「チョコレートのお店と、カフェが併設されているチョコレートカフェが前から気になっていたんです。一緒にいきませんか?」
鈴森ひなた(高校生殺人鬼・dn0181)が、あなたに声をかけてきたのは、バレンタインの少し前。
目的地は、バレンタインのチョコレートが買えて、カフェスペースで食べることもできる、チョコレート専門店のカフェレストラン。
「カフェ専用メニューもあるんです。今は期間限定のチョコもたくさんあるんですよ」
ひなたのおすすめは、トリュフ2粒とコーヒーのセット。
生チョコ、ボンボン・ショコラや、オランジェットなど、一口サイズのチョコと飲み物のセットが充実しているという。
「ボリュームのあるデザートなら、チョコレートパフェはどうでしょう。アイスと季節の果物の上に、チョコレートソースがたっぷりです」
その他、チョコクッキーや、チョコ味のフィナンシェ、マドレーヌも人気が高い。いずれもカカオをを練り込み、チョコチップを加えてある。
ケーキの種類も幅広く、カカオたっぷりのブラウニー、ザッハトルテ、フォンダンショコラや、ふわふわのチョコスフレ、オペラケーキも揃っている。
軽食メニューにはチョコレートソースのかかったクレープ、パンケーキ、ワッフルなど。
飲み物はアイス、ホットのチョコレートドリンクや、チョコレートシェイク、チョコレートに合うコーヒー、各種ソフトドリンクetc。
友達同士で買い物を楽しんだ後、カフェでバレンタインの予定を話し合うのも楽しいだろう。1人でチョコレートを味わいながら、当日の作戦を練るのも悪くない。
今年は手づくりという人も、プロの味と技術を知る機会も有意義なこと。
恋人を誘って、さりげなく好みをリサーチするのも……?
よかったら、とひなたは店舗の地図を手渡す。
……事前の味見も、バレンタインイベントの一部です、と。
●ショコラの香りに包まれて
当日が楽しみなら楽しみなだけ、準備だって楽しいから。
チョコレートの香りが漂う空間、ショコラカフェで素敵な時間を。
「品揃えよすぎて迷っちゃうなあ……」
「あっ、ソレおいしそう」
「折角だしよ、皆で色々わけっこしよーぜ!」
カフェに集まった【武蔵野中央高3年4組】は、気になるものはどんどんシェアで!
「せっかくだし甘い恋の話題も聞かせてよ」
幸せのおすそ分け、いいでしょ? と理央(d18739)。聞く側の智希(d26113)も楽しみで。
「あー、俺はうん。何だ、芯が強くて、でも女の子らしくて、えと」
段々小声になる日方(d00353)。
「彼女はある意味で勿体ないっつーか、出会えたことが奇跡みたいなもんだし」
「落ち着いたら、同棲とかしてーなって想ってる」
葉月(d19495)と錠(d01615)の惚気は、チョコに負けないくらい甘い。
「いいねいいね、せーしゅんだねぇ」
……砂糖いらんな、と暦生(d26160)はコーヒーをブラックで。
卒業まで、あと数週間。
智希は経済、暦生は考古学で考え中。理央と葉月は音楽の道へ、日方は自転車絡みで、と。錠は町工場を継いで、便利屋でも。
将来の形は、皆、違うけれど。
「別々の学部なのは寂しいですが、今生の別れでもないですしね」
「な、卒業してもまた集まろうぜ」
智希と日方の言葉に頷いて。
……今後とも、皆、よろしく。
テディ(d21453)のチョコを選ぶ、タバサ(d21454)とフェリシア(d21455)。一卵性双生児の2人、ついチョイスが被りがち。
あえて違うものを選べば、選んだで……。
「む、フィリーのも良さそう……」
「タビーのも美味しそうですね……」
ふと悪戯心がわく双子は、一緒にテディのもとへ。
「テディ、どっちがいい「ですか」?」
テディはおろおろ困り顔。そんな表情も可愛いらしい。
「どっちも美味しそうだし、2人から貰えるなら、どちらも嬉しいよ」
……じゃ、ダメ、かな?
そんなときめくことを言われたら、つい2人で抱きしめてしまう……♪
【料理研】は資料収集、という建前で。
陽己(d09343)は、薔薇の花のチョコレートケーキに釘付け。
「だってお値段……これ買ったら他のチョコ買えないよ?」
ためらう安寿(d10207)に、重ねて頼み込む。
「あの薔薇をなんとか他の角度で見たり、分解してみたりしたいんだ」
安寿だって、食べてはみたい。芸術品なケーキ、思いきって買っちゃおうか?
チョコとコーヒーで幸せ、二人一緒だからもっと幸せ。
龍二(d17165)のパフェは、トッピングの多い所を陽介(d20315)へ。
陽介のチョコレートケーキも、ちょっと多めに、龍二へあーん。
バレンタインで、ちょうど一年の二人。
「龍クン、もっとずっと一緒にいようね」
「うん、ずーっとよろしゅうな」
笑みを交わして実感する、溶けそうなほどの幸せ。
少し緊張するけれど……一緒に過ごすこの時間は、とても楽しくて。
「よっちゃんは何かリクエストある?」
奏哉(d04826)に聞かれ、与四郎(d05718)メニューとにらめっこ。全部食べたい……!
色々悩んで与四郎はパフェにしたけれど、奏哉の生チョコとブラウニーも美味しそう。
甘い香りの中、他愛のない話に幸せを感じて。
――いつも、ありがとう。
「鈴森君、友チョコなのです♪」
ルリ(d08863)からひなたへ、買ったばかりのアソートセット。
「これからも、一緒にいっぱいいっぱい思い出を作れたら嬉しいな♪」
「ありがとうございます、ルリさん」
友情のチョコを抱きしめ、ひなたは嬉しそうに。
雄哉(d31751)自身は、バレンタインとか気にしないけど。
鈴森先輩からのお誘いですので、と言われれば、ひなたもうれしくて。
「学園に来てようやくお会いできましたから、久々に少しお話したいです」
積もる話も、学園の話もゆっくりと。
特製チョコパ、バンリ(d32585)はスプーンくわえてうっとり。秒速で平らげたくなる衝動はぐっとこらえて。
ひなたを見つけ、うっとりと香りを摂取しつつ挨拶。
素晴らしきかな、この甘美なるショコラ空間!
暁(d03770)と優奈(d02148)は、それぞれトリュフとコーヒーのセットを。
トリュフを見れば、思い出すのは一年前。忘れるわけがない、あの真っ直ぐな告白。
額と額を近づけて、待たせてゴメンねと囁けば。
気にすんな、と笑顔で頭を撫でてくるから。
今年はもう、自然に言える。
――好きよ、優奈。
――ずっとずーっと、暁が好きだ。
お誘いの口実は、『デートの練習』。だから好みの確認も、パフェを「あーん」も不自然じゃない、はず!
巳桜(d00107)は帰り際、サズヤ(d03349)へとそっと手を差し出して。
繋いで、と小声で言ってみる。
「……ん」
頷いたサズヤは、すっと手を出し、あっさりと。
(「ほ、本当に繋いじゃった……!」)
巳桜の内心のドキドキは、未だサズヤは気づかずに。
店の前、並んだチョコを見ながら待つ蓮花(d03979)。
「悪い、待ったか?」
駆け足の美樹(d15434)と、店内へ。
「あのね? 今日は私がお兄ちゃんにプレゼントなの」
だから好きなのを食べていいよって、蓮花はにっこり笑顔で。
「蓮花と一緒なら……」
美樹が選ぶのは、蓮花も大好きな甘いチョコ。大好きな人との甘い時間。
このひとときが、2人の幸せ。
「ボク、こういう可愛いお店好きだー!」
時乃(d32020)と玉緒(d02774)は、仲良くショコラタイム。
「折角だし、互いにシェアしてみない?」
「お、いいね!」
玉緒のフォンダンショコラを、はい、あーん。
「こ、こういうのって、友達同士でするものなのかい?」
ぱくっと食べて、言葉にならない美味しさを満喫。お返しに、パフェも。
はい、あーん。
【フィニクス】は、カフェの敵情視察。漂う甘い香りに、勇弥(d02311)は目を細める。
「食べきれないほど揃っておりますね……」
目をキラキラさせる双調(d14063)。
「私はモカとザッハトルテを」
「俺はチョコパフェとブラウニーと珈琲お願いします」
昭乃(d13672)と恢(d28337)と共に、メニューに見入るメデューナ(d22876)。実(d03786)はあえて浅煎りのコーヒー。
靱(d23297)は日本茶党、コーヒーのことは全然わからず途方に暮れる。
「御納方さん、今日はワタシとこれあたりどーよ?」
さくらえ(d02131)が勧めるのは、店のスペシャルブレンド。
みんなの注文が気になる中、双調の前にどんどん届く、パフェから始まる数々のチョコ、ケーキ群。
「俺もこっから此処まで……とか」
大真面目な顔で、スイーツ欄を全部なぞる恢。
「一口サイズなら、それこそここで味見がてら……」
メニューの端から順に、本当にオーダーし始めるさくらえ。
「食べられなかったらとりさんも昭乃さんも協力してくれるよねー?」
「全ッ然協力しますよ」
「え? あ、はい。私でお手伝いできる範囲でしたら」
交換こしたり、横から突かせてもらったり。
「毎日バレンタインならいいのに……」
「神成くんも壱越くんも食べるなぁ」
恢は口の中の幸せをかみしめつつ、勇弥からスフレを一口。かわりにブラウニーを一口あげて。
「これ、ふぃにくすの住所」
帰り際、実はひなたにフィニクスの住所を手渡して。
本当にチョコ尽くしの1日。留守番のみんなの分と、自分の分も買って帰ろう。
●一足早く、カフェタイム
華やかな装いの、【星空芸能館】。
「チョコレート、いっぱいあったねー♪」
「私も、つい自分用に買っちゃいました♪」
さやか(d00162)や紗里亜(d02051)たちは、買ったものを早速見せっこ。
「ボクはチョコレートケーキにしようかな~♪」
「私は、このガトーショコラにします♪」
くるみ(d02009)やえりな(d02158)もうきうきと注文、紗里亜はブラウニーにアメリカンで、ちょっと背伸び。
「チョコといえば、つーか、これ、もとは薬だったんだよな」
豆知識を披露するファルケ(d03954)は、チョコフォンデュを。ザッハトルテやオペラケーキ、アリス(d03765)とミルフィ(d03802)の話を聞くだけでもおいしそう。
「バレンタインって言えば……みんなは誰にプレゼントするのかな?」
「それは……えへへっ♪」
さやかに聞かれ、照れながらも、くるみはちょっとうれしそう。
チョコレートは自作というアリスは、頬を染めてミルフィをちらりと。ミルフィもアリスに、期待と想いを寄せて。
「オレは恋人に逆チョコ渡したいと思って……」
「それも物凄く嬉しいですね♪」
えりなに頷くマサムネ(d21200)は、フォンデュに夢中のファルケをちらり。
「ファルケちんは、誰か気になる女子はいないのん?」
「いないなら、例えばこの中の誰からなら貰いたいですか?」
ぐいぐいとファルケへ迫る紗里亜。
友チョコとして配られた、くるみのチョコクッキーや、アリスのアマンドショコラもおいしくて。
甘いチョコレートに、甘い恋バナ。バレンタイン前の、楽しい楽しいおしゃべりの時間。
「戒士くん、そのチョコケーキ、食べさせてくれると嬉しいな♪」
緊張気味の戒士(d24427)へ、桃子(d00925)は甘える感じで、あーん。
「も、桃子さん、あーんっす!」
(「うわー桃子さん可愛い超かわいいっすやばいっす! 恋に落ちるっす!」)
いやもう落ちてるからより深く!
内心で悶え顔を真っ赤にする戒士。あれ、桃子の顔も赤くなってるみたい……?
さくら(d21274)と凍路(d25501)は、メニューに目移り。迷うなら、パフェを半分こしましょうか。
「こうやって落ち着いた場所でって、あまりなかったような気がします」
「そう言えば……無かったかも知れないね」
出会いは戦争。春の京都を巡り、花火を一緒に見て……それから、クリスマス。
可愛い弟分が、少し頼もしく見えた日。
次に誘うのは、凍路から?
二人きりの機会も増えた、まぐろ(d06091)と仲次郎(d06741)。
でも、チョコケーキの「あーん」は、やっぱり恥ずかしい。
「……しょうがないわね、早く食べさせて」
お返しに、とまぐろはチョコパフェを一口差し出して。
(「あ、これって間接キス……?」)
「おやおや、まぐろさん顔赤らめてどうしましたー?」
ニヤニヤ笑いの仲次郎は、間違いなく確信犯。
千華流(d07682)の浮き立つ心は、バレンタインのせい? 奞(d16034)と一緒だから? 多分、どちらも正解で。
「今更だけれど、犹守さんって甘いもの好きだった?」
「おや、それは杞憂というもの、僕はこう見えて食いしん坊」
(「この浮かれる気持ちは君にも伝わろうか」)
楽しい時間は瞬く間。もう少しこの時間が続けばと、抱く2人の胸のうち。
トリュフとオランジェット、1個ずつの交換は、史明(d00840)の提案。
「お……お前……頭いいな!」
「そうだね、朔よりはね」
からかわれた朔之助(d00390)は、仕返しにとブラックコーヒーを飲んだら、すかさず自分のコーヒーを史明に飲まれて。反撃にと史明の紅茶をごくん。
「やーい間接キスー」
「な……お、お前だって僕の飲んだろ!」
幼馴染の攻防は、一向に終わる気配はなく。
「初めましてひなた君。直接会って話すのは初めてだね」
ひなたへ声をかけるアンカー(d01153)。チョコも買わずに会話を弾ませる、その真意は何?
「当日の相手を見つけるのも、バレンタインの一部だからね」
そんなふうに言われたら、ひなたも思わず笑ってしまう。
沙月(d03124)と華月(d03148)はチョコを買ってから、カフェへ。
「華月ちゃんはどうしてパンケーキを選んだの?」
「前に食べたから、あいつと……じゃない、ええと、学園祭で」
少し後ろめたくて、華月は少し急くように、誤魔化すように。
「沙月はどうしてそれにしたの?」
深くは追及せず、沙月は自分でも作ってみたかったからと、ふわふわのチョコスフレを味わって。
「巧も食べてみる? はい、あーん、して」
ライラ(d04068)は使いさしのスプーンで、巧(d02823)へとパフェをひとすくい。
つまり、これは、間接キス。
「あーん。うん、確かにおいしいですね……」
平静を装っても巧の頬が赤くなるのは、仕方ない……けれど。
「っと、お返しですね」
ブラウニーを一つ、巧はライラの口へ。
でもって、その指をなめて。
「ごちそうさまでした」
……うん、まぁ。お返しです。色々とね。
渡したい相手が一緒だから、透(d26847)はチョコを見るだけで。
何を買ったの、と颯(d10661)に聞かれ、瑠璃花(d32366)はにっこり。
「クッキー買ったです!」
「んーと、これが先輩のでー。こっちがクラブの皆のでー」
翔(d23830)は仕分けをしながらパフェをもぐもぐ。
作った方が安上がりなんだけどね、と言う颯へ、弟たちのツッコミが入る。
「瑠璃花も少し食べるか?」
「いただくですー!」
瑠璃花は、透から差し出されたフォンダンショコラをぱくり。
翔さんも食べるですか、翔の口元にも、クッキーが一枚。
「いつか翔にも特別な相手が出来ると良いね」
「特別かー……オレにも出来ると良いけどなー」
「翔に特別な相手ねェ」
そんな日が来ることを、今は楽しみに。
●チョコレートの誘惑
カフェスペースで笑顔のましろ(d01240)。
「ふわぁ、甘い匂いでいっぱいだね」
クレイ(d17759)はパフェとクレープ。ルティカ(d23647)のフォンデュも気になるところ。
「……チョコをかける具の皿が数種類ある、じゃと?」
迷いに迷って、ルティカはフルーツに。
「チョコレートケーキ、チーズケーキ、ベリータルトで決めっ! あー、でもムースもいいよね……」
うずら(d24243)も迷いすぎてぐるぐる。
「リアちゃんのも美味しそう……良かったら、一口交換しない?」
「……ふふっ、実はましろさんのもスフレも気になってたの……あー……んっ」
ましろのチョコスフレと、リア(d17394)のパンケーキが、テーブルを行き来する。ルティカも人のものが気になって、うずらもフォンデュが気にかかって。
(「シェアは女子って感じするなー」)
シグマ(d18226)はシフォンケーキにポテト、それだけでは物足りずにサンドイッチも追加。
アヅマ(d13869)の頭をよぎる、『摂取カロリー』の文字。
(「……これは口に出したら駄目なやつだな。黙っとこ」)
「来てくれたお礼に 部長が何か1つチョコのお土産を奢ってあげよう!」
「クレイくん太っ腹! 紳士!」
クッキー、フィナンシェ、チョコティーにパイ、みんなのお土産も買いたいし……。
部長の財布は有限だけど、チョコの誘惑は尽きることなく。
幸せな店内に微笑む想希(d01722)に、悟(d00662)も笑顔を返して。
「今年は俺、折衷のメニュー研究しようかなって思ってて」
だから、またあちこち付き合って下さいね、と。
「えぇで、色んな場所連れ出したるさかい覚悟せーや!」
テーブルに来たトリュフとスフレはあーんと互いに一口。笑顔も一緒に写真に収めて。
「幸せやな」
「ん」
とても甘くて幸せ……本当に。
一人で来た雛(d21374)と相席になった、やっぱり一人で来店のヒカリ(d06173)。
雛のムースを「一口貰うねー」の一言で、ぱくりと食べられて。涙目の雛はオペラにフォークを向けるけど、ヒカルはひょいと回避。
「ううう……イジワルです!!」
ヒカリとしてはイジワル上等、大満足。
雛の油断だらけの口に、トリュフを一粒、放り込んであげるよ。
「月人さん、これもどう?」
春陽は(d17714)は、月人(d03301)に、あーん。
「普段なら人目がある時はしないだろ……!?」
けど、観念して月人も口を開いて。
春陽の目的は、月人の好みを知ることで。
なんでも好き、とか言われそうだけど、少しでも相手が好きな物を贈りたい乙女心。
色んな種類を分け合う……それなら、詰め合わせでも買って帰りましょうか。
横文字メニューは、九里(d02006)にはさっぱりだから、メニューを真魔(d03748)の方へと向けて。
「邪聖さん、この中で温かいものはどれでしょう? 僕はそれを頂きたく」
互いの物を交換して、まずはその温かさを楽しんで。
甘いですか? と尋ねる九里に、真魔も会話を楽しみながら。
急ぐ時間でもないのだから。今日は時計は置いて、思う存分、まったりしよう。
龍之介(d22459)と狭霧(d19272)は、手をつないで。
「チョコ。チョコだ。チョコいっぱい……!」
狭霧の前には、大きな大きなチョコパフェ。
「半分こしない? 色々食べられるよ?」
「半分こ? いや。それはいや」
けれどもやっぱり食べきれず、2人で半分こ。沢山あって、みんな美味しい。
(「狭霧さんと一緒だと……て、言えたら良いのに」)
みんなにもお土産を買って、帰ろうか。
トリュフ、生チョコ、ボンボン、チョコパフェ……。。
大量に食べる直人(d11574)を眺めつつ、貴明(d10681)はコーヒーを一口。
「……ほら、零してるぞ」
たまに直人の口元を拭う、この何気ない時間が幸せ。
ブラウニー、ザッハトルテ、スフレ、オペラ、クレープ……。
(「貴明さんも甘いもの、好きなんだよな? 幸せそうなのみてると、俺も幸せ」)
直人のほうも、幸せを感じながら食事続行。
カフェにて、華月(d00586)と千穂(d02870)は、リサーチという名のジンモン!
どれも美味しそうとメニューに迷うけど、あれもこれもの誘惑はぐっと我慢。一口ずつ分けっこしましょう。
「さて。春色なお話を伺えるものと期待してるのですが!」
ぐっと乗り出しジンモン開始! のはずが、まさかの逆ジンモン?
華月の積極攻勢の話、千穂の今後の話。大好きな人の幸せは、いつでも嬉しいから。
レオ(d23284)が可愛いお菓子に興味があるのは、アクセサリーの参考になるから。
ひなたの前に、並ぶレオの試作品たち。
「素敵ですね……!」
「気に入ったのあったら、あげるヨ?」
お言葉に甘えて――と、ひなたはクマさんチョコのキーホルダーを、ひとつ。
強そうだったり、必殺技みたいなメニューたち。
「見よ、このそびえ立つチョコパフェの神々しさ」
小太郎(d00795)は、パフェを拝んでいただきまっす。まずはシリアル発掘して、千佳(d02379)の頬袋にIN!
「こたろさんおいしい!」
「こっちは神の森やよ、はいあーん!」
頬袋いっぱいの千佳も、もぐもぐ状態の希沙(d03465)も激写!
「ふおぉシュバルなんとかおいし!」
お互いの口元へと届けられる甘いチョコ、照れを感じながらも勢いのままぱくり。
やっぱり、甘いものは……。
「ぬくい!」「つよい!」「たのしい!」
●当日の楽しみ、準備の楽しみ
「……個人的にチョコは菓子というより、緊急時や疲労回復に摂取することが、多い」
まぁ、女子は好きであるよな、と夜ト(d14675)はガトーショコラを見つめる。
「皆さんは、バレンタインのご予定は?」
「今年も主人と過ごしますよ」
ゆま(d09774)に問われ、さらりと答える薫(dd11808)。ペーニャ(d22587)と師将(d04343)は顔を見合わせ、ふぅとため息。
「……相手が居ません」
「2月14日はただの土曜日なのです」
感謝チョコは配る予定、と答えたのは春華(d10266)。
「そりゃあ、特別な人にチョコを送れたらいいですけど……」
そんな春華が、逆にゆまの予定を聞いてみると。
「家で一人チョコパーティです!」
「……水瀬さんは、一人で食べるのがお好きなのかしら?」
首を傾げる薫。いや、多分、そういう意味ではなく。
「当日は学園全体がチョコの香りでいっぱいになるのでしょうねー」
「どこかに駄洒落さえあれば飯3杯はいける! という男子はいないのでしょうか……」
いっそ当日は、皆でチョコパーティでもいい。これからお土産に買うチョコで、当日も、甘い香りの中でおしゃべりができたら。
そんな過ごし方も、きっと楽しいはず。
蓮花(d30311)のおごりで、小太郎(d00681)はパフェ、四葉(d12759)はハニートースト、チョコソースがけ。
「ハニトーを前にすると眠気も吹き飛ぶの」
話題になるのは恋の話。皆さんの好みのタイプは何?
「わたしは『絶対にわたしのことを見捨てない人』……なの」
「『頼りがいのある人』でしょうか?」
団長は、と問われ、蓮花は一言。
「多分、『その人』を見た時に分かると思います」
変な答えですか、と聞きながら、蓮花はチョコレートケーキを一口。
食後、四葉はうとうとと。時間もあるし、もう少しゆっくりしようか。
「その。鈴森くん。クリスマス。は、有難う」
貢(d23454)の挙動がおかしい。
勧められるままにクロワッサンをもらいつつ、ひなたは首を傾げる。
「何か良いものは、見つかったか。誰かに渡したりだとか……」
「あ、渡す人はいないんです。でも、せっかくのバレンタインですし」
何気ないひなたの返答に、貢は内心安堵して。
乙彦(d27294)と亞羽(d22664)。普段は和菓子な仲だけど、この時期は別。
乙彦はブラウニー、亞羽はフォンダンショコラのアイス添え。人のものも気になると、そそそ、と一口交換。
「あっちゃんは、バレンタインの予定あるのだろうか」
「嫌やわおと君、バレンタインやなんてチョコ菓子会社の策略ですよ」
日頃の感謝と博愛を振り撒きますさかい、心して受け取ってくださいなっ。
美奈(d29516)はカフェオレと、生チョコ。
ロビン(d30173)はココアとショコラ。
そして、2人で一緒に食べるチョコパフェも。
「こっちの方も食べてみます? はい、あーん」
「一口くれるのかい? 実はちょっと気になってたんだ」
こういうの、少しだけ憧れてたんだ、とロビン。
食べさせあいっこが恥ずかしそうな美奈が、ロビンには微笑ましい。
みをき(d00125)の前には沢山のスイーツ。
「一口下さ……あ、矢張り遠慮します」
いつもの我が儘……を言い掛け、慌てて取りやめる。
今日誘った目的は、いつもとは少し違うのだ。
「あれ?いらないの?」
尋ねる壱(d00909)の口もとへ、みをきのチョコアイスが一口。
サンキュ、とほんのり、壱は眉下げて笑う。
不器用で歪で…特別なホンモノは明日のお楽しみ。
みかん(d22762)の信者第一号、愛浩(d32419)はデートの緊張でしどろもどろ。
緊張でカップを倒してしまう愛浩。拭こうとして、うっかりみかんの胸にタッチ!
「ああっ、申し訳ありませんでございます」
「あらあらぁ♪ 謝らなくていいのよぅ?」
笑顔で許すみかんに見惚れ、愛浩も精一杯の笑顔を返して。
神羅(d14965)の告白を受け入れ、チョコを渡した一年前。
(「関係が決まったからこそ、より良いものを……だよ!」)
神羅はザッハトルテ。それなら、なゆた(d14249)は何か軽食を。両方の反応を見て、神羅の好みがつかめたら。
「今年は安心して、楽しみに待っていれば良いかな?」
神羅としては、なゆたからなら何を貰っても嬉しいわけで。
依子(d02777)とシェリー(d02452)は連れ立って。
「依子はどんなお菓子をあげるの?」
「私は此処のも参考に作ろうかと」
隣の彼女が大好きな人と一緒にいるところを思い、温かい気持ちを抱きつつ、ケースの中のチョコ達を選ぶ。
ケーキも気になるし、研究に食べて帰ろうか?
ホットショコラを傍らに、作戦会議は密やかに。そんなひと時も、楽しいから。
紫鳥(d14920)のデジカメに収まる、たくさんの写真。
甘いチョコに甘い飲み物は飽きるだろうと、アルコ(d01669)は自分のコーヒーを差し出す。
「……え、えぅと、飲んで良いんですか?」
飲み物のシェア。紫鳥がなぜ悩む様子なのか、アルコにはピンとこなくて。
(「それにしても、和むというか居心地が良いというか……不思議な感じだぜ」)
……閉店時間近く。レナード(d21577)。
去年とはまた違う黒歴史感。
(「分かってたけどな、男一人の肩身の狭さよな」)
「あのーすみませんラッピング……はい、プレゼント用ですはい……」
準備は完了ですか? 心構えは大丈夫ですか?
それではいよいよ――明日です。
作者:海乃もずく |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年2月13日
難度:簡単
参加:111人
結果:成功!
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