枯れ木が生い茂る森を抜けた先に泉が広がっている。
仄かに湯気が立ち上るその源泉の脇に1体の巨大な紅色の竜に良く似たトカゲのような生き物が眠っていた。
その周囲ではタヌキたちが温かい源泉で暖をとっている。タヌキたちはその紅色の巨大トカゲを怖がる素振りも見せず、のんびりと自由に振る舞っていた。
と、突然巨大トカゲがカッと両目を見開く。
――ピクリ。
突然立ち上がったかと巨大トカゲ、もとい竜種イフリートは大きな咆哮をあげた。
『グゥァァァァァァ……っ!』
そして、どこかへ向かってまっすぐに山道を駆け下りていく。
残されたタヌキたちはきょとんとした顔で見合わせ、ただただぼんやりと竜種イフリートが走っていった方角を見つめているのだった。
「竜種イフリートに、動きが、あった――」
教室へと灼滅者たちが集まったことを確認すると久椚・來未(中学生エクスブレイン・dn0054)は抑揚のない声でポツポツと語り出す。
なんでも、鴻上・廉也(小学生・d29780)から竜種イフリートの動きについて報告があったという。その報告によれば、京都の朱雀門高校が竜種イフリートを集めて戦力にしようと画策しているとのことだ。
さらに先日竜種イフリートになりかけていたイフリート達からも同じ情報が来ており、彼ら彼女たちから協力の申し出をしてくれているというのだ。
「協力を、申し出てくれた、イフリートの名前は、ギンシュ」
ギンシュは6~7歳くらいの女の子のイフリートだという。炎獣状態は紅色に輝く鬣を持つ朱色の獣で、見た目は麒麟に近いと言う。
今回は、そのギンシュと共に竜種イフリートを灼滅してほしいのだと來未は告げた。
「灼滅すべき、竜種イフリートは、1体」
竜種イフリートはファイアブラッドとウロボロスブレイドに似たサイキックを使い、相手を妨害することを得意とする戦い方をするらしい。
ちなみにギンシュは、戦闘時はクラッシャーでファイアブラッドとガトリングガン、及びシャウトによく似たサイキックを使うという。ギンシュも一緒に戦ってくれるというのでそうそう負けはしないだろうと來未は言うが、ギンシュは幼いので複雑な指示は理解してくれない可能性がある点は注意する必要がある。
目的を達することが出来れば、ギンシュと交流をはかることもできる。他にも自分たちだけで竜種イフリートを倒して改めて灼滅者の強さを見せつけることも可能だろう。
もしも依頼に失敗すれば、朱雀門の戦力に竜種イフリートたちが加わることになる。これは阻止しなければならない。
「イフリートと協力して、竜種イフリート、灼滅して」
参加者 | |
---|---|
村上・忍(龍眼の忍び・d01475) |
橘・芽生(焔心龍・d01871) |
領史・洵哉(和気致祥・d02690) |
日野森・沙希(劫火の巫女・d03306) |
近衛・一樹(創世のクリュエル・d10268) |
柿崎・法子(それはよくあること・d17465) |
ミス・ファイア(ゲームフリーク・d18543) |
高嶺・円(餃子白狼・d27710) |
●炎獣、再会を果たす
覆いかぶさるように茂る木々を掻き分け、灼滅者たちは森の道を進む。
視界前方に見えるチラチラと立派な角。ぱっと見た雰囲気は鹿に似ているだろうか。朱色の獣は紅玉を思わせる大きな瞳はじっと灼滅者を見つめていた。
「やっほーギンシュ! この前ぶりね」
ひらひらと手を振り親しげに声をかけるミス・ファイア(ゲームフリーク・d18543)に、イフリートのギンシュも牛に似た尻尾をゆらゆら揺らしながらゆっくりと灼滅者たちへと近付いてくる。
「ファイア! ホーコ!」
見知った顔を発見し嬉しそうに声をあげるギンシュに柿崎・法子(それはよくあること・d17465)もにこりと笑顔を浮かべ手を振った。
再会を喜ぶファイアたちの傍らで橘・芽生(焔心龍・d01871)はエクスブレインの言葉を思い出す。
(「竜種は真っ直ぐどこかへ、ですか……」)
竜種がいたという源泉から遭遇地点を通る直線をひき、同様に他の竜種も直線をひいたときに線が交わる場所。すなわちそれが竜種たちの目的地と考えることができる。
「竜種たちが目指す場所は、やっぱり朱雀門高校でしょうか……?」
無意識のうちに漏らした芽生の言葉に頷いたのは領史・洵哉(和気致祥・d02690)。
「おそらく。……彼ら朱雀門の戦力を増やすわけにはいきませんね」
だが、ギンシュの視線に気づくと険しい表情を和らげ柔和な笑みを浮かべた。
「お元気そうですね、ギンシュさん。また会えて嬉しいですよ」
「ギンシュモ、ウレシイ」
こくこくと頷くたびに揺れる美しい紅色の鬣に白い花飾りが可愛らしい。
「まぁ……伺っていた以上の美しい鬣ですね」
村上・忍(龍眼の忍び・d01475)に鬣を褒められ、ギンシュは得意気に頭を揺らす。さらさらの鬣がふわりと風になびいた。
言動には幼さが残るも炎獣の美しい姿に目を奪われていた日野森・沙希(劫火の巫女・d03306)は思わず溜息を洩らす。
(「うわぁ……すごく綺麗なのです」)
「申し遅れました。初めましてギンシュさん。私は村上忍と申します」
「あ、その私は日野森沙希と申しますです」
たおやかな笑みを浮かべ優雅な仕草で一礼する忍の声にはっと我に返った沙希も慌ててぺこりと頭を下げた。
「今日は一緒に戦ってくれると聞いて心強く思ってますですよ」
「ミンナ、イッショ。ギンシュ、ワカッタ」
大きく頷くギンシュに近衛・一樹(創世のクリュエル・d10268)はさっそく戦闘時の指示を伝える。
「いいですか? 無理をしないのであれば全力で暴れても構いません」
「ギンシュ、ムリ、ナイ。イツモ、ゼンリョク」
ふんふんと頷くギンシュの反応に一樹は意図が正しく伝わっていないと直感的に感じつつ言葉を続ける。
「ただ、私たちの声には耳を傾けれるようにしておいてください」
「ナンデ? ギンシュ、ヒトリ、タタカウ」
今まで独りで戦っていたギンシュは状況に合わせて灼滅者たちと戦うという発想がないためそもそも指示がピンとこないようだ。慌ててファイアがフォローする。
「あ、ギンシュは思うように暴れちゃっていいよ! ガンガン行こうぜって感じ!」
「ガンガン、ワカッタ」
ギンシュも彼女なりに納得したようで高嶺・円(餃子白狼・d27710)はほっと胸を撫で下ろす。
(「考えてみたら……わたしの場合、直でダークネスと共闘するのは初めてだよね」)
ダークネスと共に戦うなどなかなか経験できることではない。だから、これが良い縁になれば……。
だが、円の思考は地を裂くような唸り声によって中断された。竜種イフリートが近くまでやってきたと気づき慌ててスレイヤーカードを取り出す。
「餃子白狼……降臨っ!」
「それじゃギンシュ、一緒に竜種をぶっ飛ばそっか!」
ファイアの言葉に応えるようにギンシュは大きく咆哮をあげた。
●炎獣、戦いを挑む
唸り声をあげながらこちらへと近付いてくる紅色の竜の姿を確認し、法子は傍らのギンシュに視線を向ける。
「あの竜種と戦って倒しても……灼滅してしまっても大丈夫?」
法子の問いにギンシュは無言で肯定の意を示す。それを確認した法子は愛用の手袋をきゅっと嵌め直して気合を入れた。
「オマエ、ココカラサキニハ、イカセナイ!」
スピードを落とすことなく突っ込んでくる竜種に臆することなくギンシュは炎を纏った爪を勢いよく振るい切り付ける。思いがけぬ邪魔に竜種はギロリと真っ赤な瞳で睨み付けた。どうやらギンシュと灼滅者を敵とみなしたようだ。
『グァァァァ!』
邪魔をするなとばかりに大きな尻尾を左右に一振り。ギンシュを含め前に立つ者たちを一斉に薙ぎ払う。
「これが竜種、ね……。竜つーか巨大なトカゲやな」
無意識のうちに小さく舌を打ち鳴らす一樹は眼鏡をかけていない。くるくると冷妖槍-氷茜-を回転させ勢いよく竜種の腹へと突き刺した。
だが、相手も強力なイフリート。一樹の攻撃にぴくりと眉をあげ身体を横に振る。そこへ忍が放った光の刃が襲い掛かった。竜種の腕を光の刃が斬り付け、傷口から炎が噴き出す。間髪入れずに法子が無骨な手袋で思い切り殴りつけた。
『ウガァ!』
竜種は炎を纏った鋭い爪で洵哉を切り裂くとボッと炎が燃え広がる。すぐさまファイアが指先に集めた霊力を洵哉に向かって撃ちだすと彼の身体を包んでいた炎がゆっくりと消えた。しかし一度で全ての炎を消すには至らない。
竜種の意識が炎の弾を連射するギンシュへと逸れた隙を逃さず沙希が飛び出し、大きく振り被った神楽鈴を思い切り竜種の頭目がけて振り下ろす。
「ギンシュさん、一緒にがんばりましょうですよ」
しゃらん、と澄んだ音色が戦場に響き渡るのと同時に、竜種の尻尾が灼滅者たちを薙ぎ払う。攻撃を受けるたびにその威力が増していることに気付き、法子は盾代わりにしていた剣を構え直し竜種に斬りかかった。
「相手は竜種イフリート……今回は説得も無理そうだしね。全力で行くしかないよね」
非物質化した剣による攻撃は見た目に傷を与えないが、敵は確実にダメージを受けている。同時に竜種の攻撃力を高める加護の力が弱まった。
傷ついた仲間たちはファイアを中心に洵哉や忍も協力して癒している。確実に疲労を重ねている仲間に対し、同じようにダメージを受けてもギンシュには疲れた様子は見られない。
ダークネスとの強さの違いを見せつけられたと痛感する芽生だったが、今は目の前の戦いに集中しようと頭を振って気持ちを切り替える。
「ギンシュさん、合わせます!」
芽生が焔心龍狼手の斧刃で叩き斬るように竜種に斬りかかった。
●炎獣、連携する
ギンシュと灼滅者の怒涛の攻撃が竜種を襲う。戦況は灼滅者たちに有利なように見えるが竜種も負けてはいない。
ヒュンっと鞭のようにしならせた尻尾がギンシュの足元を狙うがその攻撃はギンシュには届かなかった。
「宿敵のイフリートを守りながら戦う日が来るなんて思いもよりませんでしたね」
竜種の攻撃を受け止めた洵哉が大きく息を吐く。――だが、守ると決めたからには絶対に守って見せる。
「さぁギンシュさん、存分に戦ってください!」
「ワカッタ!」
大きく頷いたギンシュが竜種へと襲い掛かる。すかさず一樹が冷気のつららを撃ち出し、円は彗星の如く輝く緑の矢を放つ。それは白い餃子から放たれたニラのようにも見えた。
「ファイア、こういうゲームってかなり燃えるタチなんだよね」
この戦いを楽しんでいるかのような素振りを見せつつ、ファイアは法子の傷を癒す。
「ちょっと、ミスター! ちゃんと気合いれてる?」
ライドキャリバーのミスターは返事の代わりにアクセルをふかすとダッと竜種に突っ込んでいった。
「そうそう、いいねー!」
カッコイイ! とファイアは口笛を吹く。
今回、灼滅者たちはギンシュをサポートすることを意識しながら戦闘に挑んでいた。回復、支援、護り。これら全てギンシュの攻撃力を生かすための作戦だ。
「戦い易くありませんか、ギンシュさん」
忍が巨大な籠手で竜種を殴りつけると同時にぱっと網状の霊気が竜種の身体を包みぎゅっと縛りあげる。煩わしそうにもがく竜種をギンシュがザッと鋭い爪で切り裂いた。
「コイツ、タイシタコトナイ」
正直な感想を述べるギンシュに忍はくすりと笑みを漏らす。
「確かに貴方の方がお強いと思いますが、これは群れの戦術というものなのですよ」
「ムレ?」
ぐるりと灼滅者たちを見回しギンシュはちょこんと首を傾げた。
さらに強くなるために学んで損はないものだと忍は考えるが、ギンシュには少々難しいだろうか。
説明しようと忍が口を開きかけた時、竜種が大きな咆哮をあげ沙希へと襲い掛かる。
「危ないっ!」
一瞬の判断で法子が前へと躍り出て沙希を庇い事なきを得た。
「こいつももともとは普通のイフリートやったんかね……」
一樹はじっと傷だらけの竜種を見つめる。だが、この竜種を元に戻す術を知らない以上取るべき道は1つ。
「ま、もう倒すしかないんやけどな」
一樹は朱いオーラを纏った両足で竜種の背を斬り付けた。その背に赤い逆十字がくっきりと浮かび上がる。
「まぁ……『よくあること』だよね」
冷めた視線を竜種に向け、法子は誰に言うでもなくぽつりと呟きを漏らした。
先程のお返しとばかりに法子が影を宿した無骨な手袋で竜種を殴りつけると精神に潜むトラウマが具現化する。
「見せてあげる……畏れを纏うとはこう言うことなんだって!」
円は腕に無数の目を持った異形を纏い掛け声とともに大きく槍を振るった。
「いくよっ! 百目鬼っ!」
気合とともに鬼気迫る斬撃を受け、竜種はぐらりとその巨体を傾ける。
「ギンシュさん、行きましょう!」
芽生はギンシュに声を掛けると竜種に向かって駆け出した。その背にぱっと炎が翼のように広がる。
ギンシュが竜種に向かって炎の雨を降らせると芽生は先端に刃を持つガドリングガンをぐっと突き刺し爆炎の弾丸が竜種の身体の中で爆ぜた。
『ウグゥァァァ』
唸り声とともに、竜種の身体は地面へと叩きつけられ、ゆっくりと消えていく。
「わたしたちの炎は、竜にだって負けないですよ!」
ねっ、と芽生はギンシュに向かってにこりと微笑んだ。
●炎獣、幸せに浸る
戦いを終えた灼滅者たちは幼い少女へと姿を変えたギンシュを囲むようにしてゆっくりと腰を下ろす。
「今日もねーたっくさん持ってきたのよ! 欲しいのもってけーなの!」
ほらっと次々とお土産を見せるファイアを見てギンシュの瞳はキラキラと輝いた。
「コレ、ナニ?」
「それは金平糖! どう? きらきらでしかも甘いのっ。最高じゃない?」
ファイアに手渡された金平糖をギンシュはしげしげと見つめぱくりと口に放り込む。口の中でほろりと溶ける甘い味にギンシュは目を丸くした。
「オイシイ……!」
もう一つ。もう一つ。
金平糖を食べるギンシュの手は止まらない。
「温泉卵でーきたっ」
源泉で温泉卵を作っていた芽生はギンシュの隣に腰掛けぱくりと出来立ての卵を頬張る。
「ギンシュさん、お好みのお茶でくつろいでくださいですよ」
沙希が差し出した甘いバニラの香りがする紅茶の匂いにギンシュはうっとりと目を細めたが、一口飲むとそれは全く甘くなく。
「お砂糖いりますです?」
砂糖とミルクを入れて貰い、ギンシュは紅茶のカップを両手で持ちぐぃっと一気に飲み干した。
「オカワリ!」
差し出されたカップに紅茶を注ぎつつ一樹は気になっていたことをギンシュにぶつける。
「あなたはどうしてそこまでしてガイオウガを復活させたいのですか?」
「ギンシュ、ガイオウガサマ、アイタイ」
「……それは、復活させるのにどんな犠牲を払ったとしても?」
「……」
だが、ギンシュは眉間に皺を寄せると難しい顔で首を傾げた。どうやら質問がよくわからないようだ。
困っている様子のギンシュに気付き沙希は違う質問を投げかける。
「ガイオウガさんってどんな方なのです?」
「ガイオウガサマ、カッコイイ! トッテモツヨイ! ギンシュ、ダイスキ!」
と、そこへ円が大量の餃子を持ってきた。甘い物好きのギンシュのために用意した特製のスイーツ餃子。はじめて見る白い物体にギンシュは餃子と円の顔を交互に見つめる。
「シラナイ」
「これは『餃子』っていうの。甘くて美味しいよ」
円に勧められるままギンシュはおそるおそる餃子を齧る。甘いとろりとしたチョコが口の中に広がりギンシュの顔がぱっと輝いた。
「コレ、スキ!」
「みんなの分もあるから遠慮せずに召し上がれ」
苺大福餃子に林檎の餃子。ぱくぱくと食べるギンシュにつられて法子も一つだけ、と手を伸ばす。そして、甘い餃子を齧りながらふっと浮かんだ疑問を口にした。
「ねぇ、ギンシュ。今回協力してくれたのって誰かからそう言われたの? それとも自分の意思?」
「ギンシュ、スレイヤー、タスケル、オモッタ」
もぐもぐと餃子を頬張りながらギンシュは答える。その答えを聞き法子は「そっか」と小さく頷いた。
皆から色々なお菓子を貰ってご機嫌のギンシュの名を洵哉は呼ぶ。
「綺麗な石を集めているようなのでお土産に持ってきましたよ」
差し出したのはビー玉ときらりと輝く綺麗な石、それと携帯電話。物珍しそうに携帯電話を弄るギンシュに洵哉は使い方を説明しようとしたが。
「キレイ、チガウ、イラナイ。コッチ、ホシイ」
ギンシュは携帯電話を洵哉に押し付けると代わりにビー玉と石を受け取り大切そうにぎゅっと握りしめた。
「他に綺麗な石は見つかりましたか?」
洵哉の問いにギンシュは哀しそうな顔でゆっくりと首を横に振る。
「あら、ではこれを差し上げましょう」
しょぼんと肩を落とすギンシュに忍が差し出したのは石を磨くための道具。試しに、と足元に落ちていた手頃な石を拾ってギンシュの目の前で磨けば何でもない石が見る見るうちに白く艶やかな輝きを放つ。
「スゴイ……!」
道具を受け取りギンシュも石を磨き始めた。手本と同じように艶やかに輝く石を見て嬉しそうに声をあげる。
「キレイ、イシ、ナッタ!」
はしゃぐギンシュを愛おしそうに見つめ忍ははんなりと微笑んだ。
夢中で石を磨くギンシュに円が遠慮がちに声をかける。
「ねぇ、ギンシュちゃん。モフモフしてもいい、かな……?」
円のリクエストにギンシュは「イイヨ」とあっさり頷き獣へと姿を変えた。
それを見た芽生も羨ましそうに駆け寄ってくる。
「いいなー! ギンシュさん、わたしもいい?」
嬉しそうにぎゅっとギンシュに抱きつく円の尻尾がぱたぱたと揺れ。
芽生も負けじとぎゅぎゅっとギンシュの腹に顔を埋めた。
穏やかな午後の時間がゆっくりと過ぎてゆく。
この幼い炎獣との関係がいつまでも変わらぬものでいてほしいと願うのは今ここにいる灼滅者たち共通の想い。
その願いが叶うか否かは神のみぞ知る――。
作者:春風わかな |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年1月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 0
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