貴様の実力はその程度かああああ!!!!

     リーグレット・ブランディーバ(ノーブルスカーレット・d07050)は、こんな噂を耳にした。
     『耐えて耐えて耐え続ける、技の練習に最適ドM都市伝説が存在する』と……。
     この都市伝説は筋骨隆々で強そうな相手を見つけると、わざと挑発的な言葉を吐いて殴られようとするようである。
     大抵の場合は逆上した相手に殴られ、血まみれになるのだが、それでも都市伝説はヘヴン状態。
     恍惚とした表情を浮かべて、『お前の実力はこんなモンじゃないだろ!? さあ、来いっ! もっと激しいのをお見舞いしやがれ!』と叫び、ハアハアと息を荒くさせながら、襲い掛かってくるようである。
     そのため、攻撃を仕掛けた方がブルッてしまい、殴っている途中で逃げてしまうらしい。
     それが原因で都市伝説は悶々としており、誰かに殴られたくてウズウズしているようである。
     そういった意味で、都市伝説は強敵。
     どんなに攻撃されてもハアハアとしてしまうため、その事も踏まえた上で都市伝説を倒す事が今回の目的である。


    参加者
    佐藤・志織(大学生魔法使い・d03621)
    リーグレット・ブランディーバ(ノーブルスカーレット・d07050)
    汐崎・和泉(碧嵐・d09685)
    王・苺龍(点心爛漫中華娘・d13356)
    火土金水・明(総ての絵師様に感謝します・d16095)
    六条・深々見(螺旋意識・d21623)
    凪野・悠夜(朧の住人・d29283)
    南国・淳士(バーニングハート・d31384)

    ■リプレイ

    ●Mの波動
    「……都市伝説がいるのは、この辺り……だろうカ。筋骨隆々なヒトをみると出てくるらしいケド、今回そう言う人いないし……。でっかい武器を持ってたら、ふらふら出てきてくれないかなー!?」
     王・苺龍(点心爛漫中華娘・d13356)は身の丈程もある龍砕斧を構え、仲間達と共に都市伝説が確認された場所に向かっていた。
     都市伝説は筋骨隆々な相手を見つけると問答無用で迫ってくるのだが、この場に該当する人物がいないため、何か別の方法を考えておく必要がありそうだ。
    「都市伝説、それも殴られるほど悦ぶM男……。……もう鳥肌モノだね、ゾワゾワが止まんないよ」
     凪野・悠夜(朧の住人・d29283)が、ぶるりと身体を震わせる。
     想像するだけでも、おぞましい。
     おそらく、何の事情も知らずに見た場合は、回れ右をして『自分は何も見ていない』と言い聞かせている事だろう。
    「どえむが天下の往来で、もんもんとしているので、私達でヘブン状態にしてあげようという依頼ですね! 佐藤、わかりました! えっへん。一体、何がどうなったら、こんな都市伝説が生まれるのか……。噂の元の人がどえむなのか、逆にどえすなのか、地味に気になりますね。ガチなアッーの国の人だと、どえむのほうが人口も多いそうですが……」
     佐藤・志織(大学生魔法使い・d03621)が、悶々と妄想を膨らませる。
     これはもう間違いなくアノ展開……。
     薄い本が、ぶ厚くなるような展開、間違いなしである!
    「ふむふむ、技の練習台かー……。自分で試すのもいいけど、他の人が練習してるとこ見るのも楽しそうだよね! この都市伝説どんな攻撃が好みなのかなー? しばらく観察してみよっと!」
     六条・深々見(螺旋意識・d21623)が、事前に配られた資料に目を通す。
     今のところ、都市伝説が確実に現れるという保証はないが、『殴り甲斐のある相手が、この辺りをウロついている』と言う噂があるため、場合によっては一般人に絡まれている可能性が高そうである。
    「まったくもってドMとやらの気持ちがわからんな。痛みを受けて快感を覚えるなど、ただの異常者ではないか。そうは思わんか? なぁ、イズミ」
     リーグレット・ブランディーバ(ノーブルスカーレット・d07050)が、呆れた様子で口を開く。
    「なんつーかこう、リグにぴったりの都市伝説だよな。……リグにとっては良いサンドバッグに……」
     汐崎・和泉(碧嵐・d09685)が軽く冗談を言って、リーグレットに蹴りを入れられた。
    「……って、痛い、痛い! ブーツで蹴られると痛い! そして、足の小指をヒールで踏まないで!!」
     和泉が青ざめた表情を浮かべる。
     だが、リーグレットは容赦なし。
     さらなる追い打ちをかけるようにして、和泉に蹴りを入れている。
    「……イズミクン、何か言ったか? 戦闘中の無駄なお喋りはやめたまえよ。ほら、ほら」
     リーグレットが凍るように冷たい視線で和泉を睨む。
    「すみません。オレが悪かったから!!」
     こうなると、和泉は何も言えない、逆らえない。
    「……とは言え、本当に色々な都市伝説が出現しますね。どこかで、都市伝説のテーマパークとか開園しそうなほどに……」
     火土金水・明(総ての絵師様に感謝します・d16095)が、乾いた笑いを響かせる。
     本来ならば、和泉を助けに向かうべきなのかも知れないが、リーグレットの全身から漂う殺気に圧倒されて、視線を向ける事さえ出来なかった。
    「どちらにしても、これが俺の初依頼。……気合を入れていくぜ!!」
     南国・淳士(バーニングハート・d31384)がテンションMAXで、自分自身に気合を入れる。
     それから、しばらくした後……。
     淳士達はビキニパンツ一丁で不良達に絡まれ、ボコられ続ける都市伝説を発見した。

    ●Mの領域
    「あいやー、これは何やら凄い事に……」
     それを目の当たりにした苺龍が、驚いた様子で声を上げる。
     都市伝説は不良達に囲まれ、殴る蹴るの暴行を受けており、恍惚とした表情を浮かべて身悶えしていた。
    「おおっ、色んな妄想が捗りますね!」
     志織がティッシュ箱を抱えて、興奮気味に鼻血を拭く。
     脳裏に浮かぶのは、咲き乱れる薔薇と、漢達の激しい絡み。
     それを思い浮かべるだけで涎が……。
     そして、鼻血が止まらないっ!
     こうなるとティッシュ一箱では足りず、ある意味ピンチ。
     最悪の場合は『いま着ている服を無駄にしてでも、この光景を心に焼き付けておこう』と心に誓う。
    「……と言うか、助けた方がいいんですかね、この状況は……」
     明が複雑な気持ちになりつつ、都市伝説に視線を送る。
     ある意味、子供達にいじめられている亀を助ける浦島太郎の心境。
     だが、例え助けたところで、都市伝説が竜宮城に連れて行ってくれる事はないだろう。
    「助ける必要など微塵もありません。既に良心と道徳はさよならしました」
     深々見がキッパリと言い放つ。
     それに相手が都市伝説であるのだから、助ける必要などないだろう。
    「まあ、殴られたがってんなら、殴ってやりゃ良いんじゃねーかな? お互いにwinwinになるわけだし……」
     淳士がさらりと答えを返す。
     ある意味、この状況は都市伝説自身が望んだ事。
     下手に都市伝説を助ければ、逆に恨まれてしまう事だろう。
    「まぁ、そうまで攻撃して欲しいというのであれば、私とてやぶさかではない。実験台も居る事だし、思う存分激しいのをお見舞いしてやる」
     リーグレットが一緒になって、都市伝説をボコっていく。
     しかも、手加減なしに、ボッコボコ!
    「ぬ、ぬおっ、これは……」
     その一撃を食らった都市伝説が身悶えた。
     まわりにいた不良達も『姉さん、パネェ!』と叫んで、尊敬の眼差しを送っている。
    「うわー、リグがめっちゃ楽しそうにしてる……」
     和泉が思いっきりドン引きした。
     霊犬のハルもガタブル状態。
     それを目の当たりにした不良達が、『このままだと俺達も調教さるぞ!』と叫び、蜘蛛の子を散らすようにして逃げていく。
    「さすがにヤバそうな声を漏らすわけにはいかないかな」
     その途端、悠夜が色々と察した様子で、サウンドシャッターを使う。
    「まだだ! まだまだァ!」
     それでも、都市伝説は納得のいかない様子で、自らの肉体を差し出すのであった。

    ●Mの境地
    「おい、こら、どうした! 貴様らの本気はこの程度か! もっと強く! もっと激しく! 俺を天国に連れていけぇ!」
     都市伝説は傷ついた肉体を曝け出し、自らの敏感な部分を大胆アピール。
     ここが弱点だと言わんばかりに、挑発的なポーズを決めていた。
    「相手が相手ですから、近くから攻撃はしたくないですね……」
     明が気まずい様子で視線を逸らす。
    「それなら、遠慮なく……」
     次の瞬間、深々見が殺界形成を使う。
     これで一般人達が近寄る事もない。
     後は思う存分、フルボッコ!
     万が一、途中で都市伝説の考えが変わったとしても、誰かが助けに来る事はないだろう。
    「おいおい、それで本当に本気を出しているのか? こんなんじゃ、俺のハートには届かねえぞ。そろそろ、俺に見せてくれよっ! お前達の本気ってヤツを、な!」
     都市伝説が挑発気味に、全身の筋肉を隆起させる。
     その拍子に傷口から大量の血が噴き出したものの、都市伝説にとっては御褒美だったらしく、腰砕けになりながら『お、おおうっ!』と声をあげていた。
    「後で後悔しても、知らないアルからねー!」
     すぐさま、苺龍が都市伝説めがけて抗雷撃を仕掛ける。
    「ぐっ、ぬおおおおっ! はああああん!」
     都市伝説が『こんなの初めて!』と言わんばかりに身悶えた。
     それを目の当たりにしたせいか、苺龍は戦意喪失。
     何やらイケナイ扉を開いてしまったような気持ちになりつつ、自らの拳をマジマジと眺めている。
    「とにかく、殴る! ただ……それだけだ!」
     淳士が一気に間合いを詰め、都市伝説を殴って、殴って、殴りまくった!
     そして、何となく戦艦斬り。
    「そうだっ! それでイイッ! あまりにも良過ぎで、頭の中がフットーしそうだ!」
     都市伝説が体を仰け反らせてウットリとする。
    「……ッて、そんな喘がないでくれ気持ちよさそうにしないでくれ! なんかこう、こう!」
     和泉が複雑な気持ちになりつつ、レーヴァテインを仕掛けた。
     それでも、都市伝説は恍惚とした表情を浮かべ、天国の向こう側にイッたような幸せな表情を浮かべていた。
    「殴られても、殴られても、立ち上がるって言葉にすればカッコイイはずなのに……。目つきというか何というか、もう全身から漂ってるHENTAIオーラで色々全部台無しですっ! でも私、嫌いじゃないですよ」
     志織がスケッチブックを広げつつ、高速で妄想を描いていく。
     だが、都市伝説の身体は既に限界に達しており、気力で辛うじて立っているような状態であった。
    「おい、どうした? おい、弱ってんじゃないか? もっと激しいのが欲しいんだろ?立ち上がってこいよ」
     そして、リーグレットが放った一撃がトドメとなり、都市伝説は『はあああああああああああん』と声をあげて消滅した。
    「……うぅっ、ダメだ。鳥肌が止まんない」
     悠夜が青ざめた表情を浮かべて口元を押さえる。
     目を閉じれば浮かぶ、都市伝説の艶姿。
     現在、サービス期間中なのか、脳内で増量キャンペーンを行っており、恍惚として表情を浮かべて、過激なダンスを踊っていた。
    「この都市伝説の顔がトラウマにならないと良いのですが……」
     そんな中、明がしみじみとした表情を浮かべる。
     だが、その願いとは裏腹に、明達の脳裏には都市伝説の姿が焼き付いて消えなかった。

    作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年12月2日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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