恋のために竹刀を握って、だけど……

    作者:雪神あゆた

     すーす、寝息を立てる女性――美野里(みのり)の枕元には袋に入った竹刀が置かれていた。
     彼女のすぐそばに立っているのは、宇宙服を着た少年。彼はささやく。
    「君の絆を僕にちょうだいね」

     しばらく日にちが立って。美野里の通う大学生は、今日は休み。
     美野里はベージュのダッフルコートを着て、街中を一人歩いていた。
     いままでなら、休日は自宅近くの剣道の道場で過ごしていた。
     剣道を始めたのは一年前。きっかけは――剣道場に通う青年、竜也に恋をしたこと。
     彼がしている剣道を、自分もしたくなって、剣道場に入門した。
     剣道を始めてからは、彼と接する機会も増えた。
    「はじめてにしては筋がいい」なんて言葉ももらって、美野里は有頂天になって、剣道場に通い詰めた。手に豆ができるほど練習した。
     でも今日は剣道場にはいかず、街をぶらぶらとしている。
    「どうしてかな。彼に認められるために、近づくために頑張ろうって思ってたはずなのに……今は全然思えない」
     こんな状態で彼に会いたくなかった。だから美野里は道場に行かず、街中を歩き、たどり着いた公園のベンチで腰を落とした。
    「このままじゃ駄目なんだけどな」
     美野里は前髪を意味なくいじる。
     
     学園の教室で。姫子は灼滅者たちに説明を開始する。
    「シャドウ『絆のベヘリタス』に関係する人物が、一般人から最も強い絆を奪い、卵を産み付ける事件が、また発生しました」
     このままでは、卵から絆のベヘリタスが孵化してしまう。強力なシャドウである、絆のベヘリタスが次々孵化していくのは、まさに悪夢。
    「が、孵化した直後を狙えば、条件によっては弱体化させる事もできます。絆のベヘリタスがソウルボードに逃げ込む前に、灼滅してください」
     
     べヘリタスの卵、紫と黒の気持ち悪い卵は、一般人には見えない。ダークネスや灼滅者は目視できるが、触れないし攻撃もできない。
     卵は宿主の絆を奪いつつ成長し、一週間で『絆のベヘリタスの新しい個体』として孵化する。
    「ですが、孵化する前に一般人が絆を結んだ相手には、攻撃力が減少し、かつ、被るダメージが増加する、という弱点を持っています」
     弱点を利用すれば、孵化したベヘリタスの灼滅も可能だ
    「だから卵が孵化する前に、卵を植え付けられた一般人、美野里さんに接触し、彼女と絆を深めてください」
     美野里は大阪府大阪市に住む大学生二年生。一年前から剣道をする男性に恋をし、彼と同じ道場に通いだした。一心不乱に練習したのだが、べヘリタスの卵に彼への恋心を奪われてしまった。
     剣道をする最大の動機を失ったことで、今の彼女は無気力になっている。学業にも、せっかく楽しくなり始めていた剣道も、手がついていない。
     退屈で、このままじゃいけない、とは思っているが、状況を打開するためのアイデアも自力では思いつけない。
     灼滅者が美野里と交流できる期間は、2日。
     この二日間、美野里は朝から夕方まで、公園のベンチでぼーとしている。彼女と交流するのは、その時がよいだろう。
     絆は、愛でも憎しみでも感謝でも侮蔑でも、どんな種類のものでも、戦闘を有利にしてくれる。

     2日目の夕方、卵は孵化し、べヘリタスが生まれる。その時、公園には人気がないので、公園で孵化させるのがいいだろう。
     孵化したベヘタリスに戦闘をしかけ、倒さなくてはならない。
     このベヘリタスは、鋭い爪を殺人注射器のように使う。他にシャドウハンターのサイキックに近い能力でも攻撃してくる。
     なお、戦闘が10分以上かかった場合、絆のベヘリタスはソウルボードを通じて逃走し、灼滅は不可能になるので、気をつけなければならない。
    「繰り返しますが、ベヘリタスは強いです。皆さんが美野里さんと絆を結ばずに戦った場合は、勝ち目は極めて薄いでしょう。
     逆に絆が強ければ、それだけ有利に戦えます。美野里さんとの交流を頑張ってください。
     敵を倒せば、失われた絆は取り戻されます。余裕があればその後のフォローをしてもいいかもしれませんね。絆の結び方によってはフォローが難しいかもしれませんが」
     
     そこまでいうと、姫子は微笑んだ。
    「簡単ではないですけど、皆さんなら任務を達成できると、私は信じてます! ベヘリタスを倒し、美野里さんを助けてください!」


    参加者
    高宮・琥太郎(ロジカライズ・d01463)
    布都・迦月(幽界の調律師・d07478)
    鏡・エール(カラミティダンス・d10774)
    大須賀・エマ(ゴールディ・d23477)
    壱風・アリア(光差す場所へ・d25976)
    日輪・義和(汝は人狼なりや・d27914)
    リュネット・エトワール(針ナシ銀時計・d28269)
    ユーヴェンス・アインワルツ(優しき風の騎士・d30278)

    ■リプレイ


     吹く風は冷たいが、公園のベンチに座る女、美野里は震えもせず、前方をぼんやり見てるだけ。彼女の頭上には、紫と黒の、ベヘリタスの卵が存在するが、美野里は気づいていない。
     高宮・琥太郎(ロジカライズ・d01463)が美野里に近づいていく。
    「一人でどしたの? ぼーっとしてるみたいだけど?」
     気さくに声をかけた。美野里は驚いた顔をしたが、琥太郎の笑顔とフェロモンに警戒心も緩んだようだ。ぎこちなくではあるが、笑みを浮かべる。
     琥太郎は矢継ぎ早に言う。――具合悪いの? 悪くないなら、ヒマ? オレも友達にドタキャンされてヒマでさ――。
     美野里は軽快な喋りに圧倒され、頷くのがやっと。が、不快そうではない。
     琥太郎は続ける。
    「実はオレ野球道具買いに行く筈だったんだよね。野球好きな子に惚れて、野球始めようって。けどさー、男のこんな行動って、おねーさん、どう思う?」
     美野里は驚いた顔。自身の境遇と似た話だからか。美野里は呟くように、
    「悪くはないと思うよ……でも恋をきっかけに何かを初めたら、恋がなくなった時どうしたら……」
     俯き、黙る美野里。琥太郎は、うーん、と考えこみ、手を打って、
    「じゃ、そん時は気晴らしに遊ぶとかはどう? 今もそこに――」
     足元を目で示す。そこに犬の姿の鏡・エール(カラミティダンス・d10774)。エールは黙った美野里を見て、寄ってきたのだ。
    「わぅー?」と美野里を見上げる。
     顔を綻ばせる美野里。エールの頭へ手を伸ばす。エールは撫でられ尾を大きく揺らす。舌を出し喜びを表現。
     エールは撫でてきた手をぺろっとなめる。体を美野里の足に摺りつける。美野里はくすぐったそうに声を漏らした。
     エールはその後も、
    「わふ! わぅわぅ! わふぅ!」
     と仰向けになってお腹を見せ、もっと撫でてとねだる。
     琥太郎は目を細め、エールと美野里を見守っていた。

     しばらく遊び雑談した後。琥太郎とエールは手と尻尾を振り公園を去る。
     美野里は彼らを見送ってから、ベンチにまた座った。
     壱風・アリア(光差す場所へ・d25976)と日輪・義和(汝は人狼なりや・d27914)が声をかけた。
    「あなた……近くの剣道場に通ってる人でしょ? すっごく楽しそうに通ってるの、見かけたもの」
    「ああ、僕も噂で聞いた。その道場に、なかなか筋のいい女性が通っていると、ね」
     美野里は「筋は……わかんないけど、あの道場には通ってるよ」と認めつつ、顔を曇らせた。
     アリアは美野里の顔を覗き込む。
    「元気がなさそうだけどどうしたの?」
    「んーと」
     美野里はためらう。義和は冷静な口調で告げる。
    「話し難いことかもしれないが、言ってみてはどうだ? 言葉にするだけで大分違う」
     美野里はためらいがちに、口を動かした。
     去年から、あるきっかけで剣道を始めた。だが、そのきっかけのものに、魅力が感じられなくなった。それで、剣道場にも行く気がしないのだと。
     俯く美野里。アリアは優しい声色で、
    「少し時間を置くことをお勧めするわ」
     美野里は顔を上げた。「時間?」と聞き返してくる。アリアは頷く。
    「たまには休息も必要よ。きっと頑張りすぎて疲れてしまったのでしょうから」
     義和は腕を組み、黙って二人の話を聞いていた。義和は腕を解き、
    「疲れてしまう時、そういう時もあると聞く……僕にはわからんがね」
     義和は美野里の顔をまっすぐに見て、
    「しかし、そんな状況なら、休息中に色々やってみるのも悪くないのではないか?」
     美野里は数十秒ほど考え込み……ありがと、と礼を発した。その顔には幾分か自然な笑顔。


     他の面々も一日目に接触をとる。
     ユーヴェンス・アインワルツ(優しき風の騎士・d30278)はベンチに座る美野里の隣に腰を落とし、彼女と同じようにたそがれた表情を作った。
     リュネット・エトワール(針ナシ銀時計・d28269)は迷ったふりをして道を尋ね、大須賀・エマ(ゴールディ・d23477)は偶然を装い話しかけた。
     布都・迦月(幽界の調律師・d07478)は美野里の前で竹刀の素振をし、挨拶を交わした。
     これらは、二日目に接触するための伏線。

     二日目の午前十時ごろ。美野里はまた公園のベンチに腰掛けていた。
     ユーヴェンスは昨日と同じく彼女の近くに腰を落とす。
    「……アンタ、昨日もここにいたな……俺はやることがなくてな。こうして暇つぶしだ。――ああ、飲むか、珈琲?」
     袋から、新品の缶コーヒーを取り出すユーヴェンス。美野里は缶を受けとり、
    「私もヒマで――ううん、本当はやることがあるんだけど……」
     言葉を詰まらせる美野里。ユーヴェンスは、缶から口を離し、ゆっくりな口調で
    「何か悩みがあるんだな。……悩みは時が消してくれる。その時まで、のんびり風に身を任せるのもいいんじゃねェか?」
     ユーヴェンスは公園の入り口を指す
    「ほら風が――顔見知りが来てるようだぜ?」
     ユーヴェンスの指の先に、エマとリュネット、迦月の姿。
    「よ、また会ったな!」「昨日道を教えてもらったお礼に、きたの」
     とエマとリュネット。

     迦月は竹刀を取り出した。
    「あなたも剣道をしてるんですよね。今日は、竹刀を二本持ってきたんです。一試合しませんか?」
    「どうして私と……?」
     不思議そうな表情の美野里、迦月は彼女の手に視線を落とした。
    「あなたの手がとても綺麗だからです。努力の証が刻まれた手、そんな手をしたあなたと試合がしたい」
     リュネットは両手を胸の前で組み、目を輝かせ
    「二ホンの文化……! ケンドウ、ぜひ、見てみたい、わ」
     美野里はためらいがちに竹刀を受け取る。
    「じゃあ、ちょっとだけ」
     いいながら、竹刀を構えた。
     美野里と迦月は剣を交し合う。
     迦月は胴を狙ってくる美野里の竹刀を受け止めた。
     剣道歴一年の美野里は、決して巧みではない。それでも受け止めた一撃には、一年間の努力が感じられる鋭さがあった。
     迦月は彼女の気持ちに応えるべく、真面目な表情で美野里の竹刀を捌き続ける。
     ――結果は引き分け。
     汗だくになった美野里は、ベンチに寝転ぶ。
     エマはそんな彼女に
    「おつかれ。これいるか?」
     と、飲み物とお菓子を渡してやる。気遣いに、美野里は、ありがとう、と素直な微笑みを浮かべた。
     エマは困った顔を作り、訴える
    「実はさー。今、エマ、全然やる気が出なくてよー」
     美野里はエマに相談され、親近感を抱いたようだ。半身を起こし自分からもエマに話を打ち明けだす。
    「エマちゃんも? 私もそうで……元気の源が体の中から急に消えたみたいで」
     リュネットは、昨日のお礼とお近づきの印にと、アロマキャンドルを美野里とエマに渡す。
    「ゲンキがでないとき、わたしは夜にキャンドルをつけるの……ゆっくりまったり。そんな時間も、あっていいと思うの」
     穏やかなリュネットの言葉に、美野里は、そうだね、と深く頷く。


     その後、犬の姿で再び来たエールを交え、灼滅者らは美野里と遊び話し夕方まで時を過ごした。
     夕刻。美野里は帰ろうとベンチから立ち上がる。
    「ありがと。昨日今日会ったみんなのお陰で元気が――」
     その時、美野里の頭上で卵が動いた。殻にひびが入る。
     金の仮面を被り、黒い体をした人型の存在――ベヘリタスが姿を現した。空中で孵化したベヘリタスは音もなく地面に降りる。
    「な、何これ……」
     しりもちをつく美野里。
     アリア、琥太郎、義和は公園の入り口付近で待機していた。ベヘリタスが現われたのを見、一気に公園内に突入。
     アリアは驚く美野里に手を伸ばす。
    「大丈夫、安心して」
    「え? あなたは昨日……」
     アリアは驚く美野里を抱きかかえた。公園奥の安全な場へ彼女を運び、再び戦場へ駆け戻る。
     一方、義和は腕を振り上げた。
    「来い、ベヘリタス。日輪の『金狼』が相手になろう」
     こちらを向いたベヘリタスの仮面を、義和は日輪の紋章の形をしたシールドで、殴る!
     ベヘリタスの黒い体がぐらついた。
     琥太郎は間髪入れず、片足を半歩前へ。
    「ヒトが作り上げたモンを横からかすめ取りやがって。そんな簡単に奪っていいもんじゃねーんだ。ウゼェんだよ、このっ!」
     槍の穂先で螺旋の突き! 敵の胸を貫いた。
     攻撃は効いている。義和と琥太郎は畳みかけるべく、シールドと槍を構えなおす。
     が二人の追い討ちより早く、ベヘリタスの腕が伸びる。しゅるしゅる伸びる。先端の爪が琥太郎の左胸を狙った。
     が、戦場に戻ってきたアリアが、琥太郎とベヘリタスの間に割り込んだ。爪を胴で受け止める。毒に冒されつつ、アリアはなお気丈に告げる。
    「思い通りにさせないわ」
     アリアの意を受けて、ライドキャリバーのフリューゲルが機銃をベヘリタスに向けた。腕を伸ばしたままのベヘリタス、その肩を撃つ。
     
     灼滅者たちはこの二日間美野里と触れ合った。会話をした。遊んだ。相談にのった。同じ行動をとった。試合をした。こちらの話をきいてもらった。贈り物をした。助言した。
     それらの行為によってできた絆が、灼滅者の攻撃を強化し、またベヘリタスから受けるダメージを軽減している。
     がそれでもなおベヘリタスの反撃は激しい。
     リュネットは仲間を庇うために動いていたが、今、生気を吸う爪に肩をえぐられ、弾丸で足を打たれた。たまらず、膝を地面につける。
     迦月がリュネットに告げる。
    「回復は任された。だから、お前は攻撃を」
     長弓――木花開耶【散】の弦をはじく。打ち出したのは一本の矢。矢尻に込められた迦月の癒しの力が、リュネットに流れる。
     リュネットは迦月の支援を受けて立ち上がる。
    「タイセツな絆をうばう、なんてとてもとってもゆるせない、の」
     槍の柄を握りしめ穂先を天に向けた。上空に氷柱が発生。落下し、ベヘタリスの頭へ突き刺さる。
     着実に傷ついていくベヘリタス。だが、続く灼滅者の攻撃の幾つかは、ベヘタリスの腕に阻まれ防がれてしまう。
     エマは金の瞳で相手の動きを観察し続けていた。隙を見つけ跳ぶ。
    「おいこら。絆返せよ!」
     宙で縛霊手を嵌めた手を振り上げた。手刀を相手の首筋の急所へ、叩き込む。
     エマは着地する。今度は足に炎を宿す。顔面を蹴りつけた!
     ベヘリタスは一歩後ろに下がり、腕を持ち上げる。反撃を放とうして、しかし動きを止めた。エマの技が、ベヘリタスを麻痺させたのだ。
     ユーヴェンスは、身の丈を超える巨剣――深緑をした剣を横に振る。
    「唸れ、風の聖剣……! 切り祓え、そして闇を晴らせッ!!」
     風の刃が発生しベヘリタスを襲う。ユーヴェンスの神薙刃がベヘリタスに傷を刻んだ。
     その後も灼滅者は絆の力を利用し、戦局を優位に進める。
     ベヘリタスは傷だらけの体でなお抗い続けた。ベヘリタスが召喚した黒い弾丸がエールへ飛んだ。
     エールは弾丸を受けてしまい、痛みとトラウマに苦しめられる。が、芝丸がうるんだ瞳で彼女を見つめ、トラウマを払う。
     回復したエールは息を吸い込み、止めた。
    「螺子込む!」
     螺旋の突きを放つ。エールの槍の穂先はベヘリタスの仮面を貫く。
     ベヘリタスは爪の先をエールの左胸に向ける。が、爪はエールに届かない。ベヘリタスは倒れ、消滅した。


     琥太郎はベヘタリスが消えた場所を見、
    「終わった……っていうか何なの? オレ、こいつと会うの、今回で三回! ベヘリタスとオレの絆が深まってんじゃないのコレ。やだあああああ!」
     顔を大きくしかめて見せる。数人がくすっと笑った。
     リュネットは、皆に呼びかける。
    「絆……ミノリの絆ももどってるハズ、よ。ミノリのところに、いかないと」
     リュネットの言葉に一行は頷き、公園の奥へと歩いていった。
     公園の奥で、美野里は座り込み呆然としていた。
     エールは犬の姿で彼女に近づく。
    「わぅー」
     彼女から恐怖を取り払おうとしてだろう、彼女の靴に頬ずりする。
     ユーヴェンスは座る美野里を助け起こしながら言う。
    「もう、大丈夫だ。無事解決した」
     エールとユーヴェンスのおかげで、美野里の恐怖が少し薄れたようだ。体から力を抜いた。
     エマは笑いかけ、彼女の背を軽く叩く。
    「大したことじゃなかったんだよ、な? それよりさ、剣道をしてる彼のこと考えてみなよ?」
    「彼のこと……ぁぅ」
     顔を真っ赤にしてしまう美野里。灼滅者のおかげで彼との絆を取り戻せたのだ。
     迦月は、
    「これで剣道も以前のようにできますね。……その手は誇りに、大切にしてやってください」
     と美野里の手を指さした。
     アリアも大きく頷いた。
    「うん。大切にして。好きなものや熱中できるものを見つけられるって、いいことだと思うから」
     義和は帰る準備をしつつ、彼女に告げる。
    「機会があれば、剣道の試合か何かで会いたいものだ。その時は美野里が気になっている人とやることになるのかな」
    「気になってるなんて言われると……照れちゃう、よ」
     義和の言葉に、顔をさらに赤くさせる美野里。灼滅者の何人かが顔をほころばせた。
     灼滅者は彼女に別れを告げ、歩き出す。
    「ありがと!」
     灼滅者の背に、美野里の感謝の声がとんだ。

    作者:雪神あゆた 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年2月1日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 0
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