タタリガミの学園~武者鎧が軋みをあげる

    作者:波多野志郎

    『…………』
     ガシャン、と武者鎧が鳴る。その胸元には、何故かメモ帳という奇妙な武者鎧だ。その武者鎧が木造校舎の中を歩くのを眺めていたのは、一人の鬼だ。着流しの着物姿に、筋骨隆々――覗く逞しい胸元には刺青があった。鬼、刺青羅刹は巌を削ったような顔を歪め、言い捨てた。
    「――こんな裏方仕事、とっとと終わらせちまいたいんだ、俺は」
    『ウググ、グ……』
     武者鎧が、苦しげに呻きを上げる。しかし、その抵抗も長くは続かない。それを眺めていた刺青羅刹は、忌々しげに舌打ちした。
    「……ふん、どうせならもっと派手に暴れたいものを」

    「九州の学校で発生していた、七不思議の都市伝説シナリオについて重大な情報が入ったんすけどね?」
     湾野・翠織(小学生エクスブレイン・dn0039)は、真剣な表情で語り始める。
     何でも、武蔵坂学園以外の灼滅者組織の灼滅者が、九州のダークネス組織に拉致され闇堕ちさせられて利用されていたというのだ。
    「現在も、闇堕ちさせられた灼滅者達が、九州の学校で都市伝説を生み出し続けいるようっす。これは、放置できないっすよ」
     そこで、彼らが都市伝説を生み出す為に九州の学校へと出向いてきた所を襲撃、救出してあげてほしい――それが、今回の依頼だ。
    「今回、闇堕ちされたれた灼滅者と、護衛の刺青羅刹が相手になるっす」
     以前、武蔵坂学園の生徒に灼滅された、鹿児島県の七不思議を再び生み出そうとしているようだ。その木造校舎で、闇堕ちして武者鎧となった灼滅者と刺青羅刹がいるので、戦って欲しい。
    「闇堕ちした灼滅者は、うまく説得できれば攻撃を鈍らせることができるっす」
     時間は夜、光源は必須。また、ダークネス二人を相手にしなくてはいけないが、そこにはまだ目がある。
    「無理矢理闇堕ちさせられた灼滅者については、自分達が救出に来たって事を信じてもらって撃破できれば、救出できるっす」
     その際に、護衛の刺青羅刹が逃亡したとしても、救う事が出来れば十分に成功と言えるだろう――無理はせず、戦術をしっかりと考えて挑むとよい。
    「何にせよ、灼滅者が利用されているのは放置は出来ないっす。よろしくお願いするっすよ」


    参加者
    勿忘・みをき(誓言の杭・d00125)
    天方・矜人(疾走する魂・d01499)
    姫条・セカイ(黎明の響き・d03014)
    イシュテム・ロード(天星爛漫・d07189)
    渡世・侑緒(ソムニウム・d09184)
    佐倉・結希(は斬艦刀を愛しています・d21733)
    響塚・落葉(祭囃子・d26561)
    透間・明人(無色透明な殺意・d28674)

    ■リプレイ


     夜の木造校舎――そこを二つの人影が、歩いていく。
     一つは、武者鎧だ。その胸元には、何故かメモ帳があるという以外は戦国時代の武将そのものだ。
     もう一つは、着流しの着物姿に筋骨隆々の男だ。その頭の黒曜石の角と、肉体に刻まれた刺青――刺青羅刹だ。
    『……う、ぐぐ……』
     ガシャン、と鎧を鳴らして時折呻く武者鎧に、佐倉・結希(は斬艦刀を愛しています・d21733)は息殺して物陰に潜んでいた。
    (「小さい時、4時44分に階段を登ると一段多くて……が怖くて、絶対数えて登らんかったです」)
     しかし、今数えるべきはその足音だ。段々と近付いてくる――イシュテム・ロード(天星爛漫・d07189)は、仕種で仲間達にそれを伝えた。
    (「もうすぐですよ?」)
    (「――はい」)
     呼吸を整え、姫条・セカイ(黎明の響き・d03014)はうなずきを返す。ガシャン、ガシャンと近付いてくる足音――灼滅者達は、タイミングを合わせて飛び出した。
    「――お!?」
    「よぉ?」
     笑いかけた天方・矜人(疾走する魂・d01499)が武者鎧を跳び越えて、刺青羅刹へと襲い掛かる。その非実体化さした刃で、袈裟懸けに刺青羅刹を切り裂いた。
    「チッ!」
     それに反応して、刺青羅刹は拳を振るおうとする。だが、それよりも半瞬速く、勿忘・みをき(誓言の杭・d00125)とビハインドが動いていた。
    「させるか」
     みをきの射た一矢が刺青羅刹の肩を射抜き体勢を崩したところを、ビハインドの下段からの斬撃が切り上げ――切れない。刺青羅刹の足の裏がビハインドの手首を踏んだのだ。しかし、みをきは既に次の指示を出している。
    「掴め」
     ガッとビハインドが、刺青羅刹の足首を掴む――そこへ、イシュテムが赤色標識にスタイルチェンジした交通標識を手に踏み込んだ。
    「逃がしませんよ!」
     ヒュオン! とイシュテムのレッドストライクが刺青羅刹の胸を切り裂く――強引に刺青羅刹は後方へ跳んだ。その動きに、透間・明人(無色透明な殺意・d28674)は一気に踏み込み、シールドバッシュの拳を刺青羅刹の顔面に叩き込んだ。
    「すいません、殴りやすい顔があったものでつい……もう一発殴ってもいいですか? 心根同様酷い顔にして差し上げますよ?」
    「……吼えるじゃねぇか? ああ?」
     低く笑う刺青羅刹に、響塚・落葉(祭囃子・d26561)は咄嗟に手を横にかかげ後続の動きを止めた。直後、武者鎧による牽制の斬撃が眼前を薙ぎ払う。それに、明人を振り払った刺青羅刹が歯を剥いて笑った。
    「くはは! もうちょい欲張ったら、叩き潰してやろうかと思ったのによ」
    (「どーん! とは、単純にはいかないようじゃの」)
     落葉は、胸中でそう判断する。不意打ちを受けて、立ち直り、なおこちらを誘おうとした――確かな実力と判断力がなければ、できない事だ。
    「闇堕ちした灼滅者さんを助けに来たのです」
    「ふん、お前らも灼滅者か」
     渡世・侑緒(ソムニウム・d09184)の言葉に刺青羅刹がタタン、と爪先で廊下を叩くと、武者鎧は大きく後退する。並んだダークネス達に、矜人は敢えて挑発した。
    「来いよ、暴れたいってツラしてるぜ?」
    「ああ、よく来たぜ? 灼滅者ども――歓迎してやる」
     刺青羅刹が、拳を硬く握り締める。やる気のなかった気の抜けた表情が、見る見る精気に満ちていく――暴力に生きる羅刹の本能に従って、刺青羅刹は動いた。
    「せいぜい、楽しませろやああああああああああああ!!」
     刺青羅刹の着物の帯が、翼のように広がる。ヒュガガガガガガガガガガガガガガガガガ! とイカロスウィングの一閃が灼滅者達へと襲い掛かり。
    『う、が、がががが、がががががががががががががががっ!!』
     首筋を狙う鋭い武者鎧の剣閃が、重ねるように放たれた。


     木造校舎に鳴り響く、二人のダークネスによる攻撃音。それに、結希は解体ナイフを逆手で引き抜き、夜霧を展開させた。
    「気にしないで! 私が絶対倒れさせんから大丈夫!」
    『う、ぐぐ!?』
    「はじめまして、じゃの。我らは武蔵坂学園の灼滅者じゃ! 名は後で聞くとして……七不思議使いよ。意に沿わぬことを強要され、辛い思いをしておったじゃろう……じゃが、もうその必要はない!」
     凛と語りかけ、落葉は刀を振り抜いた体勢の刺青羅刹の懐へ飛び込む。そして、異形化したその拳に全体重を乗せるように突き出した。
    「我らが、お主を助けるからじゃ!」
     ゴォン! と轟音が、廊下に鳴り響く。ギ、ギギギギギギギギッ! と踏ん張った刺青羅刹へ、とことことぬいぐるみのクマのような形をした影が駆け寄った。
    「影業さん、出番です!」
    「んだ!? こりゃあ!?」
     むぎゅ、と擬音が出そうな音を立てて、侑緒の影業さんが刺青羅刹の足にしがみつく。振り払おうとする刺青羅刹の目の前で、武者鎧へ侑緒はしっかりと告げた。
    「絶対に助けるです! 少しだけ我慢して下さいです」
    「私たちのこと、分かるですか? あなたの力はこのためにあるのでは無いはずです、今その闇から引きずり出してみせるですよぅ!」
     イシュテムの振り下ろしたレッドストライクを、庇うように回り込んだ武者鎧は切り上げの刃で受け止める。ギギギギギギギギギギギッ! と火花を散らして鍔迫り合いする武者鎧の姿を眺めて、みをきは唇を噛む
    「無理矢理までして人手集めか。なりふり構わず……許せる所業ではないな」
    「はん? 許せなければ、どうする?」
     悠然と笑う刺青羅刹に、みをきは視線を返した。なんとしてでも闇堕ち灼滅者を救出したい――その想いから、柄にもなく熱くなっている自分を自覚する。完全に堕ちさせはしない、なんとしてでも――。
    「解放する」
    「くははははは!! 吐くねぇ!!」
     気に入った、とでも言いたいように刺青羅刹が呵呵大笑する。その挑発に、みをきは敢えて乗った。真っ直ぐに、刺青羅刹へと跳躍する。
    「俺達の目的はお前の救出、そして羅刹の灼滅だ。待っていてくれ。直ぐに救う。必ず!」
     ゴォ! とみをきのスターゲイザーの蹴りが、刺青羅刹を捉えた。刺青羅刹はみをきを鬼神変の拳で弾こうとしたが、ビハインドの霊障波がそれを許さない! ドォ! と鈍い爆発とともにのけぞった刺青羅刹へと、矜人が駆けた。
    「オレ達は武蔵坂学園の灼滅者だ。この羅刹を灼滅して、アンタを助け出す!」
     目の間へと立ち塞がった武者鎧へ、矜人が剣を振るう。一合、二合、剣と刀が火花を散らし、矜人は更に加速した。
    「戦気、鎧装――!!」
     矜人が、黄金に染まっていく。ギン! と赤い双眸を燃え上がらせ、スカル・クルセイドとなった矜人の斬撃が武者鎧の胴を薙ぎ払った。ギ、ギギギギギギギギン! 火の粉を舞わせ、武者鎧が木製の壁に叩き付けられる――そこに、刺青羅刹が割り込んだ。
    「っと、役に立たたずの面倒を見るのも大変だぜ!!」
     豪快な前蹴りが、矜人を吹き飛ばす。しかし、手応え――この場合、足応えか? あまりにも軽い。矜人自身、逆らわずに後方へと跳んでいたのだ。
    「自分達の力で戦うのならまだしも、他人を無理矢理従属させるなど……許せません!」
     巫女姿のセカイが、刺青羅刹へと襲い掛かる。引き抜かれた小太刀二刀――ヒュオン! と振るわれる鋭くも力強い斬撃を、刺青羅刹は刺青に覆われたその腕で受け止めていく。
    「? よそ見をしていたので殴っていいのかと……いいんですよね?」
     ヒュガ! と帯を射出した明人のレイザースラストが刺青羅刹の肩を切り裂いた。それに、刺青羅刹は歯を剥いて笑った。
    「くはははは! これこれ! こういうのじゃなきゃ楽しくねーわな!! できるならよ、初めっからぶつかるつもりで準備したかったぜ?」
     その声色には、確かな感嘆の色がある。だからこそ、惜しい――全力で準備を整えてやり合いたかった、そう思ったのは刺青羅刹の本心だ。
     それと同時に、即物的に暴れたいという欲求もあるのだが。そちらの方は満たせる――ゴォ! と刺青羅刹の神薙刃が、明人を切り刻んでいった。


     ――赤と黄金が、鎬を削る。
    「ダークネスの言いなりになるな、自分や七不思議使いの仲間達の事を思い出せ!」
     武者鎧との刃同士の打ち合い、その最中に矜人は引き抜いたマテリアルロッドで武者鎧の胴を強打した。
    『が、う!?』
    「心を飲まれては、ならぬ!」
     その間隙に、落葉が跳躍する。武者鎧の太刀が、下段から切り上げられるがその軌道上から加速した落葉の姿が消える――壁を蹴ったのだ。そのまま、重い後ろ回し蹴りが武者鎧を捉えた。
    「くっそ、面倒くせえ!!」
     重圧に膝を揺らした武者鎧へ、刺青羅刹が駆け寄ろうとする。だが、その前に明人だ。ゴォ! と燃える回し蹴りを、刺青羅刹へと叩き込んだ。
    「おーにさんこーちら、てーのなーるほーうへ」
    「そんなに、鬼と遊びてぇか!!」
     くすくす笑いながら適当な手拍子付きで煽る明人に、刺青羅刹が吼える。ゴォ! と体を衝撃が駆け抜けた――そう思った瞬間に、明人の視線がめまぐるしく回転した。視界の隅には、異形の怪腕を豪快に振り抜いた刺青羅刹の姿がある。自分が鬼神変で殴り飛ばされたのだ、薄れていく意識の中でそう明人が自覚した瞬間、凌駕して体勢を強引に立ち直した。
    「らああああああああああああああああ!!」
     そして、刺青羅刹は再行動。凌駕したばかりの明人へレイザースラストを射出する!
    「させないのです!」
     だが、それを侑緒は許さない。庇った侑緒が、すかさずヴァンパイアミストの魔力の霧を木造の廊下へと展開した。
    「大丈夫です??」
    「まだ聞こえてますよね?私達も灼滅者なんです。ラブリンスターからお話聞いて助けに来ました。やけんもっと強く思ってください。1番大事なんはあなたの戻りたい気持ちやと思います! 少し痛いかもやけどもう少しの我慢ですよ!」
     霧の影で結希は、明人をラビリンスアーマーで回復させる。刺青羅刹が、舌打ちをした。連携で確実に落とせたはずの一人が生き延びた、それに対しての苛立ちだ。
    「何から何まで、お前の思う通りになると思うな」
     ビハインドと共に、みをきが刺青羅刹へと迫る。ビハインドの薙ぎ払う斬撃と、みをきの踵落としによるスターゲイザーに刺青羅刹は後退した。
    「私たちのこと、分かるですか? あなたの力はこのためにあるのでは無いはずです。今その闇から引きずり出してみせるですよぅ!」
     ヒュガッ! と死角へと回り込んだイシュテムが、武者鎧の足を切り裂く。それに膝を揺らしたところを、セカイは武者鎧へと鋭いグラインドファイアによる前蹴りを放った。セカイは、切と願うように言い放つ。
    「闇に堕とされても尚正しき心で抗うそのお姿…御立派だと思います。だからこそわたくし達は貴方を、貴方方を救いに参りました。貴方にとって大切な方々の事を思い出して、もう少しだけ頑張って。必ずお救いしますから……わたくし達を信じてください」
     ドォ! と吹き飛ばされながら、武者鎧が踏ん張った。そして、ガクガクガク、と明らかに異常な震えと共に、かすれた声がこぼれる。
    『た、す……け……』
    「届いたんですね!」
     その確かに助けを求める声に、結希は歓声を上げた。助ける事が出来る、確かな光明が見えた瞬間だった。
    「――――」
     それに、矜人とイシュテムの二人と打ち合っていた刺青羅刹が目を細める。イシュテムが、弾けた様に振り返った。
    「駄目ですぅ! その人を――」
     狙って、の言葉は、渦巻く風の刃による轟音に飲み込まれた。しかし、その風の刃は届かない――みをきがその身で庇ったからだ。
    「もう大丈夫だ。……何があっても」
    「なるほど、こいつは俺の完敗ってやつだな」
     振り返らず、守るべき者に告げたみをきに刺青羅刹は肩をすくめる。あばよ、と言い残して走り去ろうとする刺青羅刹を追おうとする灼滅者達――それを止めたのは他でもない、矜人だ。
    「いや、ここまでだ。優先順位は間違えないで行こうぜ?」
    「――いい判断だ」
     刺青羅刹は、そう賞賛を残して暗闇に消えていく。このまま戦っても、間違いなく危険だったのは武者鎧――闇堕ちした灼滅者だ。その判断は、間違いなく正しい。
    「さあ、ヒーロータイムだ!」
     矜人が、振り返る。そして、動かない武者鎧へと非実体化した斬撃を繰り出した。
    「少し痛いが我慢しろよ! 神霊剣、一刀両断ッ!!」
     ザン! と魂を切り裂く斬撃が、振り払われる。膝を揺らした武者鎧へ、落葉が駆け込んだ。
    「荒療治じゃが……仕方あるまい。すまぬ割と痛いが……男の子なら我慢できるじゃろう?」
     踏み込んだ落葉の落葉輪廻の一閃が、バキン、と武者鎧に亀裂を走らせながら振り抜かれた。吹き飛ぶ武者鎧、それに明人はすかさず帯を射出する!
    「お願いします!」
    「もちろんです! 影業さん!」
     続いた侑緒の影業さんが、空中で武者鎧を受け止め床に叩き付けた。反射的に立ち上がろうとした武者鎧へ、真上から氷の氷柱――イシュテムの妖冷弾が突き刺さった。
    「絶対、助けるですよ……!」
    「もちろんだ」
     みをきの尾を引く彗星のごとき一矢とビハインドの霊障波が重なるように炸裂する。ゴォ! と吹き飛ばされた武者鎧に、結希とセカイが同時に駆け込んだ。
    「昔はあんな重いもの着て本当に戦ってたんですよね、凄いなぁと思います」
     Close with Talesを肩に担ぐように結希は跳躍、セカイは二刀を鞘に納めて疾走――すれ違い様に十字に斬り伏せた。
     同時、結希の大上段の斬撃が、武者鎧を断ち切る。その中から崩れ落ちたのは、一人の眼鏡姿の小柄な少女だった。
    「おっと」
     セカイは、倒れそうになる少女に咄嗟に自分の外套をかける。暖かい温もりがそこにある、確かに救えたのだ――灼滅者達が、それを確信した瞬間だった。


    「おお、すまぬ。まさか、女子であったとは……」
    「い、いえ、助かりましたので……お気になさらずに……」
     謝る落葉に、少女も震える膝でそう返す。
    「ほら、これでも食べて落ち着け」
     温かいお茶と饅頭を矜人に差し出され、少女はありがとうございます、と受け取った。人心地ついた少女に、みをきもようやく安堵の息をこぼせる。
    「じゃあ改めて、始めまして。それとおかえりなさいっ」
    「本当、無事でよかったです」
     結希とイシュテムの言葉に、少女は綻んだ笑みを見せた。その笑みに、侑緒も笑顔で名乗った。
    「渡世侑緒です、よろしくです」
    「うずめ様に苦しめられているらしいのう。我らはお主の仲間達を助けたい、手助けをさせてはくれぬか」
     落葉の言葉に、少女はうなずく。そして、少女は名乗った。新たに、武蔵坂学園へと至る灼滅者の名を……。

    作者:波多野志郎 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年2月20日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 8/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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