●ちくわがおもしろアイテムになったのは大体こいつのせい
地下駐車場を一人の少年が歩いていた。
黒いロングコートにオールバックの髪。シルバーラインの入った高級なサングラスをかけ、首や指にはシックなデザインのシルバーアクセサリーがはまっている。
手に有名メーカーのジュラルミンケースをさげ、彼はふと……足を止めた。
駐車場の柱の裏から数人の若者が現われたからだ。
見るからにガラの悪そうな不良たちである。その証拠にチェーンを身体のあちこちにアクセサリーとしてつけている。
前からも、後ろからも。逃げ場を無くすように彼らは取り囲んだ。
持ち金を全部置いていけば通してやるぜ。
そう言われた黒服の少年は、静かにジュラルミンケースを床に置き。
丁寧に開いた。
「ちょ、あれ?」
黒服少年の顔と声が素に戻った。
ケースの中身を手に取り、そして。
「ちくわしか持ってねえ!」
その時不思議なことがおこった!
多分親戚か誰かが急に闇堕ちしたんだろーが、少年は急にご当地怪人になった!
どこがどう変わったのかっていわれるとすごく困るが、なったっていったらなったのだ!
ついでにそれまでの記憶の一切合切がすぽーんと吹っ飛び、ついでに頭のネジが数本一気にすぽぽーんと吹っ飛び、彼はある日突然ちくわ一本だけ持ってこの世にダークネスとして誕生してしまったのだった!
「くっ、俺は誰なんだ。ここはどこなんだ。そしてなんでこんなにも目の前のちくわが愛おしいんだ!」
ぎゅっとちくわを(潰しちゃわない程度に)握りしめる少年。
それはさながら生まれて初めて見た相手を親だと思い込む動物の刷り込み現象のようであった。
が、現実はかれにちくわによる安息など与えない。
「おいおい、そいつは職人が一本一本手作りで作るという幻の名ちくわじゃねえか。そいつをよこしなァ!」
「断わる! こいつは俺の……俺の魂に違いないんだ!」
「嫌だってんなら力尽くだぜぇ!?」
「ヒャッハー! 俺たちはちくわには目がねぇのさァ!」
「ちくわ大明神」
「ヒーッヒッヒ! 早く喰いてえ!」
「おい今の誰だ?」
「ええい面倒くさいぜ! 野郎どもかかれぇ!」
はまきみたいにちくわをくわえたモヒカン男が部下をけしかける。
だが少年はひるまない。だってだーくねすだし。
っていうかこのチンピラたちを瞬殺できるし。
少年がちくわのために大量殺人をおかそうとした、その時。
「まつんだ!」
鈴木・咲良(モモンガじゃないフェレットだ・d25318)がすごいダッシュで割り込んできた。
っていうかデカいモモンガが割り込んできた。
「なんだこのモモンガは」
「フェレットだよ!」
「ヒィッ! モモンガのバケモンだぁ!」
「俺たちはモモンガだけは大の苦手なんだよォ!」
「フェレットだっていってるでしょ!? ねえ! ねえ!」
チンピラたちはおかーさーんとか叫んで泣きながら逃げ出した。
まあ一般人がどいてくれたしいっか、とはおもうものの……。
「あなた、闇堕ちしたばっかりだと思うけど、その力に負けちゃだめ! それは悪い力なの!」
「なにッ?」
「ダークネスっていって、この世界をね、こう……」
――10分後。
「……っていうことなんだ」
「なるほどわかった」
少年は頷いて。
「貴様、この俺からちくわを奪おうと言うのだな!?」
「えっなんで!? 今の10分何聞いてたの!? 何をなるほどわかったの!?」
「問答無用! セイハァ!」
少年はちくわで十字をきると、咲良にオーラ斬りを浴びせた。
「うわああああああああ!」
吹き飛ばされ、柱にぶつかって目をぐるぐる頭ぴよぴよになる咲良。
「フン、口ほどにも無いモモンガめ。お前のちくわ力はそんなものか」
「ま、まって……フェレットだから……」
震えながらも手を伸ばす咲良。
少年は彼女を無視し、ジュラルミンケースにちくわを入れてスタスタと歩み去ってしまった。
●スタイリッシュちくわアクション
「ということなの、私がいながらふがいないわ」
「いえ、あなたのせいではありませんよ……」
巨大モモンガと西園寺・アベル(高校生エクスブレイン・dn0191)が七輪を挟んで向かい合っていた。他に灼滅者も沢山いるのに。
網の上のちくわを丁寧に転がすアベさん。
「ほら、ちくわも言っています……『ちくわ大明神』……ちがいます、それじゃありません……『竹輪は魚肉のすり身を竹など棒に巻きつけて焼いたもの、または蒸した加工食品で魚肉練り製品のひとつ。串を抜くと筒状になり竹の切り口に似ているためこの名が』……ちがいます、それでもありません……」
なんでもちくわさんがいうにゃー、闇堕ち事件なんだそーだ。
彼はなんでか知らんけど腐らない謎のサイキックちくわを大事に持ち歩き、夜の町をふらふらとしているらしい。
彼をつかまえ、これ以上悪しきちくわ道に進まないために止めるのが我々の役割だ。
「私一人じゃダメだった。でも皆の力をあわせれば、彼もきっと……力を貸して、みんな!」
参加者 | |
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水瀬・瑠音(蒼炎奔放・d00982) |
裏方・クロエ(ちくわん・d02109) |
長門・睦月(正義執行者・d03928) |
氷見・千里(檻の中の花・d19537) |
中島・優子(飯テロ魔王・d21054) |
モカ・フラージュ(ほんわかにあわわさん・d25212) |
鈴木・咲良(モモンガじゃないフェレットだ・d25318) |
天城・シロガネ(ラブパレード・d27882) |
●この殺伐とした依頼にちくわが!
地下駐車場の入り口。明滅するライトに照らされ、天城・シロガネ(ラブパレード・d27882)はそっとまぶたを開いた。
長い沈黙のあと、彼女は月明かりのようなはかない声色で、ささやいた。
「ここは訓練されたちくわストだけの、聖域なの」
「えっ」
「……聖域なの」
なんだか可哀想な人を見る目で離れていく一般の人(パンピー)。
シロガネはなんか大切なものを失ったような気がしつつ、駐車場へきびすを返す。
そこには、黒衣にサングラスをかけた男がひとり。
「とうとうここへたどり着いたな、白銀の戦士よ」
「……」
シロガネが手を翳すと、どこからともなく水晶の爪めいたものが出現。氷の結晶を纏い、一斉に黒衣の男へと襲いかかった。
ちくわ大明神。
宙返りと倒立反転をかけて攻撃をかわす黒衣の男。
男はサングラスに手を添えたまま、光線を発射した。
爪を正面に集めて光線を弾くシロガネ。
合体させた爪に炎を纏わせ、シロガネは黒衣の男めがけて豪速で放った。
ちくわ大明神。
両腕をクロスしてガードする男。
踵がアスファルト地面を削り、黒い二本のラインがうすく煙をあげた。
ちくわ大明神。
ガードの下から顔を上げる男。
「やはり戦士。ただの少女では」
「ねえ」
くっそシリアスなシーンを自ら遮って手を翳すシロガネ。
「さっきから挟まってるこれ、なあに?」
「え、ちくわ大明神しらないのか?」
「ねえ醤油かして醤油」
「コンロの火ぃつかないなあ。誰かガス缶抜いた?」
「ちくわ大明神」
「チリソース派? 天つゆ派? 私は――蒸ッ着ッ!」
「待って早い早い、ギア入れるの早い」
「まって今の誰?」
「ちーちくが好きだ。きゅーちくも、好きだ」
「モモンガアアアアア!」
「フェレットオオオオ!」
「フッ、あなたのちくわ愛には中身がない。そう……ちくわだけに!」
「デデーン」
「もかっちー、あうとー」
「なんで!? うまかったよ、うまかったでしょこれ……あっ……ちくわだけに!」
「デデーン」
「ところでちくわってだけじゃキャラよわくね?」
「しかもご当地怪人のくせにキャラがヴァンパイアっぽくね?」
「それはこのタイトルがヴァンパイアちくわだった時のなごりだ」
「言わなきゃだれも気づかないようなことを……」
「あっついた! ふっふっふ、鍋勝負に持ち込んだ時点でボクの勝ちなのです!」
「えっと……」
早くもフリーダムと化している地下駐車場の中、シロガネは目を細めた。
肩をぽんと叩く水瀬・瑠音(蒼炎奔放・d00982)。
もう片方を叩く氷見・千里(檻の中の花・d19537)。
かたや『ちくわ』のTシャツ。かたや『ちくわぶ』のTシャツ。
「ネタ依頼は初めてか?」
「力抜けよ」
「安心しな、お前以外は全員ネタキャラだぜ」
「えっ?」
ちょっと待ってくれ俺は違うの顔で首を振る長門・睦月(正義執行者・d03928)。
メタルスーツ姿で生春巻き風の料理が乗った大皿を手に持ってお前は何を言ってるんだ。
その後ろでは中島・優子(飯テロ魔王・d21054)とちくわ野郎が闇ブローカーごっこをしていた。
「ククク、筒を愛し者(チクワリスト)よ……これがなんだか分かるか?」
「そ、それは! まぼろしの……!」
優子が開いたアタッシュケースからまばゆい光がほとばしり、ちくわ野郎はその光に見せられていた。
「サツに見つかったら一発でお縄だ。お前だけじゃない、私も、私のバッググランドもすべて……な」
「ほ、ほんとうにいいのか? こんなものを……」
「いいとも。もっとも……出すものは出してもらうがね」
「フフ。所詮は金か」
「この世界、金以外に何が要る? 何もないさ」
「違いない」
ちくわ野郎は懐に手を入れ。
「あれ」
ちくわだけを取り出した。
「……ちくわしか持ってねえ!」
「「ちくわ、クッキング!」」
テレレッテッテッテ。
テレレッテッテッテ。
テレレッテッテッテ、テッテッテッテ。
テッテッテ。
レコードプレイヤーの上でくるくるまわる鈴木・咲良(モモンガじゃないフェレットだ・d25318)。
「本日はちくわを使った美味しい料理をご紹介します」
キッチン台の前にはエプロン姿の裏方・クロエ(ちくわん・d02109)がいい笑顔でBGMの終わりを待っていた。
フェードアウトしていくミュージックと交差するように『はいっ』と手を叩くクロエ。
「さて本日はどんなお料理を紹介してくれるのかなモモンガさん」
「私フェレット」
「わあおいしそう! 寒い冬にはぴったりだね!」
「聞いてる? フェレット。フェ、レ、ット」
「まずはちくわとしめじとエリンギ、にんにく、唐辛子、オリーブオイル、塩少々これを適当に斬ってから鍋で煮たものが――こちらになりまぁす! ね、モモンガ!」
隣の机にうつると、鍋にぎっしり詰まった咲良がいた。
「だから私フェレ……あれ?」
かちりとコンロをひねるクロエ。
響き渡る悲鳴。
それをBGMにしながら、クロエは鍋から毛まみれのちくわ棒を取り出した。
「さあ早速食べてみよう」
「やめろー! はなせー!」
瑠音と千里(シャツの文字は『ちくわ』『ちくま』)の二人がかりで羽交い締めにされた睦月がぶんぶん首を振った。
めっさフルフェイスのヘルメットだが、側面にぺっちょりついた途端二人の腕を逃れて地面をのたうち回った。
そんな彼を背にィ――。
RUNE'Sキッチン!
「みなさんおはようございます水瀬瑠音です。今日もよろしくお願いします」
瑠音はキッチンめいたセットの中で手紙を読み始めた。
「ほむらーんでホームランさん(生後三ヶ月)、ありがとうございます。『私は専業主婦なのですが、子供が初めての遠足に行くそうです。お弁当を作ってくるように言われたのですが、いいメニューが思いつきません。瑠音みちさんいいメニューをぜひぜひおしえてください』だそうです」
おもむろに後ろの冷蔵庫を開ける。
冷えたほむらーんと咲良が入っていた。
無言でしめた。
「はいでは早速つくっていきましょー。まずコンビニで買ってきたちくわを……うん……うん、ああ、うん……うん……」
一緒に買ってきた週刊少年漫画雑誌を開きながら生返事する瑠音。
沸いたお湯とインスタントコーヒーをカップに注ぎ、口の所まで持ってきて……。
「ってこれちわくわぶじゃねーか!」
カップごと地面に叩き付けた。
「おのれモモンガコラァァァァ!」
「フェレットだっていってんでしょー!?」
「ちく……わぶ……だと……?」
雑誌に乗ってる死神の人と同じ顔で振り向く優子。
次の瞬間にはなんか知らんけど白い仮面をつけて全身から闇のオーラをまき散らしていた。
「う――ウワアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「いかん! 優子がちくわとちくわぶを間違えたことで闇堕ちしようとしているぞ!」
「なんで!?」
「ちくわ大明神!?」
「だってプレにそう書いてあったから……」
「っていうか今の誰?」
「もうこうなったらちくわを渡すしかないですよ! ないですよ!」
モカ・フラージュ(ほんわかにあわわさん・d25212)が毛布やらなんやらを担いで現われた。
「ただのちくわではいけません。未だに名前のハッキリしてないちくわ野郎さん! このちくわスーツでちくわと一体化してさらなる高みにのぼってください!」
「こころえた!」
「ここえんな!?」
「さあ中に、中に入って!」
丸めた毛布の中にちくわ野郎を詰め込み、天井からぶら下げる。
なんか江戸時代とかに拷問した兵士を敵領土に放り落としていく時のやつに似ていた。
「うーん、でもこれじゃあまだちくわイズムが足りないですね。せいぜい200ちくわって所でしょうか……よしっ」
暴れるちくわ野郎を取り押さえ、ぎゅいんぎゅいん回転するドリルを頭にねじ込むモカ。
「はーい痛くないですからねー」
「モガガガガガー!」
なんか赤ピンクい物体が大量に顔にぶちまけられているなか、笑顔である。
「これでよしっ」
なんかバレンタインデーのチョコレートを手作りしおえた女子みたいな顔をして頬に突いた茶色いやつを指でぬぐうモカ。
ぶちんと吊るしたワイヤーが切れ、地面に惨殺死体に限りなく近い何か、もしくは残酷な拷問を受けた兵士みたいな何かがぼとりと落ちた。
乾いた目で見つめるシロガネ。
ゆっくりと近づいてみるモカ。
「死んだらどうするー!」
「うひゃあ起きた!」
「知っているか。ダークネスは脳みそ飛び散ったくらいじゃ死なない。そのうち元に戻るからな」
「じゃあ安心ですね」
ちくわ野郎から奪ったであろうちくわをもぐもぐ喰いながらテッキトーなことを言うモカ。
「いや少しは突っ込み入れようよ。脳みそ無いのにしゃべれてるのおかしいでしょ」
「モモンガが喋ってることにくらべたら別に」
「だからフェレットだって言ってんでしょぶっとばすよ!?」
「うるせえほむらーんぶつけんぞ!」
「ぶつけながら言わなっ、いった、痛い!」
モモンガと瑠音がもみあう横で、睦月がのっそりと起き上がった。
「ちくわは煮ても焼いてもよし。そのままでもおいしい万能食材。おでんに煮物は言うに及ばず焼きそばやうどん、お好み焼きにも使える。カレーの具にしたっていいんだぞ」
「ちくわカレーはいやあああああああ! マヨネーズちくわは嫌だああああああ!」
「誰、いまの人……」
「そんな俺のイチオシメニュー! ちくわにチーズをつめてライスペーパーで巻いて揚げたものだ。ちくわ揚げ春巻きだぞ! さあ皆もこのレシピでスタート・ユア・エンジン!」
「あれ、急に睦月の声がFMのラジオパーソナリティみたいに……」
「そんなことより優子ちゃんが!」
「どうした!」
振り返る一同。
巨大なちくわと対面した優子が頭を押さえて闇をほとばしらせていた。
「ウワアアアアアアアアアアアアアアア!」
「ちくわ大明神とのSUN値チェックに負けたら闇堕ちするって書いたばっかりに!」
「なんで書いたんだよそれ」
「もうこの子は黙らせときなさい!」
「よし……まかせろ」
千里がガンマンのポーズですっと前へ出た。
「くらえ、熱々のおでんのちくわの焼けた部分から飛び出してくる汁。略してクルセイドスラッシュ」
「ひとつも略してねえ!」
「目がー!」
「思いの外えげつない攻撃だこれ!」
両目を押さえてのたうちまわる優子。
彼女の頭上にはほわんほわんと走馬燈が浮かんでいた。
ケーキの真ん中にちくわをさして、一人でハッピーバースデーを歌っている光景だった。
がちだとしたら親が泣くような光景だった。
はっとした顔で身を乗り出すちくわ野郎。
「あ、あの光景は……」
「いたのかお前」
「あれが、俺の記憶のなかにある唯一の思い出だ」
「お前想像の百倍くらいかわいそうな奴なのな」
なんかごちゃごちゃしている光景……をよそに、シロガネはかまぼこの板をドミノみたいに一個ずつ並べていた。
「……わたし、かまぼこ派なの」
「ウ、ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
頭を押さえて闇をほとばしらせるちくわ野郎。
「今度はなんだ!」
「ちくわ野郎がかまぼこ派の登場で闇堕ちしかけてるの!」
「闇堕ちしてんのは最初からだろ」
「ここはまかせて!」
ザザッと大きなカップを手に飛び出す咲良。
「モモンガくん!」
「アイアムアフェレット!」
咲良はカップの中にちくわだのコーンフレークだの生クリームだの突っ込んでから、天にかかげた。
「これぞ妖怪バナナ女をガン無視して作った私の傑作、ちくわパフェだよ!」
「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ちくわ野郎と優子が同時に闇をほとばしらせながら悶絶していた。その横で闇をほとばしらせながらちくわにマヨネーズをうにゅーっと流し込む千里。
「なぜ三人いっぺんに!」
「ちくわ野郎はちくわパフェとか喰いもんじゃねえと申しております」
「優子ちゃんはノリで」
「千里もノリで」
「ノリでぽんぽん闇堕ちしようとするな」
「…………」
てんやわんやの一同(ちくわ野郎ふくむ)を見つめていたシロガネは、さっきの爪みたいなやつを手元に浮かべ、全力でちくわ野郎の後頭部にシュートした。
ざっくりと刺さる爪。
「ぎゃあああああああああああああああああああああ!」
「どどどどうした!」
「ちくわ野郎が倒されそうなの!」
「それべつにいいんじゃね?」
「この俺を倒しても……第二第三の……俺が……」
「それはこわい」
「ぐふっ」
ちくわ野郎はテンプレ台詞を吐いてばったりと倒れた。
そして、数十秒でむっくりと起き上がった。
「俺の名前は竹輪・大明神。ちくわの魂を持つ男……シリアス依頼以外なら、どんな戦場にだって駆けつけてみせる」
ちくわを十字に構えてなんか言い出した。
「さあ共にいこう、白銀の戦――」
「いらない」
「さあ共――」
「いらない」
シロガネに断固として受け入れを拒否され、肩を落としたままそっと千里の前に立った。
ちくわを切ったやつ(千里の紹介したちくわ料理)をそっと取り出す千里。
「一本いっとくか?」
「イエェス!」
こうして、なにがなんだか分からないうちに、武蔵坂に変な灼滅者が増えたのだった。
おしまい。
余談。
ほむらーんはまだ冷蔵庫から出ていない。
作者:空白革命 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年2月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 2/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 11
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