瀟洒なブティックの片隅、筒状に巻かれた濃灰色のウール生地が気持ちよさそうに眠りこんでいた。
突然ショーウィンドウが叩き割られ、警備会社への通報アラームが鳴りはじめる。飛び起きたウール生地が何事かと周囲を見回し、そして侵入者を発見して震え上がった。
店内へ侵入してきたのは筋骨逞しい人影。
「何だ。雑魚だな、こりゃ」
逆光でよく見えないが、長めに突きだした口にはワニじみた牙が並び、分厚い鱗に覆われた尾がガラスの破片を散らした床を叩く。
激しくサイキックを放って抵抗するが、思いのほか素早い動きで突進してきたワニ男に、あっという間にウール生地が捕らえられた。
巻かれた生地の両端を鷲づかみにされ、声にならない悲鳴が上がる。
雑巾を絞る要領で獲物をひねりあげたワニ男は、そのまま腕力にまかせて生地をねじ切った。ぐちゃあ、と何か妙に生々しい音を立てて丸巻きの生地が中央で千切れる。
ドッ、と黒い影になってウール生地が四散してゆくのと同時に、ブティックが建物ごとモザイク模様になって崩壊しはじめた。
「主も死んだか」
だらしない奴だ、と吐き捨てて胸元にダイヤのスートを浮かべたワニ男は、ブティックから、そして崩壊するソウルボードから次の獲物を求めて脱出してゆく。
●ドリームクラッシャー
年末年始で忙しい所申し訳ないけれど、と前置きしてから成宮・樹(高校生エクスブレイン・dn0159)は教室に集まった灼滅者を見回した。
「獄魔大将アガメムノンが、獄魔覇獄の復讐をしようとコルネリウス派のシャドウを襲う」
そのため襲撃の現場へ向かい、戦場となるソウルボードの夢を見ていた一般人を守らねばならない。シャドウ同士の争いの余波に、常人は耐えることができないからだ。
「もしこのまま放置したら、ソウルボードの主は死ぬ。間違いなく」
夢を見ている一般人男性は橘・孝平(たちばな・こうへい)と言って、都内で服飾店を複数経営している。低層マンションに一人で暮らしており、ソウルアクセスする事自体は特に苦労しないだろう。
「ソウルボードの中は、橘が経営する店舗の夢になっている。教室を二つ繋げたくらいの広さで、いわゆるトラッド系ブティック、な感じを想像してほしい」
悪夢ではないので、このソウルボード内にアガメムノン配下のシャドウと、コルネリウス派のシャドウ以外は何もいない。
店の入り口は全面ガラス張りのショーウィンドウ。ソウルアクセスすると、ちょうどアガメムノン配下のシャドウが店の中央部まで進んだところで、灼滅者は破壊された入り口に到着できる。
コルネリウス派のシャドウはさらにその向こう、入り口から一番遠い店の壁際でうずくまっているはずだ。
「コルネリウス派のシャドウは筒状に巻かれた紳士服用の灰色のウール生地……という姿をしていて、以前一般人のソウルボードに潜んで日本国外への脱出を計ったことがある。どういう意図があったかは今もわかっていないけどね」
生地だけに、やはり服飾関係だと居心地がいい……という事なのかもしれない。
アガメムノン配下のシャドウは手足の末端や口がワニじみた、屈強な男の姿をしている。分厚い鱗に覆われた尾や爪を備えた手で叩かれればけっこう痛いはずだ。
「今回の目的はシャドウ同士の争いの結果死亡してしまう一般人の救出、という事になる」
なので、どちらかの勢力に肩入れするという話ではない、と樹は重ねて強調した。
「方法としては大きく分けて二つが考えられる。一つ目は、先にコルネリウス配下のウール生地を離脱させて、ワニ男と戦う方法」
ワニ男は灼滅者も報復対象と考えており、ウール生地が逃げても戦闘を継続する。なかなかの強者なので、戦闘は厳しくなるはずだ。
しかしこの時点でシャドウ同士の戦いではなくなるため、橘が死亡することはなくなる。
「二つ目は、ワニ男に協力してウール生地を撃破する方法」
素早くウール生地を倒すことによって、橘が死亡することを阻止する、というわけだ。ワニ男にとどめを刺させた場合ウール生地は死亡し、ワニ男はそれ以上灼滅者とは争わずに撤退する。
逆に灼滅者がとどめを刺せばウール生地は死亡せず撤退するが、ワニ男は報復を邪魔されたと考え、連戦になるだろう。
他にも方法はあるかも知れないが、目的は橘の救出で間違いない。
「色々な考え方もできると思うけど、シャドウという灼滅しにくいダークネスを撃破する、いい機会なのかもしれないね」
参加者 | |
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十八號・アリス(轟轟・d00391) |
四季咲・白虎(蓐収のポルモーネ・d02942) |
村瀬・一樹(ユニオの花守・d04275) |
暁吉・イングリット(緑色の眼をした怪物・d05083) |
文月・直哉(着ぐるみ探偵・d06712) |
シグマ・コード(フォーマットメモリー・d18226) |
英田・鴇臣(拳で語らず・d19327) |
鷹成・志緒梨(高校生サウンドソルジャー・d21896) |
●ソウルランナー
エレベーターでの降下に似た浮遊感。
ぶわりと闇へ油を溶かしこむように、目指すソウルボードの光景が広がる。粉々に砕けたガラスをブーツの踵が踏みしめる前に、シグマ・コード(フォーマットメモリー・d18226)は【Pulsate Heart】を抜いた。
「ウール、助けに来たぜ!」
「全く、こんな状況じゃなきゃ彼――いや彼女? に良い紳士服を見繕って貰いたかったんだけどねぇ……」
その名に違わず、赤いマフラーを結んだ目つきの悪い黒猫着ぐるみ姿の文月・直哉(着ぐるみ探偵・d06712)の背後へ、村瀬・一樹(ユニオの花守・d04275)が降り立つ。
次々とガラスが割られたブティック前に姿を現した灼滅者に気付いたらしく、両手や膝下からが爬虫類と化した屈強な男が肩越しに振り返った。
倒れた陳列棚の向こうに、くしゃくしゃと筒巻きの身体をよじらせて縮こまるウール生地が見える。
「お前とは二度目だな。また会えたからにはここで倒しておきたい所だが」
以前、仕立師のソウルボードへ潜んだウール生地の目論見を直哉と共に阻止した英田・鴇臣(拳で語らず・d19327)としては、それが偽らざる本心だった。しかし一般人の命が関われば少々話が違ってくる。
まして止めを譲らねばならないと来れば、元来好戦的な性格としては面白くない。
「報復をしてぇっつーなら、オレらが相手でも何も問題ねぇよな――なあ、ワニ?」
黄色い目が鴇臣を睨み、ずらりと牙を並べた口元が嗜虐的に歪んだ。その隙に荒れ果てた店舗内を駆け抜けたシグマが、ワニ男とウール生地の間へ割り込む。
ぱんと乾いた音を立てて武術家らしく軽く抱拳礼をした暁吉・イングリット(緑色の眼をした怪物・d05083)の足元へ、イヴが顕現した。回復手にまわる相棒をその場へ取り残し、イングリットは横倒しにされたいくつかのトルソを身軽に躍り越える。
十八號・アリス(轟轟・d00391)は美術学部で造形を専門としているが、服飾もなかなかに興味深い、とソウルボード内の服を横目に見やった。
ダークネスの生地で仕立てた服とはどういうものなのだろう、とふと考えるが口には出さない。ウール生地が姿を消す前に喋っていい内容ではない、という程度の分別はつく。
「ここは夢の中ですよ、喧嘩はお外でしましょうね」
「あなた達に暴れられるとソウルボードが壊れて迷惑なの!」
四季咲・白虎(蓐収のポルモーネ・d02942)、そして鷹成・志緒梨(高校生サウンドソルジャー・d21896)は突入口となったショーウィンドウ前に残りって後方から狙い撃つ、あるいは回復支援にまわる形だった。
とにかくまずは相手の力量を測るためにも様子見、と判断しイングリットは初手に抗雷撃を選択する。少女と見紛うばかりの外見だがそれを理由に、繰り出す拳を侮ってほしくはない。
「お前……というかお前達に、ここで長々ドンチャン騒ぎされては困る」
稲妻をまとった容赦のないイングリットの突きを、ワニ男は素早くバックステップで躱した。やはり強者と表現されたデスギガス配下とあって、簡単にはいかせてくれないという事なのだろう。
●マインドウォーカー
「お前コルネリウス派だったんだな、こんな所でまた会えるなんて人生ってのは不思議なもんだぜ」
デスギガス配下の襲撃に加え、別件で一度やりあった経緯がある直哉達の存在に、ひいいっと縮みあがったウール生地が心なしか青色を帯びる。多少毒気を抜かれたような表情で志緒梨が溜息をついた。
「な、何か妙に感情表現豊かなウールねえ……」
一言も喋ってないのに。何かこう、喋らない某梨汁ブシャアな妖精、そんなイメージが思い浮かぶ。
なんとも憎めない丸巻きウール生地に、アリスが軽く額を覆った。
「叶うなら両方倒して後顧の憂いを断ちたい所だがね」
対応に一歩間違えば、シャドウ二体との連戦を免れない。なれば確実にソウルボードの主である一般人を救える道を、とアリスらはコルネリウス派シャドウを撤退させる策を選んでいた。
シグマがワニ男との間に割り込み、さらにウール生地とは反対方向から灼滅者が攻撃を仕掛けることで物理的にも精神的にも、灼滅者のほうへ向かせる。
白虎はこのような真似をした所でアガメムノンの意には沿わない、という趣旨での挑発を考えていたが、そもそもこの報復を画策した当事者がアガメムノンだという事を失念していたことに気付いた。
それにアガメムノンの名前程度で釣れるほどお手軽な相手ならば、『なかなかの強者』などとは表現されないだろう。挑発は他のメンバーに任せ、白虎自らは攻撃に専念する。
灼滅者が自分達をまとめて始末しに来たと思っていたのか、ウール生地の頭部と思しき丸巻き生地の先端が、軽く曲がって傾いた。
「知りたい事や語りたい事は山ほどあるんだが、戦いが長引けば夢の主が危ない。この夢をこんな奴に壊されるのはお前も癪じゃないか?」
随分居心地がよかったソウルボードのはずだ。直哉の言葉に、我が意を得たりと曲がった部分がぶんぶん上下に振られる。
「ここは俺達が食い止めるから隙を見て逃げてくれ、頼む」
「元々オレ達はこいつだけと戦うつもりで来た。お前にとっても決して悪くはない話だろ……だから早く」
乱入してきた灼滅者の意図が見えてきたのだろう、ワニ男は主な標的をウール生地から灼滅者へと変えたようだ。撤退を急かすイングリットをはじめ前衛をやや厚く配する布陣だったが、あまり長くウール生地を庇い通すことはできないだろう。
「一応コルネリウスには獄魔の借りもあるし、夢でもこんな素敵なブティックを荒らす奴は女子として許せないっ!」
ことごとく自己強化を無効化してくるワニ男の打撃は、決して侮れないばかりか非常に重い。すぐさま回復に追われ、どこぞの童話ばりにワニ男の口へ時計を突っ込みかねない勢いで志緒梨が気炎を上げる。
それをよそに、思わぬ形で灼滅者が救世主と悟ったウール生地の周辺へぱあっと謎の光が満ちた。
「こいつ本当にダークネスか? ……まあいい、お前、オレの気が変わる前にさっさと逃げとけ!」
以前の国外脱出の件で食らった鴇臣の手痛い一撃を思い出したのか、折れ曲がった部分の上下動が激しくなる。
シグマが攻撃を遮っている間に、善は急げとウール生地はワニ男の横をすりぬけた。陸上競技の三段跳びをするように、勢いよく助走をつけてから一歩二歩、シャドウは大きく跳躍する。
そして三歩目で筒巻きになった生地を一杯に広げるようにしてほどくと、ブティックの外に広がる、ソウルボードの闇の中へ融けた。
●ブレインサーチャー
「……同族同士で潰し合ってくれるのは有り難かったんだけどな……」
あまり表情筋が仕事をしないイングリットがぼそりと物騒なことを呟くが、白虎のガトリングガンが火を吹く音にかき消される。
それにしても、あの妙に憎めないウール生地。今回見逃したとしても、次まみえたときは灼滅することになるのかもしれない、と一樹は頭の片隅で一瞬考えた。
「灼滅か別の方向か。この先、どっちに転ぶんだろ」
五線譜のような極細の形状をしたダイダロスベルトがするりと伸び上がり、一樹の頭上で鋭角的な軌跡を描いてワニ男へ襲いかかる。それはまるで極細のワイヤーによる刺突、に似ていた。
五線譜に身を貫かれながらも、シャドウは余裕を失わない。
「なるほど、どこまでも抗うか。身の程をわきまえぬ半端者よ」
「コルネリウスどころか、その『身の程をわきまえない』なりそこないの僕らにまでしてやられたのが事実だよ……アガメムノンには残念な手駒しか居ないのかな」
その残念な手駒に対し八人掛かりで対応しなければならない現実も今ここに存在するが、それでも先の大規模作戦でアガメムノンを退けたのはコルネリウスの密約を得た灼滅者だ。
手応えはあったはずだが、それでも大きなダメージをうかがわせることのないシャドウに一樹はうすら寒いものを覚える。爪を備えたワニ男の手が爆発的な勢いで膨れあがり、横薙ぎの殴打で一樹を襲った。
「本当なら双方まとめて後顧の憂いを断ちたかった所だが」
最後方からシャドウを狙い撃つアリスもまた、この状況を一概には喜べないでいる。つぶし合い大いに結構、しかし一般人に被害が出るとあっては確実で、現実的な選択肢を選ぶしかなかった。
だからこそ、今は目の前のシャドウを灼滅することに力を注ぐだけ。
あのおかしなシャドウは無事このソウルボードから逃げおおせただろうか、と一瞬考えをめぐらせた直哉の視界に、不吉な影をまとった太い尾が飛び込んでくる。
咄嗟に鴇臣を庇った直哉が、分厚い鱗に覆われた尾に吹き飛ばされた。まるでシャドウらしかぬ膂力。
「シャドウが状態異常お手のもの、ってことはよく知ってるが」
黒いフードの奥、紫の瞳を細めてシグマは唇を噛む。もしコルネリウス派のシャドウを撤退させ、灼滅者のみでデスギガス派シャドウを相手取るならば厳しい戦いになるだろう、とは前もって予測されていた。
確かにシャドウ同士の争いを回避できれば一般人の犠牲もまた回避できる。しかし肝心の戦闘に対する備えがおろそかになれば本末転倒だ。
おおむね互いに一致して相手を倒そうという気概はあるものの、厳しい戦いになると表現された格上に対し具体的な作戦を何ら用意してきていない。シグマは今更ながら戦術の重要性に思い至ったものの、もはやどうする事もできなかった。
加えて、イングリットのイヴが志緒梨のカバーに回ってはいるが、格上相手に共鳴頼みの回復量と頻度では心許ない。
しかし、シャドウのサイキックがすべて単体対象だった幸運に大いに助けられていた。ここが違えば、果たしてどうなっていただろう。
「なり損ないのくせに、なかなかよく粘る」
厚く配した前衛が機能不全に陥るのは回避できていたが、強敵相手に戦闘を長引かせるのは得策ではないだろう。殺傷ダメージを癒してくれるのは、ごく少数の例外を除き戦闘を終わらせての休息しかない。
「退屈しないのはいい事だろう? 戦い甲斐のある相手の方が君も嬉しかろうと思うのだけれど、違うかい」
しかしダメージが積み上がるのは、ダークネスも同じ。厚い前衛に守られたアリスと白虎が地道に、しかし確実に重ねてきた攻撃がここに至ってようやく成果を出しつつあった。
●ドリームクラッシャー
シャドウとの接触直後から盾として立ち回り続けるシグマはもちろんのこと、直哉とイングリットの消耗が激しい。
「紳士的に……倒れるまで戦ってみせる!」
その言葉通り、一樹は盾同等の被弾をしつつも果敢に攻め続けていた。
そして、なかば消耗戦になりつつあった戦局を切り拓いたのはイングリットの鋼鉄拳。たゆまぬ研鑽を真摯に積みあげたその成果は、望んでいた形かどうかは限らないという差こそあれど、決して当人を裏切らない。
最後列で志緒梨と共に戦局を支えるイヴに報いるためにも、イングリットはぼろぼろの身体を引きずってシャドウへ拳を撃ちこむ。
顔の一部が爬虫類化しているせいで、シャドウの表情は非常にわかりにくい。
「オレとお前は似ている」
しかし武人としての勘がイングリットに囁く。感情が顔に出にくい似たもの同士、という部分もあるだろう。シャドウながらパワーファイター、かたや武人とは思えぬ容貌、という相反する特徴を備えるのも似ている。
「だが、ダークネスでもお前は勝てない」
かたやたった一人、かたや仲間が七人。
実力が上なのは認めよう、しかしそれだけを根拠に胡座をかくなど武人にふさわしくない。ばちんと音を立てて右拳を左掌に当てると、細身な体躯の腕へ闘気から変換された稲妻が絡みついた。
「お前に恨みはないが、俺達にも理由があるから戦っている」
ダークネスとは言えひとつの命であることには変わりがない、とシグマは思っている。無為に奪ってもよい命などこの世のどこにも存在しないはず。
白虎が張りめぐらせた弾幕をくぐりぬけ、アリスが解体ナイフを握った腕を振りかざした。
三枚の盾に守られた二つの剣と、二つの槍。
盾の限界が近いのなら、矛は折れるまで抗うだけ。一樹の、なぜかどこか品良く見える回転鋸が回転音も高らかに刻んだ傷を、アリスのジグザグスラッシュが押し広げる。
「小癪な真似をする」
「ダークネスに言われたくありませんね」
白虎の周囲をたゆたう白い帯が直線上にあったシャドウの胴を狙い、たたらを踏んだ太い脚でびしゃりと血だまりが撥ねた。
「灼滅者ごときが――調子に乗るな!」
初めてそこで明確に声を荒げたワニ男の両腕が、なんとか最後まで自らの脚で立とうとしていたシグマを薙ぎ払う。志緒梨の回復でも起き上がる気配がないという事は、意識を失ったのだろう。
「いい加減、財布か鞄にでもなりやがれ!」
大喝した鴇臣の手元、赤い帯と球状の武器飾りをつけた妖の槍が閃いた。最後の力を振り絞り、直哉とイングリットが鴇臣の進路を確保すべく同時に仕掛ける。
分厚い鱗を派手に削られ、シャドウが吼えた。鴇臣の槍先がダイヤのスートを貫き、そしてその向こうの胸の中心へ到達する。
手元まで槍を埋め込んでくる灼滅者を、ワニ男はその口で噛み砕かんと身悶えた。しかし。
槍に貫かれたスートがぱきりと音を立てて割れ、それと連動するようにして屈強な体躯もまた、凄まじい勢いで崩壊していった。今際の際の言葉も、怨嗟の呟きもないままに。
作者:佐伯都 |
重傷:暁吉・イングリット(緑色の眼をした怪物・d05083) 文月・直哉(着ぐるみ探偵・d06712) シグマ・コード(枯杯・d18226) 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年1月16日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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