背番号六二六、三たび

    作者:るう

    ●深夜のグラウンド
    「殺人野球一本だった俺が、灼滅者ごときに負けるとは……」
     赤いユニフォームの高校球児は、おぼろげに宙に浮かんでいた。
     触れられぬはずの体。その肩を、一人の少女の幻影が撫でた。
    「あなたは、打ち込むべき以外の事に気を取られすぎたのです。望むなら、あなたをそのような必要のない場所にお連れしましょう」
     少女の誘いに、元・序列六二六位『Mr.殺人ピッチャー』は失われた右腕の先を見せて言う。
    「奴らにこの手さえ切られなければ、喜んでそうしただろうな」
    「もちろん、その手も治しましょう」
     そして少女は虚空に呼び掛けた。
    「プレスター・ジョン、聞こえますか? この哀れな球児を、あなたの国に匿ってあげて」

    ●武蔵坂学園、教室
    「対デスギガスでは共闘するんですから、残留思念を復活させるのは止めて欲しいんですけどね!」
     左藤・大郎(撫子咲き誇る豊穣の地・d25302)が憤慨するのも無理はない。彼は、以前ようやく倒した六六六人衆『Mr.殺人ピッチャー』の残留思念が、シャドウ『慈愛のコルネリウス』の幻影より力を与えられ、どこかへ送られようとしている予兆を感じたからだ。
     野々宮・迷宵(中学生エクスブレイン・dn0203)がこう補足する。
    「知っている人も多いでしょうけれど、コルネリウスは灼滅されたダークネスの残留思念に力を与えて、どこかに送ろうとしています。残留思念を集めて八犬士のスペアを作ろうとしていたスキュラ然り、高位のダークネスであれば、本来は力なんてないはずの残留思念に力を与えることもできるのかもしれないです」
     それが後々どのような結果を引き起こすかはわからない。殺人ピッチャーを再び灼滅し、後顧の憂いを断つのが今回の灼滅者たちの任務だ。

    「コルネリウスが現れるのは深夜ですね。場所は、この前の運動公園のようでしたよ」
     大郎の見た予兆によれば、周囲に被害は及びそうにない。そもそも敵は逃げも隠れもせず、ただ灼滅者たちとの再戦のためだけに挑んでくるのだ。敵はコルネリウスの力により生前と変わらぬ力を取り戻しているとはいえ、守るべき一般人がいないのでかなり楽な戦いとなるだろう。
    「今度も確実に仕留めたいですね……そういえば、眷族の人皮ボールは出るのですか?」
    「三体です。いかにコルネリウスといえども、眷属を大量に再現させたりはしないみたいですね」
    「なら、恐れる必要はないでしょう」
     力強い大郎の頷きに、迷宵もまた頷いた。
    「今度こそ、本当に殺人ピッチャーの事件を終わらせましょう!」


    参加者
    乃木・聖太(影を継ぐ者・d10870)
    深束・葵(ミスメイデン・d11424)
    氷室・侑紀(ファシキュリン・d23485)
    巫丞・蒼乃(豪華絢爛舞踏全夜・d24314)
    水無月・詩乃(天下夢想・d25132)
    左藤・大郎(撫子咲き誇る豊穣の地・d25302)
    鷹野・瑠理香(木漏れ日の祈り・d26417)
    牧原・みんと(象牙の塔の戒律眼鏡・d31313)

    ■リプレイ

    ●背番号六二六の敗者復活戦
     辺りには、どんよりと暗い雲が立ち込めていた。
     西の空に浮かんでいるはずの月は分厚い雲の向こうに隠れ、無機的な人工の明かりだけが夜の公園を照らしている。
     その中に、おぼろげな姿のものが二つ。
     宙に浮かぶ二人の幻影のうち、一方の少女からもう一方の赤い高校球児へと、光の奔流が流れ込んだ。光は、球児の最期の戦いで斬り飛ばされた手首に縒り集まり、生前と変わらぬしなやかな指の先端に至るまでを速やかに再生する。
     ボールを握る指先の感覚を確かめる『Mr.殺人ピッチャー』を、導くように招く『慈愛のコルネリウス』……だがその時、殺人ピッチャーはふと足を止めた。
    「待ってくれ。もう一度だけ死合をせねばならない相手が来たようだ」
     復讐心を宿した鋭い視線が、氷室・侑紀(ファシキュリン・d23485)ら灼滅者に向けられる。けれど、侑紀の冷淡に整った瞳には、何の感慨も浮かばなかった。
    「一度死んだ者が蘇るなんて事は、あってはいけないだろう。スポーツで言うのなら、それがルールってものじゃないのかね」
     侑紀が静かに眼鏡をかけ直せば、球児は黙ってコルネリウスへとグラブを向ける。その求めに応じるように、少女の幻影はさらなる光を放って消えた。代わりにグラブの中に現れたのは、幾つかのボールだ。
    「あっ……待って下さい!」
     コルネリウスにデスギガスの事を尋ねようとした水無月・詩乃(天下夢想・d25132)の声に、手元の懐中時計を見つめて精神を落ち着けていた左藤・大郎(撫子咲き誇る豊穣の地・d25302)は顔を上げた。
     彼が思い起こしていた事は、前の戦い。そして、復讐に燃え、困難ではないとしても厄介になるであろう敵への不安。
     けれど、詩乃の声を聞くと、それらを全て一つの感情がを覆い隠した。
     必ず……大切でいとおしい、彼女を護る。
     大郎の視線の先の詩乃は、和傘を真っ直ぐに殺人ピッチャーへと向けた。大和撫子とは、武も修めてこそ。そう信じ、『雨紫光』と銘打たれた傘を構えたその姿からは、物静かながらも強い決意が見て取れる。
    「お前たちは俺の事を、往生際が悪いと言うだろう。だが、それがスポーツの『ハングリー精神』という奴だとは思わないか?」
    「スポーツ、ね」
     復活したばかりの六六六人衆に睨まれても、乃木・聖太(影を継ぐ者・d10870)の口元は微かな嘲笑を浮かべていた。殺人ピッチャーを挑発するかのように、ロジンバッグを左手で弄ぶ。手の中の防滑剤を息で吹き飛ばせば、その煙の中からは手品のように、聖太愛用の、使い込まれた十字手裏剣が現れた。
    「サウスポーか」
     殺人ピッチャーは片足を大きく上げて腰を捻り、腕をあらん限り伸ばして振って殺人球を放つ! 同時に勢いよく散開する、三つの唾棄すべき人皮球!
    「話だけにしか聞いてなかったけど、本当にピッチャーみたいに腰を大きく振って投げるんだねえ」
     球の一つが自分に向かってきたにもかかわらず、深束・葵(ミスメイデン・d11424)の口調からは一切の危機感が感じられなかった。それもそのはず、彼女は愛機、『我是丸』が自分を守ってくれると信じている。
     飛び出した我是丸が、最も強烈な球児本人の球を受け止めた。装甲が割れ、破片が飛ぶけれど……。
    「――行きます!」
     それを、鷹野・瑠理香(木漏れ日の祈り・d26417)の指先から紡がれた霊力が絡め取って修復した!
    「死んでしまったら、たとえどんなに未練があっても、ちゃんと死ななきゃいけないの」
     瑠理香の霊力は、自然の摂理を捻じ曲げる者への否定。シャドウ達の厄介な戯れなんて、今、ここで終わりにしましょ!
    「ニョホホホホ! 往生際の悪い奴じゃ!」
     別の人皮球のうちの一つは、巫丞・蒼乃(豪華絢爛舞踏全夜・d24314)の目まぐるしい舞についてゆけずに、体から布一枚の場所を通り過ぎた。
    「ニョホホホホ! ニョホホホホホ!」
     蒼乃が蒼き槍を掲げて踊り狂えば、ピッチャーめがけて氷のつぶてが飛んでゆく!
    「面妖な奴め」
     不快げに、殺人ピッチャーは吐き捨てた。だが実のところ、面妖さだけで言えば彼の人皮球も大概だ。自らの意思で八の字を描いたかと思うと、唐突に真っ直ぐに軌道を変える球。その動きは蒼乃同様……いや、それ以上に目まぐるしい。
     全速力で飛び込んできた人皮球は、人影にぶつかって鈍い金属音を立てた。
    「内角いっぱいのストライク、といったところですね」
     牧原・みんと(象牙の塔の戒律眼鏡・d31313)の眼鏡の縁が、運動公園内の街灯を受けて輝いている。
     しゃがみ込み、キャッチャーのように微動だにせずに人皮球を受け止めたのは、西洋騎士の亡霊の如き『知識の鎧』。みんとの頼るビハインドだった。

    ●黄泉よりの殺意
    「この様子では、お前たちは今日も簡単には勝たせてくれそうにないな」
     一通りの応酬を終えた後、殺人ピッチャーは誰にともなしに呟いた。
     雲まで届くかのごとく辺りにゆらめく白炎が、男の三白眼をぎらつかせるように照らす。それは予知の力を狂わせる、瑠理香の放ったスサノオの炎だ。
     幻想的な光景の中で、葵のガトリングが火を噴いた。
    「勝てないようなら逃げるつもり? 残留思念だからいずれは消えるんだろうけど、そんなの待ってるアタシ達じゃないから」
     殺人ピッチャーが駆け出せば、弾はその後を追ってすがり付く! 全身を銃弾に穿たれながら、ピッチャーは転がるようにしながらようやく木陰に身を隠した。
    「いいや今回は、逃げるのはナシだ。今夜ばかりは、心ゆくまで殺人野球がしたい」
     木陰から一瞬だけ顔を出すと、素早く手首をひるがえす。またもや人皮球が軌道を変え、次々に灼滅者たちへと襲い掛かる。
    「ならば……貴方を、あの世の果てまでホームランです! と言っても僕の役割は、その前に出塁しておくようなものですが」
     懐中時計を見つめていた時の不安げな大郎は、既にいなかった。時計はそっと懐に秘め、大郎は球に狙われた詩乃へと力場を伸ばす。
     詩乃の和傘が車輪のように回る。遠心力で開いた傘へと力場が広がり、貫こうとした球の勢いを大きく殺いだ。
    「黄泉路は一方通行が大原則です。それが望みだと仰るのでしたら、すぐに送り帰して差し上げましょう!」
     半ば弾かれた格好で宙に浮いた人皮球を、詩乃の霊力を注がれた傘は、すぐさま突くように叩き落とした。足元で二つに割れた球は、再びサイキックエナジーの粒へと還元されてゆく。
    「それじゃあ、俺からも反撃と行かせて貰うよ」
     さらに、十字手裏剣を指先で回転させていた聖太の左手首が、不意にしなる。
    「投球動作とは無関係に自律して動ける球っていうのは、一見、便利そうだけど……」
     直後、向かってきていた球の一つが突然破裂。
    「……甘いよ。意思はあれども意志のない球で、俺の手裏剣に勝てるとでも?」
    「言ってくれる」
     殺人ピッチャーの片眉が吊り上がった。
    「ならば、こいつを受けてみろ……」
     言ったところで彼は気付く……彼を見つめる白蛇に。
     梢沿いに静かに忍び寄った白蛇は、大きく口を開け、毒の吐息を吹きかけた。思わず顔を覆う殺人ピッチャー。
     その隙に、蛇はまんまと主たる侑紀の元へと戻る……いや違う。蛇は、今や人の姿を半ば失った侑紀の肉体から、直接生えて蠢いている!
    「コルネリウスの『慈愛』と比べれば、君の殺意はよっぽど理解が容易い」
    「光栄だ」
     既に残り一つとなった眷属を、木陰から飛び出すと真上に放り投げる球児。大きくぶれながら上昇してゆく球が、残像で煙のごとく靄を生む!
    「ならば俺が次に狙う相手も、当然、判っているのだろうな」

    ●魔球、敗れる
    「みんとさん、気をつけて!」
     漆黒の空に、瑠理香の叫びが吸い込まれてゆく。殺人ピッチャーが誰かを殺す事だけを考えるのなら、最も弱い回復役を狙う事は自明の理だった。
     けれどみんとには、自分を狙うはずの球が、急に狙いを逸らしたように見えた。あまりにも不可解すぎるその動き。
     みんとは眼鏡のつるの上から一度、こめかみを静かに押さえつけた。そして……。
    「眼鏡パワー!」
     一声叫べば、球は、今まで見えていたのとは別の場所に! 催眠だ! 不審な兆候に気付かなければ、この後起こったであろう事態は想像に難くない。
     だが、一度催眠魔球を破ったからといって、全ての危機が去ったわけではない。何故なら敵は既に、第二の投球動作に入っているのだから!
    「此方が、そのような事を許すと思っておるのかえ!?」
     蒼乃の動きはいっそう激しく、槍を左右に振り大地を突いて、あるいは木立に跳び乗り舞い踊る。そして、その三次元的な軌跡の跡には、煌めく氷の粒が浮かんでいるのだ。攻撃を当てる事だけを考えれば無駄の多い動きだが、敵が一度罠にかかりさえすれば、氷の檻は獲物を蝕む。
     凍える体を殺意で温め、殺人ピッチャーは二球目を投げた。みんとの眼鏡が弾け飛ぶ。さらなる投球。
     誰も倒れさせたりしないんだから。そう、瑠理香は心に誓った。たった一人でも殺されてしまえば、自分たちの負けになる。
     だから瑠理香は霊力を紡ぐ。自らの霊力が枯れるまで。
     危険な集中攻撃に、一台のライドキャリバーが割り込んだ。けれど急回転のかかった殺人スライダーは、車輪から土煙を立てる大郎の『キャリバーさん』を避け、勢いを殺がずに軌道を浮かす!
    「どうやら新しい指でも、これくらいの制球はできるらしい」
    「往生際が悪いですね!」
     浮いた球が弾かれた。土煙の中から飛び出したのは、キャリバーさんの後ろに引きずられるようにしがみついていた大郎の拳。エネルギー障壁越しであっても強烈な衝撃をこらえつつ、大郎はキャリバーさんから飛び降りて、殺人ピッチャーと向かい合う。
    「いいですか? 試合は、もう終わったんです。高校野球は一試合で敗退が決まると言うのに、二度ならず三度目までを目論むとは呆れ果てます」
     赤い球児は返答の代わりに、次なる球をみんとへ……最早、雄弁は不要、とでも言わんばかりに。
     避けられまい。けれど、大郎はもちろん、知識の鎧も彼女を守ってくれるだろうし、それが無理なら葵の我是丸もある。全く恐れる様子もなく、みんとは静かに懐から予備の眼鏡を取り出してかける。
    「眼鏡っ子にはキャッチャーなイメージがあるとはいえ、私にはそんな技術はないのですけどね。もちろん、それも知識としては興味深いのですが」
     みんとの知識欲を具現化したかのように、星のように輝く布帯が彼女を取り巻いた。これまでに不規則な球の動きの僅かな癖を学習していた帯は、正確に球を追い、その中心を貫き通す!

    ●悪夢を終わらせる時
    「さて……君の頼みの綱の眷属は、これで全てなくなった事になる。世界とお別れする準備はできたかね?」
     妨げる者のなくなった空間を侑紀は、今度は全身を蛇化して詰めた。振り払う球児。だが不定形のシャドウの体は、すぐに別の場所に侑紀の人間の体を構築する。
    「そろそろ終わりになるだろう」
     下から上に斬り上げた医療用鋸が、服に付着したままの氷や毒液を、皮膚の中へと捻じ込んだ。六六六人衆は表情を変えないが、顔色が次第に青くなってきている事は間違いない。
     ファインプレーめいた横跳びで距離を取り、地面すれすれから球を投げる球児。球はナックルボールにも似た不規則な飛跡を取り、目にした灼滅者たちを惑わせる……また催眠魔球だ。
     けれど今回は、誰一人として催眠にかかる者はいない。
    「球を見てみなよ」
     聖太は顎で、殺人ピッチャーに促した。見れば、白いボールの中ほどから、一枚の手裏剣が生えている!
    「今までの動きを見てたら、球種は大体読めていたからね。こうしてボールの重心を変えてしまうだけでも、繊細な制御が必要な催眠魔球は使えなくなるだろ?」
     すぐに次の球を繰り出そうとする敵。けれど軍配は、球から手裏剣を抜かねばならぬ敵よりも、予備動作なしで手裏剣を放てる聖太に上がる!
    「……!」
     殺人ピッチャーのグラブの外側には、鋭い傷が残されていた。彼には、それを庇う余裕すら与えられない。
    「ただ野球で人を殺すだけなら、バットの方がよっぽど楽なのに。それだったらアタシの銃弾だって弾けたでしょ?」
     だのに投球にこだわる敵に、葵は少しばかり感心していた様子を見せた。無論、葵の銃弾は、感心したからといって勢いが緩む事はないのだが。
     毒が回り、体の冷え切ったダークネスは、今度は燃える。だが、それをなお耐えて、殺人ピッチャーは全身全霊で投球を繰り返す。とはいえ、その指先は……今や遮るもののない灼滅者たちの攻撃を受け、度重なるダメージに震えていた。
    「どうじゃ? こたえておるのかえ?」
     いつの間にか街灯の上を舞台に踊り狂っていた蒼乃を、殺人ピッチャーは一度だけ睨みつける。そんな男を挑発するように、蒼乃は街灯から防球ネットの支柱の上へ、支柱から今度は立木の天辺へ。
    「逃げるなら逃げてみよ。今であれば、どこへ逃げども此方の掌の上じゃろうが」
     赤いユニフォームの殺人球児は、同じ色の野球帽を目深に被った。そしてゆっくりと、大きく最後の投球動作に移る。
     この投球を許してはならない。平気な顔をしているのでわかりにくいが、そろそろみんとも限界近いはずだ。
     そう判断すると瑠理香は回復の選択肢を捨て、邪悪な敵に向けて、高らかに宣言すると指先を向けた。
    「Mr.殺人ピッチャー。あなたの試合は今度こそおしまいよ。プレーオフで番狂わせ、なんて起こさせないんだから!」
     これが殺人ピッチャーのラストゲーム。瑠理香の指先を風が取り巻き、渦が敵の肩まで伸びてゆく。赤ユニフォームが切り裂かれ、その下の皮膚が抉られる!
    「これで、ゲームセット……」
     が、文字通り肩を『壊した』ピッチャーの口元が、勝利の形に吊り上がった。力を失った腕はだらしなく垂れ下がるが、ボールだけは先程と変わらぬ勢いのまま、真っ直ぐに当初の目標へと飛んでゆく!
     唐突に、雷が光った。
     その真下で、詩乃が真っ直ぐに天に掲げた雨紫光が照らされる。
    「攻撃は最大の防御、と申します」
     詩乃の巧みな踏み込みと共に、雨紫光は一周、詩乃の周囲をぐるりと回った。灼滅者として覚醒するほど過酷な花嫁修行を遂げた詩乃にとっては、オーラを纏った傘を振り、完全に弱りきったダークネスを両断するなど容易いこと。
     勝利を確信したまま光の粒へと戻ってゆくダークネスから僅かに遅れ、最後の球も標的に届く直前で、同様にサイキックエナジーへと還ってゆく。
     辺りには、勝利の舞を続ける蒼乃の爽快な笑い声だけが、いつまでもいつまでも響いていた。

    作者:るう 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年12月31日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 4/感動した 1/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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