狙われたノーブラ娘!

     雛山・愛梨沙(のーぱんぱんちゃー・d24988)は、こんな噂を耳にした。
     『ノーブラ娘の乳に吸い付く邪悪な赤ちゃんが現れた』と……。
     この赤ちゃんは都市伝説で、普段はベビーカーに乗って泣き喚いているのだが、それに気づいて近づいてきた女性の胸を吸ってくるようである。
     こうなるとすっばんの如く吸い付き、なかなか離れてくれなくなってしまうらしく、被害に遭った女性が心に傷を負っているようだ。
     中には、赤ちゃんに対して恐怖心を抱いている女性もおり、事態は深刻。
     その上、都市伝説は巧みなテクニックでブラを奪い取る事も出来るらしく、被害者は拡大していく一方のようである。
     しかも、都市伝説は身の危険を感じると、他の胸に飛び移ってちゅーちゅーと吸い始めるため、捕まえる事は困難。
     その事を踏まえた上で、都市伝説を倒す事が今回の依頼である。


    参加者
    琴月・立花(徒花・d00205)
    狐雅原・あきら(アポリア・d00502)
    瓜生田・ひいか(恋愛不器用少女・d01672)
    高村・葵(桜花爛漫・d04105)
    東雲・蓮華(ホワイトドロップ・d20909)
    雛山・愛梨沙(のーぱんぱんちゃー・d24988)
    白臼・早苗(静寂なるアコースティック・d27160)
    ユーリ・ベルトラン(影絵の騎士・d30857)

    ■リプレイ

    ●小さな悪魔
    「わーい、麗華さんと一緒だ~♪ 嬉しいなっ。麗華さんは愛梨沙と一緒で嬉しい~?」
     雛山・愛梨沙(のーぱんぱんちゃー・d24988)は大豪院・麗華(大学生神薙使い・dn0029)に純粋な眼差しを送りつつ、仲間達と共に都市伝説が確認された住宅街に向かっていた。
     都市伝説は赤ん坊の姿をしており、ノーブラの女性を見つけると、すぐさま飛びつき、その乳をちゅーちゅーと吸っているらしく、最近では巧みなテクニックでブラを奪い、己の欲望を満たしているようだ。
    「嬉しいような……悲しいよーな」
     麗華が苦笑いを浮かべた。
     この時点で嫌な予感しかしていない。
     おそらく……と言うよりも、確実に狙われる。
     その事に気づいてしまったため、素直に喜ぶ事が出来なかった。
    「大丈夫! 安心して、愛梨沙が守るから! どうせブラは取られちゃうから、今から脱いでおくといいよ!」
     愛梨沙が荒々しく息を吐きながら、ジリジリと麗華に迫っていく。
    「何と言いますか、またしょうもないものが出ましたね」
     富山・良太(ほんのーじのへん・d18057)が、呆れた様子で愛梨沙の頭を掴む。
     そのせいで、愛梨沙は後少しのところで、麗華に近づく事が出来なかった。
    「個人的には色々と真面目なつもりなのだけれど、こういう普通とは違う相手に縁が多いような気が……」
     琴月・立花(徒花・d00205)が、巫女服姿で汗を流す。
     別に好き好んで関わっているわけではないのだが、気が付くとこういった依頼に首を突っ込んでいた。
    「………私も何でこんな依頼ばかり、毎回参加しているんでしょうね……」
     東雲・蓮華(ホワイトドロップ・d20909)も、どこか遠くを見つめる。
     わざわざ都市伝説に狙われる事が分かっていながら、どうして依頼に参加してしまったのか、自分自身でも分からない。
     一言で言えば運命……、いや宿命とも言えた。
    「なんだろうな、あたいってこんな運命なのか?」
     瓜生田・ひいか(恋愛不器用少女・d01672)も、複雑な気持ちになった。
     その事を受け入れてしまえば、気持ちが楽になるのだが、それだけは何とか避けたいというのが本音である。
    「それにしても……、なんてハレンチな! どんな赤ちゃんデスか、まったく」
     狐雅原・あきら(アポリア・d00502)が、嫌悪感をあらわにした。
     だが、都市伝説は一見すると赤ん坊にしか見えないため、手当たり次第に攻撃していく訳にもいかなかった。
    「赤ん坊の姿を利用して悪事を働くなんて、正直許せない……」
     白臼・早苗(静寂なるアコースティック・d27160)が、怒りを抜発させる。
     都市伝説に悪意はないのかも知れないが、それならば余計にタチが悪い。
    「と、とにかく、都市伝説を見つけ出す事が先ですね」
     高村・葵(桜花爛漫・d04105)が、落ち着かない様子で口を開く。
     都市伝説を誘き寄せるためにノーブラで来たものの、動くたびに擦れてストレスが溜まっているようだった。
    「まあ、胸に来る事が分かっていれば、迎撃する事は容易いはず!」
     そう言って立花が自分自身に気合を入れる。
     その途端、傍にあったベビーカーの中から赤ん坊が飛び出し、立花の胸に吸いついた。

    ●空飛ぶ赤ん坊
    「う、嘘っ!?」
     立花は一瞬、自分の身に何が起こったのか分からなかった。
     気が付いた時には……吸われていた。
     しかも、身に着けていたはずのブラが宙を舞い、巫女服が肌蹴て都市伝説にされるがまま、あっという間に腰砕け。
    「この邪悪な気配は……都市伝説!」
     それに気づいた蓮華が、Hカップの胸を揺らして後ろに下がる。
     だが、そこで蓮華の視界に入ってきたのは、先程まで身に着けていたはずのGカップブラ!
    「ま、まさか……!?」
     そう思った時には、手遅れ。
     都市伝説がHカップの胸に、ダイブした後だった。
    「や、やめてくりゃしゃい」
     慌てて都市伝説を引き離そうとしたものの、強弱をつけて吸われたせいか、呂律が回らず変な声が出てしまい、両足がカクカクと震えて、立っている事さえ出来なくなった。
    「……そこから離れナサイ!」
     あきらが警告混じりに呟きながら、都市伝説に攻撃を仕掛けていく。
     それと同時に都市伝説が飛び上がり、その反動でバランスを崩した蓮華が、麗華を押し倒すようにして、互いの胸を重ね合わせた。
    「ねえねえ、愛梨沙も仲間に入れて!」
     そこに愛梨沙が加わり、くんずほぐれつな状況に……。
    「あ、あの、ちょっと待ってください。どうして、服を脱がす必要があるんですかっ!?」
     途端に麗華が身の危険を感じて悲鳴を上げる。
    「えっ? でも、こうしないと吸えないし……。今から愛梨沙が吸ってあげるね。これなら、都市伝説に襲われる心配もないでしょ♪」
     愛梨沙がまったく悪びれた様子もなく答えを返す。
     そのため、行き場を失った都市伝説が、不満げな表情を浮かべてブロック塀を飛び移り、自分が乗ってきたベビーカーの上に着地した。
    「なんでしょうか、この都市伝説は……。いえ、やるからには騎士として皆を守ろうとは思いますが……」
     ユーリ・ベルトラン(影絵の騎士・d30857)が、ゴクリと唾を飲み込んだ。
     念のため、サラシをつけてはいるものの、目の前の惨状を目の当たりにして、蛇に睨まれた蛙の如く身動きが取れなくなっていた。
     しかし、都市伝説が奪う事が出来るのは、ブラだけのはず。
     ならばサラシを巻いている自分が襲われる心配はない。
     心の中でそう思ってはいるものの、湧き上がる不安を抑える事は出来なかった。
    「触感が近いので触ってるといいですよ。垂れたり、文句を言ったりしませんし」
     それに気づいた良太が、都市伝説の荒ぶる気持ちを鎮めるため、持参したシリコンを渡す。
     だが、都市伝説は悪魔のような形相を浮かべると、ペッと唾を吐き捨てた。
    「僕はこれでもいいんですがね……」
     その反応に良太が不思議そうに首を傾げる。
     一体、何が不満なのか、良太にはまったく分からない。
     それどころか、『邪魔をするな!』と言わんばかりに泣き喚いている。
    「まあ、泣いてるのは、元気な証拠だから、大丈夫」
     竹尾・登(ムートアントグンター・d13258)が、都市伝説の行く手を阻む。
     次の瞬間、都市伝説が登の頭を踏み台にして飛び上がり、再び胸を吸うために襲い掛かってきた。
    「は、速い……!」
     ひいかが驚いた様子で声を上げる。
     しかも、気が付いた時には、女児用のタンクトップがめくりあげられ、胸を吸われた後。
     その感触に耐えながら、びくんびくんと体を震わせた後、我慢の限界を超えて甘く説明声を漏らした。
    「今……助けます……!」
     すぐさま、ユーリがひいかを助けにむかう。
     それと同時に都市伝説が飛び上がり、ユーリの胸元に巻かれていたサラシを剥ぎ取った。
    「ちょっ……サ、サラシは……やめっ……!?」
     ユーリが顔を真っ赤にする。
     しかし、都市伝説はユーリの胸に飛びつき、激しく音を立ててちゅーちゅーと吸い始めた。
    「あんまり、強く吸わ……ぁ……ん、きもち……」
     そのため、ユーリは今までに感じた事のない感覚に襲われ、声を上ずらせながら、その場にぺたんと座り込んだ。
    「何とかしないと……、大変な事に!」
     それに危機感を覚えた早苗が、からし入りの哺乳瓶を持って、都市伝説に近づいていく。
     だが、都市伝説は迷う事なく早苗の胸に飛びつくと、その無防備な胸を欲望の赴くままに吸い始めた。
    「だ、誰かっ!」
     その途端、早苗が未知の感覚に戸惑いつつ、イヤイヤと首を振りながら、都市伝説をぎゅっと抱き締め、仲間達に対して助けを求める。
     こうする事で都市伝説の動きを封じ込めようとしたものの、頭の中がクラクラしてしまい、何も考えられなくなっていた。
    「ね……、愛梨沙のおっぱい、とっても甘いよ。……いっぱい吸って♪」
     そんな中、愛梨沙がダッフルコートを脱ぎ捨て、腹掛けの紐を解くと、膨らみの兆しさえ見せない、未成熟な薄い胸を露わにした。
     しかも、そのぺたんこに胸にコンデンスミルクを塗りたくり、早苗を襲っていた都市伝説を淫らに誘う。
    「ばぶー!」
     都市伝説はそれに導かれるようにして、勢いよくぴょーんと愛梨沙の胸に飛びついた。
    「んにゃあああっ……、おっぱい溶けちゃうう!」
     愛梨沙が恍惚とした表情を浮かべる。
     都市伝説も興奮した様子で、ちゅーちゅーと吸い始めた。
    「倒すのなら、今がチャンス!」
     次の瞬間、葵が都市伝説の背後に迫り、斬艦刀をバットの要領で振り下ろした。
     
    ●赤ん坊、大ピンチ!
    「んぎゃああああああああああああああああああああああああああ」
     都市伝説があまりの痛さに泣き喚く。
    「麗華さん、愛梨沙のおっぱい、取れてないよね? よく見て、じっくり見て」
     愛梨沙も不安げな表情を浮かべ、自らの胸を麗華の顔に押しつけた。
    「コ、コンデンスミルクが潤滑油になって大丈夫……みたいです」
     麗華が困った様子で答えを返す。
     よく分からないが、おそらく葵が絶妙な力加減で、戦艦刀を振り下ろしたのだろう。
    「と、とにかく、都市伝説を倒さないと……」
     蓮華が胸元を隠して、都市伝説に視線を送る。
     だが、未だに両足が震えて、立っている事さえ出来なかった。
     それでも、何とかして攻撃を仕掛けようとしたが、都市伝説が舌舐めずりをし始めたため、反射的にたじろいだ。
    「あっ、やっぱりれーかサンがいちばん……。にゃっふっふ、やはり大艦巨砲主義……デスか……!」
     そんな中、あきらが脳内カメラで、蓮華の艶姿を記録する。
    「おぎゃあ!」
     それと同時に都市伝説が鳴き声を響かせ、あきらの胸に飛びついた。
    「えっ、ちょ、わー! ボクじゃなくて、あっちの! ……ちょ、やっ! そんなに吸っても、ミルクは……出てませんヨネ?」
     途中であきらが不安になって、自分の胸をマジマジと見つめる。
     あまりにも美味しそうに吸っているので、ミルクが出ているような気もするが、都市伝説の頭が邪魔で確認する事が出来なかった。
    「このまま好き勝手にはさせません」
     立花が零れた胸を隠すのも忘れて、都市伝説に影喰らいを放つ。
     それに気づいた都市伝説があきらから離れようとしたが……間に合わない!
    「もちろん、覚悟は出来ているよね」
     登が都市伝説の首根っこを掴み、鋼鉄拳を叩き込む。
    「びええええええええええええええええん!」
     その途端、都市伝説がこれでもかとばかりに泣き喚いたが、登は気にせず拳を叩き込んでトドメをさした。
    「おんぎゃあああああああああああ」
     そして、辺りに都市伝説の断末魔が響き渡る。
    「麗華さん、今回も頑張って守り抜いたよ! ご褒美ちょうだい♪」
     都市伝説が消滅した事を確認した後、愛梨沙が麗華さんの胸に顔を埋めた。
     さすがに麗華も拒絶する事が出来ないため、苦笑いを浮かべるのみ。
    「一体、誰がこんな事を考えるんでしょうか……?」
     葵が改めて都市伝説に対する疑問を口にした。
     こんな噂さえ流れる事がなければ、都市伝説が生まれる事もなかったはず。
     そうすれば、こんな目にも……。
    「まあ……、野良犬に噛まれたと思って忘れようぜ」
     ひいかが苦笑いを浮かべて軽く流す。
     いくら考えたところで答えは出ない。
     ならば、最初から考えなければいい。
     どうやら、そういう結論に至ったようだ。
    「それにしても、ひどい目に遭いましたね……。胸のあたりが、まだジンジン……こほん」
     ユーリが我に返って、小さくコホンと咳をする。
     色々な意味で初めての経験だったためか、未だに胸の辺りがジンジンとしているのだが、不思議と嫌な感覚ではなかった。
    「む、胸が妙に痺れているので、これから銭湯にでも行きませんか?」
     早苗が苦笑いを浮かべて、仲間達を銭湯に誘う。
     本当は温泉に行きたかったのだが、さすがに遠いので、銭湯で妥協。
     そのまま、戦いの疲れを癒すため、銭湯に向かうのだった。

    作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年12月28日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 5
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