花ある君と思ひけり

    作者:菖蒲

    ●blossom
     心配性で、外見に似合わず快活。
     彼女とあなたは友人であるかもしれないし、他人の空似というものなのかもしれない。
     只、春の日が好き――そんな和らぐ陽光の下で願うのは何気ない日常という尊いもの。
     
      弥生の末になれば、和らぐ陽光に膚を刺す寒さを堪えた草木が芽吹き、開花の時を迎える。丁度、その末頃に生まれた不破・真鶴(中学生エクスブレイン・dn0213)にとって春を告げる陽光は、まどろみを齎す最愛の刻のようにも感じられた。
    「春眠暁を覚えず、なの。んん、眠くなっちゃう……」
     小さな欠伸を一つ。凍て付く様な寒さを忘れ、日に日に優しさを帯びる太陽は言葉の通り眠気を運ぶ。
     マイペースな仏人ハーフの真鶴は雪解けの頃に、ひとつやりたい事があるのだと常に口にしていた。
    「お花を愛でて、それからねこさんを愛でて、それでね、お昼寝をするの。
     マナはいつも戦いに送り出す時に思うの。春休みだし……やっぱり休息って大事、って」
     和やかな春の陽気に誘われて。
     花開く野花を愛で、傍を歩む野良猫達との逢瀬を楽しめば自然の猫カフェの完成だ。
     人気のない川のせせらぎにレジャーシートの上にごろんと寝転び暫し微睡む。
     そんな日常が堪らなく愛しいと月色の瞳を細めた真鶴は柔らかく笑みを浮かべる。
    「それからね、お弁当を広げて、春の日を楽しむの。ピクニックみたいで、きっときっと楽しいはず」
     春と言う季節が作り上げたアート。桃色の花に、優しい陽。ひだまりの子猫。
     桜並木は、春の季節を象徴する『花見』イベントに適していて。
     安らぎを与えるせせらぎは、鳥達の囀りと子猫の欠伸を運んでくるだけではない。
     きっと、自然の美は心に優しい平穏を与える事だろう。
     川から桜並木を抜ければ屋台の並ぶ通りに出る。花見会場を設置した広場をぐるりと囲む屋台はタコ焼きやからあげ、じゃがバターを始めとした食事やりんご飴やクレープというデザート、変わり種も存在し、見て回るだけでも楽しめる。
     一人で、恋人と、友人と、クラブで共に生活するみんなと知らない誰かとと言葉を交わす事だってきっと良い。
     ――ハッピーエンドの道草に、優しい日差しは今日も照らしている。


    ■リプレイ


    「はわーっ♪ さくらだ!」
     嬉しそうに笑う空へと桜型のフィナンシェを取り出したすずりは「美味しく食べてくれると嬉しいわ」と微笑んだ。
     わくわくで眠れなかったと小唄は嬉しそうにロールケーキを差し出す。勿論、屋台で買ったたこ焼きもセッテイング。
     どれから選ぼうと迷う涙音はクラブの皆にもおみやげを持ち帰らなくっちゃと春色のお姉ちゃん達の話しに嬉しそうに笑みを零した。
     良い天気だと流希は幸福そうに頷いた。それもその筈、今日は素敵な春を感じられる。
     お昼寝日和だとシェリカはころんと寝転んだ。
    「にゃんにゃん可愛いよー」と猫に夢中の彼女へと襲撃を掛けた斬夜は彼女を捕まえて小さく笑った。
     屋台に走る嵐と壱琉は「花より団子」。食べ物は何にしようと迷いながらほこほこのじゃがバターの美味しさに嵐は幸福を噛み締める。
     暖かな陽気にベンチで舌鼓を打つ。大好きな姉貴分との幸福に、二人は視線を交えて笑い合った。
    「臨時収入もらったんだ」
     好きなモノを食べようと【千川2-1】のメンバーは大盛り上がり。臨時収入で手加減なしの鏡花と渚緒に手加減してと壱が慌てる。
    「手加減ねぇ……それじゃあ、あれとか?」
     抹茶アイスを指差して。笑う彼に鏡花は桜の髪飾りを指差した。
     形に残るものも残らないものも。記憶に残れば嬉しくて――高校生も後一年。
    「向こうじゃ桜なんて見られなかったからなぁ……こうしてナータとのんびり見れるって、なんかいいね」
     祖国ではモスクワで見れるそう、と告げるナタリアにヴィタリーが浮かべたのは故郷の雪。
     故郷では見れないであろうこの景観も二人だからこそ煌めいていた。
    「花見日和って奴だな」
     スティックのサツマイモを差し出して、団子と交換した勇弥は大きな口で頬張った。青空も綺麗で陽も温か。写真を撮って皆に見せようとイオは小さく頷いた。
     莉奈の目当てのクレープを自分のものとさらりと購入してみせた恢の食べっぷりと細さに莉奈は頬を膨らませる。
    「あげるから、笑って。ね?」
     言葉に甘えた一口が、あまりに甘い気がして。少し紅潮した頬の侭、おずおずと差し出したクレープを「恢くんも食べる……?」と莉奈は小声で訊いた。
     ほんの少し、莉奈にしか解らない様に小さく零した笑みは――。
     誕生日の祝いに花弁のシャワー。珈薫の笑みに続いてクレープを差し出す郎は祝いの言葉と甘さを運ぶ。
    「ありがとねー、郎くんっ。桜を見てると、春だなぁって気がするよね」
     嬉しそうな珈薫へと「春は楽しみ、騒ぐものだ」と小さく郎は頷いた。
    「良い機会をくれてサンキューな」
     髪先の花びらを拾い、小さく笑えば恥ずかしそうに珈薫は目を細めて笑った。
    「不破!」と背の高いエルメンガルトが見つけたと真鶴へと走り寄る。
    「マナ、誕生日おめでとう。教室でいつもハッピーエンドを願ってるお前にもこれから一年、幸せな事がたくさんあるといいなっ」
     小次郎から差し出された林檎飴を一口齧り「魔法の林檎」と小さく笑う。
     子猫と遊ぶんだろうと気遣うエルメンガルトからはカステラ。ネコにたこ焼きはNGかと配慮した結果だ。
     みちみちに餡子と餅が詰まった鯛焼きを差し出す葉の掌にひらりと桜の花びらが舞い降りた。
    「春も祝ってくれてるみたいだな。誕生日おめっとさん。これからもハッピーにな」
    「――前の杜若の結末はお気に召したかい? これからもハッピーエンド見せてやるからさ、宜しくな」
     猫のガラスの根付と差し出す祐一の言葉に真鶴は満面の笑みで「とっても満足したの」と幸せそうに返した。


     花見スポットは地元にも負けない美しさだといなり寿司を用意した名月が小さく頷いた。
     混ぜご飯を作ったと差し出すオルゴールに「サンドイッチと桜茶も作ってみたよ」と見るだけではない楽しさを提供する桃。一方で、人付き合いが苦手なのだといういりすはフルーツサンドの御提供。折角だからと『家訓』を一つ。
    「……べつに、撮りたいってほどではないけど。識守さんちのしきたりである」
     手招くオルゴールにおずおずと体を揺らすいりす。嬉しそうな桃と名月がばっちりとフレームの中に収まった。
     舞う花弁に手を伸ばしで奮闘する遵と萌火の様子を収めたムービー今日という日を記念のように思わせた。
    「ねぇ、何買ったの?」
     少し頂戴とじっと見つめる民乃の手元。いいよの返事を待たず大きな口で鯛をがぶりとした春の口内に広まる甘さにご満悦。
     あげる、と二人から差し出された葎は「嬉しい、な」とぎこちなく優しげな顔を作る。
    「民乃くん民乃くん、せっかくだから皆で写真とろーぜ!」
     文句を零しながらも無表情の侭のピース。こそりと花弁一つ、そっと掴めば。小さな贈り物は気付かれないまま――
     シェリー作成の野菜とハムを詰め込んだバケットサンドに依子の和食は腹を鳴らす。
     寮母を手伝ったとサズヤは小さく頷いて「八握脛は、何を持ち込み?」と問い掛ける。屋台で購入した唐揚げと焼きそばは出来たてでどれも良い匂いが鼻孔を擽った。
     焙じ茶をこく、と飲み。昭子の視界で小さな猫がにゃあと彼女へ挨拶を零す。
     写真を撮ろうと一つ。猫と共にフレームに収まって。笑みを浮かべたシェリーと昭子と『もふもふの部員』さんが前でポーズをとって見せた。
     おにぎりに小太郎の顔を描いて希沙と千佳は小太郎の進学祝いだと合作披露。海苔で作った顔は余りに似ていて――少し食べるのが勿体ない。
     カメラでぱしゃりと撮ってから、三人そろって頂きます。
     腕に付けた白詰草は約束の印だから。猫だ、と笑う千佳の向こうを指差して小太郎はよし、と立ち上がった。
    「よし、猫に突撃ー!」
     花弁を集めた思い出を語るかまちへと思わず笑みを零す七はキレイねとレジャーシートの上に腰を下ろす。
     青い空に、桃色の花びら。風流だなと呟けば、七は「いつか機会があったら花見と茶屋で……なんてのも悪くないかもね」と小さく笑った。
    「私と川掘さん主導でお弁当を。デザートは椋來々さん主導で作ったんですよ。自信作です」
     笑みを浮かべるららが「デザートは最後に」と付け加えればクラス全員でいただきます。
    「マナさん、お誕生日おめでとうございます!」
     立ち上がった香奈江と夕姫の掌から落ちる桜のシャワーにぽかんと口をあける真鶴へ重箱を持ち上げたヒノと櫻が「じゃーん」と下段を解禁!
     やっと言えたと安堵のリュータと視線を合わせた後、ぱくぱくと口を動かした真鶴は小声で有難うと照れた様に返す。
    「みんなからのプレゼントの猫さんのぬいぐるみです」
     どうぞ、と手渡された耀からのプレゼント。オマケとリュータから渡された砂糖漬けから香った甘さに春の日を実感した。


     本と共に別々の品を持ちよった【白虹】の面々は今日は春麗らかな読書日和。
     そ、と猫を撫でた指先に「吾輩はにゃんこである! 名前は君がつけてくれるかい?」と七星が冗句めかして告げた。
    「そうだな……僕はあなたをおもうふたび一ばんぢかに永遠を感じる」
     台詞を抜き出した鶴太郎とリデルにロマンチストねと笑う湊は非現実な物語を捲くる指先を止めて見せる。
     七星は云ふ。本の中の薔薇の如く、この場で桜が綺麗なのは――
     レジャーシートとお弁当を用意した烙斗は綾子と紅子へと笑みを零した。
     お弁当担当の綾子は味は大丈夫と形の崩れたおにぎりとサンドイッチを差し出した。
     春めいた店頭の服達も、買い物が捗りそうで思わず笑う。感情の春が訪れるのも近いのかと烙斗は恥ずかしそうに小さく微笑んで見せた。
    「ほらほら、櫟の邪魔しちゃ駄目よ。こっちおいで」
     ひょい、と慣れた手つきで抱き上げて。小さく笑った詩月に何処となく拗ねた調子の櫟へ、ぱしゃりとシャッターを落とした碧斗は小さく笑みを零す。
    「遊びに来れなかった人たちにも見せてあげよっと」
     土産には一人足りないとカメラのフレームに収まる碧斗へ、櫟は問答無用でカメラを向けた。
     甘いお菓子を買い物係の朔眞チョイス。荷物持ちの征士郎の抑制の効果もない。後で謝ろうとぼんやりと考えるうちに到着した花見ブースでは謡の膝で眠たげに目を擦った百花が二人の気配を感じた謡に起される。
    「なんか菓子多いわね……しかもカキ氷?」
     肩を竦めた征士郎はゆっくりと腰をおろしそう言えばとカメラを取り出した。
     学園で迎える三度目の桜だから。食べ物を頬張った少し後、最高の場面でシャッターを切ろう。
     絶好のお散歩日和。川の傍にし居たレジャーシートの上で紗里亜と龍一は二人並んでピクニック。
    「平和、ですねえ」
     春の陽気に誘われてうとうとと眠りに落ちる龍一の顔が紗里亜の肩の上。
     そ、と重なる掌を握りしめれば、今日という日を楽しめる様で。二人きりで眠りの淵へ。
     初デートは緊張の連続で。気になった横顔に手を伸ばした錬の指先は陽菜の髪についた花弁へ。
    「綺麗……」
     桜へ向けた視線はちらりと傍らへ。紅くなる頬を見てしまっては、その手触りにさえ、心が飛び跳ねた。
     クレイは【ながればし】の場所取りだとしっかりとシートを敷く。弁当を広げた春陽はまったりモードに笑顔を浮かべる。
     希とシグマが呼び寄せてしっかりとレジャーシートを抑えた。猫を呼ぼうと羨ましそうに見つめるシグマはからあげを頬張りながら羨ましそうに唇を尖らせる。
     弁当を食べながらも梛の小さな欠伸に、いい天気だと笑う希は「猫も嬉しくなっちゃうよねー」と小さく笑みを零した。
     四月になったら大学生、少しの寂しさに【桜堤3-6】のメンバーを見回して櫻は小さく息を吐く。
     振り返ればもう満腹だとリアンが笑っている。林檎飴を齧ったリアンはぼんやりと桜を見上げた。
     小さく肩を竦めた那月の「花より団子」の言葉に食べ物を両手に抱えた朔也が豪快に笑う。
     ラシェリールは「俺は温泉学部に行くから、掘り当てたら皆を招待するさ!」と柔らかく微笑んだ。
     翔琉は嬉しそうに奢りの唐揚げを頬張って「桜堤。三年間世話になった」と落としたシャッターの向こう、全員の笑顔が優しく並んでいた。
     ヴァンが好きなものを、とチョイスした智恵美は美味しそうに食べてくれる事が何より幸せだとはにかむ。
     名前呼びにすると、距離感が変わった様にも思えて。料理の腕を磨こうとやる気十分の智恵美手製のクレープはデザートに持ってこい。
    「あ、頬にクリームが」
    「ほっぺた舐めるだなんて……その、お恥ずかしい……」
     一杯食べてねと胸を張る糸子へと卵焼きを作ったよと弁当を差し出す飛雲に「おいしい」と満面の笑みを浮かべて桜を眺めた。
     一年があまりに早くて。会えてよかったと二人して笑みを零す。
     ひらりと舞った桜の花びらがタコさんウインナーへとこんにちは。「あ、見て」と指差す飛雲に糸子は小さく笑みを漏らした。
    「ねぇ、下弦サンはどのこが好みー?」
     ふりふりと猫を相手に笑う括へと三毛猫氏がと名雲の渾身のナンパ。驚きに逃げた三毛猫に「あ……」と漏れた声も面白くて。
    「ほーんに、のどかでよござんすねえ」
     桜は美しく、空も澄み切って。今日という日が幸福で堪らない。
    「こんなところで寝てますと、風邪ひきますよー? ……茅花さーん?」
     気怠けに瞼を押し上げた茅花はもう一度瞼を下げかけて、呼び声に「ぱぱ、……おはよう」とふにゃりと笑う。
     桜色と青空の組み合わせ――それ以上に。
    「花と団子もどちらもほしいのです」
     のどかな陽気に、桜並木。手製の弁当は彼の為。
    「こいつなんか俺に求愛しとらへんか? 想希の愛いただきま!」
     愛情籠った料理だから、つい出た冗句にも想希は気恥ずかしくて肩を竦める。
     訪れた眠気にも、悟は小さく笑った。
    「えぇで、膝枕したろか」
    「ふふ、悟が桜色に染まって綺麗……幸せだな」
     感じる体温に、眼鏡を取った視界に広がった彼の顔が、近付いて。額の温もりが心地よかった。
    「よく晴れてよかったですねえ。絶好の行楽日和ってやつです」
     桃子はマコトへと「あーんとかしましょうか」と冗句めかして告げた。
     平和な日が貴重だから。ちらりと向けた視線にはにかむ恋する乙女は桜より美しくて。


    「先日の依頼では、ありがとうございました……」
     驚いた様に瞬いた真鶴に桜は嬉しそうに笑みを浮かべる。
     桜の愛する平穏が、エクスブレインによって齎されていると静香は確信していたから。
    「そんな花咲く陽だまりに誘って貰えて、私は幸せです」
     にゃあ、と桜色の猫に変化して桜が尻尾を揺らす。『桜のご当地ヒーロー』の姿に可愛いとはしゃぐ声が掛けられるまで後少し。
     こてん、と首を傾げた柚來は傍らの緋色の袖をくいと引く。
     猫を抱えたままころんと横に倒れ込む彼の頭を慌てて抱えた緋色は「ああ、もう」と小さく声を漏らした。
    「男の膝枕とか色々締まらないですが……」
     ちら、と空いた空色の瞳が緋色を捉えてふんにゃりと歪む。
     今のこの距離感が心地よいから――おやすみなさい。
     芥汰の膝の定位置で幸せそうに笑う夜深の周囲には小さな猫達が擦り寄った。
     用意した弁当に口を開けてのおねだりは小さな青色にとっても可笑しくて。
    「甘えタさン……可愛♪」
     空と桜と青。似た色合いに指先の青を添えれば、更に融け込んで。「お裾わけ、してくれる?」の問い掛けに小さな夜深は猫の様に笑って頬へ唇を寄せた。
     思い出話を交わしながら、ころりと寝転ぶ優奈の傍で小さな猫がてしんとパンチ。
    「暁ったらあたしの春眠を邪魔するくらい好きなの?」
     冗談に「アタシじゃないわよ」と返す暁は可愛いライバルだわと小さく笑う。特等席に招けば、つい恥ずかしくて表情が綻んだ。
    「これ、兄さんの渾身のお弁当よ」
     差し出す涼子にさくらえは肩を竦める。バスケットの中身を用意しただろう彼女の兄を想像してつい笑みが漏れた。
     あ、と漏れたのは小鳥と猫が彼女に寄り添う様子。さくらえさんも撮ってあげるの言葉には二人揃って画面に収まりまろうと距離を縮めた。
     期末テストを頑張ったご褒美だと奏哉手製のお弁当に与四郎は嬉しいと笑みを零す。
     ベンチでお菓子とジュースを嗜むのだって、こんな日だと格別。穏やかな空気に「よっちゃんもお昼寝する?」と小さく問い掛ければ、二人で夢の縁へと落ちていく。
     小鳥と猫も集まって、桜の花は今日こそ満開。隣の雛にそれだけで嬉しいと笑う夕陽は「うりゃ」と彼女を引き寄せた。
    「せ……せんぱいお花見してくださいねっ」
     慌てる雛の頭は強制的に膝の上。ジャケットを掛けて桜の花を眺めれば、雛の視界には夕陽と空、それから桜。
    「こうして、出かけるのとか初めてだな」
     髪に絡む花弁の擽ったさと写真を撮り続ける涼介に恥ずかしそうに笑った都古は緊張を隠せないと肩を竦めた。
    「一緒に、撮りたい、です」
     桜並木の中、絡む視線が気恥ずかしくて。弁当とお菓子、桜。どれだって、春を感じて幸せだから。
    「また、来年も……一緒に来たいね」

    作者:菖蒲 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年4月8日
    難度:簡単
    参加:108人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 10
     あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
     シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
    ページトップへ