榎木津・貴一(絵のない絵本・d24487)は、こんな噂を耳にした。
『温泉に入ると襲われる』と……。
この温泉は以前から『出る』と噂があったらしく、客離れが深刻だったようである。
経営者達もこれには困っていたらしく、噂が事実でない事をお客に伝えつつ、割引チケットを配ったり、サービスデーを始めたりしていたようだ。
しかし、その頃から温泉に都市伝説が現れて、お客が襲われるようになったらしい。
これには経営者達も頭を抱え、お札を貼ったり、霊媒師を呼んだりして、問題の解決を図ろうとしたが、まったく効果がなくお手上げ状態。
今では廃墟同然の状態になっている。
そういった意味で、お客は大歓迎!
ここに潜んでいる都市伝説は、女湯に現れているが、そこに入ってくる相手であれば、男であっても関係なし!
むしろ、新しい味を知るため、興味津々で襲って来るかもしれない。
都市伝説は無数の触手を生やしたナイスガイで、来る者拒まず、去る者を襲うスペシャリスト。
迂闊に背中でも見せようものなら、アーッという間に襲われてしまうので、色々な意味で注意が必要である。
参加者 | |
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守安・結衣奈(叡智を求導せし紅巫・d01289) |
雪乃城・菖蒲(平々凡々な白・d11444) |
亜麻宮・花火(パンドラボックス・d12462) |
四季・彩華(魂鎮める王者の双風・d17634) |
榎木津・貴一(絵のない絵本・d24487) |
龍宮・白姫(白雪の龍葬姫・d26134) |
ディートリッヒ・オステンゴート(狂焔の戦場信仰・d26431) |
荒吹・千鳥(それは舞い踊る風のように・d29636) |
●貸し切り温泉
「また、しょうもない都市伝説が出たもんやなぁ……」
荒吹・千鳥(それは舞い踊る風のように・d29636)がしみじみとした表情を浮かべて、仲間達と共に都市伝説が確認された温泉にやってきた。
この温泉は以前から出るという噂があったらしく、客離れが深刻だったようである。
それに加えて都市伝説が現れたせいで、温泉には閑古鳥が鳴いていた。
「何というか……こう……、嫌な予感がいする」
四季・彩華(魂鎮める王者の双風・d17634)が、どこか遠くを見つめる。
一年ほど前に服を溶かすスライム(都市伝説)が街に現れた時、女性よりも執拗に狙われた事があった。
そういった事があったせいか、嫌な予感しかしなかった。
「……温泉に出てくる都市伝説って、なんでこう多いんでしょうかね……? ……しかも、女湯ばかり……ゆっくり出来やしない……」
龍宮・白姫(白雪の龍葬姫・d26134)が人払いも兼ねて、清掃中の札を扉にぶら下げる。
だからと言って男湯に出て欲しいわけではないのだが、あまりにも女湯に現れる確率が高いため、ウンザリしているようだ。
「……と言うか、なんで無駄にナイスガイ!? その上、触手を持っているって……!? 激しくツッコミたいよ」
守安・結衣奈(叡智を求導せし紅巫・d01289)が、殺界形成を発動させる。
それと同時に、従業員達が蜘蛛の子を散らすようにして、その場から離れていった。
「まあ、男である俺が女湯に入る訳にもいきませんから、男湯で待機しておきますね」
そう言ってディートリッヒ・オステンゴート(狂焔の戦場信仰・d26431)が、男湯に浸かろうとする。
「ひょええ、触手やだー、ぬめぬめしてて気持ちわるーい」
その時、亜麻宮・花火(パンドラボックス・d12462)が、女湯で悲鳴を上げた。
花火は都市伝説の触手に自由を奪われ、身動きが取れない状態になっている。
都市伝説が何時いかなる状況で現れたのか分からないが、一瞬のスキをついて後衛にいた花火を襲った事は間違いない。
「ロリ体型なのに年上とは……、これはなかなか」
榎木津・貴一(絵のない絵本・d24487)が、感心した様子で花火を眺めた。
花火は温泉に浸かる途中だったらしく、見えそうで見えない絶妙なライン。
しかも、不自然な湯気が邪魔をしているせいで、あたかも真っ白な水着を着ているような状態になっていた。
「まったく……、ふざけた都市伝説ですねぇ~。まぁ、棘に飛び掛かったら、どうなるか……、身をもって知ってもらいましょうか……」
雪乃城・菖蒲(平々凡々な白・d11444)が、都市伝説をジロリと睨む。
それに気づいた都市伝説が、菖蒲達に対して無数の触手を伸ばしてきた。
●危険な触手
「……一体、何が目的でこんな場所にいるのか分かりませんが……、そろそろ出て行ってもらいましょうか……」
白姫が都市伝説の触手を避けつつ、少しずつ間合いを取っていく。
「ぬわっはっはっはっ! 何をふざけた事を……! ここはワシのナワバリ。故に、ここではワシが王。とっても、偉い王様なのだっ! よって、出ていくのは、お前らァ! 身ぐるみ置いて出ていきやがれ! それが嫌なら、ワシの言いなりになれェ!」
都市伝説が高笑いを響かせ、次々と触手を伸ばす。
「……って、そんな無茶苦茶なっ!」
千鳥が温泉卵を抱えて、横に跳ぶ。
念のため、サウンドシャッターを使っておいたが、この時点で嫌な予感しかしていない。
場合によっては、温泉卵を如何わしい事に使われそうなので、要警戒モードである。
「ちょ、どこに入れて、あっ……だ、だめ……」
その間に、結衣奈が都市伝説の触手に襲われ、恐怖と共に大人の感覚を覚えていた。
それが原因で抵抗したくても抵抗する事が出来ず、為すがまま。
次第に芽生える未知の感覚に戸惑いつつ、体がそれを受け入れる準備を始めている。
「黒髪清楚系美少女の触手シーンを生で見られるとはね、うむ」
貴一は感動のあまり、目頭を熱くさせていた。
だが、都市伝説の触手が執拗に尻を狙うため、ジックリ観戦モードという訳にもいかないようだ。
「何といいますか……、お風呂に変態が鉄板なんですかね。……世論はどこにいきたいのやら……」
菖蒲が複雑な気持ちになりつつ、男性陣の後ろに下がっていく。
ここで前に出るのは、自殺行為。
出来る限り、男性陣の後ろに隠れて、被害を最小限に留めるのが、利口な判断。
万が一、男性陣が都市伝説の触手に襲われたとしても、それは必要な犠牲なのだから……。
「こう、女子が襲われてるところを間近に見られるのは役得だけど、自分がやられるのは勘弁……ひゃっ!?」
彩華が驚いた様子で大声をあげた。
ほんの一瞬の油断してしまったせいで、都市伝説の触手が尻を撫でる。
「ぬわっはっはっはっ! 油断したな! ワシはどちらでもイケるクチ。いや、むしろ、男の方が興奮するっ! 想像するだけでも、ムラムラだァ!」
その上、都市伝説の触手がトランクスの隙間から入り込み、自らの欲望を解放するかのように暴れまわった。
しかも、容姿のせいか、まるで少女が襲われているような危ない光景になっている。
「……ん!? ひゃぅ、あぁ……。や、やめろぉ……」
何とか必死に抵抗するものの、力が抜けて反撃する事が出来なかった。
「ぬわっはっはっはっ! いいぞ、いいぞ、いいぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
これには都市伝説も、大興奮!
鼻息を荒くさせて、欲望の赴くままに大暴走!
「いい加減にしないと……怒るよ?」
花火がこめかみを激しくピクつかせ、物凄い殺気を放って、鏖殺領域を展開する。
その間も花火の体を不自然な湯気が、ガッチリガード!
まるで大人の事情の如く、その場から離れない。
「うーむ、困りましたね。男である俺が女湯に入るわけにもいきませんし……」
そんな中、ディートリッヒは女湯の前で、中に入るべきか、ここで待つべきか、悩み続けていた。
●女湯
「戦闘の様子を知るためには必要な事ですよね」
ディートリッヒがライドキャリバーのファルケにカメラを設置する。
これも戦闘の様子を知るため。
まったく下心など……ないのである!
だが、都市伝説の触手はディートリッヒ達を巻き込む勢いで、ニュルニュルと奥から伸びてきた。
「……ファルケ!」
それに気づいたディートリッヒがファルケを盾代わりにして、後ろに飛び退く。
次の瞬間、都市伝説の触手がファルケに絡みつき、あっという間に女湯の中に引きずり込んだ。
「……たくっ! どうせなら、自分の触手で悶えとったら良えねん」
千鳥がムッとした表情を浮かべて、チェーンソー斬りを炸裂させる。
「そんなモン、とっくの昔に試したワイッ!」
途端に都市伝説が、逆ギレした。
おそらく、自分では満足する事が出来なかったのだろう。
心なしか、頬がほんのりと赤らんでいる。
「……とりあえず、倒してしまいましょうか。話を聞くだけ、時間の無駄です……」
白姫が仲間達に声をかけながら、都市伝説にマジックミサイルを放つ。
「ならば、お前達が泣いて謝るまで、俺のハスキーボイスを聞かせてやろうっ!」
都市伝説が全身の筋肉を隆起させ、自らの触手を極太サイズに太くさせた。
「さすがにそれは遠慮したいから……、そろそろこの世からご退場頂こうかな?」
結衣奈が仲間達と連携を取りながら、一気に間合いを詰めていく。
「……仕方なしですねぇ。縛りますから一斉攻撃やっちゃって下さい!」
菖蒲が都市伝説の死角に回り込み、除霊結界を展開する。
「ぐおっ! しまった!」
都市伝説が悔しそうに膝をつく。
「ふ、ふふふ……よくも辱めてくれたね……。僕を怒らしたらどうなるか……思いしれぇぇぇぇ!」
それと同時に彩華が都市伝説めがけて、全力の鬼神変を叩き込む。
都市伝説はイソギンチャクの如く触手を揺らめかせ、断末魔をあげて消滅した。
「ひどい目にあった……。人の噂……というか煩悩の恐ろしさを味わったよ……」
結衣奈が疲れた様子で座り込む。
「そんな時にはコレ。もみじ饅頭! 嫌な事なんて、あっという間に吹き飛ぶよ」
花火がニコッと笑って、仲間達にもみじ饅頭(ご当地アピール♪)を配っていく。
「それじゃ、お楽しみの温泉や♪ 汗も疲れもお湯に流してのんびりしてこうな」
千鳥がざぶんと温泉に浸かる。
温泉はちょうどいい湯加減で、一瞬にして体と心の疲れが吹き飛んだ。
「そうだね。だったら、遠慮なく」
それに釣られて貴一も、温泉にざぶん!
即座に気づかれ、女性陣から必殺の蹴りをお見舞いされた。
作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2014年11月21日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 1
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