The Backlash

    作者:貴宮凜

     ジム内は騒然としていた。
     不意に現れたウルフカットの男が、受付の制止を押し切ってジム内に乱入し。マシントレーニングルームで汗を流していた、自称プロレスラーの、スキンヘッドの男へと食ってかかったのだ。
     男を止めようとしたインストラクター達は、ある者は失神し、またある者は崩れ落ちてうめき声を上げている有様。
     ベンチプレスマシンを挟んで、二人がにらみ合う。
     どちらも2m級の巨漢だ。ただにらみ合うだけでも、迫力は相当なものがある。
     場に気圧されたのか、部屋の隅から、ひぃ、と微かな悲鳴がし。
     ウルフカットの男が、スキンヘッドの男の胸倉をつかんだ。
    「来るのか、来ねえのか。イエスかノーか、さっさと答えろよオラァ!」
     たっぷりと汗を吸ったタンクトップを引きちぎらんばかりに引いて、凄む。
     だがスキンヘッドの男は、不敵な笑みを浮かべ。
    「ノー、だ!」
     短い答え一つを返した後に、ウルフカットの男の頬へと唾を吐きかけた。そこから更に、胸元を絞り上げる手が微かに緩んだ隙を突いて組み付き。そのままひっくり返すように抱え上げて、相手を、背中から床へと叩き付けた。
     更に、投げ飛ばした相手の背を勢いよく踏みつける。一度では終わらない。二度、三度と踵が抉る。
     だが、四度目の踏みつけは、床をしたたかに踏むだけだった。ウルフカットの男が身を転がして起き上がり、素早いタックルで脚を刈ったのだ。
     ウルフカットの男が吠える。
    「じゃあ、……死ねよぉ!」
     始まったのは、バックヤードプロレスですらない殺し合いだ。マシントレーニングルーム内のあらゆるものを凶器として用いて、巨漢二人が死闘を繰り広げる。
     その果てに、生きてジムを後にしたのは、ウルフカットの男だった。
     
    「お前達、獄魔大将シン・ライリーは憶えているな?」
     灼滅者達を前に、神崎・ヤマト(中学生エクスブレイン・dn0002)が問う。手元には、自作と思しきクロスワードパズルが記されたノートと、Bの最初のあたりで開いたままの英和辞典。今日は日本語ではなく、英語で作ってみたい気分らしい。
     灼滅者達の答えもそこそこに、ヤマトは語る。獄魔大将シン・ライリーの動きが、双葉・幸喜(正義の相撲系魔法少女・d18781)の報告で判明したこと。シン・ライリー配下のアンブレイカブルと、ケツァールマスク配下のアンブレイカブルが抗争を始めたこと。
     これがただのダークネス同士の抗争ならば、出来れば放置したいところ。だが、ヤマトは、抗争に一般人が巻き込まれて被害を被るところを予知してしまった。
    「現場、時刻、対象、全て俺の全能計算域が把握している。急行して、アンブレイカブル同士の抗争を未然に防いでくれ。勿論、アンブレイカブルを灼滅出来るなら、それに越したことはない」
     抗争の発生さえ未然に防げば、被害は出ない。つまりは、そういうことか。
    「現場はとある私鉄の駅に隣接した、大型スポーツジムだ。抗争の発生時刻は宵の口、おおよそ20時頃。ケツァールマスク配下のアンブレイカブル、ゴライアス・後藤がマシントレーニングルームで汗を流しているところを、シン・ライリー配下のアンブレイカブル、デイビスが襲撃する」
     ゴライアス・後藤がジムを訪れるのは18時頃。そこから、襲撃が起きるまでのおおよそ2時間で手を打てと言うことか。
    「ゴライアス・後藤をひと思いに灼滅するなり、徹底的に叩いて負けを認めさせるなり、どうするかは任せる。繰り返しになるが、お前達の手で、抗争を未然に防いでくれ」
     ゴライアス・後藤はスキンヘッドの巨漢で、比類無きタフネスを武器に、多少の絡め手や傷は気合でかき消し、間合いを問わない打撃と、投げ技とを駆使する。
    「ちょっとでも隙を見せたら、後衛でもお構い無しに投げに来るぞ。デカくて、飛べて、巧い。決して気は抜くな」
     また、良くも悪くも実力主義型のプロレスラーで、常に誰からの挑戦も受け、実力のある者が勝てば良いと考えているようだ。
    「あの手の気質の相手には、襲われて殺されるから退けと率直に言っても通じん。もし、言葉を交わすつもりがあるなら、それらしくやることだ」
     ヤマトが英和辞典のページを軽く叩く。説明は一段落したという合図だろう。
    「獄魔大将シン・ライリーが、このまま引き下がるとは思えん。これは、もしかしたら新たな作戦の前哨戦かもしれんな。くれぐれも、無茶はするなよ」
     ヤマトは灼滅者達を送り出すと、クロスワードの製作作業を再開した。


    参加者
    凌神・明(英雄の理を奪う者・d00247)
    華宮・紅緋(クリムゾンハートビート・d01389)
    閃光院・クリスティーナ(閃光淑女メイデンフラッシュ・d07122)
    阿久沢・木菟(灰色八門・d12081)
    霞代・弥由姫(忌下憬月・d13152)
    霧ヶ峰・海璃(絶切刃・d15615)
    幸宮・新(ほら貝・d17469)
    山田・透流(自称雷神の生まれ変わり・d17836)

    ■リプレイ

    ●追われる者と誘う者
     ジム内は閑散としていた。
     学生も、仕事帰りのサラリーマンも、ジムに勤めるスタッフすらいない。ただ、たった一人の男が訪れるのを待つ姿だけがある。その数、八つ。
     ジム内の、やや奥まった部屋にあるリングの脇。そこに、灼滅者達は集っていた。
    「いやぁ、骨が折れた。プラチナチケットだけで事足りるなんて、端から考えてなかったけどさ」
     おっとりとした語り口で、幸宮・新(ほら貝・d17469)が零す。彼こそが、このジムをがらんどうにした張本人である。
    「なだめて駄目なら脅してみろ。それで大抵片は付く」
     そう返したのは、凌神・明(英雄の理を奪う者・d00247)。プラチナチケットを用いた新でも交渉に手間取った相手を、無言で威圧し、数時間の間、ジムに寄りつかないよう手を打った灼滅者。
    「これで、あんなことは起こらないんだよね?」
     二人のやり取りにくちばしを挟むのは、霧ヶ峰・海璃(絶切刃・d15615)。二人の行動を阻害しないように心がけつつ、ジムを戦場へと作り替える手伝いをした少女が、確認を取る。無言で頷く二人を見れば、得心が行った風に、海璃もまた頷き。
    「やっぱさ、一般人を巻き込むのはさ、レスラーとして――」
    「――それ以前に、アンブレイカブルだよ」
     思うところを口に出した海璃を、ぴしゃりと新が遮った。これからここを訪れる相手を、人の理だけで計るな、と。短い一言で、暗に窘めた。そっか、と海璃は言葉を切り上げて、視線を時計へ。現時刻とエクスブレインの予知とを照らし合わせ、これから取るべき行動を改めて確かめた。
     このジムに集った八人の目的は、ただひとつ。
     ここで発生するアンブレイカブル同士の抗争を、未然に防ぐこと。
     戦闘に巻き込まれる可能性のある一般人は退避させた。勝利条件の設定は済んでいる。勝利の鍵は、強者との死闘を求めるアンブレイカブル特有の精神性と、ケツァールマスク一派のアンブレイカブルはプロレスラーを気取っている、という、二種類の縛り。
    「要は、互いに同意出来るルールを示し、その枠内で勝つ。それだけです」
     スレイヤーカードを手に、霞代・弥由姫(忌下憬月・d13152)が言い切った。悪巧みに長けた他のダークネスならばともかく、相手はアンブレイカブル。余計なことを考え過ぎても、どうしようもない。
    「私達は時間に追われる側だと言うのも、忘れてはいけません」
     だが、華宮・紅緋(クリムゾンハートビート・d01389)の言うとおりでもある。予知の通りにことが動くのなら、おっとり構えていてもいけない。
     時計の針が文字盤の上を滑り、静かに時を刻む。予知が示した時刻まで、あと僅か。
    「なあに、答えは常に単純でござる」
     ジムの受付側から戻って来た阿久沢・木菟(灰色八門・d12081)が、からりと笑う。一人だけ既にスレイヤーカードの封印を解き、忍者系レスラー然とした手甲に袴履きの戦装束。顔には微かに疲労の色が見える。
    「拙者どもは、後藤殿と、プロレスをするのでござる。敗者は勝者の言うことを聞くこと。……後藤殿も、それで宜しいな?」
     傍らには、スキンヘッドの大男。どこもかしこも太く、厚く、重そうな立ち姿が、問いに応じて口を開く。
    「ああ、構わんよ。皆まで言うな。誰の仕込みで、あんな真似をしたかは知らんが……」
     二つ返事の後。みしり、と音が立ちそうな程に、大男――アンブレイカブル、ゴライアス・後藤の全身が引き締まる。まるで、部屋の空気が彼に全て吸い込まれていくかのような錯覚すら憶えかねない威圧感が、巨漢の全身から溢れ。
    「待ち伏せするとはいい度胸だ。掛かってこい、ひよっこども!」
     するりとリングへ滑り込んでマットの中央に陣取るなり、吠えた。
    「あら、怖いですね。華宮・紅緋、これより交戦を開始します」
     時が、来た。

    ●Uprising
    「いったい何をどう吹き込んだんですの、木菟!」
    「秘密でござるよ!」
     閃光院・クリスティーナ(閃光淑女メイデンフラッシュ・d07122)の問いを尻目に、木菟は宙を舞う。目指すは、トップロープの上に張り巡らせたダイダロスベルト。自分専用のロープと化した帯を思い切り蹴って、空中で旋回。ゴライアス・後藤の厚い胸板を撃ち抜かんと宙を駆け抜ける、ドロップキック!
     だが、鏑矢のような一撃を受けても、巨漢はよろめきすらしない。
    「勢いが無いぞ、小僧! さっきの勢いはどうした!」
     後方に一回転し受け身を取る木菟。
    「さっきの……? まさか、阿久沢さん。そんな、プロレスだからって、いくらなんでも……!?」
     にやりと笑む双方と、そのやり取りから、山田・透流(自称雷神の生まれ変わり・d17836)は察してしまった。木菟が、どう、ゴライアス・後藤を流れに乗せたのかを。
    「……年期の浅い若手ヒールが群れて、ベテランを襲う。言葉で煽るより効果的でしょ?」
     新がへらりと笑う。
    (「ありがとう。頼んだかいがあったよ」)
     味方がそれぞれ、得意な間合いを取って次々に攻撃を仕掛ける様を確かめながら、新は木菟に感謝した。
     あえて、灼滅者達をプロレスにおける悪玉に、ゴライアス・後藤を善玉に例えて煽り、戦闘に至る流れへと乗せるはずだったのに。それを、更にプロレスらしくするためにと、身体を張ってくれたのだから。
     恐らく、使う機会は二度とない手だろう。他のケツァールマスク配下のアンブレイカブルに通じる手かどうかも、解らないのだから。
    (「これが、かつて一人で過ちを繰り返した僕の、僕なりの、答えだ」)
     八人で、勝つ。新が決意と共に放つ影は、ゴライアス・後藤の脚を絡め取った。

    ●Backlash
     リングを所狭しと立ち回る、灼滅者達とゴライアス・後藤。耐久力の差を、手数を活かした絡め手の嵐で埋めんとするものの。どこまで動きを妨げても、冷気で苛んでも、未だに底が見えない。
    「本当に、どこまでもタフな……ッ!」
     弥由姫が槍の一振りで無数のつららを射出する。続いて、反撃を封じる為にもう一閃。更に、つららの弾幕に交えて足下から影を伸ばして見せるなど、牽制を欠かさない。
    「レスラー名乗るだけはあるけどさ、……けど、さぁ!」
     弥由姫の弾幕を目隠し代わりに使い、海璃が槍を手挟んでは一撃離脱を繰り返す。自分より戦慣れした面々ですら手を焼く相手なのだ。当てて行ける機会を逃さず捉えて、必要以上の追撃は控えて機会をうかがう繰り返しが出来るだけ、儲けものである。
    「どうしてさ、強いレスラーが一般人を巻き込むようなトコにいるのさッ!」
     連打。破壊力を生み出す捻りを溜める時間が取れない分を、速度で補って問う。問いを向けられたゴライアス・後藤はと言えば、ふむ、とひとつ唸って見せてから。
    「強くなるためだが? 機材も揃っているし、リングまである。私はまず使わんが」
    「だったら山にでも籠もって、丸太でも抱えて屈伸してればいいッ!」
     木菟の連れたウィングキャットと共に、前線を支える透流が言い放つ。人里離れたところで、ダークネス同士が争い合う分だけなら、一般人への被害は少なくて済むのに。わざわざ人里に出たものだから、こうして灼滅者と一対八の変則マッチをする羽目になるのだ。
     本当なら殺されていたんだぞ、と、予知に基づいた指摘を飲み込んで。指先に集めた光を広げて放つ。
     今のところ、攻撃役を庇って回る木菟の消耗が比較的激しい。彼ひとりに負荷が掛かりすぎないよう、攻撃を誘導し、前衛全員でダメージコントロールを計るものの。一撃一撃が重すぎるのだ。
     ただのチョップの連打ですら、濁流に飲み込まれ、流されているかのよう。プロレスの投げ技の中で最も基本的なボディスラムですら、回復系のサイキックを貰った後でも、身体の芯に衝撃が残る程。
     最初は打撃の撃ち合いに応じていた紅緋や弥由姫も、今は、合間合間で己のトランプマークを胸元に浮かせて、息を整えている。
    「つまり何だ。お前達は、私に勝ったら……」
     クリスティーナが逆水平チョップの連打からトーキックに繋げて、投げ系の大技に繋ごうと果敢に挑むものの。ゴライアス・後藤は、連打に怯んだふりをしてタイミングを計り、蹴り足を両手で掴んで回し、巻き込むような投げで返しにかかる。
     ゴライアス・後藤の返し技が必殺の威力に至る前に、脇から滑り込んだ紅緋が赤く肥大した右腕を振り上げ。全身で伸び上がり、打ち上げる動きで掌底を放つ。クリスティーナも掌底に合わせて、反射的に変形の延髄斬りを試みる。
    「む、ぐ……ッ!」
     完全にタイミングが合ってはいなかったとは言え、頭部の急所を連続で狙う連携に、巨漢の両腕が緩む。クリスティーナが受け身を取り、間合いから逃れると同時。
    「ホントは全力を発揮させない戦闘なんて、好きじゃないんだがな。……対策を立てている以上、卑怯とは言うまい?」
     徹頭徹尾絡め手役を勤めていた明が、巨漢の膝から下を凍結させる。きし、と軋む氷が割れるまで、そう時間は掛からないだろう。だが、一瞬でいい。連ね、重ねた手に意味を持たせる一撃を、仲間が決める隙が必要なのだ。
    「冬の世界は、迷い人の全てを奪う」
    「迷わず己の道を進む者にとっては、吹雪すら追い風となるでござる……!」
     弥由姫が影を束ね、巨体の全身を真下から打ち上げる。更に海璃が、見様見真似でトップロープを蹴り、宙に浮いた身体を抉るように突撃し。
     ムーンサルトめいた軌道を描いて、巨体が更に浮く。上昇の頂点へと至る僅かな間を縫って、前転からの逆立ち跳躍で、木菟が背面を取る。木菟の両膝がゴライアス・後藤の頭を挟む。更に、その膝ごと、ダイダロスベルトで爪先まで絞り。
     足の痛みを堪え、勢いよく宙返りした。即席のアレンジを施した、リバース・フランケンシュタイナーだ。
    「山田殿!」
     かけ声と共に、ダイダロスベルトが外れた。するりと膝が抜けるものの、足首でロック。ゴライアス・後藤が脚を振り、落下軌道を変えて、危険な投げを仕掛けた押し潰そうとするものの。
     透流が、走る。使い慣れているのは拳。素人目で見て、合わせたら綺麗に見えるのは足技。妖冷弾を放った直後ゆえ、拳を振るっても見切られるおそれはない。ならば。
     助走の勢いを活かしてジャンプし、巨漢の顎に拳を落とす!
     着弾の衝撃に、マットが大きく揺れる。
    「この、分からず屋……!」
     ギロチンの刃めいた軌道を描いた拳は、確かに、一瞬ではあるが、巨漢の意識を刈り取った。
     すかさずピンフォールに移る余力は、無い。皆、消耗しているのだ。
     ゴライアス・後藤は身体を起こすと、肩で大きく息をし。オーラの流れを整えて、全身を苛んでいた氷や影を、弾き飛ばす。
    「透流の想い、魂に届きましたかしら?」
     眼前には、クリスティーナ。息を整えたばかりの巨漢のみぞおちへと、思い切り前蹴りを入れて。前へと崩れ落ちたところを、背中から抱え込む。短く息を吸い、巨漢の腰に回した両手をがっちりとロックして。
     全身のバネを使って、大きく飛び上がる。
     マントが大きく風をはらみ、白い翼のように広がって。
    「次は、わたくしの番ですわ!」
     全力でマットに叩き付け、そのまま、押さえ込む。
     カウントを取るレフェリーはいない。KOしたと言う手応えもない。
    「オーロラダイナミックの味、いかがでしたか? これでもね、自信、ありますのよ」
     ブリッジの要領で身体を捻ろうとする動きを察するや否や、クリスティーナは腰のロックを解き。答えを待つ。
    「これは、マスクを被って修行のし直しが必要だな……」
     ゴライアス・後藤はマットに大の字を描いて倒れ。相応に消耗した、けれど、未だ力強い笑みを浮かべ、そう告げた。
     彼なりに、灼滅者達の力を認めた証であった。

    ●追い立てる者の示す先
    「別にここにこだわりがあったわけでもないんだが、まあいい。マスクを調達したら、野試合でもしながら向かうとしよう」
     ここに来るなだの二度と使うなだのと言った提案には怪訝な顔をしたものの、最終的に、ゴライアス・後藤は、ケツァールマスクの元に戻れと言う提案を受諾した。
     戦術上は灼滅者達の勝利だ。格下の若手集団に襲われて多対一の変則マッチをこなした結果、若手集団の実力を認めてライバルと見なす。そういう、プロレス的に美味しい展開を選んだ結果なのだろう。ダークネス同士の抗争の結果、一般人に被害が出るよりは数段良い。
     だが、事実上の痛み分けでもある。
     交渉が決裂して灼滅せざるを得なくなった場合。何人が深手を負うか解ったものではない。最悪、三つ巴戦の泥沼を味わう羽目になった可能性すらある。
    「次はヒールターンした私の番だ。憶えておけよ」
     灼滅者達は、満足げに立ち去るアンブレイカブルの姿を見送るしかなかった。これで、良いのだ。そう言い聞かせ、各々、休息を取った。
     果たして、シン・ライリー一派が何を企んでいるのだろうか。未だに答えの見付からぬ疑問を、胸に抱えたまま。
     夜が、更けていく。

    作者:貴宮凜 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年3月20日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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