タタリガミの学園~旧校舎の少女

    作者:雪月花

    「さぁ、よろしくお願いしますよ」
    「……」
     いかにもそのスジに見える男に引き連れられて、艶やかな黒髪の少女が訪れたのは、とある九州の中学校で封鎖されていた旧校舎だった。
     タブレット式端末を抱えた、黒いオードソックスなセーラー服の少女は恨めしげに男を睨んだが、やがて諦めたように設備が運び出されてあまり形跡のない保健室らしき部屋に入っていく。
     彼女が何やら行っている傍ら、男は壁に凭れて暇そうにしている。
    「あーあ、護衛つったってドンパチがある訳でもねぇし、つまんねー仕事だよなァ。こんな裏方仕事じゃなく、もっと派手なことがやりてぇぜ」
     と頭を掻く男の額には、三つの黒光りする角。
     そして着崩したスーツの際から、刺青のようなものが見えていた。
     
    「皆、よく来てくれたな」
     集まった灼滅者達の顔を確かめ、土津・剛(大学生エクスブレイン・dn0094)は早速依頼について話し始めた。
    「九州の学校で発生していた、七不思議関係の事件について重大な情報が得られたんだ」
     彼が言うには、武蔵学園以外の灼滅者組織の存在が判明したとのこと。
    「しかし、彼らの一部は九州のダークネス組織に拉致され、闇堕ちさせられて利用されている状況にある。今もそれは続き、闇堕ちした灼滅者達は九州で都市伝説を生み出し続けているようだ」
     なんとも気の毒であるし、判明した以上放置することも出来ない、と。
    「そこで、彼らが都市伝説を生み出す為に現場に姿を現したところを襲撃し、救出する作戦を執り行うことになった。従って、お前達にはこの中学校へ行って欲しい」
     剛が示したのは、九州北部に位置するとある中学校だった。
    「この旧校舎の保健室と思われる場所……見取り図では1階のここだな。この場所に彼らはやって来るから、そこで戦うことになるだろう」
     用意した見取り図に赤い丸を付け、剛はそう言った。
    「まず、護衛として同行している刺青の入った羅刹。こいつは神薙使いのサイキックに、日本刀のような力を持つ長ドスを使用してくる」
     四角い顔の羅刹で、力は強くても頭は良い方ではなく、暴れ足りない状態のようだ。
     上手く挑発出来れば、頭に血が上って冷静な判断が出来ず、こちらに有利な状況が作れるかも知れない。
     尚、長ドスも羅刹の力の顕れなので、彼から引き離したり等は出来ないようだ。
    「そして『タタリガミ』というダークネスになってしまった灼滅者。こちらは、一見ただの旧式制服を着た少女に見える。だが、この少女は学校界隈では『彼女を見たら3日以内に不幸なことが起きる』と言われている類の存在なんだ。解体ナイフと契約の指輪と同じようなサイキックを使えるようだが」
     彼女はダークネス組織に強制的に使われている状況で、上手く説得出来れば攻撃を鈍らせることが出来るかも知れない、と剛は言う。
    「彼女については……自分達が救出に来た灼滅者であることを訴え、信じて貰った状態で撃破出来れば救出も叶うだろう」
     少女の本当の名は、奏(かなで)。
     出来れば助けてやって欲しい、剛は小さくそう添えた。
    「羅刹にも隙があるし、皆なら上手くやってくれると信じている。だが、片方に事情はあってもダークネス2体を相手にする訳だから、くれぐれも気を付けて欲しい」
     剛はそう締め括って、灼滅者達にことの行方を託したのだった。


    参加者
    東雲・夜好(ホワイトエンジェル・d00152)
    花守・ましろ(ましゅまろぱんだ・d01240)
    歌枕・めろ(黄金の林檎・d03254)
    ゼアラム・ヴィレンツィーナ(埼玉漢のヒーロー・d06559)
    蛇原・銀嶺(ブロークンエコー・d14175)
    片倉・純也(ソウク・d16862)
    三和・悠仁(夢縊り・d17133)
    清浄・利恵(華開くブローディア・d23692)

    ■リプレイ

    ●その娘、旧校舎の少女
     日が傾き、それでも逢魔ヶ時にはまだ遠く。
     本校舎のチャイムが何処かぼんやりと響く音を背に、彼らは古い木造の建物へと忍び込んでいく。
     立ち入りを禁ずる錆び掛けの看板の向こう、うら寂しい旧校舎で、戦いは始まろうとしていた。
    「保健室はこの先ね」
     なんとなく薄暗い廊下を進みながら、東雲・夜好(ホワイトエンジェル・d00152)が仲間達に告げる。
     その足元を静かに、黒いメインクーンが歩いていた。
     猫変身した蛇原・銀嶺(ブロークンエコー・d14175)だ。
    「……意識残したままダークネスに使われる。控えめに言って、最悪な状況だな……」
     何処か暗い空気を漂わせ、三和・悠仁(夢縊り・d17133)が呟いた。
    「無理やり堕とすなんて……許せない」
     夜好もいつもは元気な明るさを映す目に、険しい色を浮かべている。
     それに深く頷く花守・ましろ(ましゅまろぱんだ・d01240)。
    「奴らの手から逃げ遂せた者も、いるのだろうな」
     まっすぐ廊下を見詰めながら、片倉・純也(ソウク・d16862)も逡巡の一部を口にした。
     敵組織がどのように七不思議使い達を捕えたかはわからないが、謂わば『生き残り』も何処かにいる筈だろうと。
     だったら帰還するべきだ、帰還するものだ、と。
     かつて吸血鬼組織が行った拉致から逃れた経験により、逃げ延びた者の痛みを思い、彼は思考を巡らせていた。
    「ま、皆で笑顔で帰る為にも、奏を救出するさー!」
     重くなりがちな空気を和らげるように、ゼアラム・ヴィレンツィーナ(埼玉漢のヒーロー・d06559)が笑みを浮かべる。
    (「ボクら病院も、皆に助けられたからね……」)
     今度は自分達が助ける番だと、清浄・利恵(華開くブローディア・d23692)は落ち着いた振る舞いの陰で思った。
     木版の床は、リノリウムのようには響かない。
     余計な軋みを出さぬよう、慎重に扉へと進んだ。

    「おおっと、なんだなんだお前ら?」
     保健室の正面から突入した一行は、入り口の側に陣取っていた羅刹とすぐに直面する。
     四角い顔、と言われていたがその通り、いかにも節分の豆のオマケで付いてくる鬼の面のような顔の羅刹だった。
     その背後、少し離れたところにいた『旧校舎の少女』はこちらを振り向くも、
    「お嬢はそのまま仕事をしてくだせぇ!」
     と言われ、端末を抱え直す。
     男が立ち塞がってしまった為、中衛と後衛陣は部屋に入り切れず廊下に展開する。
    「退屈ならめろと遊んで? でも、こーんな地味な仕事を任せられるくらいだから実力もたかがしれてるかな」
     押さえに回るべく、歌枕・めろ(黄金の林檎・d03254)が男に声を掛けると、羅刹は声を上げ笑った。
    「なら試してみるかい、嬢ちゃん?」
     何処からともなく長ドスを取り出し、羅刹の片腕が瞬く間に膨れ上がる。
    「むぅ……望むところよ」
     挑発は思うようにいかなかったようだが、めろも日傘の柄を引き抜き、仕込まれた刃を晒した。
     彼女と銀嶺、悠仁のレイザースラストが羅刹へと軌跡を描く。
     羅刹は巨腕を薙ぎ、ある程度ダメージを受けながらもニイと笑った。
    「はっ、なかなか面白れぇことしてくれるじゃねぇか! やっぱこうでなきゃなァ」
     愉快げな声を上げる羅刹を前に、純也は縛霊手を振るって対抗する。
     目元や腕がデモノイドと化した利恵は、黄色い標識を掲げて前衛陣に耐性を与えていった。
    「お待ちかねのハデな仕事だ。それとも『裏方』らしくせこせこと逃げ出すかい?」
     彼女の挑発に、羅刹は目を剥いて笑う。
    「逃げるだと? こんな状況で逃げる馬鹿が何処にいるよ!」
    「こいつはまた、典型的な羅刹さね」
     抗雷撃で更に耐性をつけながら、ゼアラムはついでに引き戸を軽く払って、廊下側の面々の視界を広げた。
    「えーいっ!」
    「おっと」
     ましろの尖烈のドグマスパイクの切っ先は、すんでのところでかわされた。
    「もう、一発殴りたかったのに」
    「その分は私が殴っとくわ!」
     夜好がギルティクロスを羅刹に放つ傍ら、まだ名のないナノナノは回復に専念すべくメディックのましろの許へ飛んだ。
     頼りになる男性陣と対照的に。
     戦装束でもホワイトロリータをびしっと着こなす夜好に、同じくロリータ服の利恵、そして日傘を手にしたフリフリドレスなめろと、ふんわりした可愛らしい少女達が居並ぶ。
    「戦いには可愛い感じかも知れないけど……奏ちゃんには威圧感与えなくていいかな?」
     というましろも、もこもこファーの襟が暖かい、白いダッフルコートが戦いの装束だったりする。
     利恵とめろが重点的に羅刹を押さえている間に、と灼滅者達は『旧校舎の少女』に目を向けた。

    ●絆を解き、結び直す為に
    「奏ちゃん、待っててね。必ず助けるから」
     ジャマ―の力を駆使して羅刹を押さえに掛かりながら、めろは説得を見守る。
    「奏ちゃん!」
     羅刹の後方にいる少女に、ましろが呼び掛けた。
    「私達がわかる? 貴女と同じ存在が……灼滅者はいるのよ!」
     夜好も、自分達の存在を主張して見せる。
    「スレイ、ヤー……」
     少女の色を失った唇が零した微かな呟きを、彼らは逃さない。
    「七不思議使いの奏に伝える、身体を取戻す機会に乗って貰いたい。表面化したタタリガミは俺達で撃破する。戻る意志を強く持つと良い、手荒だが帰れる手法だ」
     戻る、帰れる――純也のその言葉に、少女はぴくりと反応したように見えた。
    「私達は貴女と同じ灼滅者です。貴女の助けとなるために、来ました」
     悠仁は禍々しい雰囲気の装備に身を包みながらも、少女の中にいる『奏』に届くよう言葉を投げ掛ける。
    「いきなりで戸惑いもあるかと思いますが……信じて欲しい。必ず、タタリガミではなく奏さんに、戻すから」
    「……あなたたち、は?」
     皆底から浮き上がる泡のように、たどたどしい言葉が紡がれる。
    「自分達は武蔵坂学園……灼滅者の集まる学園の所属の者だ。同じ灼滅者である、お前を助けにきた」
    「わたし、を?」
    「そうさね奏、お前を救出にきたがかよ!」
     銀嶺が所属を明かした後、ゼアラムが強く肯定する。
     そして、皆口々に他のタタリガミとなった七不思議使いの許へと仲間達が救出に向かったことを奏に伝えた。
    「……みんな、そう……みんな、襲われて……バラバラになって」
     少女はうわ言を零す毎に、少しずつ戦意を失っていく。
    「七不思議って怖いけど、誰かを傷付けるだけのものじゃない筈だよ。奏ちゃんの力は、きっと誰かを幸せに出来ると思うから……一緒においでよ、お友達になろう?」
     ましろは笑みを浮かべ、もっともっと奏や七不思議使いのことが知りたいと両手を広げて見せた。
     覚束ないサイキックをかわし、ゼアラムは言い募る。
    「お前の魂はまだ抗ってる! その証拠にさっきから攻撃がブれてるさよ! 闇に負けるなさよ、灼滅者だろう!? さね」
    「私達は貴女の絶対力になれる……奏ちゃんも力を貸して! 内なるダークネス何かに好きにさせちゃだめ、さぁッ!」
     受け止める用意を示すように、夜好は自らの胸を叩いた。
    「これ以上、羅刹のいいようにはさせない。自分達を信じてほしい」
     それを後押しするように、言葉を重ねる銀嶺。
    「ほんとうに……?」
     表情が浮かんだ少女に向け、ゼアラムは大きく頷いた。
    「心配はない、必ず奏を助け出してやるさね、さあ、安心して俺達に身を委ねるさよ!」
     コクリ。
     小さくはあったが、はっきりと少女は頷いて、武器と端末を持った手を下げる。
     今のうちに早く、そう目が語っているようだった。
    「――よく耐えた」
     純也の足許から、影が躍る。
     灼滅者達は可能な限り、羅刹から攻撃の照準を少女に移した。
    「おい、やめろ!」
     羅刹の制止も虚しく、崩れ落ちる少女。
     けれど、その姿は消えず、タタリガミとしての特徴だけが掻き消えていく。
    「あれが本当の奏ちゃんなんだね……」
    「うん、早く助け出さなきゃ」
     ほんのり安堵して、ましろとめろは頷き合った。
     羅刹のせいで今は迂闊に近付けないが、ひとまず奏を元に戻すことは出来たのだった。

    ●その男、羅刹
    「やりやがったな、お前らァ」
     ニィと歯を見せる羅刹は、タタリガミを失ったというのに何故か楽しそうだ。
    「ああ、まだいたのか。逃げねぇのか?」
     渇望を叫ぶような禍々しい影業を漂わせながら、じっとりした目を向ける悠仁に、男はククッと笑う。
    「逃げる? 馬鹿言うなよ、これからだろ?」
     羅刹は不利益を被ったことより、元来の粗暴さを存分に発揮出来る状況に高揚しているようだった。
     長ドスを振るい、灼滅者達を切り刻もうと飛び掛かってくる。
     ましろは回復に専念しながら、羅刹を睨んだ。
    「うずめ様が七不思議使いを使って、何を企んでいるのか知りたいけど、あなたみたいな頭の悪い三下じゃ、どうせ何も知らないよね?」
    「嬢ちゃんよぉ、確かに俺はオツムはからっきしだ。だが、それじゃあ俺は煽れねぇよ!」
     羅刹は高笑いしながら灼滅者達と渡り合う。
     制約の弾丸に切り替えた夜好の一撃が、なんとか羅刹を縫い止めた。
    「いいねェ、そうでないと殺り甲斐がねぇ!」
     バッドステータスは清めの風に癒されてしまうが、その行動分味方への被弾を防ぐことは出来る。
     それでも、男の勢いを殺ぐことは容易ではなかった。
     羅刹の鋭い一閃が、悠仁の身を深々と切り裂く。
    「チッ……ここまでか……」
    「悠仁さん!」
     めろがまっすぐに重い一撃を振り下ろしている間に、膝を突いた悠仁をましろと夜好が後退させる。
    「前衛もなかなか、厳しくなってきたさけんど」
     まだまだ、とゼアラムは埼玉のご当地ダイナミックを決めに掛かる。
     上手くパワーボムの形を取らせてはくれないが、羅刹にブレイクを叩き込むことは出来た。
     しかし彼の言う通り、悠仁は倒れディフェンダーの殺傷ダメージも嵩んできている。
     羅刹の方も無傷ではないが、まだまだ余裕がありそうだ。
     もう少し精神的に追い詰めていれば、もっと隙も見えたかも知れないが……。
     暴れられるのが心底楽しいのか、羅刹は巨大な腕を振り被って、思い切り叩きつけた。
     ゼアラムの前に立ちはだかった利恵が歯を食い縛って耐え、挑発的に笑う。
    「くっ……まさかそれで全力かい? ここに回されたのも的確な判断だ、素晴らしい上司をお持ちだね」
    「あぁ、そうらしいな。つまんねぇ仕事だと思ってたけどよ、回してくれた兄さんらにゃあ感謝しなきゃいけねぇな」
     羅刹は喉を鳴らしながら、嬉しそうに長ドスを構えた。
    「……で、死ぬ覚悟は決まったかァ!?」
    (「これは拙いか……!」)
     いくらディフェンダーでも、今の利恵の体力で強力な攻撃を喰らえば危うい。
     スナイパーからディフェンダーへ移った銀嶺の判断で間一髪、その一撃は彼が受け止めるところとなった。
    「純也さんも利恵さんもキツそう……そろそろ潮時のようね」
     悠仁に肩を貸しながら、夜好も状況を確認する。
    「了解さぁ、奏は俺に任せるさね!」
     即座に倒れている奏に向かって走り出すゼアラム。
    「させるかよォ!」
     巨大な腕が阻もうとするが、更にそれを阻止せんと純也が滑り込んだ。
     左腕の縛霊手が唸り、展開した結界が羅刹の攻撃を打ち消す。
    「……一矢報いる、とまではいかないか」
     だが、少女を救い出すには充分だ。
     夜好がダメ押しにペトロカースを放っている間に、奏を抱え取って返したゼアラムを先頭にして、皆外を目指して駆け出した。

    ●奏でられる未来
     走れるだけ走って、彼らは中学校から結構離れた住宅街の一角に逃れた。
     羅刹は深追いしては来なかった。
     頭が足りなくても、組織立った灼滅者の襲撃とあれば上への報告を優先したのだろう。
    「流石にダークネス、といったところですか」
     戦闘不能から回復した悠仁が肩を竦める。
     しかし、助けられるものは助けられた、と仲間達が囲む少女を見遣る。
     奏は逃走中に、ゼアラムの背で意識を取り戻していた。
    「私、元に戻れた……助かったんですね……」
    「奏が無事で良かったさね、はっはっは」
     気が抜けてしまったらしい彼女を支え、ゼアラムは明るく笑った。
    「怖かったよね、もう大丈夫だよ」
    「はい……」
     優しく微笑み掛けるめろの手を握って、奏は自分の無事を心底噛み締めているようだ。
    「他の捕まったみんなも、大丈夫でしょうか……」
    「……よく今まで耐えた、後は俺達が助けてやるさ」
     助けられるなら、助けられるだけ、な。
     笑うように唇を歪めて、悠仁は彼なりに奏を励ます。
    「そうそう、それにあんなごくあくひどーな奴ら、今頃私達の仲間がやっつけちゃってるよ」
     ましろもにこっと笑い掛けると、奏は小さく笑みを浮かべた。
    「しかし、ここにいてはいつ奴らの関係者に遭遇するかわからないな」
     自分達が走って来た方を見遣り、純也は警戒を解かずにいる。
     土地勘にしても何にしても、九州を縄張りにしている彼らは侮れない。
    「詳しい話は戻ってから聞こう」
     と銀嶺も頷く。
    「良ければ、武蔵坂学園寄ってみないさね?」
     ゼアラムの言葉に、奏は一同を見回す。
    「お言葉に甘えさせて下さい。他の仲間が今どんな状態になっているかも、わからないですから……」
     灼滅者達が助けに行った分はともかく、散り散りになった仲間達を思って彼女は目に涙を浮かべた。
     大丈夫だと言うように、利恵は奏の背を擦る。
     こんな時の辛さと、学園が助けてくれた時感じた光は、よく知っているから。
    「そうと決まれば、電車の時間確かめなきゃね」
     と夜好は携帯を取り出した。
     銀嶺はいつの間にか再び猫の姿になって、奏を和ませている。
    「あの……」
     銀嶺をもふもふしていた奏は、泣きそうな顔をくしゃっと歪めて笑み、灼滅者達に頭を下げた。
    「本当に、ありがとうございます……!」

    作者:雪月花 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年2月20日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 2/感動した 1/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 5
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