クリスマス2014~トゥインクル・クリスマスワルツ

    作者:志稲愛海

     学園の掲示板に張り出されているのは、生徒の皆への、クリスマスのお誘い。
     それは――煌く伝説の木の下で催される、ダンスパーティーの招待状。

     皆で飾り付けをした巨大クリスマスツリーが輝きを増す、聖夜の黄昏時。
     メイン会場をロマンティックに彩る、クリスマスキャンドルに照らされながら。
     生演奏に合わせて手を取り合い、くるりくるりとステップを踏み始めれば。
     そこには、鮮やかな光が流れゆく、自分達だけの特別な景色が。
     そんな、クリスマスだけの特別な色で溢れる世界を――貴方も、誰かと共有しませんか。
     大切な恋人同士は勿論、かけがえのない友達とであったり、強い絆で結ばれたサーヴァントとであったり。それに気になるあの人を誘ってみる、絶好の機会にも。
     主役ではないけれど、楽しい時間を作り上げる奏者や歌手も募集中。
     うんとおめかしして、いつもとはちょっぴり違ったロマンティックなムードの中で。
     2014年のクリスマス、ダンスパーティーを楽しみませんか?


    「ねー見て! 学園の伝説の木の下で、クリスマスダンスパーティーが催されるんだって。オレも参加したいなー」
     そうキャッキャはしゃぐ飛鳥井・遥河(中学生エクスブレイン・dn0040)の声に、伊勢谷・カイザ(紫紺のあんちゃん・dn0189)も掲示板へと目を向ける。
    「クリスマスダンスパーティーか。やっぱりダンスパーティーは定番で外せないクリスマスイベントだからな、俺も出来れば参加してみたいぜ」
    「衣装は自前でもいいし、貸してもくれるのか……綺麗なドレスを着て踊るとか、やっぱりちょっと憧れる、な」
     そう少し照れつつも言った、綺月・紗矢(小学生シャドウハンター・dn0017)も。
     改めて皆と共に、掲示されているクリスマスダンスパーティーの内容を確認してみる。
    「場所は、クリスマスツリー仕様に飾られた伝説の木がある、メイン会場か。時間は日が落ちる頃、ちょうど夕方の黄昏時みたいだな」
    「ダンスパーティーって言っても堅苦しく考えなくてよさそうだよね、学園内のパーティーだからさ! 社交ダンスしたことなくてもきっと全然大丈夫、楽しんだもの勝ちだよ!」
    「ロマンティックな雰囲気の催しみたいだが、さっきも言った通りフォーマルな衣装のレンタルもあるようだから、着ていくものがないからと言って臆することもなさそうだな。むしろ、普段着る機会のあまりないドレスなどを着られる、いい機会かも」
     クリスマスダンスパーティーと聞くと、何だかちょっぴり大人なイメージがあるが。
     参加者は皆、同じ学園の生徒。妙に構えて参加を戸惑う必要はない。
     フォーマルでロマンティックな雰囲気を十分味わいつつも、きっと誰でも楽しめるだろう。
     ダンスは基本、ペアで踊ることになるだろうが。個人で楽しんだり現地で誰かに声を掛けてみるのもいいし、数人で楽しむのもアリではないか。
     また、もしもピアノや歌やヴァイオリンなど腕に覚えがある人がいれば、生演奏の奏者や歌手としての参加も可能だ。それにちょっと踊り疲れたら、簡単な軽食やスイーツや飲み物など、ささやかではあるがお茶会の用意もされているという。
     ただ、あくまでこのパーティーの主役はダンスを踊る参加者達。主役として演奏したかったり、おなかいっぱい飲み食いしたい場合は、学園内で催される他のイベントの方が向いているだろう。
     雰囲気も抜群な、巨大クリスマスツリー煌く黄昏時。それぞれ存分に、ダンスパーティーを満喫して貰えればと。
    「恋人や友達同士での参加が楽しいのは勿論だろうけどな。学園内の催しだからサーヴァントとも参加できるみたいだし、俺も相手見つからなくても霊犬のゼロと楽しんでみようかと思ってるぜ」
    「現地で誰か誘ってみるのもいいだろうし。それに、気になっている相手を誘う、良い機会でもあるんじゃないだろうか。クリスマスキャンドルや伝説の木のイルミネーション煌く会場で、生演奏に合わせてダンスを踊る……ロマンチックなクリスマスらしいパーティーになりそうだな」
    「いつもとちょっぴり雰囲気違ったフォーマルに着飾った相手と、手を握りながらダンスするとかさ……なんか考えただけでもドキドキしちゃうしさ。最高のクリスマスの思い出になりそうだよね!」
     そして3人は、改めてパーティーの内容が書かれた招待状を眺めながらも。
     もし予定がまだ決まっていなかったら誰かと参加してみたらどうか、と。
     そう、掲示を見ていた貴方を誘うのだった。

     いつもよりお洒落に着飾って、ちょっぴり背伸びして。
     素敵な生演奏に乗り、軽やかに楽しく、そしてムーディーにロマンティックに。
     巨大ツリー煌く黄昏時に催される、クリスマスダンスパーティーを。
     貴方も是非、楽しんでみませんか。


    ■リプレイ


    「今宵のあなたの時間をぜんぶ、僕にください」
     そう匡が手を差し出すは、とびきりお洒落した薔薇のお姫様。
     莉奈は思わず照れてはにかむけれど。
    「……うん。素敵な時間を過ごそうね」
     そっと手を取り、キラキラ輝く景色を王子様と廻り始める。
     そして交わすは、お姫様だっこできるくらい大きくなる事、自分磨きを頑張る約束。
     互いの「好き」を――またひとつ、増やしながら。
     最初はひよりのエスコートに精一杯で、ぎこちなかった春。
     でも優雅でなくても。
    「そっか。カッコいいより楽しい方がいーですよね」
     手を取り遊ぶように足取り軽く、くるり笑い合って楽しむのが――自分達だから。
     そして花の国の「オヒメサマ」と、手を握り交わした次の約束は。
    「ね。あずまくんの身長がわたしを追い越したらまた一緒にダンスしようね?」
     きっと、すぐだから。
    「お手をどうぞ、お姫様」
     差し出された孤影の手を取り、雛が一歩踊り出せば。
     くるり開花する、大人びたフルール・ルージュ。
     そんな彼女は普段とはまた違う魅力を咲かせていて。
     近づきそうで近づかない彼の胸までの距離が、もどかしくて愛おしい。
     そして孤影は、正装し踊る互いの成長を感じるけれど。
    「今夜はその礼服姿、脱がさせないわ」
     熱い雛の視線は、相変わらず。
     今日は着ぐるみからドレスに着替えて。下ろした髪に揺れる髪飾り。
     けれど、これは踊れているのでしょうかっ? と周りを見る月夜の手を取って。
    「だったら、なるべくリードさせてもらいます」
     少し不慣れだけど、彼女に合わせステップを踏むアレクセイ。
     そして――ムード満点なチークタイムが訪れた時。
    「ふにゅっ?」
     アレクセイは寄せた彼女の頬に、そっとキスを。
     普段と雰囲気違う学園と、正装したお兄ちゃん。
    「大丈夫かな? 浮いてへん?」
     夜露はそう裕士におずおず尋ねてみるも。
     めっちゃ可愛いわぁと返る声に、ドレスを着てよかったと微笑んで。
    「じゃ、俺と踊ってくれへん?」
     差し出された手を取って踊る今なら……シンデレラの気持ちが、分かる気がする。
     そして混ざり合う手の温もりとキラキラした時間は――永遠の宝物。
     付き合いだして、1年が過ぎたから。
     一緒にいてくれた感謝をこめて。
    「わたしと踊っていただけますか? お姫さま」
     今日は響が宝物の恋人をしっかりとリードして、仲良く楽しみます!
     ダンスはお互い初めてだけれど。
     ゆっくりと、照れつつもドレス躍らせるユウの手を取りながら。
    「なんだか雪のお姫様と踊っているような気持ちだよ」
     リードする時継は、僕らしくなかったかなと呟くも。
    「先輩は白馬の王子様、ということになる、よ?」
     ユウがお姫様ならば、時継は王子様。
     そして楽しく踊るユウは、ふわり王子様に抱きかかえられて。
     またひとつ、良き思い出が。
     メリークリスマス! と。
     駆け寄ってくるのは、青の綺羅星纏ったお嬢さん。
     夜空の様なシックなドレス姿の詠は、その小さな一番星を抱き留めて。
    「さあ、ロマンチックな時間を過ごしましょうね」
     優雅な曲に合わせ結月をリードしながら、ステップを踏んで。
     お姫様気分な結月もくるり、鮮やかな世界を一緒に廻る。
     そんな愉しい時間はきっと……ずっと忘れられない思い出に。
     ドレス姿の奏恵は息を呑む程に新鮮で。
    「では……愛らしき姫君、一つお相手願えますか?」
     手を差し出すラツェイルは、王子様のよう。
     そんな二人は緊張気味に踊り始めるも。わわっ!? と一緒に転倒!
     ……でも。
    「ビックリしちゃったけど、守ってくれたんだよね? ありがと」
     確りと腕で庇ってくれた彼に、奏恵はドキドキしつつも笑んで。
     ラツェイルも笑顔を返す。今宵は貴女のナイトですから、ね――と。
     最初は足元ばかり見ていたけれど。
     俺が支えっから――そう眞白にエスコートされて、楽しく踊る緋織。
     そんな彼女のドレス姿は神秘的で。
    「……その、な……? そのドレスも、髪型も」
     ――すげぇよく似合ってるぜ、と。
     緋織の耳をくすぐる、眞白の照れ隠しの呟き。
     そして真っ赤になりながらも、緋織も想いを紡ぐ。
    「素敵なのは、眞白君で……今年も一緒に過ごせて、幸せよ」
     背伸びして履いたヒールのおかげで。
     正装したアルヴァレスまでの距離が近づいたユエファ。
     そして二人ダンスを楽しむも。ラストダンスの頃、ふらつくユエファの足元。
     でも、ふわり、彼女をお姫様抱っこしたアルヴァレスは。
     頬に触れた唇のお返しに、額にキスを。
     そしてユエファは真っ赤になりつつも。
    「来年は、唇にしてください……ですよ」
     そんな、小さな我が儘を。
     お互いダンスは得意ではないけれど。今日はとても、特別な日だから。
    「俺と踊っていただけますか、お姫様」
    「……喜んで、王子さま」
     差し出された拓馬の手を取る樹。
     少し不恰好でも、愛しい人と二人で踊りたいから。
     そして音楽に合わせて踊りながら、改めて、忘れないように刻みこむ。
     こうしていられる幸せを――握った手からじわりと伝わってくる、大切なこの温もりを。
    「私と、踊って頂けますか。ウルル殿」
     そう差し出されたのは、燕尾服姿なミゼの掌。
     ダンスは初めてだけど……一緒にいられるなら、それだけでいいから。
    「踊りましょう、ミゼさん!」
     少しだけ勇気を出して、手を重ねるウルル。
     伝説の木を飾る聖夜の光に、睦み合う人達の温もり。
     ミゼはそんな祝福たる一夜を楽しみ踊りながらも。
     繋いだその手を改めて、強く優しく握り返す。
     乱戦時の殺陣と捉えれば、きっと大丈夫。
    「一味違うダンスをお見せしましょう♪」
    「どのくらい上達したのか、お手並み拝見ですね」
     律希はありのままの姿で、正流の誘いに応じて。
     大きくて逞しい手、彼の息遣い……全てを愛しく感じる。
     そして今だけの16歳の律希から、目を離さずに。
     来年も再来年も、永遠に傍で――と。
     羽の様に軽い正流の口付けが、唯一無二の相棒へ。
     にっと笑んで、どうぞ、と差し伸べられたのは、おめかしした明莉の掌。
    「いつもかっこいいけど、今日はいっぱいかっこいい」
     おずおずとその手を取り、心桜はえへへと笑み返すも。
     何だか周囲と……テンポがずれている気が?
     でも、掌から伝わるこの温もりを感じ巡ってきた1年。
     そしてこれからも自分達のテンポで。
    「嫌って言われても離さないよ」
     また1年、一緒に歩いていきたいから。
     お気に入りのロングドレスを着て。
     隣には優しくエスコートしてくれる、イケメン紳士な王子様。
     そして照れを抑えつつも。
    「お嬢さん、一緒に踊っていただけますか?」
     ロマンティックな曲へと変わり、桜太郎は百合亞に腕を差し出して。
     ぎこちなかったり、足を踏んでもご愛嬌!
     近距離上目遣いする可愛い彼女が、すぐ傍にいるのだから。
     ふわり咲く甘い白薔薇のドレスは、愛するみつばちさんの為のもの。
     その綻ぶ花を独り占めしたくて、円蔵はぴたり寄添って。
    「さあ、一曲と言わず飽きるまで踊りましょうか、ヒヒヒ!」
     イコもその腕に身を委ねる。
     最初はゆっくりと、慣れればターンも交えて。
     離れては引き合い、共に円を描き上げる。
     この幸せな時間、聖夜の星が煌くまでずっと――愛と感謝を囁き合いながら。
     綺麗なドレス姿に見違え、ディアナに賛辞の声を掛けながらも、心なしか緊張気味の翼。
     その理由は。
    「パートナーへの気持ちを込めてね、所作に表れるから」
    「……所作か、頑張ってみる。リードはよろしく頼むな」
     ダンスなんて、初めてだから。
     でも、いつもと逆な状況に、ディアナは嬉しそうで。
     そう、すごく上手、と――彼をリードしつつ一緒に廻る聖夜の黄昏を、存分に楽しむ。
     縁あると思わなかった、御伽噺の様な時間。
     でも今日のヒロインは吃驚する程に綺麗で。
    「……その、すごく綺麗だから、真直ぐ見られなくて」
     そんな篠介に、嬉し気に笑む依子。
     そして、お手をどうぞと引き寄せられれば。喜んで、と腕の中へ。
     混ざり合う鼓動や体温、躓いてもおあいこ。
     作法よりも楽しんだもの勝ち。
     顔を見合わせては、楽しい、と――子供の様に笑い合う。
     リードしようと思っていた春翔に、逆にエスコートされて。
    「誘われたからには退屈をさせはしないさ」
     少し楽しげな笑みに律花は拗ねつつも、そんな彼が格好良くて。
     でも本当の驚きはダンスの後――左薬指に贈られた指輪と、指に落とされたキス。
     そして律花は彼の胸の中で。
    「あんまり待たされると、私から追いかけるから」
     嬉しくて真っ赤な顔を隠して……ささやかな抵抗を。
     白のタキシードを着こなした討真が、予想以上だとシニカルに笑むのは。
    「あんたはもっとちゃんと衣装選びなさいよ!」
     真っ赤になって怒る御凛の姿。
     彼女の衣装は討真自作の、ピンクのゴスロリ風ドレス!
     そして恥ずかしがる御凛の手をそっと取って。
    「勘違いするなよ。お前がいつも以上に可愛いって事だからな」 
     ダンスも完璧にリードするべく、討真は彼女をエスコート。
     ダンスはさっぱりだし、装いも普段着だけど。
     転びそうになっても、大丈夫。
    「……こ、こんな感じで良いのかしら」
    「簡単簡単、腰に手を当てて……そうそう、上手!」
     だって百花の手を引く三ヅ星は、王子だから。
     握るその手はあったかくて、音楽に合わせ踊るのは楽しくて。
     笑顔で百花をエスコートしつつも三ヅ星は、ふと一番肝心な事を口にする。
     ――メリークリスマス、と。


    「じゃあ、紗希さん……Shall we dance?」
     大丈夫だって、しっかりリードするよ、と。
     少し心配気な紗希と手を重ね、祖母仕込みのダンスでエスコートする宥氣。
     そして何度か足を踏みつつも彼のリードで踊れた紗希は。
     ピアノだー! と笑む宥氣と。
    「それじゃ、1曲伴奏してもらえないかしら?」
    「1曲いいかな?」
     同時に声を掛け、思わず笑み零し合う。
     麗華のピアノの主旋律を引き立たせる、既濁のヴァイオリン。
     しっとり定番ソングも忘れずに。
     いつも通り気軽気楽に弾く既濁は、ふと視線を麗華へ向けて。
     彼女も楽しいと思ってくれてればと、そう思う。
     そして……懐かしかった、です……と。
     一礼した麗華に、ありがとうよと逆に礼を。
     ダンスもいいけど、やはりこっちも悪くないから――誘って良かった、と。
     おめかしした朋恵も、知った恋人達を見つけては、末永くお幸せに! と。
     歌やピアノで、ロマンチックな曲を奏でて。
     演奏を終えた後は、カイザと一緒に、レッツダンス!
     サウンドソルジャーの本領発揮!
     七葉は皆を飽きさせぬよう変化をつけ、弦楽器を奏でて。
     演奏の休憩に、Voulez-vous danser avec moi?――紗矢達へダンスのお誘いを。
     友達同士での参加も勿論大歓迎!
     約束通り律義に来た那月に。
    「メリークリスマス。良く来たね」
    「嗜み程度のダンス技術だ、期待するなよ」
     ギルドールは、嬉し気で悪戯っぽく彼に笑んで。
     難しめでも大丈夫な那月と、テンポ良い曲でshall we dance?
     そして相手交代。
    「先輩、Shall we danceです」
     踊り慣れていない結弦を那月はリードして。
     そこそこコツを掴んだ結弦は、弟の様に無邪気に那月へと礼を言い、嬉しそうに笑い掛ける。
     そして最後にギルドールと結弦が踊るのは、明るくて楽しい曲。
     さくらと凍路にとって初のダンス。
     普段と印象が違う、葡萄色のドレス着たさくらは大人っぽくて綺麗で。
     顔の赤さを気にしつつ彼女をエスコートする凍路が、教わった様にその手を取れば。
     想像以上の距離の近さに照れるけれど。
    「ちゃんと踊れてるか気になるのですが……その。楽しいですね」
    「大丈夫……だと思うよ、先輩。……うん、僕も楽しい」
     こんな二人の時間が、楽しい。
     いつもと違う装いと、飾られた伝説の木。
    「……おとひこちゃんすごく素敵。王子様みたい」
    「おお。美冬も鈴も似合ってるぞ」
     お姫様と王子様、そして鈴も共に。夢の様な、ダンスタイムのはじまり。
     ――あのね、ご一緒してくださる?
     そんな美冬の声に、喜んで、と手を取る乙彦。
     いつもより近づいた視線、握る手の温もり、流れる音楽。
     そんな特別なクリスマス色の世界で。一緒に居られる事が、幸せ。
     ……夕方で助かった、やも、と。
     普段と違う七星の姿に、熱帯びた頬を儚は抑えつつ。
    「折角だから……ご一緒に踊っていただいて、も?」
     あの景色を思わせる青を纏った姫の誘いに、七星はその手を取って。
    「よそ見してっと転ぶぞ」
     そう彼女の耳元で囁き、笑む。
     こういうのは楽しんだもん勝ち!
     笑われても躓いても、くるくる踊って楽しく笑い合えれば……それが最高だから。
     練習したステップでシェリーをリードし、手を握る赤いレイチェル。
    「綺麗だぜ、シェリー。太陽より眩しい……」
     白い肌、輝く瞳、傍で感じる吐息や温もり。普段は言えない気障な台詞に。
    「まあ、嬉しいわ。私の愛しい王子様」
     嬉しげにシェリーは笑むも――刹那、大きな音が!?
     そして転倒し、押し倒した体勢になったルビーに。
     積極的ね……と、動じずシェリーは言うのだった。
     こんな洒落た事をするのか、と。
     紫姫手製の正装姿で、継霧は彼女をエスコートして。
     ダンスを踊れば……意外と密着し感じる体温。
     そして、足を踏むのではという不安から。
    「えっと……こうやって」
     紫姫はぐるぐるパニックに。
     でも。
    「もっと楽にしろ、少しくらい間違えても構わんから」
     そんな継霧の声に、落ち着いて。
     彼に合わせゆっくりと、今度は笑顔でダンスを楽しむ。
     一緒に踊るのは学園祭以来、でもまだ付き合っていなかったから。
     今宵は、恋人として踊るダンス。
    「やっぱり、彩さんはダンスお上手ですね」
    「文くんがリードしてくれるからだよ……」
     文具は彩に合わせ、楽しく緩やかにステップを踏んで。
     ふと――空を仰げば。
    「月が綺麗ですね」
     本当の意味は、文具は知らないけれど。
    「わたし、死んでもいい……なーんてね!」
     照れ臭そうに返す彩は、この意味を知っています。
     慣れた仕草でスマートに、エステルをリードするヘルマイは。
    「ドレスを身に纏って踊る君の姿は、本当に綺麗だよ」
    「……ふふ、本当にお世辞が上手なのですね」
     僕は本気なのにな……と、くすり笑んで。
     楽し気ながらも、自分はその目にどう映っているのかと。密かに思うエステルを見つめる。
     今まで何度も踊ってきたけれど。こんなに心動かされたのは……あの人以来かもしれない、と。
     山吹色のドレス纏うポーシャに見惚れる朝斗は。
    「見つけた、アサト!」
     伸ばされた腕に屈み、耳付きの頭を撫でられながら。
     借りたスーツが似合うと言われ照れつつも。
    「今日は足、踏まないからな」
     彼女に手を差し出し、踊る人達の輪の中へ。
     最初ぎこちなかった朝斗の足取りも、リズムを纏い楽しく踊るポーシャと共に軽快になって。
     そして、ありがとうと、つられて笑むのだった。
     ワルツを踊りながらブランシュヴァイクがルナに訊くのは、彼女自身の事。
     聞かれた事に淡々と返答するルナに、彼が再びこう尋ねれば。
    「貴女はいったい、何者なのですか?」
    「……運命という鎖に縛られた、ちっぽけな女です」
     この問いだけ、微かに感情が混ざってしまったけれど。
     いつも笑み返す彼が気付きません様にと。
     ステップを踏みながら、彼女はそう願うのだった。
     紅緋も紗矢と1曲、ダンスに挑戦!
    「ええと、こうです?」
    「ここでターンか」
     頑張ってリードする紗矢もそう慣れてはない様だが。
     でも段々コツを掴んだ紅緋は、今日は彼女と踊りたい気分。
     軽快に響くエナメルの靴音。
    「カイザくんはこういうダンス踊った事ある?」
     潤子は共に踊るカイザに尋ねるも。
    「いや、ぶっちゃけ俺もないぜ」
     初めて同士楽し気に、見よう見まねステップ!
    「ねぇルカ知ってる? こういうパーティは一人じゃ踊れないんだよ」
     そう挑発する奈央に、じゃあ一緒踊ろーと遥河は笑んで。
     お手をどうぞ、とリードし始めれば。その実力は両者互角くらい!
    「伊勢谷くん、私と踊って頂けますか?」
     そんな水花に、勿論! とカイザは笑んで。
     足を踏まぬよう気をつけつつも、ドレス姿すげー新鮮だな、と。
     そっと手を取って舞台へエスコート。
     一刀の二体の「操り人形」が踊るは「人形回し」のダンス。
    「楽しいな……クククっ。僕の記憶が戻れば、もっと楽しめるんだろうねぇ~」
     そして彼の傍には、少女な見目の白き装いのビハインドも。
    「動きにくいぜこの服……」
     そう呟いていた陽斗は、いつもと違うソフィアの綺麗なドレス姿に思わずたじたじするも。
     精一杯カッコつけて、彼女に誘いの手を差し出したはいいが。
     リードを任され、ギクシャク。ダンスも足が縺れないように必死で踊って。
    「気負う必要は無かろうよ、どうせ相手は私だろう?」
    「だって難しいだろこれ!」
     余裕のない彼とは逆に、嗚呼次が始まるぞと、愉しげに笑むソフィア。
     陽斗をダンスに誘ったその理由は――だって彼は何時も、愉しいから。
     いや、何となく分かってたから。
    「とうっ!」
    「これでレミっちもイチコロ……ぐはぁ!?」
     レミは、超緊張した正装姿の着ぐるみにパンチ!
     仕方ないのでタキシードに脱皮した直哉は。
     一礼しレミの手を取ると、精一杯優雅にエスコート。
     内心、そんな彼をカッコいいって思ったけれど。
    「たまにはこういうのもいいっすね♪」
     これでもサンソルの端くれ……ご当地ではないですよ!?
     色々歓喜の声を上げたいが、お淑やかにと。
    「足を踏むようなヘマはしませんけど……なんすか、その笑顔?」
     ぐぐっと抑えるギンに不安感じる愛であるが。
     お手をどうぞ、とお嬢さんへと手を差し出して。
     優雅にリードされつつも……たまに繋いだ手を引く、悪戯っ子なギン。
     そして彼女が一番幸せなのはやっぱり。
    「先輩も一口いかが?」
     大好物『紫芋モンブラン』を食べている時!
    「アンタが誘ってきたから参加するんだからね!」
    「そんなこと言って嬉しいくせにー。今日も可愛いぜ」
     今日も通常運行な、もいかとアルヴァンだが。
     いざ踊ってみれば――予想以上に距離が近い!
     これはもしかしていける……!?
    「……あ、足踏んだ。わ、悪り! 大丈……ぎゃー!?」
    「痛っ!? なにすんのよ!!」
     返ってきたのは、足踏み3倍返し! まだまだ、先は長そうです。
     問題ないと本人は言うけれど。
     明らかに知識だけな初美を、慣れないながらもリードする真咲。
     そしてくるり、音楽に合わせ廻りながら。
     エメラルドのドレス着た彼女の耳元で――今日こそ、確りと伝える。
    「好き……って言うだけだと流されそうだからハッキリ言う。愛してる」
     そんな思わぬ告白に。音楽止まぬ中、立ち尽す初美は。
     真っ赤になり去る彼をただ、見送るしかできない。


     薄いピンクのドレスは着慣れないけれど。
     聖夜の今日は、ロマンティックな曲をゆったりと踊る藍晶。
     綺麗よ♪ と笑みながら、黒曜はそんな彼女をリードして。
     1曲終わった――その時。
    「!?」
     ふいに、ネクタイを引っ張られて。
     目を丸くした黒曜の唇に重なるのは……背伸びした、藍晶のキス。
    「……黒曜、愛してる。大好きよ」
     そして真っ赤になる彼女に、目を閉じ微笑んでから。
     今度は黒曜が、藍晶を抱き寄せる番。
    「私も愛してる藍晶ずっとずっと離さないから」
     普段と違い大人な印象の優樹に悪戯っぽく微笑まれて。
    「お手をどうぞ、姫」
     手を引く王子様――十夜は、彼女をエスコート。
     楽しめれば自惚れでも充分。そうニッと笑む十夜に引き寄せられた優樹は。
     真っ直ぐ彼を見つめ、告げる。
    「ねえ、風雷さん、今だから言っちゃうけどね。大好き」
     そんな突然の告白に……俺もだ、と。
     返す十夜の表情はきっと――自分すら見た事がないもの。
     お母さんの形見の月色ドレス纏う花夜子の姿に。
    「綺麗だ……見違えたよ」
     目を見開いた桐人は、初めてのダンスに少し緊張気味。
     でも、温もりを感じるくらい確りと花夜子の手を引いて。
     段々とスムーズなステップを踏んでいく。
     そして曲が終わる頃、囁かれたのは。
    「好きだよ」
     花夜子の心臓をはねる声。
    「アタシも、好きだよ」
     いつも彼は大事な時に、大事な言葉をくれるから。
     ウォルフのポケットから覗くのは、偶然彼女とお揃いの、シュテラの様な桜色。
     それから、せめていいところを見せたいと。
    「姫、お手を」
     重ねられた手を取るウォルフは、折れそうな細い指を握り、改めて思う。
    「本当にお姫様になった気分よ。いつも私をとても大事にしてくれてありがとう」
     光の姫君は、僕が護らなければ、と。
     そして姫に誓う――必ず貴女の全てを僕のものに、と。
     舞踏会は初めてだけど。正装した清十郎は、雪緒をエスコートして。
    「清十郎は王子様……騎士様? でしょうか」
     ワルツを踊る足元は少し覚束ないが。
     ロマンティックな雰囲気に酔い、お姫様気分に浸る雪緒に。
    「ならば雪緒は愛しの姫君かな?」
     では姫様、暫くお付き合いお願いしますね――と。
     清十郎は彼女と寄り添い、楽しむ。
     音楽や光と共に流れゆく……御伽噺の様な時間を。
     ――よく似合ってるよ、綺麗だねと。
     澪音の姿を見てふと零した言葉に照れる広樹。
     そんな正装した彼に、心臓の音鳴り止まぬ澪音は。
    「私と踊っていただけますか?」
     音楽に合わせ、そう優雅に一礼を。
     そして手を引かれ、彼と踊れる事が何よりも一番嬉しくて。
     ドキドキ顔を赤くする澪音は、向けられた彼の心配気な視線に。
     素敵なクリスマスになったわと――にっこり微笑みを。
     いつもと雰囲気が違う互いの装いは魅入るほど素敵で。
     そっと灯倭へと差し出される、空の手。
    「それじゃあ、『Shall we dance?』、かな」
     その返事は勿論――「I'd love to」。
     手を繋ぎ廻る黄昏の聖夜は緊張するけれど、とても幸せで。
     ふと背伸びした灯倭から貰った、頬のキスのお礼に――俺も大好きだよと。
     空は照れ笑う彼女の頭を、優しく撫でる。
     二人で着れば怖くない!?
     そんな里桜の謎条件で、ドレス姿な勇騎……どうしてこうなった。
     そして、一曲踊らないかと差し出されたその手を取って。
     えぇ、喜んで、と勇騎が返したのは――指先に落とした、口づけ。
     そしてワルツの後、背伸びした里桜は囁く。
    「……愛して、ます」
     そんな予想外の言葉に、勇騎は赤くした顔を背け呟く。
     ……先を越されるとは思わなかった、と。
     胸元に青薔薇咲くロングドレス。
     そんな装いは慣れているのに……宵帝を前に、どきどきが止まらない羽衣。
     だって、まるで王子様みたいだから。
     そんな彼女と密着しリードして踊る宵帝も思う。
     彼女の瞳には自分だけが映っていればいい――と。
     そして、会話はなくても伝わる気持ち。
     心地良く笑み絶えない二人の初めての聖夜の時間が……このまま止まってしまえばいいのに、と。
     纏う白いドレスは、よく似合ってる、と正直に零すほど夕景に眩しくて。
    「お手をどうぞ、お嬢サン」
     引き寄せたいくらい綺麗な紡に、藍が手を差し出せば。
     お相手、よろしくねと。手袋外した紡の掌が重なる――直接、触れたいから。
     向き合うのは新鮮で。普段より近い声、伝わる温もり、ぎこちないステップも愛おしい。
     大好きな貴方と初めてを積み重ねて、一緒に努め歩みたいから。
     その赤いドレスはドロシーに似合っているけれど。セクシーで直視できない新。
     そして誰かと一緒となると難しいダンス。
     でも嗜みのあるドロシーは、新とステップを踏みつつ助言を。
    「大丈夫、相手を思いヤッテ、一緒に楽しむことが大事デスカラ」
     彼ならば得意そうだから。
     そして、楽しいデショウ? と笑む彼女に頷いた新は。
     ドロシーへ、これからもずっと先もよろしくね、と。
     えっへん、どうですか? とドレス姿をお披露目するイシュテム。
     要にも正装させたし、準備は完了!
     そしてダンスはそこそこ慣れているけれど。
    「ちょっ……今のステップはそっちじゃないですよぅ!」
     イシュテムの足を踏んだ要はターンで誤魔化します!
     そんな毎回踏まれる彼女の靴は来年厚底?
     それから今度は。
    「子供の時は同じ背丈だったのにねぇ……」
     その身長差に苦戦を。
     青か黒かと思っていたけれど。
    「あの……えっと……にっ、似合います、か……?」
     遥香のドレスは、鮮やかな赤。
     変じゃないかと不安がる彼女に、うん似合ってる、と瞳細める迦月は。
    「もう一つ、綺麗になるアイテムを足してみようか」
     彼女の胸元に、大人っぽい黒薔薇をそっと咲かせて。
    「お手をどうぞ、……お嬢様?」
     微笑む遥香をエスコートすべく、迦月はその手を差し伸ばす。
     可愛いとか似合ってるとか、本当は大騒ぎしたいけれど。
     今日の紀人の目標は、最後までカッコ良くはぜりんをエスコートする紳士!
     でもドレス姿のハゼリに動機息切れがやばくて。
     雫型のストーンチャーム揺れるチョーカーに、嬉しくなる。
     ハゼリも彼と指先が触れ合えば、熱と心臓音が伝わりそうな程に高まって。
     そして――囁かれたのは。
    「メリークリスマス、ハゼリ」
     名前を呼ぶ、彼の不意打ち。
     髪に咲く薔薇は、色違いのお揃い。
     ヴィルクスは髪を下ろし性格が変わったフィルギアに踊りを教わりつつも。
     身長的に男性役を強いてしまうと、申し訳なさ気に言った彼女に。
    「今年もお前と一緒にいられるだけで、私は充分すぎるくらい嬉しいよ」
     ――メリークリスマス、親友、と。
     来年も再来年も、一緒にいる事を……手を繋ぎ、聖夜に踊りながら二人、神に誓うのだった。
     今は青年の姿だけど……きっともう少しで釣り合う身長になると思いながら。
     スーツ姿のゼロは、麗夢へ手を――Shall we dance? と。
     麗夢はその手を取るも。本当の彼を知っていると、違和感が?
     そして一緒に踊りつつも。
    「どう、かな? 少しは恋人らしく見える?」
     ゼロに問われれば、暫く思案顔して。
    「……60点かな?」
     もっと頑張りましょうねと、彼に微笑む。
     フォーマルにおしゃれして。
     レジィはお友達の侑太を、おすましエスコート。
     きらきら輝くツリーやキャンドルの下、ふわふわ笑い合って。
    「すっごく似合ってますっ」
     思ったままの言の葉を侑太が咲かせれば。
     嬉しげに笑うレジィが今度は、さあ踊ろうと、彼女の手を取る。
     そしてくるくる、楽しげな音楽を歌えば。
     楽しいと笑み零れる、素敵なクリスマスの思い出が完成。
     手を引きリードしてくれる和夜を、アイナは優しく見つめつつ。
     振り返るは、後悔や感謝、成長の切欠にもなった闇堕ちの事。
     アイナが傍にいる安心感や幸福感を和夜も噛み締めて。
     曲が終わる頃、与えられたのは。
    「Merci……Tu es aime」
     ありがとう、貴女を愛しているわ――愛しさ故の悪戯心で、頬へのキス。
     でも、少し微笑み和夜が返すのは、唇への愛情のキス。
     青薔薇咲く黒のドレス着たスヴェンニーナに、暫し言葉失った後。
     少し緊張気味の流が頬を掻くのは、照れの表れだけど。
    「踊るか」
     そう手を重ねた恋人の腰を抱き寄せる。
     ぎこちないリードでも、こんな楽しいワルツは初めてで。
     また来年もと囁いたスヴェンニーナは、彼の頬に口付けを。
     そしてお返しは。
    「メリークリスマス……綺麗だよ、ニーナ」
     唇へと落とされた、甘いキス。
     夕暮れの時間は、二人にとって特別で。
     思い出すのは、潮の気持ちに夜宵が応えた、あの時の景色。
     闇はやはり怖いけれど。クリスマスの光煌く中、傍に彼が居るから……大丈夫。
     そして芝居掛かったな台詞と共に。
    「踊っていただけますか、愛しいお嬢さん?」
     差し伸べられた彼の手に夜宵ははにかんで応え、ステップを踏みながら。
     互いの体温が混ざる距離まで、ぐんと接近する。
    「足を踏んでもいいから、僕のことだけをみて。動きに合わせて」
     そう、エスコートしてくれる式だけれど。
    「ふふ。一緒に踊れてうれしいっす」
     足を引っ張らぬよう練習してきた菜々。
     そんな彼女の腰に左腕を回し、抱き締める様にステップ刻みながら。
     式はひらり揺れる赤いドレス着た恋人を見つめて。
    「綺麗だよ、菜々」
     そしてクライマックス――両手で抱き締めた彼女に、キスを。
     一緒に踊るのは、運動会以来。
     桃夜は白のタキシード姿のクリスに見惚れつつ。
     エスコートは自分がと、大事なので2回言いました。
     そしてそっと愛しい人の手を取って、くるりと一緒に廻り始める。
     それはとても幸せな時間で。
    「ね、トーヤ? ……好きだよ」
     来年も再来年も、その先も。
    「オレも……大好きだよ、クリス」
     こうやってステップを踏む様に、ずっと歩んでいきたいから。
    「ふふ、お嬢さん、ボクと一曲お願いできますか?」
     そんなアモウの誘いに、喜んで、と応じれば。
     澱みなく巡る彼のステップが、舞を完璧にエスコート。
     彼と会話を交わし楽しむ舞の足取りも軽くなって。
    「んー、こういうクリスマスもいいものだねぇ」
    「さ、最後まで楽しもう、折角のクリスマスなんだから」
     いっぱい思い出になるぐらいにね――と。
     軽快に、最後のワルツも一緒に。
     大人っぽく仕上げた優志の全身を確認して。
    「さて、俺の最愛のお姫さん。一曲踊って頂けますか?」
     恭しき誘いに手を重ね、1曲でいいの……? と。
     美夜は緊張気味な彼に、思わずくすり。
     そしてラストダンス、片時も離していない真紅の姫君の手を再び引いて。
    「Merry Christmas、美夜」
     額の端にそっと優志が落とす聖夜の贈り物は――触れるだけの、キスひとつ。

    作者:志稲愛海 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年12月24日
    難度:簡単
    参加:133人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 15/キャラが大事にされていた 4
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