新年会2015―コタツで焼肉とか鍋とかしようぜ!

    作者:志稲愛海

     様々な出来事があった2014年、そして来る2015年。
     昨年のことを振り返って語ったり、今年1年の抱負を述べ合ったり。
     ただ単純に、新年を楽しく美味しく賑やかに過ごそうぜ! でも無問題!
     明けましておめでとう、今年もよろしく、と――皆で楽しむひととき。
     それが、新年会なんじゃないかな!

    「ねー、今年の新年会、どこでやるかもう決めた? もし決まってなかったらさ、新年会に使えそうないい感じのお店見つけたんだけど、みんなもどうかなー?」
     そう教室にいる皆に声をかけるのは、飛鳥井・遥河(中学生エクスブレイン・dn0040)。
    「新年会か、いいな! どんな店見つけたんだ?」
     そんな遥河の誘いに、伊勢谷・カイザ(紫紺のあんちゃん・dn0189)も興味を示して。
     カイザの言葉に、どや顔で1冊の雑誌をみせる遥河。
    「じゃーん! 見て見てーっ。このお店なんだけどさ、全席コタツで、焼肉と鍋が食べ放題のお店なんだって! 新年の東京は急に冷えこんだから、コタツでぬくぬくしたくない?」
     それから遥河は、さらに得意気にこう続けたのだった。
    「それでどうせだったら団体割引利用して、新年会考えてるみんなを誘ったらいいかなーって思ったんだー! あとね、それとは別に、予約者の誕生日が10日以内だったら、さらに割引になるんだって! だからオレが予約すればいいかなーって!」
    「そういえば遥河の誕生日って、1月4日だよな」
     うんそうだよー、と遥河は頷きつつも。
    「あ、でもまとめて一緒に予約したからって、お店でも一緒に過ごさなくても大丈夫だよー。コタツも、大きい団体用から小さいものまで色々な種類あるみたいだから、新年会はそれぞれやってくれていいしさ。一緒に楽しんでくれる人がいれば勿論お邪魔させてもらうしね!」
     そう、へらりといつもの笑みを宿す。
     そして。
    「コタツで、焼肉とか鍋食べ放題な新年会……!」
     当然その話に瞳をキラキラ輝かせる、食いしん坊幼女の綺月・紗矢(小学生シャドウハンター・dn0017)。そんな彼女にも、うんうん、と頷いて。遥河は、今回新年会を行なう店の詳細を語り始める。
    「さっきも言ったように、コタツは色んな大きさのがあるみたいだから。グループでわいわい過ごしたい人達は大き目のコタツで、カップルさんやお一人様でのんびり楽しみたい場合は小さめのコタツで、って席は選べるよー。予約する予定の新年会特別コースのメニューは、焼肉と鍋の食べ放題で、焼肉のたれとか鍋の味とか、具材も、色々各種豊富に揃ってるみたいだから、お好みで楽しめそうだよ! 焼肉か鍋かどっちかに絞ってもいいし、贅沢に両方楽しんでもいいし。途中で味を変えてみたりもいいんじゃないかな! それにね、やっぱりコタツにはミカンとかアイスだよねーっ。だからか、ミカンとアイスも食べ放題なんだ。飲み物も店のドリンクバーが利用できるよー」
    「ふむ、焼肉も鍋もミカンもアイスも、全制覇したいところだな!」
    「焼肉に鍋か。よし、火加減やあく取りは俺に任せとけ!」
     皆に雑誌をみせて回りつつも説明する遥河の横で、新年早々気合十分な紗矢。おかん気質なカイザも、鍋奉行として、新年会にかける意欲をみせる。
     そんな興味を示した皆の様子をぐるりと見回しつつも。
    「お店の予約は、1週間後くらいに入れる予定だからさー。それまでに色々な人を誘ってくれたら、団体割引もきいてお得だし。オレの誕生日割引も沢山の人の為に使えれば、新年早々ラッキーだよね!」
     遥河は、コタツの上でミカンいくつ積めるかチャレンジしてみよーかなーと、キャッキャはしゃぐように笑んでから。
    「ということで! 2015年の新年会、コタツで焼肉や鍋をつつきつつ……なんて、どう?」
     改めて皆へと、そう誘いの声を掛けたのだった。


    ■リプレイ

    ●ぬくぬく、こたつむり!
     早速みんな揃って、コタツからもう出られない、こたつむり。
     そんな【ながればし】の面々は、明けましておめでとう! と新年の乾杯を交わしてから。
    「ふおぉ肉うまー!」
    「んんーっ、幸せ」
     こんがり焼けた肉をいただきます!
     サンチュで包んで幸せそうに頬張る希沙の隣で。ほくほくご飯と共にぱくりと食べては、へにゃり表情を緩める春陽。
    「あ、みんな、肉だけ食ってちゃダメだぞ」
     そう、ドサドサと野菜も焼いていくのは、クレイ。
     そんな網の上を見ながら。
    「食べ放題だからって山盛りにすんなよ。デザート食う腹残しとくんだろ」
     言った梛に返ってくるのは、勿論。
    「甘いものは別腹だから大丈夫大丈夫!」
    「ですです、甘いものは別腹っ」
     そう、甘い物は別腹!
    「クレイもあんの? 別腹」
    「別腹ってか、俺は体もでかいしよく動くから、元からよく食うんだよ」
     梛にそうへらへらと笑み返した後。
     クレイは盛って来たアイス全種類を、一口ずつお裾分け。
     そしてちょっと食べ過ぎたかも? と呟く希沙に、梛は笑いつつも。
    「きさのアイスも一口食べはります? 贅沢に蜜柑のせ!」
     トッピングごと、希沙のアイスもぱくり!
     それから、だらだらぽかぽか炬燵を満喫しつつも。
     今年も皆が幸せに過ごせる一年でありますように――そう思う、春陽であったが。
     ……しー、と。
     口元に人差し指を当て、希沙は笑む。
     うとうと気持ちよさそうな春陽を、見守りながら。

     そして【放課後のコンビニ】の皆も、すっかりこたつむり。
     早速その魔力に魅了される晃や小鳥達と一緒に、遊も炬燵に入って。
    「うっし、じゃんじゃん食おうぜーっ!」
     いざ、焼肉!!
     ほかほかご飯に乗せる肉は最高!
    「やっぱり育ち盛りには肉だよなー。高城は何か食べたくなったら言ってくれな」
    「……じゃあ、サツマイモ」
     小鳥にそうリクエストし、見様見真似で乗せてみた肉を眺めるのは、焼肉初体験の時兎。
    「肉は……タンとカッパ下さい。あとは……包み菜とミソとご飯辺りですかねぇ」
     晃も、タンとカッパをサンチュでくるりミソと包んで。仙の注文は勿論、味付けジンギスカン。網の上は肉だらけに!
     でも!
    「野菜も食べなよ。ジンギスカンのたれかけたら苦手でも食べ易いよ」
     肉ばかり食べる皆に、突然の野菜テロです!
    「なんでこの人こんなにジンギスカン推してるんですか……」
    「仙はお母さんみたいだなぁ」
     そんな、専用のたれ持参な仙のお母さん的言動に、晃と遊は各々呟くも。
     お母さんとか言う人には、野菜さらに倍です!
     そして遊の皿は、仙の苦手なピーマンと、密約を交わしていた小鳥の苦手な人参で、山盛りに。
     でも遊はそんな野菜達を、遥河に誕生日プレゼント!
     時兎も端っこが少し焦げた肉を同じく遥河へとあげつつ、仙を見て。
    「そ、言われるくらい、面倒見良くてあったかいンじゃ、ないの?」
     皆のドリンクを取りに行く遊と時兎に、遥河はありがとーと笑むも。椎茸だけはそっと返却。
     そしてそんな皆と存分に焼肉を堪能した小鳥は、デザートのアイスを食べながらも思う。
     あったかい部屋で冷たいもん食べるってのはなかなかの贅沢、と。
     それに気の合う皆と一緒なら――幸せも、倍増。

    「ここのところ、寒いですからねー。あったまりたいですねー」
    「はいどうぞ、丁度良い頃合ですよ朱毘さん」
     樹と拓馬、三成と朱毘も、炬燵で鍋をつつきながらのダブルデート!
     でも……どこか元気のない、三成と朱毘。
     その理由は、なかなか進まない互いの仲。
     確信が持てぬまま進んでミスを恐れる思いと。その反面、自然消滅してしまうのではないかと怖い気持ち。どうしても、臆病になってしまうのだ。
     そんな二人の相談に、樹は拓馬に鍋をよそいつつも、こう返す。
    「喧嘩もしたし人には見せられないけど、ちゃんと話をしたわ」
     その結果が今ね、と。
     自分は樹と出会うまで、自分が楽しくて周りを盛り上げればそれでいい身勝手な人間だったと、そう言う拓馬も。
    「ひたすらトライアンドエラーだよ。失敗しては樹を傷付けて悲しませて、けれどその度に樹は許してくれて、そうしてここまでこれた」
     真面目な表情で、続ける。
    「大切にすることと、傷付けることは切り離せない。駄目なら駄目なりに進むしかないんだ。そうして二人で一緒にいられる距離と場所を探すしかないんだよ」
     ――そして。
    「……全裸になったらお仕置きよ」
     真面目な話をしたから全裸になりたい、と……そう拓馬が思った絶妙のタイミングで、ぽこんと繰り出されたのは。
     これぞ由緒正しい夫婦喧嘩のアイテム、樹のおたまフォースブレイク!

    ●ほっこり、幸せなひととき
     炬燵で食べ放題なんて夢のよう!
     【夜天薫香】の皆は、焼肉も鍋も両方満喫です!
     カルビもロースも良いけど、まずはやはりタン。豚トロもください!
     レモンに塩、甘口やコチュジャン、たれも色々。
     いえ……肉も良いのですが。
    「って、花守。ピーマン食えよ? 喰わないんなら人参は食え」
    「ほ、ほら、サンチュでお肉巻いてるし……やーん、人参とピーマンはやだーっ」
     問答無用な優志に、ましろはキースにヘルプ!
    「いや俺はピーマンも人参も好きだから構わんが……」
     そんなキースは、野菜は平気ですが。
    「えっ……スープが白い……だと……?」
     鍋の中の乳白色なスープに、思わず困惑した目で優志に訴える。
     優志はその様子に笑いつつも、出来た具を皆に取り分けて。
    「ほら……騙されたと思って喰ってみろよ」
    「豆乳鍋、わたし好きー」
     ましろやお裾分けされに来た遥河に続き、キースもそっと、口にしてみれば。
    「……ふむ。なかなか……美味いじゃないか。悪くない」
     あったかぽかぽか、ご満悦。

     誕生日の祝辞を贈りつつ、見た目大人っぽい遥河に、ちょっぴり羨まし気なクリスへと。
    「大丈夫、きっと身長伸びるよ……ちょびっとだけね」
     そう笑む桃夜も、炬燵でぬくぬく!
     そんな彼に、茶々入れないでっとぷくり頬を膨らませながらも。
    「ふっ、椎茸退治はまかせろ」
     遥河の天敵・椎茸を取り除き、美味な上ホルモンを取り分けるクリス。
     でも……抜かりはありません!
    「はい、トーヤあ~ん」
    「あ~ん。ん~美味しいね!」
     嫉妬しない様に、ちゃんと桃夜にも、あ~ん!
     そして、いい塩梅に焼けたタンを勧めた……その時。 
    「ごっそさーん! あ、俺はただの通りすがりやから! 気にせんとらぶらぶしときや!」
     絶妙なタイミングでかっさらったのは、悟。
     決して少食の恋人を誘えなかった八つ当たりではないですよ!
     それから悟は、遥河の積んだみかんタワーにすげーと声を上げつつ。アイスを運んで、カイザの奉行をお手伝い。
     そして炬燵に運ばれるのは――クリスや桃夜が頼んでくれた、バースデーケーキ。

     誕生日おめでとう! そう遥河と炬燵を囲みながら。
     【武蔵境3G】の皆で、いざ誕生日祝いを!
    「んでは鉄板にズラズラと椎茸、椎茸、椎茸……」
    「って、ちょっ!?」
     任せろと椎茸テロしようとした七緒の冗談に、一瞬驚愕する遥河。
     夏槻は、来年は克服できるといいねと、彼の椎茸を食べてあげながらも。
     にーく! にーく! と食べ専と化している七緒に肉を取ってあげて。
    「かなちゃん、野菜も食べなきゃダメだよー?」
     夏穂にそう促されるも、野菜は遥河にプレゼント!
     そしてそのお返しは勿論、椎茸です。
     誕生日な遥河の為に特別に、夏穂も皆と椎茸を駆逐しつつも。
     タンも追加し、もぐもぐと沢山肉も堪能すれば。
    「焼き肉って、脳内で幸福感を感じる物質を出すんだって」
     夏槻の言葉に、皆一緒に納得。
     そして――締めのデザートは。
    「改めてだけど、ルカくんお誕生日おめでとうっ!」
    「わ、ありがとー!」
    「僕らのルカへの愛を表現したよ……」
     誕生日ケーキかの様にたっぷり重ねられたアイスです!

     【崇田家】で囲む二つの鍋は、バッチリ把握している家族の味。
    「お、牡蠣が良い感じに煮えてるし、味噌の具合も良い感じっと♪」
     來鯉が担当するのは、味噌味の土手鍋。
     いい具合にくつくつ煮えた牡蠣を、遥河や紗矢にもお裾分けして。
    「とりあえず締めは棒ラーメンで良いか?」
     テキパキとした手際でよせ鍋の方に材料を入れ、あくを取っていく鍋奉行のヴァーリ。
     そんな二人に鍋は任せて。
    「将来の為にも、うちももっと料理頑張らないとですねえ」
     悠里はそう呟きつつも、皆と、遥河に誕生日の贈り物を。
     悠里は熊野筆の化粧筆、來鯉はヒヨドリの柄の信玄袋を。ホテルスはクロッカスの栞、ヴァーリは水仙と飛鳥井の名が彫られた爪やすりを。
     そんな贈り物に、わぁっありがとー! と遥河は喜んで。ささやかだけどお返しにと、皆の分のデザートを取ってくる。
     でも……用意したプレゼントは、もうひとつ。
     皆の話を穏やかな笑顔で聞きつつ、鍋やデザートを楽しんだ後。
    「喜んで頂けるかは判りませんが我が家に代々伝わる竪琴にて誕生日を祝う演奏をさせて頂きますね?」
     店に事前に許可を取ったホステルが奏でる、竪琴の音色。ヴァーリや來鯉や悠里も、それに合わせて誕生日の歌を歌って。
     遥河は嬉しそうにその旋律に耳を傾け、堪能した後。
     ありがとう、今年もよろしくね、と――皆に、感謝の笑みを。

    「まずはドリンクバーで何か飲もうっと」
     コーラ入りのグラスとミカンを確保し、小さめの炬燵に潜りこむのは、ぴんく。
     そして、焼肉と鍋に釣られ、お昼抜きで臨む気合をみせながらも。
     ぬくぬく炬燵で温まりつつも、火のついたコンロを、じーっと見つめて。
     渡した白いデージーの花束に、嬉しいーっと笑み零す遥河に微笑みながらも。
    「伊勢谷くんも食べてくださいね」
     水花は、つい世話に夢中になっているカイザと鍋奉行を交代して。
     くつくつ煮えた具材を皆に取り分けつつ、さっぱり味の野菜と魚の鍋を囲みつつ、コタツでぬくぬく。
    「いやはや、たまにはこういった機会もいいでしょうねぇ……」
     流希も一人用の炬燵に入って、ゆっくりと鍋を食べながらも。
     賑やかな店の中をぐるり見回しては笑み、ぬくぬくと人間鑑賞を。
     新年を喜び合い一緒に食べあう皆の姿を眺めるのも、これまた楽しいものだと。
    「飛鳥井くん、紗矢ちゃん、カイザくん、ジヴェアの鍋とすき焼きも食べて~」
     そう皆に声を掛けたジヴェアは、鍋とすき焼き、両方楽しんでます!
     オレ、すき焼き大好き! と、その言葉に甘える遥河達。
     そんなジヴェアの鍋の締めは、翡翠麺。デザートは、グラスに盛った豪華な手作りパフェです!
     そして、七葉は。
    「ん、主役は座っていてね」
     まずは誕生日な遥河に、美味しそうな肉を取ってあげてから。
     ぐっと拳をぎゅっしつつ、紗矢に勝負を!
     でも、やはり。
    「紗矢さんがそれだけ食べられるのは……もしかして都市伝説なのかもだね」
     相変わらず底なし胃袋な彼女に、密かに次回リベンジを誓うのだった。
     でも、大食いなら大輔も負けていません!
    「肉……食わずにはいられない!!」
     かなりのハイペースでガッツリとひたすら肉を意食べるその様は、さすが灼滅者!?
     そんな、もはや一人大食い大会を繰り広げている大輔だが。
     ちゃんと、皆の分の肉は残していますから!
     そして、赤に金地の流水模様の振袖という新年らしい装いで。
     野菜鍋を食べ終えた紅緋は、遥河に祝辞を述べた後、見つけた紗矢と一緒に。
     蜜柑添えのバニラアイスに、抹茶にキャラメルにコーヒー、定番のチョコミントまで。
    「紗矢さん、お好きな味は何?」
    「やはり、プリンにも合うキャラメルだな」
     大量のアイスも何のその。幸せそうに二人デザートを堪能しつつ、顔を見合わせて微笑むのだった。

    ●わいわい、新年会!
    「ほぁー、ぬくいぬくい……♪ って、もう開始かえ?」
     【光画部】の皆と炬燵に入ったイルルは、ぬくぬく暢気に口を開くも。
    「ほら、私が焼いていってあげるから、みんなはしっかり食べて!」
    「……って、なんじゃこれはっ!?」
     焼肉開始早々、まぐろの手によってどんどん皿へ盛られていく肉や野菜に驚愕して。
    「え、あ、あぅ?」
    「お肉だけ食べちゃダメよ、ちゃんと野菜も食べなさい!」
     焼き役を頑張ろうと思っていたカティアも、何だか餌付けされる雛状態に。
     誰か雛仲間が欲しい位ですが……その点は大丈夫。
    「まぐろ殿、妾は小食じゃぞ…」
    「部長、ペース早いです……」
     イルルと紅輝も、食べるのが間に合いません。
     でも――そんな中。
    「いるか、いくら食べ放題だからってペース速いわよ!」
     色々なタレを楽しみつつ、肉も野菜もガッツリ食べているのは、いるか。
     そんな彼女に、イルルは思わずヘルプ!
     そしているかは皆の肉や野菜を貰いつつ、隣にいる紅輝の視線に、どうしましたか? と、きょとん。
    「いや、いるかって、結構食べるんだな……」
    「はい、たくさん食べるのが大好きなので」
     そして何気にこっそり、うふふ、と一人だけ自分の肉を育てていた仲次郎は。
    「って、おや? さっきからまぐろさん食べてないんじゃありませんかー?」
     レアな焼き加減の肉を確保しつつも。
    「大丈夫よ、私もちゃんと食べてるから!」
    「いけませんよー、ほらあーん」
     焼けた肉を、少し照れつつも口を開いたまぐろへ、あーん。
    「美味しいですかーうふふー。あ、みなさーん、このネギ食べごろですよー」
     そして、にぱーっと笑む仲次郎は。野菜を巧みに避けつつ、皆に食べさせる魂胆です。
     そんな、どんどん焼かれる肉や野菜に。
    「ご、ごめんなさい。もう、無理です……」
     遂に、ぱたりダウンするカティア。お薬が欲しいほど満腹です!
     でも、焼肉の後はデザート!
     紅輝は炬燵で温まりながらも、ひとつ、蜜柑を剥いてから。
    「ほら、あーん、して?」
     初詣の時にして貰ったように……今度は、いるかの口へと、あーんを。

     大きな炬燵をぐるり囲んで、高々とグラスが掲げられれば。
    「新年あけおめお前ら! 今年も最高にロックな一年にしようぜ、ヨロシクー!!」
     2015年もこのノリで一緒に馬鹿やってこーぜ! と。
     乾杯の音頭を取る錠の声に合わせ賑やかにグラスを鳴らす、【武蔵坂軽音部】の面々。
     そしてやるならやっぱり、ジンギスカン!
     時々無性に食べたくなるのは、道産子の性か。
    「ラムも食いやすくて好きだけどマトンのクセも慣れるとやみつきになる」
     慣れた様にくるりとサンチュに巻いて頬張る葉月の隣で。
    「白いご飯は、絶対欠かせないわ!」
     ほかほかご飯の上に、焼けた肉をオンする時生。
     そしてジンギスカン初体験な理利も、一口ずつじっくり味わってみれば。
    「……うん、美味い」
    「……ん~! 羊のお肉、とっても美味しいです~! これは確かにご飯が進みそうです、ねっ!」
     同じく初ジンギスカンな凪流も、葉月を真似て、今度はサンチュでお肉をくるり。
     そんな皆に、焼けた具材を取り分けながら。
    「……ああ、肉と白飯も最強の組み合わせだと思うが、野菜も食べよう……な?」
     大勢でのお出かけは少し慣れないけれど。反面、わくわくしつつ焼肉奉行に勤しむ桐人。
     でも、大丈夫!
    「わたしラム肉は勿論だけど、その味が移った野菜が美味しいと思うのよ! 特に玉ねぎ」
    「味の染みた玉ねぎは真理ですね」
     千波耶の力説に理利も頷いて。野菜も美味しくいただきます!
     葵は和気藹々なそんな様子に、何だかこうやって皆で鍋を囲むのって良いものだよね、と。ジョルジュと並んで、炬燵でぬくぬく。
     そして率先し場を盛り上げ動くのは、宴会部長の錠。賑やかに笑い合う皆の笑顔が、大好きだから。
    「焼肉奉行も良いけど自分も食べろよー」
     そんな錠に芯は声を掛けつつも、元は取ろうと、肉に箸を伸ばそうとするも。
     どうしても栄養価が気になって。計算に計算を重ねた結果、箸の行く先はカルビから、レタスやトウモロコシに変更。
    「ダークネスと戦いながらバンドだライブだと青春送ってんだから灼滅者もツライぜ」
     何気に炬燵の中でげしげし錠と脛を蹴り合っている葉の言う様に、皆で駆け抜けた2014年。
     サバゲーして敵将を討ちとった地獄合宿に、妖怪コスライブした学園祭、クリスマスセッション。
     そして――無事に皆で迎えた、2015年。
    「同じ釜の飯を食う仲っていうけど、こうやって皆で鍋を食えるのって最高だと思う」
     千波耶はそう皆を見回してから。
     誰か柚子シャーベットと半分こしない? と、デザートタイム!
    「今年も色々あるんだろうけれど、こうやって皆でわいわい楽しくやれたら良いな」
     葉月は理利と共に、千波耶とアイスのシェアをしつつも頷いて。
    「そうだデザートも忘れずに食べないと。アイス~!」
    「僕はバニラアイスにきなこと黒蜜かけて食べようかな」
    「抹茶アイスに黒蜜ときなこ……これも美味しい!」
     凪流と葵と時生も、炬燵アイスを堪能!
    「今年も賑やかに、そしてきっとあっという間に過ぎて行くんだろう……な」
     そう言った桐人に頷いて。炬燵内でいまだ錠と激しい戦いを繰り広げながらも、葉はふっと笑む。
    「来年もまたこうして集まれたらいいな」
     今年も一緒に駆け抜けて。また来年も、このキセキを、皆で感じられる様にと。
     芯も賑やかな仲間達を改めて見回して、瞳を細める。
    「……うん、まあ、今年もよろしくお願いします」
     馬鹿やるのは歓迎だけど、怪我しない程度でよろしく――と。

    作者:志稲愛海 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年1月22日
    難度:簡単
    参加:49人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 5/キャラが大事にされていた 4
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