●ピアノと月
窓辺から射し込む月光が鍵盤を仄かに照らす。
少年の指先はピアノの美しい旋律を奏で、繊細な音を紡ぎ出していた。
「ルナロッサ様……」
グランドピアノの傍ら、恍惚の表情を浮かべた少女達は演奏者の名を呼ぶ。名を紡いだのは用があったからではなく、ただ自然と唇から零れ落ちたのだ。
二人の少女に淡い笑みを返し、少年は演奏を続ける。
時に優しく、それでいて何処か冷たい音色は暫し、洋館内に響き続けた。
やがて演奏を終えた少年は立ち上がり、少女達へと手を伸ばす。
「ニナ、サナ、今日の僕の演奏はどうだった?」
名を呼んだ二人の頬に指先で触れ、彼――ルナロッサは妖しさが宿った微笑を湛えた。愛おしげな眼差しを返し、少女達はこくりと頷く。
「今宵も素晴らしい音色でした」
「ルナロッサ様のピアノは私達を幸せにしてくれます」
陶酔しきった表情の二人はヴァンパイアの少年の手に自分の掌を重ねた。それを聞いたルナロッサはさも当然というように不遜な態度を取る。
「ふふ。ま、聞くまでもないのだけどね」
彼女達はただ惑わされた一般人ではない。
自ら望み、その身を闇へと落とした強化一般人だ。忠実な僕である少女達を見遣ったヴァンパイアは満足げに椅子に座り直し、命じる。
「だけど観客は多い方がいい。二人とも、適当にその辺から人を集めてきてよ」
そうしたら僕が堕としてあげるから。
生意気で自信に満ちた様子で足を組む少年の透き通るような真っ白な肌を月の光が照らした。できれば血がおいしそうな子がいいと零したヴァンパイアに対し、少女達は恭しくお辞儀をして彼の言葉に答える。
「……はい。ルナロッサ様の仰せの通りに」
そして、彼女達は行く。
主人の望みを叶えるために。新たな信者、或いは犠牲者を探すために――。
●栄華の薔薇
軽井沢の別荘地の一部がブレイズゲートになってしまった。
このブレイズゲートの中心となる洋館は、かつて高位のヴァンパイアの所有物だった。だが、そのヴァンパイアはサイキックアブソーバーの影響で封印され、配下のヴァンパイアも封印されるか消滅するかで全滅したという。
しかし、この地がブレイズゲート化した事で、消滅したはずのヴァンパイア達が蘇り、かつての優雅な暮らしを行うようになったのだ。
復活したヴァンパイアは一度は消滅した配下の一人。彼、あるいは彼女は別荘のひとつを占拠し、かつての暮らしと栄華を取り戻そうとしている。
その存在は、過去の暮らしを続ける亡霊のようなもの。
ヴァンパイア達はブレイズゲート外に影響するような事件を起こすわけではない。されど、その中に一般人が取り込まれているのならば話は別。
放置してはおけないと立ちあがった君達はブレイズゲートへと向かった。
参加者 | |
---|---|
佐々木・侑(風・d00288) |
ディアナ・ロードライト(暁に輝く紅玉・d05023) |
ファリス・メイティス(黄昏色の十字架・d07880) |
攻之宮・楓(攻激手・d14169) |
日影・莉那(ハンター・d16285) |
唐都万・蓮爾(亡郷・d16912) |
園城寺・琥珀(叢雲掃ふ科戸風・d28835) |
イルミア・エリオウス(ふぁいあぶらっど・d29065) |
●月の光
成り響くのは或る前奏曲の一節。
夜空から降り注ぐ光の名を冠した、その曲の名は『月の光』。奏でられる旋律は美しく、二人の少女はこの館の主人である少年が弾く音色に耳を傾けていた。
だが、そのとき――突如として部屋の扉が開かれ、流れていた旋律に声が重なる。
「こんばんは、良い月ね」
その声はディアナ・ロードライト(暁に輝く紅玉・d05023)のものだ。霊犬の刃と共に部屋の中に入った彼女に対し、演奏を止めた少年ヴァンパイアは訝しげな表情を浮かべた。
「君達は誰だい?」
「ごめんね、私達はお客さんじゃないんだ」
ディアナや仲間達に続いてひょこりと顔を出したイルミア・エリオウス(ふぁいあぶらっど・d29065)は問いかけに答える。既に強化一般人である少女達はヴァンパイアを守るようにして身構えており、敵意を向けていた。
「よくもルナロッサ様の演奏を邪魔したわね」
「それに、そんなにぞろぞろとこの神聖な部屋に入るなんて!」
少女達はイルミアが連れるマールートを睨み付けた後、一気に手狭になった部屋を見渡す。その視線を受けたファリス・メイティス(黄昏色の十字架・d07880)は軽く息を吐き、肩を竦めてみせた。
「悪いね、お邪魔になってるのは承知してるよ」
ファリスの傍らにはライドキャリバーのブラックナイトが、そして更に佐々木・侑(風・d00288)とシェリーが居り、計三機の駆動音が響いている。
「許せん、絶対に許せんぞ」
そんな中で侑は拳を強く握って打ち震えていた。彼の瞳に映っているのはルナロッサと呼ばれたヴァンパイアの少年。侑は中学生程度の少年が高校生らしき少女をはべらせている様に羨ましさを――否、憤りを感じているのだ。
すると、ルナロッサが椅子から立ち上がる。
「たとえ賊だとしても、僕は君達をお客様として迎えよう。ねぇ、ニナ、サナ」
余裕のある笑みを灼滅者達に向け、少年は笑った。
元より彼はピアノの観衆を求めていた。おそらく此方を平伏させ、無理矢理にでも観客として迎え入れようと考えているのだろう。
「下らん手合いだな。 どうせ自分のことを大物とでも思ってる類だろ」
それに気付いた日影・莉那(ハンター・d16285)は呆れ気味の視線を敵に向け返す。傍らの霊犬、ライラプスも主人と共に身構え、尻尾をぴんと立てた。
「ピアノ……ですか。ご自分で聞いているだけならよろしかったのに」
攻之宮・楓(攻激手・d14169)も複雑そうな表情で呟き、敵意全開の少女達を改めて見遣る。ニナとサナと呼ばれた彼女達はルナロッサに陶酔している様が見られた。
あの二人には最早、説得が効かぬのだろうと感じ取った園城寺・琥珀(叢雲掃ふ科戸風・d28835) はそっと目を伏せる。
同じくして、唐都万・蓮爾(亡郷・d16912)も口惜しげに唇を噛み締めた。
(「救えぬならば散らすしか出来ぬのが、何とも歯痒い」)
赤衣を纏うビハインド、ゐづみが心配そうに気遣っていたが蓮爾は心配はないというように首を振る。窓辺から見える月は変わらず部屋を照らし、淡い光が揺らいでいた。
しかし、次の瞬間。
「演奏を邪魔したのは無粋だと分かっているわ。けれど……私達は貴方を倒しに来たの」
ディアナが告げたと同時に夜霧が辺りを包み込んだ。
月は霧によって覆い隠され、代わりに昏い夜の色が満ちる。それが合図代わりとなり、ヴァンパイアとの戦いが静かに幕開けた。
●夜の闇
「軽井沢ってのはいつからこんな業の深い場所になっちゃったんだろうね」
溜息交じりの言葉と共に身構えたファリスは寄生体に殲術道具を飲み込ませる。
狙うは主人を守るべく布陣した少女達。己の腕を刃へと変えたファリスは一気に踏み込み、ニナに一閃を見舞う。
彼に続いたブラックナイトが機銃を掃射する様に並び、楓が妖霊の弾を打ち出した。
更に刃が刀を振るい、ゐづみも霊撃を放つ。
「いきませう、ゐづみ。彼女達がその気だと云うのならば此方も容赦はできませぬ」
蓮爾は己の利き腕を巨大な砲台に変え、毒を孕む死の光線を撃つ。みづみと蓮爾は、戦場を舞台であるかの如く静動を交えた神秘的な挙動で舞った。まるで二輪の艶やかな華が咲いた様にも思え、ルナロッサは薄く笑む。
「わざわざ乗り込んで来るだけの実力はあるようだね。面白いじゃないか」
少年は手をかざし、逆十字をディアナへと放った。
しかし、それはシェリーが代わりに受け止めることで事なきを得る。ようやった、とライドキャリバーを褒めた侑は楯を構え、敵の攻撃に備えて防護の力を展開した。
その際にも侑はルナロッサを睨み付け、複雑な感情を向ける。
「変に余裕ぶってけしからん。ガキはガキらしくしといたらええねん! その高校生のネーチャンは俺が責任持って連れて帰る!」
個人的な願望が零れ落ちたことを聞き逃さず、莉那は半眼で侑を見遣った。
「妙な事を言ってる暇があったら手を動かせよ」
「あ、ちゃうで莉那ちゃん。浮気ちゃうでホンマホンマ」
「下らん」
弁解を一蹴した莉那は抗雷の力をその身に纏い、ルナロッサへと駆ける。後方のライラプスが衝撃を受けたシェリーを癒し、その間に莉那が少年に一撃を見舞う――心算だったのだが、前に出たサナがそうはさせなかった。
「ルナロッサ様には指一本触れさせないわ!」
少女が放った毒の風は莉那をはじめとして、楓や蓮爾達をも巻き込む。連携するようにニナが斬撃を繰り出し、前衛を襲った。
それに気付いたイルミアはギターを構え、ライドキャリバーへと攻撃を願う。
「マールート、突撃っ♪」
激しい駆動音が響く中、イルミア自身は立ち上がる力をもたらす音色を奏でた。仲間の失われた力を魔力の旋律で支えながら、イルミアは敵を見据える。
未だルナロッサは余裕めいた笑みを浮かべており、此方を品定めしている様子だ。
「なかなかやるね。素直に僕のピアノの虜になればいいのにさ」
「残念ですが、観客の増員はご遠慮いただきたいところですね」
少年の声に答えた琥珀は首を振り、床を蹴り上げる。流星の如き蹴りをニナに見舞い、琥珀は少女達の境遇を思った。
自ら望んだとはいえ元は一般人。何とか元に戻せないものか。
一度は無理だと感じても、そう願ってしまうのは人の性。ファリスも救えない少女達のことを思い、何処か哀しげな色を瞳の奥に宿す。
ディアナは再び夜霧を生み出し、仲間に力を与えてゆく。その際もルナロッサへの警戒は解かず皮肉を込めた言葉を向けた。
「自分をもてはやしてくれる少女がお好みなのかしら? 月の光はヴァンパイアに力を与える……なんて、ただの伝承よ」
月の名を持つ私が貴方に加護を与える事はないわ、と告げたディアナの声は冷たい。
灼滅すると決めた仲間の戦いへの覚悟を感じ取った楓は小さく頷き、弱り始めているニナに狙いを定めた。
「残念ですが、これで終わりにさせていただきます」
己の腕を鬼神の者へ変じさせた楓の一閃は容赦なく少女を胸を貫き――その身が倒れ込む。ごめんなさい、と告げた言葉は闇に交じり、楓は黙祷代わりにそっと目を閉じた。
●散る命
少女が倒れ、残るは二人。
幾らか動揺しているかと思いきや、ヴァンパイアは何でもないことのように振る舞う。
「ニナは死んだようだね。サナ、君はちゃんと僕を守ってくれるね?」
「はい、ルナロッサ様」
答えた少女が立ち塞がる様を見つめ、琥珀やイルミアは複雑な思いを抱いた。
「女の子に守られていいご身分ですね。私がその性根を叩き直して差し上げましょう」
静かに告げる琥珀だったが、その胸の裡には怒りが生まれている。鬼神の力を解き放った琥珀は一気に敵に向かい、力いっぱいの一撃を放った。
其処へ侑と楓が続き、それぞれに蹴りや螺穿の槍劇を振るってゆく。イルミアも憤りを禁じえず、頬を膨らませて少年達を指差した。
「そんな人の奏でる音色が好きだなんて……私の音も聞いてみるといいよ!」
先程のピアノに対抗するようにして、イルミアはギターの旋律を爪弾く。癒しの力は広がり、傷付いた仲間の体力を万全にしていった。
莉那はルナロッサの言葉を聞き、その動作に侑へのものとは違う呆れを感じる。
「はっ、とんだナルシストだな。気色悪いんだよお前」
言い捨てるように告げた莉那は鋼鉄の拳を向け、ヴァンパイアを狙い打った。ライラプスも共に六文銭を放ったが、立ち塞がったサナが絶対に攻撃を通さない。
「う、くぅ……ルナロッサ様を悪く言わないで!」
莉那達が放った一撃は重いが、少女は耐えていた。
怪我をしても主人を守る少女の姿。其処には、確かな愛が感じられる。しかし、だからこそ蓮爾の裡には遣る瀬無さばかりが巡った。
「愛は本来美しいもの。その想いを利用し汚す貴方を、赦すわけにはゆきませぬ」
蓮爾はゐづみに呼び掛け、強酸を纏う一閃を打ち放つ。
元に戻せぬならば――此処で終焉を。
ディアナも仲間と同じことを感じたらしく、少女の灼滅を狙って刃と共に駆けた。
「月に狂わされた哀れな人達。今、浄化の光を……」
斬魔の一閃に続き、ディアナが振り下ろしたのは流星の蹴り。淡い月光と星の煌めきに穿たれ、少女は声もあげずにその場に倒れた。
これで残るはヴァンパイアのみ。
「別にお前に恨みはないけどな。女の子をはべらされたら迷惑やねん」
侑は真顔で敵に詰め寄り、俺の取り分が減るやろが、と告げようとする。だが、鋭い莉那からの視線に気付いて何とか思い留まった。
「君の迷惑など考えていないよ。僕は沢山の子に僕を好きになって貰いたいんだよね」
悪戯っぽく笑むルナロッサには配下を失った悲しみなど欠片もない。
「お前……その言い草はありえんやろうがぁ!」
現に少女達が倒れているというのに、なんと非情なことだろうか。侑は奥底から沸き出ずる感情を抑えきれず、シェリーと共に全力の突撃を喰らわせた。
そんなとき、ファリスはふと思う。
大切な相棒を保てなくなった時の日のことを――。
しかし、すぐに首を振ったファリスは傍らに控えているブラックナイトに突撃を命じた。
「演奏は悪くなかったけど、その姿勢は頂けないね」
淡々と、それでいて己の力を確りと込めた斬弦の糸を放ち、ファリスは眼を鋭く細める。彼に続いた琥珀や蓮爾もルナロッサを狙い打ち、追撃を見舞った。
何撃かは躱されてしまったが、ファリス達は勝利を信じて疑わない。
何故ならば、自分達は仲間を大切に思っている故。楓も仲間達と同じ気持ちを抱き、槍をくるりと回して身構えた。
「赦せませんわ。いえ……貴方には咎を与えることすら値致しません」
静かな憤りを力へと変え、楓が解き放つのは敵の動きを少しでも封じるための氷弾。
刹那、鋭い氷の一閃がヴァンパイアを貫いた。
●月の音
それまで余裕だった少年が呻き声をあげ、よろめく。
ルナロッサは自らの身を癒しながら周囲を見渡すが、逃走出来そうな場所は既に楓や琥珀が塞いでいる。
「もう逃がさないよ。私とマールート、それから皆が貴方を灼滅するよ、絶対に」
イルミアはライドキャリバーを伴い、少年に言い放った。
巡る攻防の中、確かにヴァンパイアの攻撃は油断できないものだった。しかし、イルミアや刃が仲間を支え続けた故に誰も倒れることはなかった。
対して、追い詰められたルナロッサは血を流し、荒い息を吐いている。
「ここまでとはね……油断したのは僕の方か。――でも、」
此方を睨み付けた少年は紅蓮の斬撃で以て莉那を狙った。烈しい赤が彼女の身を抉ったが、耐えられないほどではない。
痛みを押し込めた莉那は薄く笑みを浮かべると、床を大きく蹴り上げる。
「きっちり狩りとってやるよ」
侑も来い、と呼びかけた莉那は炎を纏い、容赦のない蹴撃を敵に見舞った。続いた侑も流星の蹴りを打ち込み、敵を穿つ。
「ここで一発ええとこ見せたら莉那ちゃんも俺に「きゃー、侑さん素敵ー!」って――」
「言わん」
すぐにその言葉を遮った莉那だが、戦いにおいては侑を信用しているようだ。
二人に続いたライラプスとシェリーの攻撃によりルナロッサは更なるダメージを受けた。畳み掛けるならば今だと感じたディアナはくすりと笑み、少年に手を差し伸べる。
「月夜のダンスなんていかが?」
少し激しいものになるかもしれないけれど、とすぐに手を引いたディアナは蹴りで以て敵を穿つ。その姿が本当に舞踏のように思えたファリスは仲間の頼もしさに片目を眇めた。そして、彼もまた戦いの最後に向けてチェーンソー剣を掲げる。
傷だらけで苦しげな声をあげる少年を見下ろし、ファリスは静かに口を開く。
「歯を食いしばるといいよ」
そうしても痛いものは痛いだろうけどという言葉は押し込め、ファリスは迷いも衒いもない一閃を振り下ろした。
ヴァンパイアは膝をつき、既に虫の息だ。
最早、彼にはピアノしか映っていなかった。声なき声をあげ、這いずるようにして鍵盤に手を伸ばす。その姿に哀れさを感じなかったわけではないが、蓮爾は緩く頭を振って複雑な思いを払う。そして、彼は己の腕を寄生体へと明け渡し、ゐづみと共に駆けた。
「人を惑わす悪しき吸血鬼よ。今一度、墓標の下に眠りなさい」
眠りは誰にだって等しい故。
一瞬後――音もなく振り下ろされた刃はヴァンパイアに本当の終わりを齎した。
ヴァンパイアは消滅し、後に残されたのは少女達の亡骸。
静けさが満ちる館の中、灼滅者達はピアノの傍らに二人を横たわらせ、琥珀が持ってきた花を供えてやった。
「本人達が望んでいたとはいえ、このような最期で良かったのでしょうか」
琥珀の呟きに答える者はいなかった。
だが、ファリスは気を落とす仲間達へと自分なりの思いを告げる。
「救えなかったわけじゃない。多分、これが俺達に出来た最善の救いの形だよ」
彼の言葉に莉那と侑が頷き、蓮爾もそうかもしれないと同意した。そうして、イルミア達は主に命を賭し、散った少女達に黙祷を捧げる。
そんな中で楓は残されたピアノの鍵盤にそっと触れてみた。
彼女が奏ではじめたのは即興演奏から生まれたという曲目、『春の声』。
未だ春は遠いけれど、いつかこの館にもあたたかな季節のような幸福が訪れるように。そんな願いを込めて、鎮魂歌代わりの演奏は暫し響き続けた。
軽やかな旋律が奏でられる最中、ディアナは窓辺から見える夜空を振り仰ぐ。
射し込む月の光は淡く、何処か寂しげに――永遠に主を失ったピアノを照らしていた。
作者:犬彦 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2014年12月23日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 1
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