クリスマス2014~学園を飾るキャンドルの灯

    作者:ライ麦

     この季節になると、どこもイルミネーションやツリー、様々な飾りで華やかに彩られる。そして、それは武蔵坂学園も同じ。恒例のクリスマスパーティに向けて、学園の準備も着々と進んでいた。
    (「クリスマス、かぁ……」)
     そんな学園内を眺めながら、桜田・美葉(小学生エクスブレイン・dn0148)はぼんやりと思う。
     去年のクリスマスは、特に何をするでもなく終わってしまった。折角だから、今年は何か記憶に残ることがしたい。けれど、どうしようか?
     考えながら歩いていた美葉の目に、ふとあるポスターが飛び込んでくる。
    『武蔵坂学園キャンドルナイト~inクリスマス』
     ――どうやらこういうイベントがあるらしい。しかも、当日キャンドルを並べるお手伝いをしてくれる人も募集しているとか。
    (「これ……これだ!」)
     キャンドルを並べるぐらいなら自分にもできる。それに、たくさんのキャンドルに彩られた学園は、きっと綺麗だろう。
     そうと決まれば、善は急げ。必要事項を改めて確認し、美葉は走り出す。
    (「皆にも、声をかけてみよう……!」)
     と。

     その日、やけに多くのキャンドルを抱えた美葉が教室に現れた。
    「あ、あの、せっかくですからクリスマス、学園をキャンドルで飾りませんか?」
     そう言いながらどさどさと机の上にキャンドルを置く。
    「えっと、クリスマスの日には伝説の木のツリーの前でクリスマスパーティを、やるんですけれど」
     そのメイン会場周辺をキャンドルで飾りつけるらしい。具体的にはキャンドルを道沿いに並べてキャンドルロードを作ったり、キャンドルを雪だるまや星等々、様々な形に並べて飾ったり。
    「そして、暗くなったら一斉にキャンドルに灯を点すんです! たくさんのキャンドルの灯が揺らめく光景……とっても素敵だと思います」
     想像してうっとりしたような表情で、美葉は手を組む。
    「ね、よかったら一緒にやりませんか? 当日キャンドルを並べてくれる人、募集してるみたいですし……」
     というわけで。
     あなたも、クリスマスの学園をキャンドルの灯で彩ってみませんか?

     キャンドルは基本的に学園で十分な数を用意してくれる。足りなくなる恐れはないだろう。なお学園で用意してくれるものは形状は全て同じ、白いキャンドルに白いキャンドルホルダーがセットになったもの。シンプルだが、希望すればキャンドルホルダーに一言メッセージを書き入れることもできる。灯を点せばメッセージが浮かび上がるだろう。
     また、それとは別に個人で好きなキャンドルやキャンドルホルダーを持ち込むこともできる。自分の好きなキャンドルでクリスマスを彩るのも、とても素敵なこと。ただし、個人で持ち込んだものにはメッセージは書けないので、そこだけは注意して欲しい。

     キャンドルの並べ方にも制限はない。歩行の妨げにならないように注意さえしてもらえれば、後は自由だ。様々な形に並べたり、キャンドルを並べて文字を作ったりするのも、きっと楽しい。ただ適当に置くだけでも、灯を点ければきっと綺麗に見える。皆で好きな形に並べて、暗くなったら一斉に灯りを点そう。

     きっと、暖かな黄色い光が、幻想的な光景を浮かび上がらせてくれるから。


    ■リプレイ

     【猫帝国】の面々は、道沿いにキャンドルを並べていく。
    「願い事を書けば良いのでしたですっけ?」
     春日は悩み、『無病息災』と書き込んだ。何か違う?
    「みなさんはなんて書きましたですか? み、見せてくださいですー!」
     じたばたする彼女に、エルメンガルトは
    「オレの願いゴトは『あったかい冬になりますように』だよ」
     と答える。それとは別に、自作の赤いキャンドルも窓型ホルダーに収めた。
    「あっしは『帝国益々の躍進を』としたためてござんす」
     そう言う娑婆蔵が持ってきたのは、白黒ブチの招き猫型キャンドル。招き猫とかいるとうっかり叶う気もしてくるな、とエルメンガルトは笑った。
     光は『何事もなく過ごせますように』と書いたキャンドルを、黄色い手作りキャンドルの傍らに置く。微妙に曲がってるのは気にしてはいけない。書く事が浮かばなかった杏理は黒猫を描いていた。
    「ほら。ちょっと細長いけどぽっけちゃん。ヌァイ」
    「なるほど、ポッケさんヌァイ」
     仁恵は飼い猫を思いながら頷く。同じく思いつかなかった祐一は、
    「祐一はもうちょっと背が伸びますようにとかかな」
     というアロアの言葉をそのまま頂いた。彼が持ってきたのは紅いキャンドルに煉瓦を組んだようなホルダーだ。
     ベビーピンクのキャンドルを、沢山デコったキラキラホルダーに入れて。ハワイ語で願い事を書きながらアロアは呟く。
    「お願い事かぁ、星を見たり日の出を見たり、ことあるごとにいつもお願いしてる気がするんだよ」
     願いが叶うかはわからないけど、自分の願いが何なのか確認できるのはきっといいことだと、一途は思う。赤いマントを着た彼女はマッチ売りの少女のよう。自分の願いは秘めたまま、
    「ニエさんは何書いたんですか?」
     と訊いてみる。
    「にえのも内緒です。願い事が人に見られると叶わなくなっちゃうんですよ知らないんですか? 皆の願い事が叶うパワーも全部まるっとにえが頂きましたヤッター」
     仁恵はニヤリと笑ってみせた。彼女のメッセージキャンドルの横には、プレゼント箱型ホルダーに収まった黒猫キャンドルがある。
     きっと夜になれば綺麗な景色が広がるのだろう。それを楽しみにしながら、次は初日の出だ、二年参りだと楽しげに言い合う。来年の事を言うと鬼が笑う、なんて言うけれど。秘められたメッセージキャンドルには、『来年も皆でクリスマスを』『来年もこうして過ごせますように』の文字が浮かんでいた。

     ゆまが書いたのは、『皆が幸せな笑顔でいられますように』。
     邪魔にならないようにちょん、と置いて。
    (「そのためになら……」)
     そこまで思って首を振る。夜になれば、ここは光の海になるんだろう。皆笑顔で見つめるんだろう。その欠片を担えたのなら、それだけで今は満足しよう、と。

    「晶子は誰かへのメッセージにするの?」
     キャンドルとにらめっこしながらかれんは聞く。晶子は赤くなって、照れくさそうにメッセージを見せた。
    『楽くんとずっと一緒にいられますように』
     かれんはおー、っと返す。
    「いーね、晶子たちならきっと叶うんじゃないかな」
     そこでやっと思いついた。
    『しょーこのおねがいがかないますように』
     と。

     メッセージはいざ考えると難しくて。あえて書かずに宿名のキャンドルを見た水姫は、
    「あ……」
     と声を漏らした。
    『水姫ちゃんにふさわしい男性になれるよう頑張るえ』
     どうしたんやろ、と首を傾げる宿名に、水姫は頬を染めて答える。
    「……ありがとう、嬉しい……でも」
     むしろ、わたしの方がふさわしくなりたい、かなーって。恥ずかしいから、顔を見られないようにくっついた。

     雪だるまと一緒にキャンドルを飾ったり、小さなサンタの人形にキャンドルを持たせたり。飾りながら、朔和はアロマオイル片手に尋ねる。
    「ねえねえ美葉、このろうそくにオイルたらしたら、いいにおいするのかなぁ?」
    「やってみましょう!」
     美葉も頷き、丁寧に数滴たらしていく。芳香が広がり、朔和は満面の笑みを浮かべた。
    「これ見て、みんなが喜んでくれると嬉しいね! みんなが幸せな気持ちになれたらオレも嬉しい!」
     私もです、と美葉も微笑んだところで鳴るお腹。笑い合い、一緒に鞄のお菓子を分け合って食べたのだった。

     マッキは意を決し、一言書き込む。
    『ゆきなが好きです。僕とつきあってください』
     ハートや星を描きこみながら、
    「マッキ様何書かれてるのですか~?」
     と覗き込んだ優希那は
    「ぴやっ!」
     と真っ赤になった。尤も、それはマッキも同じ。慌てる彼に、優希那は耳まで染めながら、
    「わ、わわわ、私もマッキ様のこと大好きなのですよっ」
     とハートを描いたホルダーを渡す。マッキのテンションは急上昇。記念に二人のキャンドルを相合傘のように並べていく。

     慎重に丁寧に並べ、こっそり傍らの横顔を窺い。想々は
    『お兄ちゃんがずっと幸せでありますように』
     と書き込む。それに、智之はこう返した。
    『ずっとずっと、想々が幸せで居て欲しい』
     彼の心からの願い。想々の視界は涙でぼやける。
    「おいおい、………泣くなよ」
     そっと手を伸ばして頭を撫でてくる智之に、想々は小さく震える声で言う。彼女の、ヒーローに。
    「あ、あの、あのね……だ、だいすき」
    「お兄ちゃんも想々が大好きだぜ?」
     優しく答えながら、智之は思う。
    (「……ありがとう。甘えていたのは、きっと、俺の方。お兄ちゃん、ヒーローなのにな」)

    『かごめ嬢と明莉先輩が幸せでありますように』
     そう書いた心桜は、かごめと一緒に三日月の形に並べていく。親友を想う時、連想するのは月だから。その気持ちが嬉しくて、かごめが刻んだ文字は
    『1000年後までふたり幸せであるように』
     その様子を見ながら、明莉は桜の木に一足早く桜の花のキャンドルを吊り下げる。
    「共に桜の文字の入るお二人さんにも、光あれ……なぁんてな♪」
     嬉しそうに心桜も頷いた。
    「春になったらかごめ嬢と二人で綺麗に咲くのじゃ」
     感謝の気持ちを込め、かごめはピンクのハート型キャンドルを掲げる。
    「心桜ちゃんを宜しくね……泣かしたら許さないんだから」

     キャンドルを並べる美葉の元に、クレイはシグマと一緒にやって来た。
    「やぁ美葉ちゃん。お兄さん達もお手伝いしていいかな。どんな形にするの?」
    「えっと……」
     悩む彼女に、
    「決まってないならお星様にしない?」
     クレイは優しく語りかける。ツリーの天辺の星についても解説して。
    「なるほど……お星様の形、素敵です!」
     目を輝かせ、美葉は早速星型に並べていく。クレイも歌いながら一緒に。シグマもそれに加わった。
    「お前はキャンドル用意してきたのか?」
     尋ねるクレイに、
    「風よけの方だけどな?  蒼と、紫、これに火が灯ったらなんとなく色が浮き出るかなーみたいな」
     シグマは静かに答える。内心は、クレイと一緒に過ごせて浮かれているのだけど。
    「余ったらもらって帰っちゃダメかな? 俺らの家に飾りたいんだよ。きっと温かくなる」
    「キャンドルなら俺のが余りそうだし、これでよけりゃ、家でも灯そうぜ」

    「無垢島、『伝説の木』ってアレだよな……?」
     飾りつけられた木を指し、紅輝はいるかに尋ねる。
    (「伝説って何の伝説だろうな……」)
     と思いながら。首肯した彼女は彼を促し、一緒にキャンドルを並べる。初めての学園のクリスマス、楽しんで欲しいから。いるかは、『これからも仲良くしてください』と書き込み、微笑みかけた。
    (「そういえば、ずっと名前で呼ばれてるな」)
     そう思いつつ、灯に照らされた顔に、少しドキリとして。紅輝は切り出した。
     ――これからは、名前で呼んでもいいか?

     伝説の樹で待っていたカイは、ドレス姿で駆けてきたヴィルクスに瞳を見開く。見惚れつつも、直ぐに上着を羽織らせた。礼を言い、ヴィルクスはキャンドルを適当に並べていく。メッセージは悩んだ末に『ありがとう』と書き込んだ。恥ずかしくて、隠してしまったけれど。
     その時、合図と共に次々と点される灯。目を輝かせ、凄いなと同意を求める。その顔を穏やかに見つめ、カイも頷いた。
     ――願わくばこの命尽きる迄、君のそんな顔を、直ぐ側で見ていられますよう。
     その願いを知ってか知らずか、ヴィルクスは彼にプレゼントを差し出す。
    「キーケース、喜んでもらえると嬉しいんだが」

    『永久に竜吟虎嘯の仲でありますように』
     樋波にとってかけがえのない願いをこの一言に込める。傍らの流汰は『ありがとう』と書いた。生まれてきてくれたこと、傍にいてくれること、沢山の感謝を込めて。目が合った二人は微笑み合う。灯されゆく想い。たまらなくなって、樋波は流汰の手をとり、ポケットに突っ込んだ。伝わる温もりに、嬉しくて泣きそうになる。
    「これからもずっと二人で歩んでいこうな」
    「樋波、本当ありがとう。大好きだ」
     流汰も彼に抱きついた。

     寒くて、ユークレースはここと亞羽の間に入って手を繋ぐ。驚きつつも、ここはこっそり冬毛尻尾を出して風除けにした。
     点されていくキャンドルは幻想的で、何だか別世界に迷い込んだよう。ユークレースもキャンドルのひとつに火を灯す。
     亞羽は『Merry Christmas! みんな大好き』のメッセージの周りに、ハッピーが伝わりそうな模様を沢山描いて。こんな感じやろか、と恥ずかしげに置いた。
     ユークレースが書いたのは、
    『みんながしあわせになれますように』
     優しい祈りに亞羽は微笑み、ここのメッセージに目を移して。
    『米よりケーキより肉』
     別の意味で微笑んだ。
    「ユル、お米もたべたいですよ?」
     きょと、と首を傾げるユークレースに、
    「……好きなものでいいって言われたんだっつーの!」
     赤くなってここは答える。世界平和とでも書いとけばよかった。笑い合い、ユークレースは思う。
    (「クリスマスはもう終わるですけど、この光と暖かさはきっと忘れないのです……♪」)

     少し悪戯心を出し、小さなナノナノの顔の形にキャンドルを並べて。恣欠に見せ、瑞樹は微笑んだり苦笑したりする。そんな彼女も可愛らしいと思いつつ、恣欠も悪戯心でナノナノの種類を増やした。
    「わぁ、ナノナノ、可愛いですねっ」
     話しかけてきた美葉と談笑する瑞樹。温かな灯に映える笑顔。自分だけに向けられたものではないと、少し残念だけど、笑っていてくれて幸せだと恣欠は思う。
     共にキャンドルを眺め、瑞樹は微笑むように言った。
    「来年もよろしく……な。親友」
    「ええ、来年といわず、ずっと……親友」
     薄く微笑んだ恣欠は、
    『学園と学園の皆に心からの感謝を メリークリスマス!』
     と書かれたキャンドルの横に、そっと
    『あなたが幸せでありますように』
     と刻まれたキャンドルを置いたのだった。

     ジグザグになるように、ひよりがキャンドルを並べて作った灯り道。ゴールに紗奈がこっそり作っておいたのは、光る猫。
    「可愛い猫さん、さなちゃんが作ったの? すごいすごい! 上手に出来たね」
     目を瞬かせ、ひよりはカットの入ったガラスのホルダーを差し出す。
    「これも並べてみないかな? 光がお花みたいに広がるんだって」
     この入れ物もきれい、とホルダーを眺める紗奈に、可愛いなぁ、とひよりはほっこり。
    (「ひよりちゃんはいつもきれいなもの、かわいいもの、色々教えてくれる」)
     だから紗奈が書いたメッセージを繋げると、『ひよりちゃんありがとうだいすき』。ひよりは少しだけ泣きそうになる。
    「ありがとう。わたしもね、さなちゃんが大好き」
     その笑顔が見たかったから、嬉しくて紗奈は笑う。貰ったホルダーは、猫の耳元に。光がきらきらして、本当にお花みたいだった。

     キャンドルを灯し、煌希は立ち上がって灯の海を眺める。
    「こうしてずらっと並ぶと、ほんとうに壮観だなあ」
    「こういう小さい灯りでもほっとできるものだよね。なにかこーかな」
     千里は合成音声で言う。願うことはあるけれど、それは胸のうちに秘めて。
    「無難に無病息災、とか。実際大事だ。古事記にもそう書いてある」
     自分の分を書いた千里は、皆が設置した灯りをぼんやり眺めた。
     棗は『皆が笑顔でいられますように』と書く。悩んだ結果、コユキは皆に向けたメッセージを書いた。
    『大切な友人たちへ、幸運を祈って』
     書き終わったコユキはキャンドルを眺め、幻想的な風景にうっとり。棗が配ってくれた温かいココアを飲みながら、
    「みんなと一緒に来られて、ほんまに幸せやわぁ」
     と呟く。その思いは棗も同じ。
    「なんか俺今、すげぇ楽しいよ。誘ってくれて、ありがとな」
    「おおきに。みんながいるから、うちは寂しい思いをしなくて済むん」
     ココアを受け取って、煌希も言った。
    「俺は特に何か手を入れてるわけじゃねえけど、皆とここに来れて良かったぜ。また来年もよろしくなあ」

     引き篭もりがちなアイリを連れ出し、圭司は共にキャンドルの海を歩く。灯火に煌めく彼女の顔にドギマギ。あわよくば何かしら進展したいと思いつつ、一緒に居られるだけで幸せで。着込んでも寒そうな彼女に護朗丸を抱かせる。護朗丸は仕方無ぇなぁ、というようにおとなしくアイリに抱きしめられていた。
     アイリもホルダーに一言メッセージを書く。
    『Te iubesc』
    「高村さん、意味わかる? 僕の故郷の言葉なんだけど」
    「うむ」
     圭司は首を傾げた。
    「いずれわかる時が来るだろうから気にしないでね。さあ、まだまだ時間はあるし楽しもうよ」

     誠士郎はかしこの手を引きながら、キャンドルの道を歩く。嬉しくて、あえて何も言わないまま、かしこは揺らめく灯を見詰めた。
     渡されたキャンドルを手に振り返った彼女は、彼の瞳に見蕩れてしまう。炎の光が映っていて、星空のようだと。
     火を灯したキャンドルに現れたのは、
    『来年も、また一緒に出かけよう』
     驚愕して彼の顔とキャンドルを交互に見たかしこは、
    「……私で良ければ、何時だって」
     ぽつり呟いて、未だ慣れぬ笑顔で答える。誠士郎の表情も思わず緩んでしまった。
    (「……そうやって、もっと笑ってくれればいい。俺も、とても嬉しくなる」)

    「いつぞや、ガス灯を見に行こうと話したことがあったな。つい先日は灯篭だったか」
    「ヘヘ……懐かしいじゃーん」
     今日子と立夏はキャンドルを眺めながら、二人で、友達と一緒に行った出来事を語る。視線はそのまま、立夏は今日子の手を握った。
    「思えば一緒にいる期間も長いものだ……大学も同じ学科だから状況はあんまり変わらないけど、やっぱり卒業は節目だなあ」
     未来のことを語る今日子。彼女は色々考えてるけど、自分は全然だから。立夏はニヘラと微笑みかけた。
    「オレ、もちっと頑張るッス」
    「……まあ、この調子でよろしく」
     今日子はそんな彼の頬にキスする。恥ずかしくも、立夏は彼女の肩をそっと抱き寄せて寄り添った。

     キャンドルの優しい灯が、クリスマスの学園を温かく彩っていた。

    作者:ライ麦 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年12月24日
    難度:簡単
    参加:47人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 5/キャラが大事にされていた 1
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