クロキバ敗れ、取るべき道は

    作者:時任計一

     とある山奥を進む、一体の獣がいた。
    「ググ……クロキバ……メ……」
     獣……イフリートはそうつぶやき、やがて山奥の源泉へ至る。
    「ナニガ、マッテロ、ダ……ヤツニハ……マカセラレン……」
     そう言いつつ、イフリートが源泉につかる。すると、サイキックエナジーが、イフリートの中に集まっていった。
    「オレガ、コノオレガ……ガイオウガサマヲ……フッカツ……グォァァァァッ!!」
     突如、イフリートが吠える。同時に、イフリートの外観がみるみる変わっていき、やがて竜のようになっていく。
     言葉を話す知性も、もう彼にはない。彼に残された道は、本能のまま、ただ暴れることだけだった。


    「みんな、獄魔覇獄はお疲れ様。で、今回なんだけど……その獄魔覇獄関連で、イフリートが動くみたいなの。ちょっと対処を頼めない?」
     少し困った様子で、藤堂・姫(しっかりエクスブレイン・dn0183)はそう切り出した。
    「知っての通り、獄魔覇獄はあたしたちの勝利に終わったわ。で、クロキバ負けたじゃない。そしたら、イフリートの穏健派の力が弱まっちゃったみたいなの」
     要は、今回の事件は、ガイオウガ復活を目指す武闘派のイフリートのものなのだ。
    「何を血迷ったか知らないけど、武闘派イフリートは源泉の力を得て、竜種イフリートになるつもりらしいのよね」
     とりあえずパワーアップして、そこからなんやかんやしてガイオウガ復活を目指す、ということなのだろう。今まで穏健派に抑えられていた反動か、武闘派イフリートも勢いだけで行動しているようだ。
    「イフリートが竜種になってしまったら、とにかくサイキックエナジーを集めるために暴れ回るわ。それでガイオウガ復活なんて、出来るわけないのにね」
     しかし、そんなイフリートが、多数出てきている。今回は、その中の一体を対処してもらいたい、ということなのだ。
    「場所はとある山奥の源泉。そこでイフリートは、竜種になるため、力を蓄えているわ」
     最速でイフリートの元までたどり着き、戦闘を始めたとして、戦闘開始から10分後には、イフリートは竜種化し、戦闘力が格段に上がってしまう。
    「今回は、イフリートを灼滅するか、またはイフリートの竜種化をやめるように説得して、それに成功するか、どっちかを達成できればいいわ」
     ただし、相手は武闘派イフリートだ。説得するにしても、実際に殴って、『竜種になっても、すぐにやられてしまうのではないか?』と思う所まで追い詰めない限り、話に耳を貸しはしないだろう。
    「イフリートは、ファイアブラッドとマテリアルロッドの物と同質のサイキックを使ってくるわ」
     ポジションはクラッシャーに位置する。竜種になるまで耐える、という発想は無いらしい。
    「イフリートを竜種にさせちゃったら、とにかく暴れ回って、大きな被害を出すと思うわ。だから、それを阻止すること。それを第一に行動して。説得か灼滅かは、現場の判断に任せるわ。じゃあこの件、あんた達に任せたわよ!」


    参加者
    凪・美咲(蒼の奏剣士・d00366)
    香坂・天音(遍く墓碑に・d07831)
    折原・神音(鬼神礼讃・d09287)
    安田・花子(クィーンフラワーチャイルド廿・d13194)
    ヒオ・スノゥフレーク(雪のかけら・d15042)
    ルクルド・カラーサ(生意気オージー・d26139)
    木野山・天音(白砂天狗・d27537)
    寸多・豆虎(マメマメタイガー・d31639)

    ■リプレイ

    ●源泉のイフリート
     8人の灼滅者達が、木の生い茂る山奥を走る。目的地は、この奥に有るひとつの源泉。そこでは、武闘派イフリートの1体が源泉につかり、竜種イフリートになろうと、サイキックエナジーを蓄えているはずだった。
     しばらく走ると、目的地が見えた。山奥の源泉。そこには確かに、源泉につかるイフリートの姿があった。
    「わしが先行して仕掛けるのじゃ」
     木野山・天音(白砂天狗・d27537)はそれだけ言うと、ニホンオオカミの姿に戻り、一足飛びにイフリートに近付いていく。そして木野山は、そのままイフリートに一撃を加えた。
    「グ……?」
     予期せぬ事態に、うろたえるイフリート。しかしその間に、灼滅者達は展開し、戦闘配置に付いていた。
    「ナンダ……オマエラハ?」
     そう言うイフリートを差し置き、安田・花子(クィーンフラワーチャイルド廿・d13194)は一歩前に出て、告げる。
    「私達は灼滅者……武闘派イフリートの方とお見受けしましたわ。大いなる力には大いなる責任を伴うと言いますが……まともに扱えなければ何の意味もありませんわ。武闘派、単純が故の盲点……その判断の愚かさを今、教えて差し上げますわ! このクィーン☆フラワーチャイルド2世の名に賭けて!」
    「穏健派の考えの方がましだということを、身をもって知るとよいぞ!」
     再び人の姿を取った木野山も、花子に続けてそう言い切る。そしてその言葉は、どうやらイフリートの癇に障ったらしい。
    「シッタクチヲ……キサマラ、タタキツブス!」
     そう言って咆哮を上げ、臨戦態勢に出るイフリート。武闘派と言うだけあって、沸点の低さは折り紙付きらしい。
    「あー、やっぱ、スグには話、聞いてくれそうにねぇなァ……」
     ひどく面倒くさそうに、寸多・豆虎(マメマメタイガー・d31639)が嘆く。しかし、隣に立つヒオ・スノゥフレーク(雪のかけら・d15042)が、激励の言葉をかけた。
    「仕方ねーです! ヒオ達がバシッとシメて、まぁるく収めてみせましょーう!」
    「……ヘッ、だなァ。ンじゃ、話聞いて貰うために、一肌脱ぎますかァ!」
     そう言って豆虎は、素早くシールドにサイキックエナジーを溜める。同時に、その場にいる全員が、それぞれの行動に移り始めた。

    ●知恵無き力
     豆虎がシールドを拡大して支援を撒くと同時に、凪・美咲(蒼の奏剣士・d00366)はイフリートに対して格闘戦を仕掛けようとしていた。
    「天音ちゃん、行きますよ!」
    「うむ、任せるのじゃ!」
     美咲は木野山に声をかけると、イフリートに対して駆け出す。そして大きく踏み込むと同時に、納めた刀を抜いて、渾身の上段斬りを放った。
    「震閃・娑斬霞……つあっ!」
    「これも持って行くが良い!」
     綺麗に入った斬撃の直後、木野山の獣化した腕がイフリートを引き裂く。しかし、技の後の一瞬の隙を突き、イフリートは美咲に炎の爪での反撃を仕掛けてきた。
    「ガァァァァッ!!」
    「それはやらせにゃーですよー!」
     そう言ってヒオが、両者の間に割り込み、代わりに攻撃を受ける。そしてその場で、履いているローラーブレードを一回転。同時に刀を抜き、勢いを付けてイフリートに一太刀浴びせた。
    「グッ、キサマ……」
    「残念ですが……簡単に思い通り動かれては困ります」
     次の動きを見せていたイフリートだが、いつの間にか死角に入り込んでいた折原・神音(鬼神礼讃・d09287)の斬撃により、その足を止められる。そうして神音が作った時間を使い、ルクルド・カラーサ(生意気オージー・d26139)は符をヒオに飛ばし、彼女を回復させていた。
    「ねぇ、聞きたいんだけど。あんたがエナジー集めて強くなったら、ガイオウガは復活するわけ?」
     そう話しかけるのは、香坂・天音(遍く墓碑に・d07831)だ。香坂は、巨大な縛霊手を振り上げ、イフリートの頭上を取り……。
    「するわけないでしょうが」
     がつん、とその頭を殴りつけた。
    「考えなきゃダメよ。クロキバは、あんたよりずっとずっとよく考えてるわよ。獄魔覇獄なんて手段を思いついて、考えに考えて実行したのよ?」
     口と同時に、香坂の蹴りが、イフリートの脇を捉える。巨大な腕が武器と見せかけて、彼女の本命は、その足での蹴り技だ。
    「考えなしに動くあんたが龍種になって暴れて、それに勝る手柄が挙がるかしらね? あんた、穏健派の彼に負けるなんて、ただ悔しいだけなんじゃない?」
    「……ダマレ!」
     勢いに任せるようにして、イフリートは空中に電流を集める。これを雷にして、香坂に落とす気らしい。だが、香坂は怯まない。
    「その程度で黙ると思う? 最新型の女子高生、ナメてると痛い目みるわよ。龍種化なんかさっさとやめて、本気であたしたちと殴りあいなさいよ。――そのほうが絶対楽しいわ。あたしも、あんたも」
     そう言う香坂の、唇の端が吊りあがる。戦闘狂の顔だ。しかし、この攻撃に対しては、花子が先に動いていた。
    「させませんわ! さあ征きなさい、我が従者セバスちゃん!」
     花子の号令と共に、彼女のビハインド、セバスちゃんが飛び出す。その雷を体で止めると同時に、霊障波を撃ち出し、その着弾に合わせ、花子自身も影を宿した拳打をイフリートに叩き付けた。
    「続くぜ、安田ァ!」
     そう叫び、豆虎がイフリートに殴りかかる。それを聞いた花子の方は、少々眉が引きつっていたが、豆虎は気付かない。そして、彼女の攻撃に続き、神音が斬艦刀でイフリートを叩き切り、直後その大きな体を、木野山の影が縛りつけた。動きを封じられたイフリートに、今度は木野山が言葉をぶつける。
    「言っておくがのぅ、力だけではどうにもならんぞ! 策も無く、仲間を連れる知恵も無く、好機を見極める目すら無いのでは、たかが知れておる! クロキバのように、力の使い方を考えてはどうかのぅ!」
    「ウ……ウルサイ!!」
     イフリートは木野山の影を力任せに引きちぎり、彼女のいる後方の位置に、炎の暴風を叩き付けた。
    「ウルサイゾ、キサマラ……」
    「ちょっと落ち着くですよぅ」
    「行きます、残光閃……ちぇやっ!」
     イフリートの言葉を遮るように、ヒオと美咲の実体のない剣が彼を斬る。それと同じタイミングで、ルクルドが回復のサイキックの準備を完了させていた。
    「こちらの回復は任せて下さい!」
     ルクルドは後列の回復をしながら、イフリートの巨体を見る。正直言って、怖い。外見の威圧感もさることながら、彼には以前、仲間がイフリートに重傷を負わされた経験もある。だが、それから逃げてはいられない。ルクルドは意を決し、イフリートに啖呵を切った。
    「世の中、弱くても知恵のある方が勝つんだ! それを僕たちが証明してやる! 知恵を無くして強くなったって、意味がないってこともね!」
     言い切るルクルドは、真っ直ぐイフリートを見ている。対してイフリートは、困惑した様子で言葉を詰まらせる。だが、それも一瞬のことだ。
    「ウルサイ……ダマレ! タタキツブシテヤル!!」
     イフリートは、ほぼ勢いだけと言う様子でそう言い、次の攻撃を仕掛けてくる。その間も源泉は、着実にイフリートに力を流し込んでいた。

    ●力には言葉を
     イフリートの攻撃は苛烈だった。しかし、セバスちゃんに加え、香坂のライドキャリバー、ハンマークラヴィア、ルクルドの霊犬、田中・カラーサ、豆虎のライドキャリバー、牛タンらが防御陣形を敷くことで、灼滅者は何とか攻撃を耐え忍んでいた。そんな中、花子と神音が、イフリートに言葉を投げかける。
    「たとえ竜種の力を得た所で、自分の意志で動けなければガイオウガの復活にはたどり着けないでしょう? 暴走して孤立し、私達のように数で押さえ込まれるのは目に見える……それでは犬死ですわ」
    「グッ……」
    「動くには時期尚早というものでしょう。まだ時期を見るべきです。とりあえず今は、大人しくするべきでは?」
     だが、まだイフリートは止まろうとしない。
    「……ナンドモイウ……ダマレ!」
    「そうですか。では、もう少し続けさせていただきますわよ!」
     そう言うや否や、花子は傷付いたセバスちゃんと立ち位置を交代、セバスちゃんは霊撃、花子は黒い弾丸で連携攻撃を仕掛けた。そして神音も、それに続く。
    「仕方ないですね。ならば、狙い撃たせてもらいますよ」
     普段の神音は、前衛での格闘戦をメインにしている。だが、後衛からの射撃戦も悪くない。そう思いながら風の刃を収束させ、イフリートにぶつける。畳みかけるような連続攻撃に、一瞬ひるむイフリート。しかし次の瞬間、彼は大きく腕を振りかぶり、花子に強烈な打撃を仕掛けようとしていた。
    「危ねぇ、安田!」
     その花子を、豆虎がかばう。衝撃と共に、身が引き裂かれる。相当深い傷だったが、しかしまだ倒れるほどではない。
    「寸多さん、すぐに回復します!」
    「おぅ、悪ぃな、カラーサ……オラてめぇ、痛ぇじゃねぇか!」
     ルクルドの回復に礼を言いつつ、イフリートに蹴りを入れる豆虎。その後ろでは、花子がまたもや眉を引きつらせている。見かねた美咲が、フォローに出た。
    「いけません、豆虎さん! 彼女のことは、せめて『2世さん』とお呼びしてあげて下さい!」
    「あン? 安田は安田だろ? つべこべ言ってねぇで、次、来るぜェ!」
     豆虎の言う通り、イフリートの次の攻撃が襲い来る。相当な精神ダメージを受けた様子の花子だったが、動きは辛うじて鈍っていない。確実に、攻撃への対処を続けていた。
    「じゃー、みんなで一気に行きますよー」
    「うむ、続くのじゃよ!」
     ヒオの号令に、木野山が応え、複数の灼滅者が一斉に動いた。ヒオは一足飛びで接敵し、剣の柄でイフリートを打ち上げ、そこを木野山が鎌で狩る。とどめに、納刀したままの剣を持った美咲が、イフリートに向かい突撃した。
    「裏技・蛇貫咬、ちぇやっ!」
     抜刀する……と見せかけ、そのまま柄頭でぶん殴る。その攻撃に、イフリートが一瞬ぐらりとよろめいた。これまでの攻撃で、相当の体力を奪った証拠だろう。だがイフリートは、ほぼ反射的に、美咲に爪を振り下ろしていた。
    「田中! 凪先輩を!」
     ルクルドに声をかけられ、美咲をかばう田中。しかしそれで体力が尽き、田中は消滅してしまう。だが、十分な隙はできた。
    「もう終わり? こっちはまだまだ行けるわよ!」
     瞬間、香坂の炎の蹴りがイフリートを襲う。深く入った。決定的だ。イフリートは苦し紛れに、後方に炎を吐くが、その全てをヒオや花子、サーヴァント達に受け止められ、倒れる者はいない。勝敗は、見えた。
    「さて、このまま不毛な戦いをするよりは、とりあえず私達の話を聞いて貰えませんか?」
     ここで美咲が、そう提案する。イフリートは『黙れ』と言わない。『続けろ』と言うことらしい。まずヒオが、話を切りだした。
    「ここで竜種になったら、ぜーんぶ分からなくなっちゃうですよ? ちゃんとガイオウガが復活してもです。それでもいーですか?」
     ヒオは、身振り手振りを加えて、言いたいことを精一杯伝える。だが、イフリートの反応は薄い。
    「オレノイノチ……ガイオウガサマフッカツノタメニ。ソノタメナラバ……カマワナイ」
    「しかし、このままパワーアップしても、エナジーがあなたの力になるだけだと思いますよ? いくらクロキバさん達が穏健派だとはいえ、その方法で復活させられるのなら、絶対実行してると思いませんか?」
     美咲が言葉を続ける。イフリートは黙ったまま答えない。そして畳みかけるように、豆虎が追撃の言葉を出した。
    「竜種になったら実際どうなるかってデータあんの? ガイオウガ復活出来るっつー実証は? もし、竜種になった時に今の意志が消えて、ガイオウガの存在も忘れて、ただ暴れまわるようになったら? それ、なんか違うと思わねえ?」
    「……」
    「早まるモンじゃねえよ。まぢで。だから、やめとこうぜ」
     それを聞き、イフリートは黙ったままうつむく。そして、ゆっくりと顔を上げ……。
    「ワカッタ」
     自分の足で、源泉から出た。もう、抵抗する様子も無い。
    「ふぅ……やっぱ、意思疎通出来るのって最高だよなァ」
     にやりと笑ってそう言う豆虎の言葉と共に、戦いは終わった。

    ●その名は
    「なに、終わり? もうやらないの?」
     少し意地悪そうに、香坂がイフリートを軽く挑発する。だが、イフリートは動じない。
    「ガイオウガサマフッカツノタメナラ……イノチ、オシクナイ。ダガ、イヌジニハ、ゴメンダ」
    「そうですか。あなたが拳を収めるのなら、私にもあなたを灼滅する道理はありませんわ」
    「あなたの賢明な判断に、感謝します」
     イフリートの言葉に、花子と神音はそう応え、灼滅者全員が武装解除した。続けて、木野山がイフリートに聞く。
    「ところで、これからお主は、どうするつもりじゃ?」
    「……オレハ……カンガエルノ、ニガテダ。ダカラナカマニ、カンガエカタ、オソワル。ダレカノイイナリハ、モウアキタ。スベテハ、ソノアトダ」
    「それがいいです! そうするといいですよー」
     ヒオは、力一杯に同意する。特に根拠は無かったが、その辺はサガだ。
     一通り話が終わって、一旦場が静まる。特に何の気なしに、豆虎がつぶやいた。
    「ところで、源泉とか見てたら温泉入りたくなったンだけど」
    「オマエモ、リュウシュ、ナルキカ? ヤメタホウガイイゾ」
    「テメェに言われたくねェっての!」
    「あはは……」
     小首をかしげてそう言うイフリートに、豆虎は全力で突っ込む。その様子を、ルクルドが苦笑しながら見ていた。
    「デハ、オレハカエル」
     イフリートはそう言うと、この場を立ち去ろうとする。そんな彼を、美咲が呼び止めた。
    「ナンダ?」
    「せっかくですから、あなたの名前を教えていただけませんか?」
    「オレノナハ……トウノジン、ダ。ツギニアッタラ、ゼッタイオレガカツ。ジャアナ」
     そう言葉を残して、イフリート……トウノジンは背中を向け、この場を去っていった。そこでぽつりと、花子がつぶやく。
    「クロキバ様の判断は、こういう暴走を止める為でもあったのかしら?」
    「かも知れませんね。それにしても……」
     それに応えるルクルドは、小さくなるトウノジンの背中を見て、言葉を続けた。
    「彼は……トウノジンは、これからどうなっていくんでしょうね」
     その言葉には、誰も応えない。灼滅者達は、そのまま静かに、去りゆくトウノジンの背中を見送っていた。

    作者:時任計一 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年1月16日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 1
     あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
     シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
    ページトップへ