銅色のカッパは10円玉がお好き?

    ●噂
    「銅色のカッパがいるんだって」
    「銅色?」
    「うん。銅色」
    「その銅色のカッパがどうしたって?」
    「え……ダジャレ?」
    「た、たまたまだし!」
    「ダジャレと言えば……」
    「ダジャレと言えば?」
    「大阪の人って、ダジャレ言わないんだって」
    「何だってェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェッッッッッッッッッ!!!?」
    「銅色のカッパの話とは比べ物にならないくらいに驚いてる!?」
    「だ、だって……。え? 言わないの?」
    「本当かはわかんないけど……何かの番組で、そう言ってたよ?」
    「マジか……今年度1番の驚きだわ……」
    「そんなに驚く内容だったかな……」
    「これ以上の驚きは……今年度中に発生するとは思い難いわね」
    「……わたし的には、銅色のカッパに驚いて欲しかったよ」
    「だって……カッパじゃん?」
    「ただのカッパじゃないよ! 銅色だよ!? カッパーなカッパだよ!?」
    「ダジャレじゃねぇかっ!」
    「しかも、10円玉をかっぱらうんだよ!?」
    「やっぱ、ダジャレじゃねぇかっ!」
    「しかも、10円玉をぱくっと食べるんだよ!?」
    「そこはダジャレじゃねぇのかよっ!」

    「銅色のかっぱは10円玉が好きなのかー」
     風間・海砂斗(おさかなうぃざーど・d00581)は、虹色のカッパ(自称・カッパ界のスーパーアイドル)と戦ったことがある。カラフルなお菓子が好きなカッパだった。
     銅色のカッパの噂を聞いた彼は、学園に報告することにした。
    「大阪の人がだじゃれ言わないって、ほんとかな?」
     もちろん、報告するのは銅色のカッパの噂である。

    ●教室にて
    「みんな! 銅色のカッパを倒してきて欲しいんだかっぱ!」
     奇妙な語尾で言ったのは、カッパ(緑色)の着ぐるみを着た少女──野々宮・迷宵(中学生エクスブレイン・dn0203)だ。着ぐるみの顔の部分はくり抜かれており、そこから迷宵の顔が出ている。
    「海砂斗くんのおかげで、銅色のカッパの出現を察知できたんだかっぱ! やっぱりと言うか何と言うか、銅色のカッパは、カッパの都市伝説が頻繁に出現する例の川に現れるんだかっぱ!」
     緑のカッパ……じゃなくて迷宵が、黒板に張られた地図を指差した。とある田舎町の、とある川だ。
     いろんなカッパが出現しているが、最初に現れたのは赤いカッパだった。
    「赤いカッパが現れた時から、いつかカッパーな……銅色のカッパも現れるんだろうなーとは思っていたカッパー」
     ついに、この時が来たか……!
    「銅色のカッパは、10円玉が大好きだかっぱ!」
     10円玉をコレクションしているとかではなく、食べるのだ。新しいのだろうが古いのだろうがギザギザだろうが、10円玉なら食べる。
     好物を川辺に置いておけば、銅色のカッパが川から出てくるはず。
     銅色のカッパが陸に上がったところで戦闘だ。相手は、好戦的な上に人を襲う習性がある都市伝説。川に逃げられる心配はない。
     一般人でも近付ける場所ではあるが、この時期、積極的に川に近付こうとする者はいないだろう。
    「銅色のカッパは、銅色の剣で攻撃をするんだかっぱ!」
     材質不明の魔法剣だ。光を纏わせた剣で斬りかかったり、剣から光を放ったりする。
     なお、頭の皿は弱点というわけではない。
    「みんな! 銅色のカッパを倒してきてくれだかっぱ! 川に行くときには銅色のカッパの好物を忘れずに、だかっぱ!」
     サイキックの活性化や装備品の確認も忘れずに、だかっ……忘れずに。


    参加者
    風間・海砂斗(おさかなうぃざーど・d00581)
    峰・清香(高校生ファイアブラッド・d01705)
    野々上・アキラ(レッサーイエロー・d05895)
    深束・葵(ミスメイデン・d11424)
    踏鞴・釼(覇気の一閃・d22555)
    日輪・こころ(汝は人狼なりや・d27477)
    日輪・ユァトム(汝は人狼なりや・d27498)
    三和・透歌(自己世界・d30585)

    ■リプレイ

    ●10円玉
     10円玉は青銅を素材とする貨幣である。
     世の中には、10円玉を好物とする銅色のカッパがいるとか。
     この田舎町では、これまでに多くの都市伝説が出現していた。
     日輪・こころ(汝は人狼なりや・d27477)が戦ったのは、銀色のカッパだった。
     風間・海砂斗(おさかなうぃざーど・d00581)と踏鞴・釼(覇気の一閃・d22555)は虹色のカッパと戦った。
     この田舎町には、カッパ以外の都市伝説も現れた。
     例えば、日輪・ユァトム(汝は人狼なりや・d27498)が戦った着ぐるみがそうだ。
     もはや、この田舎町は灼滅者たちによって守られているようなものだった。
    「……ええと、纏めると『おかっぱ頭のかっぱがかっぱーをかっぱらってかぱっとかっぱ巻きで食べちゃう奴』の灼滅だったっけ?」
     深束・葵(ミスメイデン・d11424)が言うが、なんか違う。
    「特に問題なさげだから、流れ行く雲でも眺めながら『拝観料10円で出会える素敵なUMA』を待ちましょうか」
     そう言って、ライドキャリバーの我是丸に腰をかけた。
    「のんびりと平和な1日になりそうですね」
    「銅色のカッパかあ。それってどうなの?」
     海砂斗が「しょーがないから」と10円玉を置く。ためらいながら。
    「虹色カッパんときのお菓子代のがずっと高かったのに、どーしてもったいないって思うんだろう……」
     ついでに「にーちゃんから借りてきた銅メダル」を置いた。
    「全国各地の不思議生物と戦ってるオレたちが、カッパも退治してやるぜ」
     野々上・アキラ(レッサーイエロー・d05895)も10円玉を置いた。彼の横には、霊犬のツガルさんがいる。
    「じゅ、十円玉……カッパさん、食べるんだよ、ね……。や、やっぱり、一番キレイなやつを置いといたほうが、いい……かな?」
     ユァトムが10円玉を見比べて、その中から1枚を選んだ。
    「汚いやつだと……お、お腹、壊しちゃう……かも……? 普通の生き物なら……キレイでもお腹壊す、けど……」
    「10円はちょっともったいないのだけど、おびき出すためには仕方ないのよ。こころのアルバイト代から出した10円なのよ……」
     こころは、大量の10円玉に両替したアルバイト代を置いた。戦闘に備えて、サウンドシャッターを展開しておく。
    「硬貨をわざと破損させるのは、一応何かの罪に当たった気がする……。まあ、破損させるのは都市伝説なんだが」
     峰・清香(高校生ファイアブラッド・d01705)が言うように、貨幣損傷等取締法という法律によって、硬貨を故意に損傷することは禁じられている。
     バベルの鎖をお持ちでない方は、ご注意ください。
    「鍛錬だ」
     10円玉を置いた釼は、ウォーミングアップと趣味の鍛錬を兼ねて走り始めた。なお、前回は少し早めの寒中水泳をしていた。
    「敵も出る、鍛錬も行える、実に良い環境だ」
    「寒いのによくやりますね」
     三和・透歌(自己世界・d30585)は10円玉を置いた後、いつものようにライドキャリバーのウェッジに寄りかかった。
    「そういえば、前はおよいでたなー。どっちにしろ、きたえる系なんだねー。さすがあ」
    「踏鞴センパイはスポーツマンなんだな。カッコいいな!」
    「アキラ、おれたちは遊んでようぜ!」
     石ころを手に、海砂斗が言った。以前にも、彼はこの川で石切り(水切り)をしたことがあった。
    「石切り勝負だな。オレ、海で鍛えてるから負けねーぞ? 波がない川の方がやりやすそうだしな!」
     アキラと海砂斗は、同じクラブに所属している。アキラが学園に転入した際、最初にできた友だちが海砂斗だったようだ。
    「ユァトムさんも遊ぼうよー」
    「う、うん……じゃ、遊ぼっか……っ。石切かぁ……。え、えへへ……」
     嬉しそうなユァトムである。
    「こころも遊ぶのよ」
    「とりゃー」
    「行ッッけェェェェッッッッ!」
     アキラは全力投石していた。
     小学生と中学生が遊んでいるのを見て、透歌は「子供は風の子……」と呟いていた。
    「あぅ……間違えた……。ぼ、僕の十円玉…………」
     ユァトムが投げたのは10円玉だったようだ。当然ながら、沈んでいく。
    「……俺の家の近くにも、このような場があれば良いのだがな。天狗でも鬼でもゴブリンでも戦車でも構わんから、現れないものだろうか……」
     釼の走り込みは激しさを増していた。
    「あ、我是丸に似た雲」
     そんなこんなで銅色のカッパが出てくるのを待つ。
     すると──。
    「痛っ!」
     川から声が聞こえてきた。

    ●それってマネーギャザのこと?
    「ふっ……全国各地の不思議生物と戦ってるご当地ヒーローが、カッパごときに驚くわけがない……」
     と言うアキラだったが……。
    「って、ホントに銅色だし!!!」
    「奇襲とは……予想外だったZE」
     川から出てきた銅色のカッパは、頭を押さえていた。どうやら、誰かが投げた石がヒットしたらしい。バベルの鎖があっても、一応は痛いようだ。
     ユァトムが(うっかり)投げたものなのか、銅色のカッパは濡れた10円玉を手にしていた。それを口の中に放り込む。
    「そこのも頂くYO!」
     あっと言う間に、大量の10円玉(ほとんど、こころのアルバイト代)が消えた。
    「こころのアルバイト代が……!」
    「ミーに『近くにある10円玉を手元に召喚する能力』とかがあれば、食事の用意も楽チンなんだけどNA。ん? こいつは……」
     銅メダルに気付いた銅色のカッパは、メダルをかじってみた。
    「アイ・アム・カッパーメダリスト!」
     ドヤ顔。
    「これ、1度やってみたかったんだYO!」
     食べはしないらしく、川辺に置いた。
    「さてと……ボーイ&ガール」
     銅色のカッパが、銅色の剣を灼滅者たちに向けた。
    「ミーと出会ったのが、ユーたちのラックの尽きだZE。そのライフ、ミーがもらってやるYO」
    「狩ったり狩られたりしようか」
     清香がスレイヤーカードの封印を解き放つ。
     他の灼滅者たちも、それぞれの武装を呼び出した。
    「ユーたち、パンピーじゃなかったようだNA」
    「さあ、ユァトム。気合入れて行くのよ。せーの! 日輪ファイトー!」
    「ひ、ひのわー、ふぁあい、おー!」
     ユァトムは真っ黒な狼のぬいぐるみ(こころお手製)を抱きしめ、拳を上へと突き出す。ぬいぐるみを製作者本人に見られるのは恥ずかしいらしく、気付かれる前に隠した。
    「元気がいいNA、ドッグガール&ドッグボーイ」
    「犬じゃないのよ。誇り高き狼なの!」
    「そ、そうだ……っ!」
     カッパにとっては、犬と狼の判別が難しいのかもしれない。透歌の知人の人狼少年も、シマガッパに犬だと思われたことがあった。
    「哺乳類ごときがカッパに勝てると思ってんのかYO?」
     ニヤリと笑った銅色のカッパは、剣の切っ先を天へと向けた。
    「ウェイク・アップ──マイ・ソード!」
     その言葉に反応したのか、剣が光り輝く。
    「さあ──バトル・スタートだZE」

    ●カッパーなカッパ
    「カッパーなミーのパワー、見せてやるYO!」
     振るわれた銅色の剣から、光の刃が放たれた。
    「俺が受ける」
     その攻撃を、釼と我是丸とウェッジが受け止めた。
    「ミーのアタックから仲間を守るとはNA。やるじゃないKA」
    「……カッパーな、とはどういう意味だ。暗号か何かか」
     釼は英語が苦手だった。
    「おいおい、ボーイ。カッパーってのは銅のことだZE?」
    「「そういう意味だったのか……」」
     釼とアキラの声が重なった。
    「どうせ銅なら、どこぞのかっぱの銅像が動く位やれ」
     清香が歌い出す。彼女の趣味は歌うこと。
     サウンドソルジャーでもある彼女の歌は、攻撃となって敵に届く。
    「おいおい、ガール。マッスルがない銅像は、動きようがないZE?」
    「10円玉食べたらお腹壊すのよ」
     こころの腕が半獣化していく。
    「誇り高き黒狼の力!」
     鋭い爪で斬りかかった。
    「10円玉でブレイクするほど、ミーの腹は弱っちくないのSA」
    「つ、追撃……!」
     朝曾禰烏巌・風牙一矢を手に、ユァトムが駆ける。
     ユァトム次第で切れ味が変わるその宝剣は、今では真の輝きを取り戻しつつあった。
    「切り裂き給え、ミナカタの神威っ!」
     ユァトムが剣を振るう。非物質化した刃が、敵の肉体の内側を斬る。
    「……アメイジングだZE」
    「これが、拝観料10円で出会える素敵なUMAか」
     葵が、煌めく黄金のガトリングガン──猿神鑼息の銃口を敵へと向ける。
     そこから吐き出された無数の弾丸が、銅色のカッパに襲いかかる。
    「我是丸」
     葵の攻撃が終わるのとほぼ同時に、我是丸が猛スピードで突撃する。
    「……そのモンキーフェイスマシンは、自律思考型なのKA……?」
     葵の首にある太極図模様の傷が妖しく光ると、我是丸に宿った猿神の封印されし真の力が現れるとか現れないとか。
    「良い戦いの相手となってくれることを期待しているぞ」
     釼が縛霊手を装着した拳で殴打の一撃を繰り出す。さらに、霊力の網を放った。
    「戦士の顔をしているじゃないKA、ボーイ」
    「カッパって、だじゃれ言わないの?」
     海砂斗が、おさかな発射台という名の弓に矢を番えた。
    「ダジャレ? 言うとしても、カッパーでラッパーなカッパ……ぐらいだろうNA。韻を踏んでていい感じだZE」
    「へー。銅色のカッパってどうかしてるよね。どうにもこうにもどうなのそれ、的な」
    「おいおい、ダジャレボーイ。ミーほどクールなイケイケカッパはいないZE?」
    「……」
     海砂斗が癒しの矢を放つ。その矢は、魚が泳ぐように飛んでいった。
    「そう言えば……本当かは知らないが、大阪人はあまりダジャレを言わないらしいZE?」
    「何だってェェェェェェェェッッッッッッ!!?」
     衝撃を受けたアキラが、ダイダロスベルトを味方へと伸ばす。
    「斬新な装備だNA」
     ツガルさんは浄霊眼を発動し、仲間を癒した。
    「受けて貰います」
     透歌が殴りかかる。縛霊手──Gloomy Dayから、網と化した霊力が放射された。
     さらに、ウェッジが銃弾を撃ち込む。
    「……イヤなアタックだZE」
    「ところで、100円玉や500円玉ではやはり駄目なのですか? 10円玉の方が味が良いのでしょうか?」
    「10円玉以外は喰ったことないZE。普通、カッパは小銭を喰わないからNA。ミーはたまたま10円玉を喰っちまったんだが、その10円玉がミーを変えたってわけSA」
     そう言って、自分の体を指差す。
     どうやら、10円玉を食べたことで体の色が変わったようだ。
    「それにしても、なかなかやるじゃないKA。もしかして、最近噂になってるカッパバスターってのは、ユーたちのことKA? それでも、ユーたちを殺すけどNA」

    ●銅色の輝き
    「斬り裂いてやるYO!」
     銅色のカッパが、光を帯びた剣を振るう。
    「手応えありだZE」
    「面白い──」
     攻撃を受けた清香は、小さく笑みを浮かべた。彼女は、生きている実感を欲している。それは、闘争の中にあるらしい。
     清香が、バベルブレイカー・憤怒の穿ちの杭を敵に向ける。ダークネスに弄ばれてきた人の怒りが刻まれているという杭だ。
    「穿て」
     高速回転する杭が、敵に襲いかかる。
    「くそっ……やるじゃないKA!」
    「レッサー戦隊は特定外来生物と戦う秘密組織! ついでにカッパとも戦うぜ!」
     アキラとツガルさんが、1人と1体がかりで清香の傷を癒す。
    「レッサー? レッサークドゥのことKA? それとも、レッサースローロリス?」
    「レッサーパンダだよ!」
    「あー…………レッサーパンダKA……。あれだ、あの…………」
    「レッサーパンダは知らないのか!」
    「知らないZE!」
     なぜかドヤ顔。
    「レッサーパンダってのは──」
     アキラ(生物のことなら任せとけ!)が簡単に説明する。
    「そんな生き物がいたのKA……!」
    「だじゃれって楽しいよね! ねえ、『かっぱがえす』って知ってる? 『カッパがS』じゃないんだよ」
     海砂斗が言うが、銅色のカッパは「かっぱがえす?」と首を傾げる。
     北海道の方言で、ひっくり返したり裏返したりすることを指すらしい。
    「カッパーなカッパでも、人を襲うのはだめだかっぱ! とりゃー」
     詠唱圧縮された魔法の矢が、銅色のカッパに飛来する。
    「哺乳類に負けるつもりはないZE」
    「こころのアルバイト代……。お腹蹴ったら沢山出てきたり…………しないわよね……」
     こころが、煌めきと重力とを宿した蹴りを放つ。
    「誇り高きオオカミキック!」
    「ほ、誇り高いキックだZE……!」
    「誇り高き黒狼は、アルバイト代を食べちゃったものを許しはしないの」
    「あれは、ユーのバイト代だったのKA」
    「お、狼は、狩りに手を抜いたりしないんだ……っ! 顕し給え、ミナカタの神意っ!」
     ユァトムの腕が姿を変えていく。
    「そいつはまるで、オーガのアームだNA……!」
    「せぇーのっ!」
     鬼の如き腕で殴りかかった。
    「ぐ……!」
    「ひ、日輪の人狼は……カッパなんかに負けたりしない……っ! ひ、日輪の人狼は最強なんだ……っ!」
    「ミーも、哺乳類如きに負けるつもりはないYO……!」
    「神の咆哮は、稲妻の如き轟音で大地を穿つ」
     葵が猿神鑼息を敵へと向ける。猿神鑼息が放つのは、爆炎の魔力を帯びた無数の弾丸。
    「我是丸」
     葵の指示を受けた我是丸も、敵に銃弾を撃ち込んでいく。
    「ホモ・サピエンスとマシンのコンビネーションアタック……! 厄介だZE」
    「お前も相撲は取らないのか……中々に重そうな色をしているが」
    「ミーは相撲ファイターじゃないからNA」
     釼が過去に対戦した虹色のカッパも、相撲を取らないカッパだった。
    「それは残念だ」
     釼が蹴撃を繰り出す。彼は、手足を用いた戦いを好んでいた。
    「うぐ……! 哺乳類に追い詰められるとは思わなかったZE……!」
    「カッパーなのは割と好印象ですね。自分自身を前面に押し出したネタは、結構好きです」
     透歌が言った。
    「──見ていて飽きるまでは、ですが」
     ウェッジが敵に突撃する。銅色のカッパは舌打ちをした。
    「……ここまでかYO……!」
    「暇つぶしにはなりましたよ」
     透歌の足元から伸びた影が、敵を飲み込んでいく。
    「ぐぅっ! どうやら……ヴィクトリーのゴッデスは、ユーたちにスマイルをプレゼントしたようだNA……! あばYO、哺乳類ども……グワアアアアアアッッッッッッ!!!」
     銅色のカッパは灼滅された──。
     灼滅者たちの活躍によって、田舎町に平穏がもたらされたのだ。
    「川は大切に! だかっぱ!」
     ゴミ袋を手に、海砂斗が言った。

    作者:Kirariha 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年2月12日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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