。
    「さー、もりもり食べな! 沢山食べないとヘビー級になれないよ!」
    「はーい♪」
     ボビーの言葉に、アンブレイカブルの少年少女達が元気に返事をする。そこには、ぬいとソラの小学生コンビも自然に混じっていた。
    「オレも早くおっきくなりたいからな、遠慮はしないぜ!」
     ソラは牛肉豚肉鶏肉ゾーンにお玉を突っ込み、ガッツリ肉をよそった。
    「これ食べるとボビーみたいキンニクなれるか?」
    「もちろん! ほら、ぬいのお皿によそってあげるから、お腹いっぱい食べな!」
     ぬいはボビーによそってもらった肉や魚を、おいしそうに食べた。
     小町もにこにこと幸せそうに食べていた。でも、模擬戦でボコボコにされたのは、やっぱり悔しい。
    「今日はやられちゃったけど、いつかリベンジしたいな」
    「ふふふ、いつでもかかって来な! ボビーは逃げも隠れもしないよ!」
    「おいしいですね。これ、レシピとかあるのでしょうか?」
     謎のつみれ(美味しい)を頬張りながら、侑二郎が呟いた。
    「ボクチャンはね、毎回味が違うんだ。きっと、てきとーなんだぜ♪」
     小学生のアンブレイカブルが侑二郎に微笑んだ。
    「なるほど。そうだ、君たちは普段、どんな遊びをしているのかな?」
    「えーと、シャドウボクシングとか?」
    「パンチングボールとか?」
    「バトロワスパーリングとか?」
     それ、全部トレーニングなのでは、と思いつつ、トレーニングがそのまま遊びなのだろうなと納得する侑二郎であった。
    「せっかくの機会だし、つまみ位おごるよ」
     蒼真の言葉に、「高いアイス♪」とか「高いチョコレート♪」とか言い出す子供達。
    「帰りにコンビニで奢ってあげるとイイヨ!」
     ボビーに言われ、蒼真は笑みを返した。
    「ん……美味しい」
     透流はカニを堪能しつつ、アンブレイカブル達の強さへの一途な思いに憧れにも似た感情を抱いていた。
    「私も、この町の道場に入ったら、もっと強くなれるのかな……」
     ぽつり呟いた透流に、ボビーと子供達が笑顔で言った。
    「「きっとなれるよ!」」

    ●聞き込み隊
     松庵と刀真は、町をぶらぶらしながら弁当屋、料亭、食堂などで住人やアンブレイカブルに色々と聞いてみた。
     他の道場やジムに所属する人の数、師範の名前、獄魔覇獄のルール、獄魔大将の役割、もし開催ごとにルールが変化するならば過去にどのようなルールがあったか、他勢力の獄魔大将、もしくは獄魔大将になると思われる人物、アンブレイカブル以外が獄魔覇獄に参加したり勝ち抜いたりするメリット、等々。
     しかし、有益な情報は得られなかった。
    「出会ったアンブレイカブルは皆短気な奴ばかりだったな……」
    「それは運が悪かったですね。人数調査のほうは、道場はあちこちにあるし、覗けばすぐに模擬戦が始まってしまうしで、さっぱり進みませんでした」
    「運か……ふむ……」
     確かに、その情報を知らない人に色々質問しても、相手を苛立たせるだけで何も得られない。その点は運が悪かった。ただ『質問する』以外の方法を模索する余地はあったかもしれない。知りたい情報を数多く列挙するよりも、一つの情報を得るための工夫に知恵を絞った方が、有益な情報を得られる確率は高まっただろう。
    「まあ、よい経験になった。さて、帰ろうか」
     松庵と刀真は、聞き込みの途中で買った焼き鳥を食べながら、武人の町を後にするのだった。

    作者:本山創助 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年11月27日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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