66円(税抜き)

    作者:西灰三


     廊下を超いい感じでスキップしている少年がいた。彼の名は軽石・和喜人(かるいし・わきひと)。天命としてモブ属性を一身に受けてしまった存在である。だが、そんな彼にも、今、この時ばかりは色々な意味でスポットライトが当たっていた。
    「つ、ついにこの自分に世界が微笑んでくれる時が来た……!」
     掲げるのは可愛くラッピングされたチョコレートらしき箱と、添えられた丸文字の手紙。「わきお君へ」と書いてある。中身は放課後校舎裏で待ってるみたいなお約束のシロモノ。
    「これで冴えないモテない人生とはオサラバだ!」
     彼はいくつか思い違いをしている。大概にして彼のようなタイプが美味しい思いをするときは裏に何かある時だ。まあ端的に言うと闇堕ちさせられて良いように使われるだけって話なんだけど。
     そうとも知らず、彼ははしゃぐ。中身はただの板チョコ(66円税抜き)を掲げて。

    「うわ、彼の値段安すぎ……!」
     有明・クロエ(中学生エクスブレイン・dn0027)が開口一番そう言った。ひどい。
    「そういうわけで、とりあえずなんとかしちゃってよ」
     ざっくばらんすぎな説明をするエクスブレインである。要するにバレンタインを利用してラブコメる淫魔とその対象を何とかしろと。
    「平たく言うと淫魔か和喜人くんが闇堕ちしてなるデモノイドのどちらかを灼滅してよ。両方でもいいよ」
     超軽い口調である。
    「あ、そうそう両方とも倒す場合は淫魔と和喜人くんが校舎裏で会うときにチョコレートの値段を言ってあげるといいよ。即座に泣きながら闇堕ちして淫魔を殴るから」
     もちろん淫魔が倒れたあとは八つ当たりで灼滅者達を攻撃してくる。
    「もし闇堕ちから助ける場合ならこの方をおすすめ! そうじゃないなら先に淫魔を倒しちゃって代わりに校舎裏で待って綺麗な思い出にしてあげてね」
     前者は突き落としてから引き上げろ、後者は上手く振れという事である。なお上手く振れないとやっぱり闇堕ちして襲ってくる模様、この場合は説得は不可のこと。
    「ええと淫魔は……あんまり強くないや。ただ二人でいる時にこちらが和喜夫君を闇堕ちさせることができなかったら一緒になって襲ってくるからかなり厳しい戦いになるよ。そんなことはあんまり無いと思うけど」
     割りと外道な話をしている気がするが気にしてはいけない。
    「和喜人君の落ちたデモノイド。略してワキノイドはデモノイドヒューマンとロケットハンマーと龍砕斧のサイキックを使うよ」
     色々ヤケになっている感満載である。とりあえず全体的に力任せに暴れるタイプのようだ。なお淫魔より遥かに強いらしい。
    「悲しいね、絶望のあまり暴れることしかできないって……」
     今更シリアスを装ってもダメです。今回割りとそうなるようにそそのかしてるし。
    「みんなならなんとかしてくれるよね? それじゃ行ってらっしゃい!」


    参加者
    アリス・バークリー(ホワイトウィッシュ・d00814)
    銀夜目・右九兵衛(ミッドナイトアイ・d02632)
    天地・玲仁(哀歌奏でし・d13424)
    橘樹・慧(月待ち・d21175)
    ハレルヤ・シオン(ハルジオン・d23517)
    照崎・瑞葉(死損ないのディベルティメント・d29367)
    志水・小鳥(静炎紀行・d29532)
    有城・雄哉(高校生ストリートファイター・d31751)

    ■リプレイ

    ●バレンタイン・エレジイ
    「古人曰く、蝋燭は燃え尽きる瞬間が最も明るく輝くという。人の夢と書いて『儚』。可哀想だけど、一瞬の夢には儚く散ってもらいましょう」
     あ、もう最初から助ける気無いんすね。アリス・バークリー(ホワイトウィッシュ・d00814)女史。彼女を除く7人は闇堕ちするを助けるつもりである。
    「和喜夫……もとい、和喜人くんの救出やな」
     ……ん?
    「いや俺が間違えたわけちゃうで?」
     ナンノコトダカワカラナイナー。銀夜目・右九兵衛(ミッドナイトアイ・d02632)さんご冗談を。そんなこんなで現在出待ちである。灼滅者稼業ではよくある状況だ。まあ依頼の内容が内容なんで心境は割りとバラバラである。怒っているんだか切ないんだか微妙な表情をしているのが橘樹・慧(月待ち・d21175)で、笑顔なのがハレルヤ・シオン(ハルジオン・d23517)。志水・小鳥(静炎紀行・d29532)は目を伏せていた。
    「……チョコ貰って嬉しいってのは分るからな……」
    「闇堕ち、闇堕ちか……」
     頭の中で自身の闇堕ちの意味を再三確認しているのは照崎・瑞葉(死損ないのディベルティメント・d29367)だ。確かにえらく軽い理由で闇堕ちする若者が多い昨今である。
    「……何故税込みにしてやらなかった」
     天地・玲仁(哀歌奏でし・d13424)の言うようにしてみると72円(税込み)であった。でもそれって根本的な解決にはなっていませんよね?
    「……チョコの値段ってそんなに気になるもの?」
     有城・雄哉(高校生ストリートファイター・d31751)の素朴な疑問がぽろりと零れた。さてそれは本人でなければ分からない事だろう。そんななんとも言いがたい待ち時間がしばらく――やけに長く感じた――を経て件の和喜人が現れる、次いで淫魔と思われる女子学生も反対側からやってくる。

    ●プライス・フォール・ダウン
    「「……あっ」」
     別の方向から現れた相手を互いに見て、小さく声を上げる和喜人と淫魔。こんな青春なぞ寡聞にして聞いたことがありませぬ。以下茶番が続くので中略。
    「あのね、直接渡せなくてごめんね。恥ずかしくって」
    「う、ううん。そんな事ないよ!」
     繰り返して言いますが茶番です。
    「……伝えたいことがあるの……」
    「……うん」
    「……っ。私と付き合っ……」
    「はいカットー! 淫魔の人はアレや、ほんまいつもご苦労はんどす」
     そんな超いい感じのシーンをぶち壊す右九兵衛さん。彼を皮切りに隠れていた灼滅者達が次々と顔を出す。淫魔と和喜人は目を丸くして彼らを見る。
    「な、なんなの、あなた達! しゅ、趣味が悪いわよ!」
     キャラがあっさりと崩れ気味になる淫魔をここで華麗にスルー。雄哉が和喜人に問いかけた。
    「わきひとさん、その包みの中身、見ました?」
    「知らない人から貰ったら中身をきちんと確認しろと教わらなかったか?」
     小鳥が言葉を引き取って続ける。彼らの言葉を聞いて和喜人達の視線が動く。
    「……え?」
    「わき……ひと……?」
     頭を巡らせて疑問符を浮かべる二人、もっともその意味は違ってたけれど。
    「……浮かれてて気付かなったけれど名前が……」
    「違うの! 友達から名前聞いた時に聞き間違えちゃっただけなの!」
    「そ、そうだよね! 名前を覚えてなかったなんてないよね!」
     人間とは時に自分にすら嘘を付くものである。
    「というわけで空けちゃいなよお」
     すすすとハレルヤが2人に近寄り囁く。淫魔が動揺から立ち直り彼を止めるよりも早く包みが開かれた。
    「66円の板チョコですよ」
    「確かに66円の板チョコだよねえ。値札シールもついてるよお」
     せめて剥がしておけよ。目に入った情報と雄哉とハレルヤの言葉を聞いた和喜人の動きがピタリと止まる。
    「わ、わき……ひと……君……?」
     おずおずと淫魔が話しかけると彼は板チョコから目を離さないまま言葉を発した。
    「……どうせ俺なんてどうでもいいやつなんかこの程度の価値しか無いんだ……!」
    「いやあの違うのそうじゃなくて」
    「安い値段で買えると思ってたんだろ……! ああ、そうさ! 俺は食費よりも安い男さ……!」
    「そ、それなら」
    「でもゆるさん」
     第三者から言われて気づくことって割とあるよね。それが幸せかどうかはともかく。それはさておき和喜人の身体はムクムクと大きくなりあっという間にデモノイドになる。
    「うん、堕ちた堕ちた。ソロモンの悪魔が一般人を闇堕ちさせる気持ちが分かるわね。 ……Slayer Card,Awaken!」」
     アリスさんそれはダークネスのメンタリティです。さらっとそんな事を言いつつスレイヤーカードを掲げて殺界形成をする。
    「……メンタル弱いなあ、軽石さん……」
     口ではそう言いつつも、ちょっと罪悪感を表情に浮かべて瑞葉は武器を手にした。
    「……何だこの気持ち的に複雑な依頼……」
     慧もまた同じく心の何処かで痛みを感じているようだ。優しさだけでは救えない人もいるのだ。なんつって。
    「この手の話はお互いもっと手の込んだことをせねばならなかったと思ったが……まあいいか」
     玲仁はすらりと青く透き通った剣を抜いた。やるべきことはシンプルな方がいい。かくて戦いは、あ、早々に淫魔が殴られてら。

    ●ライク・ア・エッジ
    「ちょ、ちょっと、やめて! そんなに激しくされちゃうと……! キャーっ!」
     戦いが始まって早々に和喜人と灼滅者達にボコられた淫魔は倒された。
    「今更あざとさを演出してもな」
    「とりあえず淫魔は自業自得な。相手抉るなら自分も抉られる覚悟はしないと」
    「まあ毎度ひどい目におうとるんやし、たまには泣いてええ思いますわ、ほんまにー」
     玲仁、慧と右九兵衛は崩れゆく淫魔の感想を漏らす。
    (「小細工を弄するなら、もっと相手のことを調べてからにするんだね。甘すぎる」)
     雄哉の小声で呟かれた言葉はいつも以上に冷ややかだ。だがすぐに彼の表情はいつも程度に熱を取り戻しデモノイドと化した和喜人を見る。巨体に見合わぬ速度で和喜人は彼の目の前で拳を振り上げていた。
    「……っ!」
     戦闘が始まってアンブレイカブルの姿となり更にウロボロスブレイドで守りを固めていた彼だが、容赦の無い一撃はそれらの防御を通り越して彼に痛打を与える。それはきっと和喜人の心の痛みが外界に出てきているということなのだろう。
    「Hallo,Mr.66 yen.」
     アリスがそう声をかけると和喜人の身体がビクリと震える。彼が振り返るよりも早く彼女の白いオーラから連続して気弾が背中に叩き込まれると彼は呻いた。
    「ま、66円は66円。おめでとう、あなたの値段よ」
     その言葉を聞いた和喜人の怒りの全てはアリスに向けられた。右腕を巨大な刃へと変えて全力で彼は斬りかかった。その前に立ちはだかるのは小鳥。剣を掲げて相手の力を何とか受け止める。
    「期待していた分ショックはでかいかもしれないが、力を奮ったって何も返っては来ないんだ!」
     なんとか力を逸らして切っ先を地面へと導く。勢い余って刃は深々と大地を切り裂いた。それにより態勢を崩した和喜人に灼滅者達は言葉とともに戦いを挑む。
    「今回は相手が淫魔であるがゆえに目を瞑るが、本来であればレディに当たるなど言語道断。だから貴様は66円(税抜き)なのだ」
     玲仁の炎を伴った蹴りが巨体を踏み潰す。踵のめり込んだ箇所から炎が巻き上がりそのまま和喜人を包み込む。
    「ここで終わるならば、貴様はチョコの値段相応だったということだ。悔しくば己を律し、彼女からの評価を覆す男になるのだな」
    「こうも簡単に堕ちちゃうなんてねえ、愛情は値段じゃあないのになあ」
     ハレルヤのフォースブレイクが巨体の背を打つ。腕だけの反撃をしゃがんで避ければ、暴風が頭上を吹き抜け髪を数本奪っていく。
    「こんなことでヤケにならないでよ、もう……。バレンタインでチョコもらえない人だっているんだしさ」
     瑞葉のレッドストライクは相手の背中を捉えるものの、ほとんど痛痒になっていないようだ。
    「そうやて、俺は一個も貰えてへんねんで!」
     自慢のような自虐のような言葉とともに右九兵衛は弾丸を放つ。レドームが弾道を演算して和喜人の身体を捉える。なんとなく彼が右九兵衛の方に意味ありげな視線を向けて気がしなくもない。
    「66円がなんやねん、5円よりマシやし!」
     その5円のものにすら縁がなかったわけですね。ハレルヤも言葉で追撃する。
    「なけなしのお小遣いはたいて買ってくれたものかもしれないのにい。レディの心も分からないようじゃあ、キミもまだまだだねえ」
     和喜人の動きが少し止まった。ちょっと今のセリフで傷ついたっぽい。
    「逆に考えるんだ、大きな箱に10円チョコが1つ入ってるよりも板チョコ66円が綺麗にラッピングされてるんだ。6倍近い気持ちがこもってるぜ!」
     実際に目の前にもらっていない人がいると説得力が増す小鳥の言である。
    「チョコ貰えただけいいじゃねーか」
     慧の言い振りもまた持たざるものっぽいが、そんなことはなかった。義理だけど。
    「大体、値段で聞いて当り散らす男がモテると思ってんのかコラ」
     グサっと何かが刺さった音がした気がする。
    「好かれる為に自分から行動した事はあったか?」
    「本命以外は嫌って、モテる何か努力したのかよ!」
     グサグサっと立て続けに言葉のナイフが突き立てられていく。これを言っているのが慧と小鳥の男性陣二人なのがやけに信ぴょう性がある。
    「義理だってなぁ1学年300人でも全員に配んなら2万近くすんだぞ。昼飯255円の男が女子にそんな負担強いるとか恥を知れバーカ」
    「それに一緒にお菓子をつくって一緒に食べよう、だったかもしれない。そう考えると板チョコでも楽しくなってくるよな」
     慧と小鳥の言うような想像力があれば、彼も闇堕ちする事はなかったかも知れない。ともかくも和喜人の攻撃の精度が高度な精神攻撃によって鈍くなってきている。
    「あんさん助けるために俺等は交通費とかまァ必要経費的なもん使っとんねん! 明日のあるキミのために、ここにいる8人がッ!」
    「ここで一世一代の花火を打ち上げてお星様になった方が、彼にとっても幸せだと思うけど」
     右九兵衛が両腕を広げて同じく戦うメンバーを示す。格好つけてる所悪いんですが、1人倒すことしか考えていない人がいるんですがそれは。
    「今の貴方の状況分かってる? たった66円のチョコで、貴方は今死にそうなんだよ? そんなんでいいの?」
    「利用されて悲しいんだよね、悔しいんだよね。でも、そのまま落ちてていいの? このままだと一生チョコもらえなくなるよ?」
     瑞葉と雄哉に対して「マジで?」という感じで和喜人は振り向いた。目を合わせた灼滅者達は頷いた。
    「貴方の命ってそんな安いものなの? ふざけるなって思わない? 私は思う」
     彼と視線を合わせた瑞葉に向かって止められない暴力を振り下ろそうとする和喜人。けれども先程から心揺らぐ言葉を受けていたせいか、それは彼女から半歩離れたところの空を切る。
    「お前にはそうやって感情を素直に出せる良いところがあるじゃねえか。力じゃなくて、心で示していこうぜ」
    「自分の力を止められないなら、思いっきり暴れてスカッとしよっか。僕らも手伝うし、全部受け止めてやるから」
     彼の動きを見て小鳥と雄哉はやるべき道を示す。それはデモノイドの身体の中ではっきりと和喜人の意思が残るのを選択したから。あと砕くのはデモノイドの外殻のみだ。

    ●ゲーム・セット
    「せめて666円だったら、六六六人衆になれたかもしれなかったのにね」
     容赦のかけらもないアリスの攻撃が和喜人を捉える。なんだかんだで最も彼にダメージを与えているのは彼女である。決着をつけようと他の灼滅者達も攻撃に集中する。
    「負の心が生み出す力はほんま強いなァ、ヒャシャシャ!」
     言葉が届いてなお動きの止まらないデモノイドに対して右九兵衛は笑い声を上げながら光線を放つ。反撃するようにデモノイドは拳を地面に叩きつけて衝撃波で周りの相手を攻撃する。
    「響華さん!」
    「キャリバー!」
     前線で護り手となっていった玲仁と慧のサーヴァントは攻撃をもろに受けたが、響華は手を振ることで、キャリバーはベルを鳴らすことで健在をアピールする。彼らと同じく護り手を担っていた雄哉の青い双眸は相手から目を逸らさない。そして彼は感じる、最初の一撃よりも遥かに衝撃が弱まっていることを。
    「黒曜、頼む!」
     小鳥が後方に控えていた相棒に対して回復を頼む。慧も同時に回復を前線へと飛ばす。いくら攻撃が緩んだといえども、油断できる相手ではない。
    「そろそろ止まって!」
     瑞葉のディーヴァズメロディがデモノイドの身体に細かな傷を生じさせる。痛みに耐え切れないのかデモノイドが吠える。
    「私はこのまま灼滅でも気にしないけど……え?」
     膂力のこもった一撃はアリスをボロ雑巾の様に吹き飛ばした。これまでも何度も攻撃を受けていたがその度にかばわれていた。が流石に全てを防げるわけではない。積極的に攻撃を仕掛けていたアリスである。色々と脅威と捉えられた結果だろう。
    「隙アリだよお」
     その大ぶりの一撃の間にハレルヤが笑いながら背後に回っていた。『病院』仕込みの執刀法で巨体の動きを封じる。それがデモノイドに取っての最後の隙。
    「これで闇堕ちさせた分も帳消しだな」
     玲仁の非実体の剣がデモノイドを真っ二つにした。青い細胞は消失して、中から現れたのはここに来た時と同じ姿の和喜人の姿だった。

    ●オーバー・ザ・バレンタイン
    「……大丈夫か」
     和喜人が目覚めれば、灼滅者達が覗きこんでいた。
    「あ、えーっと」
    「悪い、なんかヤケになって言い過ぎた」
    「あ、うん。……ああ夢じゃないのか」
     慧の言葉で何が起きたのかを理解したらしい。
    「あのねえ……」
     瑞葉は少しだけ怒気を孕んだ声をかけたが、彼の顔を見て思い直し別の言葉を紡ぐ。
    「……こんな簡単に絶望しないで欲しいな、チョコくらいあげるよ?」
    「ボクからもキミにチョコをプレゼントー♪ イヤな思い出は忘れちゃえー♪」
     瑞葉とハレルヤからの突然の申し出に色々入り混じった表情を浮かべる和喜人。それを右九兵衛が倒れたアリスを看ながら茶化す。
    「ほーら可愛い女の子もおるやん。あんさん幸せモンやでほんまにー!」
     とりあえず混乱する彼に雄哉が冷静な表情を繕って武蔵坂学園の事を説明する。
    「あ、うん、それじゃあお願いします」
     なんとなく丁寧口調な彼は同意して立ち上がる。
    「軽石は良い男になる。俺が保障してやるよ」
    「どんな一面が出てくるのか面白いそうだよねえ……♪」
    「あ、ありがとう」
    「自分から好きな子見つけていこう、何かあったら協力してやるからさ」
     小鳥とハレルヤは彼と話しながら歩き出す。灼滅者達は和喜人を新たな仲間として迎えてこの場を後にするのであった。

    作者:西灰三 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年3月1日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 11
     あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
     シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
    ページトップへ