黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)は、こんな噂を耳にした。
『温泉の湯がタオルや水着を溶かすスライムだという噂』を……。
この温泉は知る人ぞ知る秘湯で、美肌と若返りの効果があるらしく、一時期は利用者で溢れ返っていたようである。
だが、スライム(都市伝説)が現れた事で、事態は一変!
『ここはヤバイ』、『マジ、ヤバイ』という噂が広まり、あっという間に廃れてしまったようである。
しかし、秘湯の噂を聞きつけて利用する者が少なからず存在しており、犠牲者が後を絶たないようだ。
都市伝説の身体は乳白色で、一見するとお湯そのもの。
だが、自分の意志で固さを変える事が出来るらしく、それを利用して利用者にあんな事やこんな事をしているようである。
しかも、核となる部分を破壊しなければ、何度でも再生してくるらしく、なかなかの強敵。
その事を踏まえた上で、都市伝説を倒す事が今回の目的である。
参加者 | |
---|---|
柳谷・凪(お気楽極楽アーパー娘・d00857) |
本田・優太朗(歩む者・d11395) |
安田・花子(クィーンフラワーチャイルド廿・d13194) |
東屋・桜花(もっちもち桜少女・d17925) |
天原・京香(信じるものを守る少女・d24476) |
雛山・愛梨沙(のーぱんぱんちゃー・d24988) |
天城・紗夕(蒼き霧の聖女・d27143) |
アサギ・ビロード(ホロウキャンバス・d32066) |
●スライム温泉
「奇々怪々都市伝説……」
アサギ・ビロード(ホロウキャンバス・d32066)は、事前に配られた資料に目を落としていた。
資料には都市伝説について詳しく書かれていたのだが、何度読んでも奇々怪々。
お湯すべてがスライムなどという事は、普通に考えれば、あり得ない事である。
しかし、実際に存在しており、被害が続出しているのだから、まったくの嘘と言うわけでもないだろう。
それでも、怪しさ爆発。
何の事情も知らなければ、間違いなく疑ってしまうレベルであった。
「またこんな依頼かよぉぉぉぉぉ!! 何か最近、私が肌を見せることを強いられる依頼多くない!? しかも、衣装を溶かすスライムって!! 誰が生み出したのよぉぉぉ!!」
天原・京香(信じるものを守る少女・d24476)が、納得のいかない様子で大声を上げる。
これではまるで蜘蛛の巣に捕らえられた蝶そのもの。
そのため、あがけばあがくほど、この手に依頼から抜け出す事が出来なくなっているようだ。
「まさかのスライム湯とは、これは温泉学部所属として黙ってみてるわけにはいかないんだよ。灼滅する前に一回入ってみたいのだ」
柳谷・凪(お気楽極楽アーパー娘・d00857)が資料に添付されていた地図を眺め、都市伝説が確認された温泉に向かう。
その温泉は秘湯中の秘湯であったが、都市伝説のせいで今は閑古鳥が鳴いているようだ。
「何であたしがここにいるんだろう、りんごのバカーッ! 自分で見つけたんなら自分で来ればいいじゃないのっ! ……勝手に人を代役に指名して押し付けてー」
東屋・桜花(もっちもち桜少女・d17925)が、瞳を潤ませる。
最初から嫌な予感はしていたのだが、都市伝説が確認された場所が近づくにつれて、嫌な予感が爆発的に膨らんでいった。
「これは何としても桜花さんを犠牲にして助からないと……」
天城・紗夕(蒼き霧の聖女・d27143)が、自分自身に言い聞かせる。
そうしなければ、自分がやられる。
……それだけは間違いない!
「あ、頭が痛くなりますわ……。温泉の湯をスライムにするような噂なんて、考えたのは誰?! 硬さを自在に変えるとか、あんな事やこんな事とか、明らかに変態の考える事ですわ!」
安田・花子(クィーンフラワーチャイルド廿・d13194)が、思わずツッコミを入れる。
これは間違いなく、男達の欲望が生み出したもの。
それ故に、あんな事や、こんな事までしてくるのだろう。
「人によっては、この状況を心の奥で喜んで受け入れるでしょう……。でも、僕にとっては今までのどの依頼よりも高い難易度ですよ! いくらお色気だからって……何も、黒一点にならなくたって……!!」
本田・優太朗(歩む者・d11395)が、魂の叫びをあげる。
この状況で迂闊な事をすれば、確実に変態扱い。
仲間達から白い目で見られて、気まずい雰囲気のまま、依頼をこなさなければならなくなってしまう。
「よおーし、いっぱい楽しんじゃうぞ♪」
そんな中、雛山・愛梨沙(のーぱんぱんちゃー・d24988)は、鼻歌混じりで都市伝説が確認された温泉に向かうのだった。
●スライム温泉
「やっぱり見分けつかないねぇ」
都市伝説が確認された温泉に辿り着いた凪は、ささっと服を脱ぎ捨てて、無防備な状態のまま、温泉にゆったりと浸かった。
一見すると、ただのお湯。
いまのところ、スライム的な要素が全くないのだが、油断していると色々な意味で痛い目に遭いそうである。
「平常運転、大事(※いつもどおりに行動するのも大事です)」
アサギが水着姿でシャワーを浴びた。
温泉の正体が都市伝説である以上、ここでちゃぽんと入る訳にはいかない。
そんな事をすれば、あっという間に、あんな事や、こんな事。
良い子は見ちゃ駄目的な展開になってしまう事だろう。
「そ、それじゃ、僕はここで待機しておきますね。べ、別に覗きをしようとか、そんな事を考えている訳じゃありませんからね。ここにいるのも、ただ獲物が現れるのを待っているだけですから! 1、2、3、5、7、11……」
優太朗があれこれと言い訳をしながら、女性達の裸を見ないようにするため、目を閉じて素数を数えていく。
そう言いつつも、何度か気になって薄目を開けたりしているのだが、そのたび女性達から鋭い殺気を向けられた。
「どうせ水着やタオルを溶かしちゃうんだから、何も着る必要はないよね」
愛梨沙が未成熟な幼い肢体を露わにして、温泉にざっぱーんと浸かる。
だが、すべらかなお尻は真っ赤に腫れており、まるで猿の尻のようになっていた。
そこだけは見られまいと隠しており、何処か恥ずかしそうである。
「ちょっ、何これっ! ひょっとして……都市伝説!?」
凪が驚いた様子で悲鳴をあげる。
その途端、お湯がスライム状に形を変え、凪の胸を執拗に責め立て、体の奥へと入っていく。
「そこは駄目っ! 駄目だからっ!」
凪が困った様子で内股になったものの、にゅるんと何かが入ってきたため、腰砕け。
途中から我慢する事が出来なくなって、理性のタガが外れて喘ぎ声を漏らし、物欲しそうな表情を浮かべて桜花達に視線を送る。
「こうなったら、なんとか被害を紗夕とか京香に押し付けないと……」
それに気づいた桜花が、先手必勝とばかりに、紗夕と京香を突き落とそうとした。
「……って、ちょっと! こんな時に何を!」
京香が黒ビキニの上からシースルーワンピースを着た姿で悲鳴を上げる。
だが、状況的にはやるかやられるかの小競り合い。
「被害担当艦は京香さんに譲る方向で!」
紗夕が笑顔を浮かべて、ぐいぐいと京香を押す。
「だから、訳が分からないから!」
京香もキレ気味に二人を押すが、双方とも決して譲らない。
「いやいや、被害担当艦の座は譲りますって」
桜花も愛想笑いを浮かべて二人を押すが、勢い余ってすってんころりん。
「ちょっとーっ!!」
紗夕が服を溶かされ、慌てた様子でふたりに抱き着いた。
しかし、胸の格差が半端ない。
「ぐっ……、見ちゃダメだ、見ちゃダメだ見ちゃダメだ……見たらダメなんだっ!」
そんな中、優太朗が呪文の如く、同じ言葉を繰り返す。
だが、正直言えば見たいっ! 気になるっ! ドキドキするっ!
「ダ、ダメだっ! 見ちゃダメなんだっ!」
優太朗が自分自身に言い聞かせて、慌てた様子で目隠しをする。
これで何も見えない。
聞こえるのは声だけである。
「ちょっ、ちょっ、嫌あああああああああ」
その間に愛梨沙が都市伝説に襲われ、高く抱え上げられた。
しかも、真っ赤に腫れたお尻を鞭状に変化したスライムで叩かれ、さらに真っ赤な状態に。
「うわああん! ごめんなさい! もうおねしょしませええん! 二度とおねしょしません! 絶対おねしょしませんからああ!」
愛梨沙がそう叫んでも、都市伝説は叩く事を止めなかった。
「とにかく、今はこの都市伝説を排除するまでですわ。放置すれば他の温泉にも被害が及ぶことは明白。ならばここで都市伝説を打ち滅ぼすまで! クィーン☆フラワーチャイルド2世の名に賭けて!」
次の瞬間、花子が都市伝説をジロリと睨みつけ、スレイヤーカードを解除した。
●欲望のスライム
「ううっ……、気になる。物凄く気になる。でも、見たらダメだし……。あ、でも、このまま棒立ちってわけにも……とにかく、みんなを助けないと……」
優太朗が複雑な気持ちになりつつ、都市伝説に近づいていく。
しかし、目隠しをしているせいで何も見えないため、手探りでゆっくりと近づいて行った。
「ひょっとして、これかな? ん? 何だか妙に柔らかい……。しかも、ふたつ……?」
優太朗が不思議そうに首を傾げる。
この膨らみはひょっとして……ひょっとして?
「……って、何処を触っているのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
京香が優太朗めがけて、アッパーカット!
都市伝説の動きを封じられているため、身動きが取れなかったものの、その一撃は優太朗の身体を天高く飛ばした。
「ぐはっ!」
その拍子に目隠しが外れてしまい、優太朗が京香達の裸を見てしまい、大量の鼻血を撒き散らして落下すると、そのまま血溜まりの中に沈んでいく。
「と、とにかくスライムを倒すしかありませんねっ!!」
紗夕が覚悟を決めた様子で異形化する。
その途端、戦闘装束のビキニアーマーが変化したものの、ほとんど裸。実質、全裸のようなものだった。
それでも、異形化したという実感があるためか、恥じらう気持ちも消え失せたようである。
「あたしにも桜モッチアの葉っぱがあれば……」
桜花が悔しそうに唇を噛む。
念のため、ライドキャリバーのサクラサイクロンで体を隠しているが、これではまったく動けない。
その間に都市伝説が体の一部を触手状に変化させ、イソギンチャクの如くウネウネさせた。
「不快……(※気持ち悪いです)」
アサギが嫌悪感をあらわにしながら、都市伝説めがけてDCPキャノンを撃ち込んだ。
その一撃を食らった都市伝説の一部が弾け、ジュッと嫌な音を立てて蒸発した。
しかし、都市伝説は何事もなかった様子で、再び身体をウネウネさせる。
「くっ、見た目わからないけど、固くなるなら固くしちゃえばいいんですよね? なら…責めあるのみ!」
続いて、紗夕が都市伝説に攻撃を仕掛けていく。
それに合わせて、都市伝説が身体は自在に変化させ、紗夕の攻撃を受け流す。
「さっきは、よくもぉ!」
その隙をつくようにして、愛梨沙が都市伝説めがけてヒップアタック!
それに気づいた都市伝説が体の一部を棒状に変化させた。
「ふんぎゃああ!」
その途端、愛梨沙の絶叫が辺りに響く。
まさか、都市伝説の身体が硬化するとは夢にも思わなかったため、思いっきり刺さってしまったようである。
「どうせあたし達を襲ってきてる中に硬い核あるんでしょ? 桜餅キ──ック!」
桜花が覚悟を決めた様子で、都市伝説に蹴りを放つ。
すぐさま、都市伝説の身体が桜花を包み込むようにして広がり、そこから伸びた触手が次々と絡まってGカップの胸を弄ぶ。
これには桜花も思わず声を上げ、反撃する事が出来なくなった。
「先代より受け継ぎし力を以って……お逝きなさい!」
それと同時に花子が一気に間合いを詰め、都市伝説の懐に潜り込む。
「こうやって懐に入ってしまえばこっちのものですわ!」
花子が勝ち誇った様子で胸を張る。
その場所から都市伝説の核が何処にあるのか見極めようとしたが、花子を包み込むようにして身体を変化させた。
「核……見極めた! そ……ちょ、何かもぞもぞしてる?! ビキニアーマーが、解けて……や、やめなさい! そ、そんな所を……ヒイッ!」
そして、花子は都市伝説の中で果てた。
「でも、核の場所は分かったのだ」
凪が身体にバスタオルを巻きつけ、都市伝説の核を狙って、オーラキャノンを撃ち込んだ。
次の瞬間、都市伝説の核が木っ端微塵に砕け散り、お湯の中にドロドロに溶けて無くなった。
「はあはあ……、終わった。終わったんですね」
優太朗がホッとした様子で、瞳をランランと輝かせる。
かなり色々な事があったものの、これでお終い。
ようやく、落ち着く事が出来る……と思ったのも、束の間……女性陣から冷たい視線が……。
「あ、いや、あれは事故で……その、お仕置きはお手柔らかにぃっ!?」
優太朗が愛想笑いを浮かべて言い訳をしたものの、待っていたのは女性陣からのお仕置きであった。
作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年2月4日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 6
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