楽器と銃器の演奏会

    作者:のらむ


    「いくぜ筋肉ダルマ、アタシの演奏を聞きな!!」
     ギターを背負ったその金髪の女は、目の前の男のが放った手刀の振り下ろしを軽快な動作でヒョイと後ろに跳び、避けた。
     そして左腕に巨大な機関銃を装着し、もの凄い勢いで撃ちまくる。
    「ロックンロール!!」
     ズガガガガガガガガガ!!
     鉛の弾が男の身体に突き刺さり、男は身体を抑えながら後ろへ下がる。
    「おのれ……!! 飛び道具とは、卑怯な!!」
     男が忌々しげにそう呟き、目の前の女を睨みつける。
     その女の名前はジェシカ。かつて灼滅者達と一戦交えたこともあるアンブレイカブルだ。
    「強さを求めた結果だぜファック!! 拳のみで戦う事に固執して、それ以上の力を求めようとしねえなら、死ぬまでアタシには勝てねえぜ!!」
     ジェシカは背中に担いだ真っ赤なギターを手に取り、男に急接近する。
    「オラララララララララァ!!」
     オーラを纏わせたギターを激しく振りまくり、男の身体を何度も殴り、男の脳天にギターを振り下ろした。
    「それでもって…………コイツで終わりだぜ!! ロック!!」
     ジェシカがギターを構え、弦を一度鳴らす。そこから放たれた音波が衝撃波となって、男の身体を強く打ち付け、膝をつかせた。
    「くっ……参った。俺の負けだ……手合わせ、感謝する」
     男はフラフラと立ち上がり一礼すると、どこかへと去っていった。
    「ふー……良い運動になったぜ。バトってくれてサンキューなー!!」
     立ち去る男の背に手を振りながらそう叫び、ジェシカは武器をしまう。
    「それにしても、ここは本当にロックな町だぜ……ハンバーガー食ってコーラでも飲んだら、また誰かとバトるか……」
     ジェシカはボリボリと頭を掻きながらそう言って、ハンバーガーショップを探し始めるのだった。
     

    「えー、先日の『武人の町』調査の結果、この町に潜入した灼滅者さん達がケツァールマスクから、『稽古ならこの町に自由に出入りしていいよ』というお墨付きを貰ってきたそうです。だから、本当に行っちゃいましょう」
     神埼・ウィラ(インドア派エクスブレイン・dn0206)はそう言って、赤いファイルを開き、説明を始める。
    「今回は模擬戦という形になります。戦う相手は、ジェシカという名のアンブレイカブル。過去に皆さんとの交戦経験もあります」
     前回接触した際には、自分と戦える相手が見つからずにかなりやさぐれていたが、今は対戦相手が色んな所にいる武人の町を見つけ、楽しくバトりながら自分の力を高めているようだ。
    「まあ稽古に来たとジェシカにいえば、まず間違いなく戦えるでしょう。そしてその模擬戦の後、アンブレイカブルと交流したり、町中で情報を集めることが出来るかもしれません」
     ただ、シン・ライリーは今この町にいないようなので、接触は不可能だ。
    「まあジェシカ自体は武人の町にやって来たばかりなんで、まだこの町について詳しくはありません。ですが友好的な関係を築くことが出来ればアンブレイカブルと、獄魔覇獄である程度の共闘も可能になるかもしれません……というわけで、お気をつけて。ジェシカは皆さんを殺しはしませんが、滅茶苦茶強いですよ」


    参加者
    ルーパス・ヒラリエス(狼の口・d02159)
    ツェツィーリア・マカロワ(銀狼弾雨のアークティカ・d03888)
    水瀬・ゆま(箱庭の空の果て・d09774)
    天瀬・麒麟(中学生サウンドソルジャー・d14035)
    片倉・純也(ソウク・d16862)
    アデーレ・クライバー(地下の住人・d16871)
    卦山・達郎(一匹龍は二度甦る・d19114)
    ハチミツ・ディケンズ(無双の劔・d21331)

    ■リプレイ


    「お前らとのバトルは久しぶりだなぁ、灼滅者!! 殺さない程度に殺す気で行くから、覚悟しろよ!!」
     目の前に現れ、対戦を申し込んできた灼滅者達。ジェシカはその申し出に嬉しそうに笑い、即承諾したのだった。
     ジェシカの左腕にガトリングガンが装着され、ジェシカの身体からは熱いオーラが溢れだす。
     本能的に目の前の相手の強さを理解した灼滅者達だが、物怖じする者はいない。
    「さあ……来い!!」
     ジェシカが灼滅者達にそう投げかけた瞬間、ツェツィーリア・マカロワ(銀狼弾雨のアークティカ・d03888)がジェシカに向かって飛び出した。
    「だったらまずは俺から行くぜ! ジェシカ!」
     ツェツィーリアが巨大なバベルブレイカーを構え、その機体を駆動。機械音とともに吐き出されたジェット噴射で、一気にジェシカまで接近する。
     放たれた杭がジェシカの身体を穿き、その衝撃で周囲の空気が一瞬、揺れた。
    「ハハハハ……いいぜ、バトル開始の合図としては、中々だ!!」
     血塗れの杭を左手で無理矢理引き抜き、お返しとばかりにジェシカがツェツィーリアの腹目掛け、短くて鋭いフックを1発、放った。
    「ウグゥッ…………ゲホッ!!」
     その一撃にツェツィーリアの身体は大きく弾き飛ばされ、地面を転がった。
     そして内蔵を全部グチャグチャに掻き混ぜられたような激しい痛みを覚えながらも、血を吐きながら気合で立ち上がった。
    「ゲホッ…………まだまだ。俺はそう簡単に倒れないぜ!!」
     そう言ってニィッと笑うツェツィーリア。
     そして不意にガトリングガンの銃口を向け、銃弾を放った。
    「どうした、俺の銃撃くらい簡単に避けてみろよ!!」
    「大した根性だぜ……!!」
     ジェシカは銃弾を身に受けながら満足そうに笑うと、ギターを構えて灼滅者達に突っ込んだ。
    「あ、そういえばきりんって言ったなお前。買ったほうが飯奢るって約束、絶対忘れんなよ!!」
    「……うん、分かってるよ」
     ジェシカの言葉に天瀬・麒麟(中学生サウンドソルジャー・d14035)は頷くと、自分に近づいてくるジェシカに向けて、歌を紡いだ。
    「きりんの歌を聞いて……それできりんに操られてね」
    「あーあー、聞こえねえ! 何も聞こえて無えぞアタシは!!」
     きりんの歌を気合で回避したジェシカは、ギターに自身の闘気で作り上げた雷を纏わせ、麒麟に向けて振り下ろした。
    「…………ッ!!」
     激しい衝撃と電撃が同時に身体に伝わり、麒麟は苦しげに地面に膝を付く。
    「行くぜ、もういちげ……あ、避けられた」
     ジェシカが再びギターを振り下ろしたが、麒麟は咄嗟に後ろに跳んでこれを回避。
    「きりんも、タダじゃやられないよ…………!」
     そう呟きながら麒麟が放った矢が、ジェシカの左肩を貫いた。
     そして続けざまに、片倉・純也(ソウク・d16862)が攻撃を仕掛ける。
    「模擬戦とはいえ全力で向かってくるというならば、こちらも全力で相手するのが礼儀だな」
     純也はジェシカの背後に回りこみ、鋭い上段蹴りを放つ。
    「……っと、やってくれるな!!」
     純也の攻撃に気づき、咄嗟に振り返ったジェシカも上段蹴りを放った。
     純也の蹴りがジェシカの肩を抉ったが、ジェシカの蹴りも純也の胸を打った。しかし純也は攻撃の手を緩めることなく、槍を構えてジェシカに向けて突き出した。
    「ハハハ……中々のもんだが、そんなに近づいて大丈夫か?」
     身体を貫かれながら、ジェシカが純也にガトリングガンの銃口を向ける。
    「それなりの覚悟は出来ている」
    「そりゃいいぜ……ロック!!」
     そして至近距離から放たれた鋭いストレートを受け、純也はそのまま気を失った。
    「本当に強いな……だが、ここで退く訳にはいかねえぜ!!」
     卦山・達郎(一匹龍は二度甦る・d19114)はそう言って気合を入れ直す。そして赤きオーラを発すると、全身に纏わせた。
    『三牙ノ顎』を構え、達郎はジェシカと対峙する。気迫を込めた眼差しで、達郎はジェシカに目を向けた。
    「いい気迫だ…………行くぜ!! ロック!!」
     ジェシカが赤いギターの弦を弾く。するとそこから放たれた音波が膨大な衝撃波の塊となり、達郎の身体に直撃した。
    「グ…………ウオオオオオ!!」
     気を失いそうになる程の強烈な音波を受けた達郎だが、確実に持ちこたえて反撃に出る。
    「行くぜジェシカ!! 今度は俺の番だ!!」
     達郎が『三牙ノ顎』を振りかぶり、ジェシカに向けて突き出した。
    「喰らいつけ!!」
     そして放たれた3つの杭が、ジェシカの腹に喰らいつくように突き刺さった。
    「カッケー武器使いやがって……よ!!」
     腹を抑えながらジェシカが拳を放ち、達郎の身体を弾き飛ばした。
    「俺の家系の武術も代々、道具を想定した技を追求してるからな。お前の拳のみに囚われない戦い方は好きだぜ!」
    「拳にも囚われず武器にも囚われずって奴だな、いい心がけだぜ」
     そう言って笑いながら自身の傷を癒すジェシカに、ハチミツ・ディケンズ(無双の劔・d21331)が接近する。
     模擬戦の前は『ジェシカお姉様。わたくしたちとお手合わせして頂けますか?』と言って微笑む位はやってのけたハチミツだが、戦闘が始まった途端人が変わったように好戦的になった。
    「行くぜぇジェシカの姉御!! せいぜい歯ァ食いしばってな!!」
     ハチミツは両拳にオーラを収束させると、ジェシカの顎先に思い切り拳を叩きつけた。
    「おう……クラっときたぜ…………アタシの演奏を聞きな!!」
     ジェシカが放った音波がハチミツの脳を揺らしたが、ハチミツは怯む様子もなくジェシカに攻撃を続ける。
    「ジェシカの姉御、楽しいか……? あたしは……楽しいぞ!」
     ハチミツが跳び上がり、炎を纏わせた足でジェシカにかかと落としを放った。
     だがジェシカはその一撃をギターで受け止めると、左腕のガトリングガンの銃口をハチミツに向けた。
    「ああ、楽しいぜ……おかげさまでな!!」
     そして放たれた無数の弾丸がハチミツの全身に突き刺さり、ハチミツはそのまま倒れてしまった。
    「ロック!! 次はどいつ…………うおっ!!」
     ズガガガガガガガガ!!
     更に攻撃を仕掛けようとしたジェシカに、アデーレ・クライバー(地下の住人・d16871)がガトリングガンで撃ちまくり、ジェシカの身体に風穴を空けた。
    「……とにかく、私は全力でぶつかっていくのみよ!!」
     アデーレは左半身の痣に沿わせ、寄生体を発現させた。
     その寄生体に武器を取り込ませたアデーレは、左腕に巨大な鷹の爪状の刃を形成する。
    「おう、イカした爪だな」
    「それはどうも」
     アデーレは右腕の杖に魔力を集め、振るうと、杖の先から魔の弾丸が何発も放たれ、ジェシカに向かう。
    「ん~……ロック!!」
     ギターで放った音波で、全ての弾丸を弾き落としたジェシカ。その隙に、アデーレが懐まで潜り込んだ。
    「これは……痛いわよ!!」
     アデーレが爪を形成した左腕で、殴るようにジェシカの腹を打ち、鋭い爪がジェシカの腹を抉り取った。
    「グゥ…………ロックだなお前!! 今のは効いたぜ!!」
     アデーレを賞賛したジェシカが、オーラを纏わせたギターでアデーレに反撃の1発をくらわせた。
     骨が砕ける音を周囲に響かせながら、アデーレは地面に叩きつけられた。まだ意識はあるが、相当のダメージを負っていた。
    「すぐに回復します!」
     そう言った水瀬・ゆま(箱庭の空の果て・d09774)が歌を紡ぐと、アデーレの身体の傷が癒されていく。
    「オーケー。次はお前だな…………いくぜ!! アタシの演奏を聴きな!!」
     ジェシカが真っ赤なギターを構え、ゆまに向けて曲を弾く。
     その音波はゆまの身体を傷つけるものではなかったが、ゆまは脳を激しく、直接揺さぶられているような感覚を覚えた。
    「初めて直接聴いたけど……あなたの音は本当に強い。ともすれば粗野にも思えるそれは、聞けば野性味のある、生命の咆哮のよう」
     ゆまが心からの賛辞を送ると、ジェシカはポリポリと頭を掻いた。
    「おう、照れるな。アリガトウ…………じゃねえや。アタシの演奏は、これだけじゃねえぜ!」
     ジェシカは左腕のガトリングガンをゆまに向け、ニヤリと笑った。
     ズガガガガガガガ!!
     今日何度響いたか分からない轟音とともに、何百発もの銃弾が撃ち放たれた。
    「っと、危なかった…………ジェシカさん、今度は私の歌を聴いて下さい」」
     スレスレの所で銃弾を避けたゆまが、今度はジェシカに対して歌を紡いだ。
    「イタタ、イタタタタタタ……!! あー、あっぶね、自分撃つところだった。ナイスロック!!」
     頭をブンブン振りながら、ゆまにサムズアップしたジェシカ。
     そしてギターを構えると、灼滅者達を見回すと、まだ攻撃していないルーパス・ヒラリエス(狼の口・d02159)に狙いを定めた。
    「そんでお次はテメェだぜ!!」
    「あら、ご指名かしら」
     砂塵の様な闘気を纏ったルーパスが、ニヤリと笑ってジェシカと対峙する。
     ジェシカは赤いギターを背中に担ぎなおすと、ルーパスに習って改めて全身から闘気を発した。
    「…………行くわよ!!」
     まず動いたのはルーパス。闘気を両拳に集束させると、ジェシカに向かって急接近した。
     ルーパスが放つ無数の拳に、ジェシカも同じく拳で応えた。
     正確にジェシカの急所目掛けて何百発も殴り続けるルーパスだが、ジェシカもまた正確に拳を放ち、互いに相手の打撃の威力を相殺し続けてていた。
    「アッハハハハハハハ!!」
     不意にルーパスが姿勢を低くすると、地面に拳を押し当てた。
     するとルーパスを中心に巨大な炎柱が立ち上り、ジェシカの身体を丸ごと燃やした。
    「ロック!! イカした攻撃するじゃねえか!!」
     ジェシカは全身を炎に包まれながら笑う。そして屈んだルーパスの顎先を思い切り蹴り飛ばして仰向けにさせると、ルーパスに組みかかった。
    「グッ……!! いい蹴りね……でも、ちょっと近づきすぎよ、貴方」
    「あ?」
     口の端から血を流しながら、ルーパスが笑う。
     そしてガトリングガンの銃口をジェシカの身体に押し当てると、ゼロ距離からガトリングガンを連射し、ジェシカの身体に大きな穴を空けた。
    「ゲボッ…………!! てめえこそロックな真似しやがって……これで沈めるぜ!! ロック!!」
     口から大量の血を吐きながら、ジェシカもまた笑う。
     そしてルーパスの身体を地面に押さえつけたまま拳を大きく振り上げ、ルーパスの顔面を思い切り殴りつけた。
     地面が大きくひび割る程の衝撃を一点で受け止め、ルーパスはそのまま気を失ってしまった。
    「さあ、これで全員殴ったな……このまま残りの奴らも全員片付けてやるぜ!!」
     ジェシカが吼え、まだ立っている灼滅者達に襲いかかる。
     そして戦いは、全ての灼滅者が倒れるまで続いた。


    「まったく痛いわね……顔面2度も殴ることないじゃないの」
    「お前こそ人の腹を空洞にしたり丸焼きにしたりしてたじゃねえか」
     ジェシカとルーパスがそう会話しながら、ガツガツハンバーガーを食いまくっていた。
     模擬戦が終わり、気絶させられていた灼滅者達は、気が付くとハンバーガーショップの前にいた。気絶していた灼滅者達はジェシカが全員担ぎあげてきたらしい。
     そんな訳で灼滅者達は、ジェシカと一緒にハンバーガーショップで食事をしていたのだった。
    「とても楽しい試合でしたわね」
     と言って微笑みながら、静かにハンバーガーを頬張るハチミツ。
    「ああ、そうだな! お前の豹変っぷりも中々のもんだったけどな」
     といってコーラをズズーッと飲むジェシカ。
    「……勝負の後のご飯はおいしい?」
     麒麟がそう問いかけると、ジェシカは21個めのハンバーガーに手を伸ばしながら、
    「ああ、超美味えな最高だぜ!! あ、アタシの分はお前が払えよな!!」
     と答えたのだった。
     ハンバーガーショップでの食事を終え、ジェシカと灼滅者達はブラブラと街を散策していた。
    「そういえばジェシカ、お前バトる以外の趣味は何かないのか?」
     町に立ち並ぶ店を横目で眺めながら、ツェツィーリアがそう問いかけた。
    「ん? あー、そうだな……強いていうなら演奏かな。衝撃波放たない方の」
     ジェシカはバンバンと背中のギターを叩いてそう答えた。
    「いいですね。私もいつかジェシカさんのギターで、歌を歌ってみたい……です」
     ゆまがそう言うと、
    「そいつも中々いいかもな。基本アタシは1人で曲弾いてるしな…………いつか、また会う機会があったらな」
     と言ってジェシカは笑うのだった。
     談笑の最中、灼滅者達が少しだけ質問を投げかけた。
    「そういえばジェシカ、最近何か変わったことはないか?」
     達郎がそう問いかけたが、ジェシカは首を捻る。
    「変わったも何も、アタシはこの町に来たばかりだからな…………まあ、超刺激的でロックな町だとは思うぜ」
     ジェシカはそう言って歩みを進める。
    「だったら、この町にアンブレがよく集まる場所とか、アンブレ間に何かルールがあったりはしないかしら?」
    「道場なら一杯いるんじゃね? ルールは、良く分かんねえな。シンとか言う奴がアタシらの大将だってことくらいしか知らねえな」
     一通り町を廻った一行は、町の入口まできていた。
     ケツァールマスクを探していた純也もここに合流した。
     残念ながら、今回はケツァールマスクを見つけることが出来なかったようだ。
    「それじゃあな、灼滅者!! 今日は本当に楽しかったぜ!! じゃあな!!」
     といって立ち去ろうとするジェシカを、麒麟が呼び止めた。
    「……これ、きりんの連絡先。もし何かあったら」
     麒麟が連絡先を書いたメモをジェシカに私、同じことを考えていたアデーレも、同じくメモを渡した。
    「……いつかは一人であなたにも勝てるようになりたい」
     麒麟がジェシカにそう投げかけた。
    「灼滅者が、1人でアタシをか……もし灼滅者がそんなに強くなったら、これまで以上に刺激的な日々を送れるようになりそうだな! 期待して待ってるぜ!!」
     ジェシカはそう言って手を振り、今度こそ灼滅者の元から去っていった。
    「行こう。目的は達した」
     純也が仲間たちにそう呼びかけ、灼滅者達は学園に帰還した。
     強力な敵を相手取ったが、灼滅者達は無事に模擬戦を終えることが出来た。
     情報はあまり得られなかったが、アンブレイカブルにいい印象を持たせるという目的を果たせることは出来た。
     いつか起こるであろう激戦に備え、今は戦いの傷を癒すとしよう。

    作者:のらむ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年11月26日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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