●
羽音が途切れることなく、重く響いているような音。
耐え切れなくなった男は、近くにあった椅子を蹴飛ばす。そしてアコーディオンを弾いていた少年へと怒鳴った。
「おいっ、いい加減にしやがれ! うるせえんだよ」
「ええー、音楽室でうるさいとかさぁ、情緒ってもんがないんじゃないのおじさん」
「いいからさっさと言われたことをやっちまえ」
刺青のある男に怒鳴られてはいるものの、少年は平然と溜息を吐く。
はいはい、と少年はどこか面倒そうに言いながらタブレットに表示された五線譜をなぞる。
タブレットから響く音楽に合わせるように、音楽室の楽器が勝手に音を奏でだした。
タブレットの音が止んでも、楽器の音は止まない。お手本の音がないせいか、時が経つにつれそれぞれがバラバラになっていく。
「うるせえええええ!!」
「えー、こんな曲も一興じゃん。俺らみたい」
嫌がる刺青羅刹を見て、少年はけらけらと笑った。
●
「九州各地の学校で発生していた、七不思議の都市伝説について、重大な情報を得ることができました」
とある教室で、五十嵐・姫子(高校生エクスブレイン・dn0001)は集まった灼滅者たちに資料を配りつつ説明を始めた。
「私たちとは違う、灼滅者組織。その組織の灼滅者が、九州のダークネス組織に拉致され、闇堕ちさせられたようです。
その闇堕ちさせられた灼滅者たちは、ダークネスに利用され、九州の学校で都市伝説を生み出していることが分かりました」
組織は違えど、同じ灼滅者。彼らのことを考えると他人事とは思えない。
教室に集まった灼滅者たちは、姫子の説明を真摯に聞く。そんな彼らの目を見て、姫子もまた頷いた。
「この状態を放っておくことなど、できません。
そこで、彼らが都市伝説を生み出すために九州の学校へと出向いたところを襲撃して、救出する作戦を行いたいと思います」
手渡された資料には学校の住所、見取り図も添えられている。
とは言っても刺青羅刹たちがいるのは音楽室――夜の校舎に響く楽器の音が導いてくれるだろう。
誰もいない夜の音楽室で音が鳴り続けている。それがこの学校の七不思議。
音楽室は一階にあり、扉は二か所。窓の鍵はかかっていない。
「この学校にはタタリガミ、刺青羅刹が護衛として訪れていますが、どちらも今回の仕事自体が嫌々なうえ、刺青羅刹の方は音楽にかき乱されてかなり不機嫌です。それ故に隙だらけとも言えますが」
むしゃくしゃしているので、戦いに入れば思いっきり攻撃してくるだろう。
「そして闇堕ちさせられた灼滅者……タタリガミは、小学校高学年くらいの少年です。助けに来たことをきちんと話し、ちゃんと伝われば攻撃の手は緩むでしょう」
この学校で都市伝説を生み出すのは本意ではなく、刺青羅刹に響く不快な音色はタタリガミの気持ちが反映されているようだ。
「皆さんが救出に来た灼滅者であること、それを信じてもらったうえで撃破すれば闇堕ちから救出することができると思います。
どうか、彼を助けてあげてください」
姫子はそう言って、深々と頭をさげた。
参加者 | |
---|---|
赤槻・布都乃(悪態憑き・d01959) |
ミカエラ・アプリコット(弾ける柘榴・d03125) |
雨月・葵(霧中の新緑・d03245) |
志賀野・友衛(高校生人狼・d03990) |
天槻・空斗(焔天狼君・d11814) |
安楽・刻(ワースレスファンタジー・d18614) |
ラススヴィ・ビェールィ(皓い暁・d25877) |
神鳴・洋(高校生サウンドソルジャー・d30069) |
●
ガランガランガラン!
「うるせええええ!」
連なった空き缶の音が夜の校内に響き渡る。ついでに怒号。
開かれていた扉から聞こえる音楽と羅刹の声、窓を開ける音、どこから聞こえてくるのか確認している雰囲気だ。
「おいくそガキ、お前なんかしたか? さすがに耳障りなんだが」
羅刹の声に、中から「してねーよ」というタタリガミの返答が。
ガランガランガラン!
止まらない音は不定期なリズムで、風に煽られた音でもなく、頭をひねりつつ羅刹が廊下に出てくる。
「ガキ、ここから動くなよ」
そう言い捨て、羅刹は音の鳴る方へと向かっていく――気配が遠ざかったところで、隠れていた場所から出てくるミカエラ・アプリコット(弾ける柘榴・d03125)。
羅刹の出て来た扉とは別に、廊下、準備室に入って音楽室へと行ける扉があり、そちらに向かった。
「雨月」
ついていく雨月・葵(霧中の新緑・d03245)に声をかけた赤槻・布都乃(悪態憑き・d01959)は携帯電話を振り、指差した。
頷く葵。突入のタイミングを合わせるためにデジタル時計のカウントダウンに頼る。
ガラガラガラッ!
連なる空き缶の音が速くなった。気になる七人ではあったが、タタリガミと化した「七不思議使い」の救出を前に、今は信じていくしかないだろう。
しばらく音の方を見つめていた布都乃は、目を伏せて時計へと視線を戻した。
カウントが終わると同時に、両扉から一斉に入る。
「うわっ!? び、びっくりしたー」
乱入者に驚いたタタリガミは、教室ど真ん中の机で仰向けに寝た体勢から慌てて起き上がった。ピアノの連弾が速くなる。
一番最初に声をかけたのはミカエラだった。
「七不思議使いのキミ、助けに来たよ!」
「少年、助けに来たZ!」
神鳴・洋(高校生サウンドソルジャー・d30069)がギターを鳴らし、アニソン風に訴えた。
「驚かせてしまってすまない。私達は君と同じ、灼滅者だ」
混乱している少年を安心させるように、両手を軽くあげつつ志賀野・友衛(高校生人狼・d03990)が穏やかな声で言う。
まずは『彼』が理解してくれることを友衛は願った。
ミカエラと葵が順序立てて説明する。
「ラブリンスター、知ってる? 彼女から聞いたんだ、キミたちのコト」
「僕達は武蔵坂学園という灼滅者が多く集まっている組織に所属していて、君達七不思議使いが大変なことになっていると聞いて助けに来たんだ」
鳴り続ける楽器の音に、少し気を取られながらも葵は説明をする。
「……灼滅者」
タタリガミが呟くと、荒々しい音がほんの少しだけ落ち着いたように穏やかになる。
エクスブレインが話したタタリガミの様子、それが気にかかってた安楽・刻(ワースレスファンタジー・d18614)は僅かな希望を聴き取るのだが、タタリガミが発する次の言葉は剣呑なもので。
「半端者かあ。俺もよーやく半端者とおさらばできたのにさあ」
タタリガミはタブレットを振り、ラススヴィ・ビェールィ(皓い暁・d25877)へと音波を放った。見えない音圧が庇い手を叩き、響く攻撃音を耳に捉えラススヴィは敢えて問うた。
「音が曇っているぞ、七不思議を悪用されて悔しく無いのか」
殺気が走った。
「……っ悔しいさ! 何故あいつらに使役されなければいけない!? 俺は、あっけなく捕まった半端者が嫌いだし、足枷となるこいつも嫌いだ!」
自身の胴を叩き、激昂するタタリガミと楽器の音が重なる。
いるのだ。灼滅者の『彼』が。
「嫌々やってんならオレらが手を貸すぜ。灼滅者ならまだ諦めてねぇだろ?」
布都乃が口端をあげて言った。
楽器の音が一つ、二つと消えていき、一瞬の静寂のあと再び音色が奏でられていく。それは音楽だった。
刻が話しかける。
「君を、助けに来たよ。気をしっかりと持って、闇に呑まれないで」
「どんな闇を見たかはわからない。だが、同じく闇堕ちさせられたお前の仲間達は、他の者達が救出へと向かっている」
ラススヴィは淡々と現状を説明した。
は、と息を吐くタタリガミ。安堵。怯え。怒り。様々なものを含む呼気は震えていた。
「……大丈夫、不安も隠さなくて、いいから。ただ……僕を、皆を、信じて」
刻の添うような言葉に、刺青羅刹の横入れもない今、タタリガミは自身の頭で考えている。
揺らぐ瞳で七人を見た。
「わかった。おにーさんたちを信じよう。『俺』も『こいつ』も現状は打破したい。だけど、俺は俺でいたいんだよね」
だから、俺が勝ったら、行くから。
そう言ったタタリガミはアコーディオンを背負うと、タブレットを構え攻撃態勢に入った。
少し前。
三角耳をピンと立て、天槻・空斗(焔天狼君・d11814)は白い犬の姿で走っていた。
口にくわえた紐の先には煩く音をたてる空き缶が複数。
『鬼さん、こちら。缶鳴る方へ』と書いた紙をばら撒き、廊下を曲がる。跳躍し、一気に階段を駆け上がろうと――刹那、風の流れが変わる。
凝縮された空気の刃が空斗を斬り刻んだ。
踊り場で滑りながらも態勢を整える空斗は、人の姿に戻っていた。
「目覚めろ。疾く翔ける狼の牙よ。吼えろ、焔天狼牙」
焔天狼牙の柄を握りこむ、空斗。激しい炎の奔流で武器を覆う。
「おー、やっぱり普通の犬っころじゃなかったか」
ガン! と叩きつけられるような音が微かに聞こえる――ここではない。
「あっちも五分はもつだろ」
聞こえていて、敢えてここにいる。羅刹は不気味な笑みを浮かべた。
●
灼滅者のダークネス戦は多人数で挑み、連携し、隙を突いて攻撃を入れていくのが定石だろう。
仲間の動きがあってこそ、敵の動きに隙が生まれ、自身の一撃を叩き込むことができる。
大切なバベルブレイカーを振りかぶるミカエラ。高速回転するそれをタタリガミへと突き刺す。
かつての灼滅者。定石を知るタタリガミは、素直な感想を述べた。一人を振り切っても他が迫ってくるこの状況。
「うっわ、やりづら!! 七人とサーヴァントって卑怯じゃね!?」
「七人ではなく、八人だろう」
畏れを纏う友衛が銀爪の長柄を握りこむ。斬撃を放ち肉迫した瞬間、友衛はこの場の八人目――タタリガミの胸を指先で突いた。
「君がまだそこに居るのなら、もう少し頑張ってくれ。必ず助ける!」
(「そしてもう一人、天槻が無事だと良いのだが」)
「……やば、きゅんときた」
口が良く回り、攻撃の手がおろそかになっているタタリガミであったが、その手は震えている。だが笑みは絶やさない。
「回復は任せるんだZ!」
早い段階で洋が仲間を癒すためにギターを弾き、歌う。回復の手が足りる今、布都乃は攻撃のために動いた。
「やるなぁ」
冷やかしの口笛を吹き、布都乃は乗り上げた机から跳躍し、空中から接敵する。出現したダイダロスベルト射出の勢いに身を任せて、降下の軌道を変えた。巻き上げる帯の先端は赤の残像を残し、消える。
扉という退路を意識しつつ、立ち回る灼滅者たち。
戦闘が開始されてしばらくが経つ。
ひゅ。
開けられた窓から静かに風が吹き込み――次の瞬間、凝縮された風の刃が一番無警戒な動きをしていた洋を斬り刻む。
命中の高い風の刃が更にもう一閃。
「神鳴さん!」
「……は、大丈夫だ、Z……っ!」
葵の呼びかけに、膝をつき血を吐き出す洋が応える。
「回復役から潰すのが定石ってなぁ。しっかり見学させてもらったぜぇ」
上機嫌に窓から入ってくる羅刹。
タタリガミは微かに後退し、楽器が零れるような、バラバラな音を響かせ始める。
空気を切り、幾つもの符が飛ばされた。幾つかは羅刹の生み出す風に切り捨てられつつも導眠符はかいくぐり敵に到達する。
「俺が相手になろう」
羅刹に対峙するよう動くラススヴィは、洋とタタリガミ、羅刹の間に割り込んだ。
射出したダイダロスベルトで洋を覆い、回復の援護をする刻が紫の瞳をビハインドへと向ければ、棘だらけの黒いドレスを翻し黒鉄の処女が羅刹へと霊撃を放った。そのまま接敵する。
「くそガキ! さっさと倒されちまえ!」
両腕を鬼のそれへと変化させた羅刹が言葉を吐き捨てる。護衛であるはずの敵が何故そんなことを言うのか。
真意は直ぐに明らかとなる。
「持って帰って、また堕とさせてやっからよお」
「……っ」
この扱いに、タタリガミが歯を喰いしばった。いや、灼滅者としての彼が、だろうか。這い出ようとしたところを一気に闇へと押しやられている。
怪しく一変する空気に、大きな声で布都乃とミカエラが言った。
「ンなオッサンより青春選べよ少年!」
「キミだって、仲間助けたいでしょ? 戦おうよ! 灼滅者のキミを待ってる仲間も、心配してると思う!」
タブレットの画面が五線譜を映し出す。
「バラバラな音も嫌いじゃないけど、綺麗な音楽も、聞かせてほしいな」
その表情は一律であったが、刻もまた柔らかな声色で語りかける。
無言のタタリガミから葵に向かって音波が放たれた――それは弱弱しく、葵はいとも簡単に回避し影の花を開かせる。
「大丈夫、必ず助けるよ」
朝顔の蔦のように。葵の影がタタリガミを絡めとった。
斬艦刀を手にしたラススヴィは羅刹の牽制を削ぐなか、タタリガミへと叫んだ。
「取り戻せ、お前の物語なんだろう!?」
「俺……『俺』、は」
光っていたタブレットの画面が消え、タタリガミの手元が真っ暗になる。
どっちだ――あと一撃――。
息を呑むその一瞬、ぐっとミカエラが拳を握った。
「いったんKOするけど、ゴメンね!」
バベルブレイカーでタタリガミを殴りつけるのだった。
●
「息は!?」
「……ある!」
短いやり取りを断ち切るように轟音。鬼の腕がラススヴィの頭を掴み、壁に叩きつけた音だった。
「っ」
荒く息を吐き、半ば無理矢理衝撃を逃したラススヴィが斬艦刀を払い、鬼の腕から逃れる。そして七不思議使い少年のもとに全速で駆けた。
想定外の動きに羅刹はついてこない。だが灼滅者は動きの意味を悟った。
「援護するよ、その子を頼んだ!」
「ああ!」
葵が魔法弾を撃ち、敵の動きに制約を加える。目くらましとばかりに連弾。
同時に羅刹の後頭部めがけて、空を切り鋭い蹴りを放つ友衛。炎纏う足首をすかさず掴んだ羅刹は、友衛を投げたあと言葉を吐き捨てた。
「炎は飽きた」
それは空斗のことも示しているのだろう。
「いい加減に、しろっ」
机を薙ぎ倒し着地する友衛はバネのように再度跳躍した。
負傷具合は個人差が大きく一人は重傷間近、一人は欠け……微妙な線だ。葵は前衛に出ることにした。二秒の判断。
ただ一つ懸念があった。
それを静かに問うのは刻だった。ガンナイフを握りこみ、羅刹の懐へと入ると一閃する。
「天槻くんはどこにいるんですか」
攻撃の勢いで反転し蹴りを放った。的確に当てにくる格闘術を捌きつつ羅刹が答える。
「そこだよ。窓んとこで昏倒してるぜ。わざわざ連れてきてやったんだ。感謝しろ」
どれほどの攻撃を受けたのか、それは分からないが空斗が目覚めることを仮定して少なくとも見積もり六分はかかるかもしれない。
腕を鞭のようにしならせ一撃を入れた刻が羅刹の間合いから抜け出る。
視界がひらけば、彼に乗じて動くミカエラが対角に迫ってくるのが見えた。その手には無敵斬艦刀がある。
「赤槻くん」
「聞いてた!」
刻の呼ぶ声に、回復に専念しはじめた布都乃が答える。撤退するにしろ、このまま押し切るにしろ、位置を頭に入れておく必要がある。
巨大なオーラの法陣を展開させ、仲間を回復する洋。
畏れを纏い間合いに入ったミカエラは思いっきり下段から斬りあげた。勢いに羅刹の足は地から一瞬離れる。
「おお、ちっちぇー体でデカイ武器をよく振り回せるもんだなぁ」
鬼の手が斬艦刀を掴み取った。
七不思議使いの少年を抱え二つ隣の教室に入るラススヴィ。少年の呼気が乱れる。
「気付いたか」
「……あ、俺……」
少年の目からぼろりと涙が零れ落ち、ラススヴィの服を濡らした。彼は少年を地面におろしながら尋ねる。
「なぁ、名前を教えてくれ」
だが地面に崩れ落ちる少年は意識を手放しかけている。
「ヤ、ガミ……わり、ちょい、寝る……」
戦線に再び七人が揃ったその数分後、空斗が窓から飛び込んできて炎をのせた斬撃を羅刹に叩き込む。新たな炎が羅刹の身を焼く。
八人。
「天槻、無理だけはすんじゃねぇぞ。マジで」
「ああ……!」
前衛の布都乃が声をかけ、空斗が応える。
今はミカエラが回復に専念していた。
前衛後衛、交代の作戦が功を奏する。ギリギリに戦線を維持し、羅刹の回復行動が二度。だがそれにも構わず灼滅者は行動を阻害する攻撃を重ねていった。
最初にビハインドが消え、次に洋が倒れる。
攻手を出来る限り守るなか、友衛と刻の入れかわり――徐々に時間の感覚が麻痺してくる灼滅者たち。
きっかけは、狂いを見せた風の刃が羅刹自身を切り裂いた時だ。
「あー……追っつかねえな。ん。おい、ガキはどこにいったんだ?」
戦いに夢中で忘れたのか、羅刹の疑問に答えるものはいない。落ちる沈黙――やはり羅刹の決断は早い。ばっと身を翻そうとして。
「逃がすか!」
布都乃がバベルブレイカーを盾に見立てて羅刹へと突撃した。敵が打撃に怯んだところを組付く。
「逃がせよ! 俺もお前等ももう限界だろうが!」
灼滅者たちが封鎖の位置取りを意識しはじめていたその矢先の出来事であった。
起き上がろうとする敵を友衛が銀爪で穿ち、葵が対角から殴りつけて網状の霊力を放射する――この二撃が羅刹の生命を刈り取っていく。
「っち、くそガキども……が……ッ」
羅刹は重々しい音とともに倒れたのだった。
空斗と洋に手を貸して二つ隣の教室に移動してみれば、七不思議使いの少年は呑気な顔で寝ていた。
「おー、少年、よかったんだZ」
にっと笑った洋が顔を覗き込む。
「一時的に、学園で保護の方向ですかね」
「そうなるだろうね」
刻と葵が安堵まじりに話し、ミカエラと布都乃がばたりと倒れこむ。気が抜けた。
「布都乃、重い~」
「ああ、わりぃ……」
「そういえば、名は聞けたのか?」
友衛の問いかけに、ラススヴィが頷く。
ヤガミ。
目覚めた少年は、式津野・八神(しきつの・やがみ)と名乗るのだが、それは帰り道での話。
今は、呑気な顔でただひたすらに眠る少年なのだった。
作者:ねこあじ |
重傷:天槻・空斗(焔天狼君・d11814) 神鳴・洋(アニソンラバー・d30069) 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年2月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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