●衝動
いつからだろう、彼女は己自身に恐怖を感じていた。
己の中を、時折凶悪な衝動が駆け巡るのだ。すべてを破壊し尽くしたいと、心が吼えるのだ。
「理性を掻き回すような……この感覚……」
自宅のリビングにあるソファで、彼女は縮こまる。最初は、学生生活のストレスだろうと安易に考えていた。それなりに気分転換して、リフレッシュしたつもりでいた。なのに、欲求は収まらない。
お腹がぐう、と間の抜けた音を立てた。
……そういえば、今日はまだ何も食べてなかったんだ。
彼女はふらりと立ち上がり、台所の冷蔵庫へと向かう。そうだ、きっと何か食べれば落ち着く。食べることは、最大の安らぎだ。これまでも、食べることでストレスから解放され、心の安寧を得てきたではないか。
「いただきます」も言わず、冷蔵庫に入った食材へと手を伸ばす。ハムに喰い付き、牛乳パックをがぶ飲みし、卵を丸ごと噛み砕く。
足りない、足りない、足りない!
「まだ……足りないっ……」
「お姉ちゃん、お父さんとお母さん、今日遅いって……」
背後から掛けられた声は、途中で止まった。彼女はぐるんと首を回し、背後へと振り返る。口からピンク色の肉片が、ぼたりと落ちた。
「何やってるの!? それっ生肉だよ!?」
二階から降りてきた妹が、彼女を見るなり声を震わせる。彼女は口元に付いた肉汁を、ぺろりと舌で舐め取った。
「そうね……生肉ね……全然、美味しくないわ」
妹を映す瞳に、獰猛な色が宿る。破壊衝動と恐怖、不安と苛立ちが沸騰する。
「もっと美味しいモノをちょうだいッ!!! 舌に広がる極上のハーモニーを私にいいいぃ!!!」
激昂し、彼女は妹へと襲い掛かった。
●料理は少女を救えるか
「一般人の女子高校生が闇堕ちし、イフリート化する事件が発生しようとしている」
新妻・教(高校生エクスブレイン・dn0218)はそう告げて、タブレットに目を落とす。
「女子高校生の名前は、飯島・芽射子。詩的な表現を好んで使う、文学研究部に所属する高校一年生。普段は明るい性格だが最近は塞ぎ込み、部活も学校も休みがちのようだ」
彼女の内にあるイフリートとしての破壊衝動が、彼女を不安定にしているという。
「このまま放置しておけば、予知で視た現象が起こる……つまり、彼女の妹が襲われ、殺されてしまう。そうなれば、これ以上衝動を抑えるのは不可能だ。完全なイフリートと化す前に、飯島を助けてほしい。……救助困難な場合は、灼滅を頼む」
接触が可能となるタイミングは、妹が二階から一階へと降りている途中だ。まずは、自宅に侵入し、妹を芽射子のところへ行かせないようにする必要がある。芽射子への対処は、その後だ。
「飯島を助けるには、戦闘前にイフリートの力を弱めた方がいい。かといって、知性を失いかけている状態で説得を試みたところで、言葉は伝わりにくい。そこで、だ」
教は眼鏡を上げて、どこかキリッとした表情を浮かべた。
「彼女に、美味い料理を食べさせてやってくれ」
一呼吸置いた後、さらに続ける。
「本来の彼女は、食べることが大好きな人間だ。調理されていない冷蔵庫の中身では満たされないが、きちんとした料理を食べれば、多少は落ち着いてくれる」
そうすることで、彼女のイフリートの力が弱まるという。弱体化させた後、戦闘に入ってほしいとのことだ。
「飯島のポジションはクラッシャーだ。イフリート系のサイキックと、バトルオーラ系のサイキックを使ってくる。弱体化に成功した場合は、攻撃力が半分程度下がるだろう」
一通りの説明を終え、教は最後に付け加える。
「料理の腕に自信がないなら、お気に入りのお店のお弁当とか、お菓子とかでもいい。現場の台所を使う時間はないから、料理は事前に準備しておいてくれな」
参加者 | |
---|---|
エルメンガルト・ガル(草冠の・d01742) |
天峰・結城(全方位戦術師・d02939) |
近衛・朱海(朱天蒼翼・d04234) |
トランド・オルフェム(闇の従者・d07762) |
サフィ・パール(ホーリーテラー・d10067) |
エルシャ・プルート(スケッチブックと百面相・d11544) |
神之遊・水海(うなぎパイ・d25147) |
エリノア・テルメッツ(串刺し嬢・d26318) |
●侵入
閑静な住宅街を進み、灼滅者たちは芽射子の自宅へと到着する。そっと玄関の扉に歩み寄り、エリノア・テルメッツ(串刺し嬢・d26318)はドアノブに手を掛けた。
「……開いてるわ。手間が省けたわね」
幸いにも、鍵は掛かっていない。ゆっくりとドアノブを回し、扉を開いた。
「それじゃ、お邪魔シマスよーっと」
エルメンガルト・ガル(草冠の・d01742)が足音を忍ばせつつ、廊下を歩く。
『これから飯島さんのお宅への潜入ミッションを実行したいと思います! 果たしてこの先、何が待ち受けるのか!』
エルシャ・プルート(スケッチブックと百面相・d11544)は、スケッチブックをバッと上に掲げた。
「誰に向かって、見せてるですか……?」
「クウン?」
不思議そうに首を傾げる、サフィ・パール(ホーリーテラー・d10067)と、主の真似をする霊犬のエル。エルシャは誤魔化すように、ふわりと微笑んだ。
とん、とんと階段を降りる音が聞こえる。間違いなく妹のものだ。すぐに階段へと急行し、進路を塞ぐ。灼滅者たちの姿に気付き、妹は息を呑んだ。
「! あっ……誰?」
突然の事態に呆気に取られ、叫ぶという選択肢に至らなかったことは幸いか。トランド・オルフェム(闇の従者・d07762)の威圧感に満ちた風が、妹へと吹き付ける。
「お姉さんに用事があって来ました。二階に居てもらってもよろしいですか?」
「は……? は、い……?」
耐え切れず、妹はふらりとよろめく。その体を、神之遊・水海(うなぎパイ・d25147)が抱き止めた。
「うまくいったようですね」
妹の様子を見ながら、天峰・結城(全方位戦術師・d02939)が息を付く。
「だね。さっそく二階までご案内なの! よっこらせっと……うん、かるいかる~い」
易々と妹の体を肩に担ぎ、水海は二階へと上がっていく。適当な部屋のベッドに妹を下ろしたところで、近衛・朱海(朱天蒼翼・d04234)は階下へと目を向けた。
「それじゃあ行きましょうか。私たちの料理、しっかり味わってもらわないとね」
灼滅者たちは頷き、落ち着いた足取りで階段を下りて行く。
●お食事タイム
冷蔵庫前。芽射子は食材を漁っていた。複数の気配に気付き、振り返る。
「あ、あなたたち何者!?」
血走った瞳が、灼滅者たちへと向けられた。体からは赤黒い炎のようなオーラが湧き上がっている。
「ハイ、お腹を空かせてる君に、美味しい食事のデリバリーだよ!」
エルメンガルトは持参したフライパンを見せる。蓋をしているため中身は見えないが、芽射子は鼻をひくりとさせた。
「食事……?」
『主食からデザートまで盛り沢山! 満腹間違いなし!』
流れるような筆捌きで、スケッチブックに宣伝文句のような言葉を書くエルシャ。それを見るなり、芽射子はさらに鼻をすんすんと鳴らした。
「くん、くん……様々な食材が溶け込んだ香り……言ってることは本当のようね」
芽射子はじゅるりと唾液を飲み込んだ。トランドは芽射子へと手を差し伸べると、口元を穏やかに緩める。
「テーブルまでご案内いたします。この場では、いささか食べにくいでしょう」
「わ、わかったわ……」
トランドの案内で、リビングのテーブルへ。ソファに腰掛ける芽射子は、早く食べたくてうずうずしているようだ。
「まずは温かいお飲み物を。鳥と野菜のブイヨンスープです。落ち着きますよ」
「合わせて野菜ものもいかが? ほうれん草とエリンギと人参のソテーよ」
トランドと朱海が、料理を芽射子の前に出す。二人が料理を出した瞬間、芽射子はかぶり付いた。スープの器を掴んでがぶ飲みし、ソテーの野菜は鷲掴んで食した。
「いい食べっぷりね。味はどうかしら?」
理性を失いかけている影響だろう。野性的な食べ方には突っ込まず、朱海は料理の感想を求めてみる。事前に練習し食べてはみたが、やはり芽射子からの評価も気になるところだ。もっとも、理性を失いかけている状態で、まともな反応は期待していないが……。
「美味しいわ! ソテーなんて口に入れた瞬間、ソースと絡みあった野菜が口の中でワルツを奏でるようよ! そしてスープ……舌に広がるブイヨンの香りと、体に沁み込む温かさ……まるで凍土を溶かす太陽の雫っ!」
理性が飛びかけていても、食レポはできるらしい。よほど食べることが好きなのか。表現が大げさかつ詩的過ぎるが、それほど飢えていたということなのだろう。
「肉料理も作ってきましたので、どうぞ」
結城も煮込みハンバーグを芽射子の前に置いた。ジューシーな香りが芽射子の鼻を刺激する。
「口内に飛び散る肉汁がタマラナイ! 全身に活力がみなぎるようよ!」
「これを食べると、さらに活力がみなぎるの!」
水海は大漁の菓子を、テーブルにがばっと広げた。魚介をパウダー状にして練り込んだ焼菓子だ。
「これは……土産屋の広告で見たことあるわ!」
「さあっ、たくさん持ってきたから、たーんと食べるの! 緑茶も一緒に飲むと最高に美味しいの!」
言うとおりに芽射子はバリバリと噛み砕き、緑茶もぐいぐいと飲み下す。
「永遠に食べ続けられそう……ついでになんか色々増強しそう!」
『クッキーも作ってきたから、遠慮せず食べてね』
エルシャが文字の書かれた紙をテーブルに置き、その傍に手作りのクッキーを添えた。
「焼菓子のオンパレードね! サクサク感、甘み、まるで私を祝福してくれて……」
クッキーの欠片がテーブルにボロリと落ち、芽射子は動きを止める。
「私、なんて汚い食べ方を……いつもは、こんなんじゃないのに」
今更気付いたという風に、愕然とした。エルシャは再び、文字を書き記す。
『大丈夫だよ。好きなように食べてほしいな』
芽射子は泣きそうな、それでいてほっとしたような顔をする。
「……変ね。美味しいのに、たくさん食べてるのに、満腹にならないの」
弱々しく零す芽射子の前で、エルメンガルトはフライパンの蓋を開いた。
「そういうときもあるものさ。お腹イッパイになれないなら、なるまで食べればいい。ここにあるのはゼンブ君のものなんだから」
目前には、ふんわりとろけるようなホットケーキ。
「美味しそう……これ、あなたが作ったの?」
エルメンガルトの脳裏に、暗黒物質と化し無きものとなった自作ホットケーキが浮かぶ。
「あ、イヤ……、うちのおばあちゃん作。美味しいこと間違いナシだよ!」
頬を掻きながらも、自信げに答えた。芽射子は大口を開け、ホットケーキに噛み付く。
「ふかふか、もちもち……ソースとクリームも絡み合って、口の中でとろけるわ」
「アップルパイも、作ってきたです。ちょっと焦げちゃったですけど……」
「ワンッ!」
差し出されたサフィのアップルパイに、エルが喰い付いた。
「ひゃっ! え、エルっ、食べちゃめっ、ですよ。芽射子さんにあげる、だったのに……」
「キュウン……」
しょぼんとするサフィに、反省したのかエルも尻尾を下げる。その様子を見て、芽射子は口元を緩めた。
「かわいい……別のもらうね」
彼女を取り巻いていた黒いオーラは、確実に弱まっていた。別のアップルパイを手に取り、口に頬張る。
「なんて言えばいいのかしら……なんだか、あったかい味がする。美味しいわ」
「気に入ってもらえてよかった、です」
サフィは安心したように、柔らかな微笑を零した。
「まだまだあるわよ」
エリノアはテーブルに箱をどんと置いた。中から取り出されたものに、芽射子は目を丸くする。
「け、けーき、わんほーる……これ、全部いいの?」
「ええ。全部貴女にあげる。味は保証するわ」
芽射子は備え付けのフォークに手を伸ばす。ここに来て、初めて道具を使おうとした。しかし、震える手では、すぐに落としてしまう。
「フォーク、うまくもてな……」
「口に入れるまでの過程なんて気にしなくていいわ。丸ごとがぶりと行きなさい! ……奮発したんだから、ちゃんと食べなさいよね」
刺々しい口調の中にできるかぎりの優しさを込めて、エリノアは告げる。その言葉に後押しされるように、芽射子はケーキに顔を突っ込んだ。
●鎮火
ケーキを完食し、クリームだらけの芽射子。酷い有様ではあるが、纏う炎は随分と弱まっている。しかし、収まるまでには至らない。今も飛びそうな理性を、何とか繋ぎ止めている状態だろう。
「……まだ、おさまらない……なんで……」
可能なかぎり食べさせた。あとは拳で落ち着かせるまでだ。音を遮断する壁が、一階を包み込む。
「大丈夫よ。私たちが助けるわ。だから、もう少し耐えていて」
朱海が告げると同時、彼女の周囲で炎が煌々と揺らめいた。彼女の霊犬、無銘も低く唸り赤い瞳をギラ付かせる。
「あなたの衝動を削ぎましょう」
結城は背後へと回り込み、高速の斬撃を繰り出した。
「ぐう……ッ……」
芽射子は苦しげに呻き、体内から炎を噴出させた。暴走する炎を躱し、エルシャはスケッチブックを掲げる。同時、体に纏った帯を芽射子に向けて射出した。
『戻ってきてよ。このままじゃもうお母さんのご飯も食べられなくなっちゃうんだよ』
帯は生き物のようにうねり、芽射子の体を鋭く貫いた。芽射子は拳を握り、打撃を繰り出そうとする。その拳を水海が、がっしりと受け止めた。
「日本中のおいしい食事、一緒に食べに行こうよ! 浜松の魚介とか絶品だよ!」
「ウ、ウ、ナ……ギ……」
「そう、うなぎっ!」
水海は拳に闘気を込める。それは激しい雷撃へと変わり、渦巻きながら芽射子へと叩き込まれた。
「どっせえぇい!」
水海の打撃が、芽射子を殴り飛ばした。例え暴走していても、灼滅者たちの言葉は届いている。トランドはまっすぐに芽射子を見つめ、柔らかに、それでいて力強く言葉を投げ掛ける。
「貴方が抱く破壊衝動は、絶対に私たちが抑えてみせます」
落ち着いた口調とは相反し、芽射子の懐へと素早く飛び込んだ。
「……貴方が最愛の妹君に牙を剥くことのないよう、ここで断ち切りましょう」
直後、流れるような斬撃が放たれる。漆黒の軌跡は芽射子の脚部へと、深く刻まれた。追い打ちを掛けるように、エルメンガルトがオーラを漲らせる。
「君のシアワセ、絶対に失わせないよ」
漆塗りの隻腕に集束するオーラは、温かな光を帯びた。
「食べたばっかりだし、お腹は狙わないケド……痛いから我慢してね」
芽射子の背に回り込み、連打撃を叩き込む。浴びるように攻撃を受け、芽射子は炎を爆発させる。
「グルルル……!」
怯むことなく、無銘が六文銭を撃ち込んだ。思わず目を瞑る芽射子に、朱海は強く呼び掛ける。芽射子が薄く目を開けた。
「正しい力の使い方を見せてあげるわ。しっかりと見て、闇を捩じ伏せる方法を学びなさい!」
白光を宿す剣を、芽射子へと刻み込む。炎が斬撃と同時に舞い昇り、太陽のように輝いた。あまりの激しさに、芽射子は目を眩ませる。
「今のうちに……皆さん、回復するです」
サフィは剣を翳し、刻まれた祝福の言霊を解放した。言霊は光となり弾ける。弾けた光は風へと変化し、仲間を優しく癒していく。
「ワオーンッ!」
エルも青い瞳を輝かせ、回復の光を仲間へと照射する。
「……止めなく、ちゃ……こんなの、違う……」
震える声で呟き、膝を付く芽射子。それでも害をなす炎は止まない。エリノアは、飛び散る炎を避けながら、芽射子へと歩み寄る。
「そうよ。その衝動は貴方のものではない、その身に潜む別の人格よ」
芽射子の中心を見据え、エリノアは銀色の鎖を撃ち放った。空気を裂き放たれた杭は、芽射子へと深く食い込む。
「闇の衝動に惑わされず、己を保ってみなさい。一人で無理なら、私たちが助けるわ!」
突き刺さる杭を、力任せにぐいと引き抜いた。
炎は尽き、芽射子はその場に崩れ落ちたのだった。
●はじまり
意識を取り戻した芽射子は、食べ散らかしたテーブルを見て沈み込む。
「……生き恥を晒した気分だわ」
「り、理性を失ってたですから、しかたないと思うです」
あわあわとしながらも、サフィが懸命にフォローする。
「ワウー」
エルも慰めるように、芽射子の手をぺろぺろと舐めた。
「……確かにそうね……なんだか、不思議な感じ」
自分の手を見て、芽射子は呟く。不思議な感じとは、灼滅者としての力を自覚したということだろう。
「あなたは灼滅者になったのですよ」
「しゃくめつしゃ……? なんだか、心ときめく響きね」
結城の言葉を聞き、芽射子の瞳に好奇心の色が宿る。灼滅者や学園の存在、ダークネスの存在を説明すると、芽射子は考えるように顎に手を当てた。
「なるほど……嘘みたいな話だけど、真実、よね」
自分の体験から嘘ではないと認識しているようだが、どこか不安げだ。そんな彼女に、エルシャはスケッチブックを見せた。
『飯島さんも学園に来ない? 学園には仲間がいるし、色々教えてもらえるよ』
「学園に……」
「学園には、貴方と同じように闇から救われた仲間がたくさんいます。皆さん、とても頼りになるのですよ」
そう告げるトランドの柔らかな微笑に、偽りはない。
「……また、迷惑掛けちゃうかもしれない、けれど」
遠慮がちに返す芽射子に、エリノアが迷いなく返す。
「それでいいのよ。再び闇に怯えることもあるでしょう。その度に支え合う仲間……それが私たちよ!」
力強い言葉に、芽射子は息を呑み……こくり、と頷いた。
「私……学園に行く」
「やったー! グルメ仲間が増えたの! 今度一緒にうなぎ食べに行こう! スタミナも付くし、ご飯が何杯もすすむの! あとコロッケとか!」
水海が瞳を輝かせ、芽射子の手を掴んでブンブンと振る。熱烈な握手だ。
「君が抱えてる不安とかイライラ、少しずつ飲み込めるようにオレらも協力するよ」
大丈夫、出来る筈だからさ。と付け足して、エルメンガルトはニッと笑う。
「うん、うん……みんな、ありがとう。よろしくお願いします」
芽射子は改まり、照れくさそうに頬を赤らめた。
「色々不安なことはあるでしょうけど、いつでも力になるわ。灼滅者に関すること以外でも……例えば料理のお勉強、とかね」
穏やかに双眸を細め、朱海は頼もしげな笑みを浮かべる。芽射子も強く頷き、灼滅者たちの手を取るのだった。
作者:鏡水面 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年1月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 5
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