雪の積もる山奥。しかし、『そこ』に降る雪は、空中で蒸発し、消えてしまう。
そこにいたのは、イフリートだ。しかも竜種の。その竜種イフリートは、雪の無い地面に丸くなり、うとうととしている。その側には、動物たちがもたれかかっていた。竜種イフリートの力で強化された動物たちだ。この寒い中、イフリートの側にいる方が断然暖かい。彼らは団子になって、のんびりと過ごしていた。
瞬間、竜種イフリートが、何かを聞いたように立ち上がる。周囲を見回すと、同じ竜種イフリートがもう一体。彼はだらけている竜種をちらりと見ると、突然、どこかへ駆け出していった。
「グゥゥゥ……ガァッ!」
獰猛な声を出しながら、周囲の動物たちをはねのけ、竜種イフリートが立ち上がる。そして導かれるように、先に行った同類と同じ方向めがけて、走り去っていった。
「さて、今日の1件は厄介よ。なんせ相手は、竜種イフリート。しかも2体だからね」
藤堂・姫(しっかりエクスブレイン・dn0183)は、少し緊張した様子でそう言い、話を続けた。
「鴻上・廉也(小学生・d29780)さんの推理から辿って分かったことなんだけど、どうやら朱雀門高校の連中が、竜種イフリートを集めて戦力にしようとしてるようなの」
そして、折しも同じタイミングで、別の方面からも同じ情報が届いていた。
「そっちの情報の発信源は、この前竜種になりかけてたイフリート、トウノジン。どうやら竜種になりかけた時、どこかからの呼びかけを聞いたようね」
トウノジンは、このままいけば、竜種が集まって大きな戦力になるだろうと考えている。そこで、協力して竜種イフリートを叩き、それを未然に防ごうと言うのだ。
「あちらとしては、この前の借りを返す意味もあるんでしょうね。朱雀門が強くなったら、困るのは主にあたし達だもの。でも助かるわ。竜種2体とか、普通の戦力じゃ話にならないからね」
トウノジンと協力して、竜種2体を灼滅する。これが今回の目的だ。
「さて、細かい説明に入るわね。場所はとある山奥。竜種イフリートはここを突っ切っていく訳だけど……その道中のこの地点で、トウノジンが待ってるわ」
地図を指さす姫。結構山奥だ。寒さと雪の量もかなりのものだろう。
「ここで待ち伏せして、トウノジンと一緒に竜種2体を倒す。作戦は以上よ」
問題は、トウノジンの扱いだろう。
「彼、性格から言って、戦闘になったら一人で突っ込んでいきそうなのよね。でもそれだと、勝率が下がると出ているわ」
トウノジンへのフォローも入れると、なお良いだろう。
「竜種イフリート2体のポジションはクラッシャー、ファイアブラッドとサイキックソードと同質のサイキックを使ってくるわ」
トウノジンはキャスターに位置し、ファイアブラッドとマテリアルロッドと同質のサイキックを使う。自分の立ち位置を考えたいがためのポジションとのことだ。
「トウノジンがいることを加味すれば、戦力は互角と言った所かしら。彼の言う通り、朱雀門が戦力強化してくるなら、それは阻止しなければならないしね。申し出はありがたく受け取って、きっちり竜種を灼滅してきて。じゃあこの件、あんた達に任せたわよ!」
参加者 | |
---|---|
ポンパドール・ガレット(祝福の枷・d00268) |
東谷・円(ルーンアルクス・d02468) |
ファルケ・リフライヤ(爆走する音痴な歌声銀河特急便・d03954) |
敷島・雷歌(炎熱の護剣・d04073) |
清浄院・謳歌(アストライア・d07892) |
鴨打・祝人(みんなのお兄さん・d08479) |
水貝・雁之助(おにぎり大将・d24507) |
竹野・片奈(七纏抜刀・d29701) |
●心強い協力者
「竜種、ねぇ。それも大変なこったが……心強い味方がいて嬉しいね」
「だねー。もふもふと共闘してドラゴン退治かぁ」
雪の山奥、東谷・円(ルーンアルクス・d02468)と竹野・片奈(七纏抜刀・d29701)がそう話す。ここは、今回の件に協力を申し出てきたイフリート、トウノジンとの合流地点。灼滅者達は、既にそのトウノジンと合流を果たしていた。
「やぁ、トウノジン君、祝人お兄さんだ! 気軽にお兄さんって呼んでくれ!」
「連絡ありがとな、今回はよろしく頼むぜ?」
鴨打・祝人(みんなのお兄さん・d08479)と敷島・雷歌(炎熱の護剣・d04073)が、そう挨拶を呼びかける。それに対してトウノジンは、
「……アァ、ヨロシクタノム」
と、短く返していた。
「今回は、一緒に頑張ろうね。あ、これはおにぎり。鮭、塩昆布、おかかがあるけど、ひとつどうかな? 自信作だよ」
そう言いつつ、水貝・雁之助(おにぎり大将・d24507)がトウノジンにおにぎりを勧める。同じくおにぎりを手にした祝人は、
「じゃあお兄さんのは、戦いが終わってからにしようか」
と言って、それをしまう。一方、雁之助にそう問われたトウノジンは、
「……モラオウ」
と言い、おにぎりをひとつ口にし、ひとつ食べると……目を丸くして驚いていた。余程美味しかったらしい。
「さて、そんじゃここで、簡単に打ち合わせをしておこうか」
そこに、ファルケ・リフライヤ(爆走する音痴な歌声銀河特急便・d03954)がそう提案する。
「ウチアワセ……?」
疑問がるトウノジン。案の定、作戦など頭に無かったようだ。ポンパドール・ガレット(祝福の枷・d00268)は、トウノジンに若干気圧されつつも、ざっくりと説明を入れる。
「あんね、おしえてくれた竜種だけど。片っぽずつせーので、みんなで、やっつけるから。トウノジンもいっしょによろしくネ!」
「カタッポズツ、ミンナデ……?」
戸惑うトウノジンに、清浄院・謳歌(アストライア・d07892)は言葉を繋げる。
「前にトウノジンくんが戦った灼滅者たちは強かったでしょ? ひとりだけで戦うより、群れで戦った方が強いんだよ。だから、みんなで一緒に戦おう?」
「……ソウカ。ワカッタ、ソチラニシタガウ」
そう言って、トウノジンはひとつうなずき、提案を了承した。それに、片奈と円が応える。
「じゃあ改めて、一緒に頑張ろうね」
「基本好きにやってくれ、マズかったら言うさ」
そう言葉を交わす中、最初に気付いたのはファルケだった。
「さて、そろそろ来たみたいだぜ」
低い、地鳴りのような音。雪を踏みしめる音は無い。すぐに溶けてなくなっているのだろう。間違いない。竜種イフリートが、こちらに向かって走ってくる音だ。
「来てっ! アンタレス!!」
謳歌が、愛用の槍を呼ぶ。その頃には、2体の竜種イフリートは、顔が分かる位置まで近付いて来ていた。
「ガァァァァァァッ!!」
トウノジンが吠える。それと同時に、灼滅者とトウノジンの共同戦線は始まった。
●竜種との序盤戦
2体の竜種が迫る中、ポンパドールは辺りを付けた。わずかにこちらに近いのは右の方。ならば……
「まずは、こいつからだ!」
「じゃあ、援護するぜ」
右の竜種に、ポンパドールが蹴りを入れに行くのに合わせて、円がそちらに氷弾を撃つ。氷弾が当たり、ポンパドールの飛び蹴りが当たると同時、灼滅者達は行動を展開し始めた。
「よし、それじゃあこっちも始めるぜ!」
「じゃあ、こっちは俺が抑える!」
予定通り、ファルケと雁之助が動く。ファルケは竜種に向けて歌を歌う。死ぬほど音痴なその歌だが、中身は強力な催眠効果を抱えた強烈なサイキック攻撃だ。竜種は避けられず、直撃を食らう。対して、雁之助が仕掛けたのはもう一方の竜種だ。雁之助は白虎状のイフリートの姿に変身し、竜種の急所を見極め、何度も斬り刻み、動きを止めさせようとする。こちらも直撃、竜種はどちらも、動きに制限を付けられた形になる。
「じゃあ、あっちを集中的に狙おうね」
片奈がそう呼びかけるのは、トウノジン。狙うのは作戦通り、ファルケが仕掛けた方の竜種。雁之助は、足止めに徹する形だ。
「ワカッタ……ノレ」
「うわっ……!」
トウノジンは、片奈をひょいと背中に乗せると、竜種めがけて走り出した。ついでに素早く、祝人のナノナノ、ふわまるも張り付いて来ている。
「あ、これ眠り心地よさそう……」
「ガァァッ!」
片奈とふわまるがトウノジンの背中でもふもふしている間に、トウノジンは声を上げ、竜種に強烈な打撃をぶちかました。それに合わせ、片奈は竜種の死角に降り立ち、握った竹刀を竜種に振りかぶる。
「たぁっ!」
片奈の竹刀は音を鳴らし、竜種の足を引き裂いた。同時、そばにいたふわまるが竜巻を起こし、2体の竜種を同時に攻撃、重圧をかける。しかし片奈が斬った竜種は、トウノジンを振り返り、火花散る爪で反撃を仕掛けてきた。
「グゥアァァッ!」
だがその攻撃は、素早い反応を見せた祝人が受け止めている。
「この青緑の炎で浄化する!」
祝人はそのまま、炎の蹴りで逆に反撃をし返した。そこに円の操る帯が祝人を覆い、彼を回復する。
「無事ですか、鴨打先輩?」
「何とか。トウノジン君は大丈夫かい?」
「アア……スマナイ、オニイサン」
トウノジンはそう言って、祝人に礼を告げた。
もう一方の竜種は、体が麻痺して動けないでいる。その内に謳歌は、目標の竜種に氷弾を撃ち込んだ。命中、竜種の体が凍りついていく。
「凍らせたよ! 雷歌さん、お願い!」
「分かった。オヤジも頼むぜ!」
応えた雷歌は、素早い動きで竜種を、双方まとめて斬り裂き、同時に気を引く。それに続き、彼のビハインド、紫電もその顔を晒し、竜種たちにダメージを与えていく。だが、竜種たちはまだ倒れそうもない。
「長くなるな……」
その言葉通りとなった。2体の竜種の強烈な攻撃を、灼滅者とトウノジンは受け止め、避け、妨害してやり過ごしていく。それでもその一撃一撃は強烈で、灼滅者達はじりじりと押し込まれていった。
雁之助が抑える竜種が動き、雷歌を引き裂く。雷歌は幅広の斬艦刀を盾のように扱い、その威力を殺すが、受けたダメージはかなり重い。
「次、ライカセンパイの方を……回復っ!」
対応するポンパドールが、雷歌の傷を癒す。雷歌が礼を言うと同時……それは起こった。
「グゥゥ……アァァァァァッ!」
目標としていた竜種が叫ぶ。そうかと思うと、その竜種は炎の刃を作り出し、自分を斬り裂き始めたのだ。ファルケの催眠の効果が、ここで発揮された。
「イマ……ダ!」
そして、トウノジンが動いた。炎の暴風を起こし、竜種たちの守りを斬り裂いたのだ。そして竜種の影には、竹刀を構える、片奈の姿。
「まずは……一体」
瞬間、彼女のバンブーソードが閃いた。竜種の急所を正確に見極めた、えぐるような斬撃。受けた竜種は胴から裂かれ、重い鳴き声を残して倒れ伏す。
一体は仕留めた。残りはもう一体。ここからが正念場だった。
●『仲間』
「さぁ、次はこっち行くぜぇっ!」
ファルケはそう言うなり、残った竜種にバベルブレイカーをぶちかまし、その動きを更に制限する。そして動きが止まったところに、斬艦刀を振りかぶった雷歌が一気に接近した。
「こいつも持って行きな」
雷歌の力と刀の重さが、竜種の肉を断つ。その一撃に叫びを上げる竜種だが……キッと雷歌をにらむと、炎の刃を飛ばし、雷歌に反撃をしてきた。
「!」
瞬間、その攻撃に反応したのは、紫電だ。竜種の攻撃をその体で受け……しかし耐え切れず、紫電はこの場から消滅する。
「オヤジ!!」
「……っ! 止まっちゃダメだ! 手を止めたらやられる!」
そう叫んで竜種に迫るのは、腕の縛霊手に力を込める雁之助。弓のように腕を引き絞り、勢いのままにその手を竜種に叩き付ける。
「グァァァァッ!」
何度と聞いた、竜種の叫び声。竜種は縛霊手の結界に封じられ、捕縛される。その隙を突いてまず出たのは、謳歌だ。少し離れた場所から走り込み、跳躍する。
「紫電さんの仇だよ、いっけーっ!」
言葉と共に、飛び蹴りが繰り出される。命中、完全な直撃。謳歌の蹴りが、竜種の脇腹を貫いた。急所を突かれ、もがき苦しむ竜種。そこに、謳歌に続いた片奈が、神霊化させた竹刀を振り、一気に竜種に迫る。
「さぁ、続いてこれ行くよ!」
神霊化した竹刀は、竜種の肉を断たない。しかしその精神を一刀両断し、大きなダメージをもたらす。3人の連撃で、かなりの体力を削げたはずだった。だが、竜種の目は、まだ死んでいない。
「……!! 気を付けろ! 何かやる気だ!」
円が叫ぶ。だが既に、竜種はサイキックの解放を完了していた。
次の瞬間、爆風が辺りを包んだ。サイキックエナジーの爆発だ。爆風は前衛を襲い、大きなダメージを与えると共に、その武器まで縛ってくる。
「ちっ……!」
「……痛っ、マジかよ! みんな、すぐ回復するからね!」
対応したのは、円とポンパドールだ。彼らは二人同時に列への回復サイキックを使い、傷を癒すと同時に、縛られた武器を解放していく。2人が動いたことで、被害は最小限となったが、まだ気が抜けない状況が続いていた。
竜種は攻撃を続ける。灼滅者達も攻撃を重ね、確実に竜種の体力を削っていくが、防御役のメンバーの体力は、もう限界近くまで来ていた。やむを得ずふわまるが、回復役の方へ回り、味方を癒す。だがそんな中、竜種の爪が、トウノジンを襲った。
「……グッ……!」
「くっ……危ねえ!」
しかしその前に、飛び出してきた雷歌が立ちはだかる。斬艦刀を盾に、竜種の爪を受け止める雷歌。しかし足りない。雷歌は攻撃に耐え切れず、地面に叩き付けられ、そのまま動かなくなる。
「……ア……」
呆然と雷歌を見るトウノジン。迫る竜種……その竜種を、横から祝人が急襲した。竜種はたまらずのけぞり、一歩退く。消耗も激しく、肩で息をする祝人は、トウノジンに向かって言う。
「しっかりするんだトウノジン君! 戦いはまだ終わってない。まずはあの竜種を倒してしまうぞ」
「……グ……ガァァァァァッ!」
直後、トウノジンが叫びを上げる。怒りの雄叫びだ。そのままトウノジンは竜種に走り込み、力任せの打撃を叩き込む。
「グゥアァァァァァ……」
竜種も叫ぶ。だが、その叫びに力が無い。もう相当弱っているようだ。その竜種に向かい、ファルケはマイク代わりのマテリアルロッドをくるりと回し、
「歌エネルギー、チャージ完了。聞かせても心に響かないのならば、直接叩きこんで伝えるのみっ!」
武器を振り、ファルケが竜種に走り込んだ。竜種は動けない。動く足の力も、体力も無い。
「刻み込め、魂のビートっ! 堪能しな? これが俺のサウンドブレイクだぜっ!」
エネルギーのこもった一撃が、竜種を強く打つ。衝撃がその体を走り、通り過ぎたかと思えば、細かく痙攣しているのが見て取れる。
「グ……アァ……」
そう短く鳴いたかと思うと、竜種の巨体から力が抜け、その場にドスンと倒れ込んだ。そして程なく、その体の灼滅が始まる。こうして戦闘は、灼滅者達の勝利で終わった。
●イフリートとのティータイム
「……む……くっ!」
気を失っていた雷歌が目を覚まし、起き上がる。体のあちこちが痛い。治すには、少々時間が必要そうだった。
ふと、片手が何かに当たる。見るとそれは、竜種の亡骸だった。試しに引き抜いてみると、殲術道具として使えそうな部分が現れる。
「……正真正銘の『龍砕斧』ってことか」
そして顔を上げると、
「スマナイ、ダイジョウブカ?」
そう声をかけてくる影があった。トウノジンだ。
「まぁ、何とかな。竜種は……両方倒したか。お疲れさん」
雷歌がそう返すと、雁之助がヒールサイキックでトウノジンを癒し、告げる。
「ボクからもお疲れ様。一緒に戦ってくれて、ありがとうね」
「本当に助かったよ! 多分、わたし達だけじゃ、やっつけられなかったと思うから」
「……アァ」
謳歌も続く感謝の言葉に、トウノジンは少し顔をそらして応える。照れているのかもしれない。
「よし、じゃあここは戦勝祝いも兼ねて、軽くティータイムってのはどうだ?」
ファルケはそう言うと、用意してきた菓子類をどっさりと出し始める。一方、おにぎりを用意していた祝人は、悩む素振りでつぶやく。
「ふむ、ティータイムか。じゃあ、このおにぎりはどうしようか……」
「オニギリカ……デキレバ、モチカエリタイ」
そう言い出したのは、トウノジンだ。どうやら戦闘前の一件で、おにぎりがかなり気に入ったらしい。
「うん、ならば、持って行くといい。それなりに用意してあるから」
そう言い祝人は、手持ちのおにぎりを手渡す。それと一緒に、トウノジンを完全に変な目で見ているふわまるも、一緒に彼の元に行こうとするが……
(「……クロキバ倒した時に、何かに目覚めたとかまくし立てていたが……」)
祝人はとりあえず、ふわまるを殴って黙らせておいた。
「もふもふー……♪」
トウノジンに頼んで、背中に乗せてもらった片奈はご満悦状態だ。そんなティータイムの中、円とポンパドールは、トウノジンとゆっくり会話していた。
「改めて、今回はあんがとな、助かったぜ」
「これで貸し借り無しってとこかな?」
「イイヤ……マダカリフタツダ。オマエタチニリベンジモシタイ」
そう言いつつ、トウノジンは菓子をひとつ頬張る。人間の食べ物に、完全に味を占めた様子だ。
「そうか……まぁ、また何かあれば連絡してほしいし……おれ達に協力してほしい事があれば手伝うさ」
「そうそう、なにか気になるコトがあったら、なんでも教えてネ。考えごとはひとりでするものじゃないからさ」
「……オボエテオク」
それからトウノジンは、お茶を一口で飲み干すと、背中に乗った片奈をゆっくり下ろして、
「ソロソロオレハイク」
と言って、立ち上がった。そのまま去ろうとするトウノジンに、雁之助が声をかける。
「じゃあ、さよならだね。また、仲間として戦いたいな」
「……ソウアリタイモノダ」
そう呟いて、トウノジンはその場を立ち去った。灼滅者達はその背中を見送ると同時に、自分達も武蔵坂学園へ帰る準備を始めた。次は彼と、どんな形で会うのかと考えながら。
作者:時任計一 |
重傷:敷島・雷歌(炎熱の護剣・d04073) 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年1月29日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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