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沖縄のとある繁華街の裏路地を、2人の男がゆっくりと歩いていた。
大学生くらいの年の糸目の美青年は、スマイルイーターという名の六六六人衆。
後ろに控える筋骨隆々の男は、源二という名のアンブレイカブルだった。
「いやー、それにしてもこの間のあれは、中々激しい闘いだったね。結構いい動きしていたよ、君」
スマイルイーターが軽い口調で、源二にそう声をかけた。
「世辞は結構だ……あれはどう見ても、お前の圧勝だったではないか」
低い声でボソリとそう答えた源二の腰には赤いトンファーがぶら下がっており、背には巨大な槍を背負っていた。
「いやいや、君の使う沖縄の古武術とやらも、結構強かったよ? まあちょっと君は手数の多さに頼り過ぎかなとは思ったけどね。もっと1つの技を究めなきゃ」
「返す言葉もない……ところで俺の修練は、どこで行うんだ?」
「そう急かさないでよ……ほら、あそこだ」
スマイルイーターが指さしたのは、とある小さな居酒屋だった。
中からは、酒を飲み陽気になった客たちの笑い声が響いていた。
「あそこで……何をするんだ」
「皆殺しにするんだよ。だって、人間の笑いって気持ち悪いだろ? 僕はそうやって人を殺しまくって、強くなったんだ。だから君もそうすれば、いつかは僕よりも強くなるかもね」
「なるほど……それが強くなる方法ならば、従おう」
「頑張ってね~」
ひらひらと手を振るスマイルイーターを背に、源二は槍を構えて居酒屋に突入した。
「邪魔をする。そして俺の力の糧として、死んでいけ」
壁を破壊し居酒屋に突入した源二は、暴風を纏わせた槍を大きく振るい、一般人たちを纏めて吹き飛ばした。
居酒屋に響いていた笑い声は止み、怒号と悲鳴と血飛沫が飛び交う地獄絵図となっていた。
「ひ、ひいい、化け物!!」
店の店主が投げた酒瓶を軽く避け、源二はトンファーを構える。
「俺の力を見てなお反撃するその心意気は評価するが……残念だったな、今日の俺は情けをかける気などない」
源二はトンファーを超高速で何度も突き出すと、店主は風穴だらけになりながら死んでいった。
「うん、順調順調。この調子で次の場所に行こうか」
殺戮を見届けたスマイルイーターは源二にそう声をかけ、またどこかへと歩き始めた。
この夜何人の人間の命と笑顔が奪われたかは、誰も知らない。
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「ゴッドセブンナンバー5、『スマイルイーター』。彼はKSD六六六を立ち上げ、沖縄県で仲間に引き入れたダークネスを引き連れ、国際通り周辺で一般人を虐殺する事件を起こしています。そんな事件の1つを、予知することが出来ました」
神埼・ウィラ(インドア派エクスブレイン・dn0206)は赤いファイルを開き、事件の説明を始める。
「今回スマイルイーターが引き連れているのは、源二という名のアンブレイカブルです。スマイルイーターは彼と闘って勝利を収め、その力に魅せられた源二は彼の配下となりました」
ただひたすらに強さを追い求めるアンブレイカブルは、師とする相手の種族など気にしないのだろう。
「そしてスマイルイーターは源二に、訓練と称して居酒屋で楽しむ人々の虐殺を命令します。源二はこれを了承し、この日多くの人間が殺されます」
ちなみに、とウィラは説明を続ける。
「今回の作戦の目的は、アンブレイカブルである源二の灼滅です。皆さんも既にご存じかしれませんが、スマイルイーターは沖縄の各地に爆弾を仕掛けており、その事を引き合いに出してすぐに撤退しようとします。悔しいですが、今灼滅するのは大変危険な事でしょう」
爆弾が爆発すれば、一体どれだけの被害が出るか分かったものでは無い。
「皆さんは、源二とスマイルイーターが現場となる居酒屋の近くに姿を現した時点で、接触する事が出来ます」
それ以前に接触しようとすれば、バベルの鎖に察知されてしまうとウィラは説明した。
「現場の路地裏は真っ直ぐと伸びた一本道で、その脇に居酒屋があります。居酒屋の前で待機し、彼らの姿が見えた時点で彼らへ突撃すれば、バベルの鎖的には特に問題はありません」
続いて、ウィラは敵の戦闘能力についての説明を行う。
「源二は二本のトンファーと、槍を使った戦闘を行います。ポジションはキャスターで、身軽に戦場を動きつつ攻撃を叩きこんでいくタイプです。しかし、防御の面はそこまで優れてはいない様です」
ここまでの説明を終え、ウィラはファイルをパタンと閉じた。
「さて、説明は以上です。アンブレイカブルを灼滅し、一般人の虐殺を防いでください。スマイルイーターはすごくムカつきますが、今は無視してください。お気をつけて」
参加者 | |
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神代・紫(宵猫メランコリー・d01774) |
千条・サイ(戦花火と京の空・d02467) |
逢瀬・奏夢(番狗の檻・d05485) |
桜庭・翔琉(徒桜・d07758) |
桐ヶ谷・十重(赤い本・d13274) |
糸木乃・仙(蜃景・d22759) |
若桜・和弥(山桜花・d31076) |
幸田・スーパー布団子(スーパーふとんこちゃん・d32316) |
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賑やかで楽しい食事と、皆の笑顔。
これらを粉々に打ち砕こうと、スマイルイーターは弟子の源二を連れて標的の居酒屋へと向かう。
そして引き起こされるであろう殺戮を食い止めるべく、8人の灼滅者達は居酒屋の前に集まっていた。
「返す言葉もない……ところで、俺の修練はどこで行うんだ?」
「そう急かさないでよ……………………おや?」
スマイルイーターが、こちらに近づいてくる8人の灼滅者達を発見する。
「物騒な物を持ってるな。何処かに殴り込みにでも行くのか?」
「………………」
桜庭・翔琉(徒桜・d07758)の問いに、源二は無言で返す。
「へろーへろー、またトチ狂ってることしとるね? 遊ぼや、おっさん♪」
千条・サイ(戦花火と京の空・d02467)は源二に投げかけ、ついでにスマイルイーターへ満面の笑みを向けた。
「……誰だ貴様らは」
機嫌悪そうに源二が眉間に皺よ寄せ、路地裏にビリビリとした緊張感が張りつめる。
「まぁた君らか…………全く、ゴキブリみたいに何処にでも現れるね、君らは」
そんな緊張を弛緩する様なのんびりした口調で呟き、スマイルイーターが深いため息を漏らす。
「……結局、俺の修練はどうなった」
「あぁ? あ、修練ね。えっと、そこの居酒屋の人間を皆殺しにするんだよ」
スマイルイーターがそう説明した直後、幸田・スーパー布団子(スーパーふとんこちゃん・d32316)が会話に割って入った。
「えー。本当にそんな事で強くなれんの? 無抵抗のデク人間殺すくらいならボク達と闘り合おうよ」
「あそこの人間達を殺すことは、お前にとっては蟻を潰すよりも容易い。お前はそんな事で本気で強くなれると思うか?」
スーパー布団子に続いて逢瀬・奏夢(番狗の檻・d05485)もまた源二に投げかけた。
「だが…………俺が師と認めた男の言う事を、そう簡単に無下には……」
顎に手を当て考える源二の前に、神代・紫(宵猫メランコリー・d01774)と桐ヶ谷・十重(赤い本・d13274)が進み出る。
「貴方を真の強者と見込み、是非1つお手合わせを」
「もしもあなたがこちらに背を向け一般人に向かうというなら、たとえ最強になったとしても癒えない傷を付けて差し上げますよ。背中の傷は武人の恥と申しますよねぇ」
「…………」
無言のままではあったが、紫と十重の言葉に源二はかなり揺さぶられている様だった。
「それに単純に、自分達も君と同じく強くなりたいからね。相手になってよ」
更に向けられた糸木乃・仙(蜃景・d22759)の言葉に、源二は深く頷いた。
「いいだろう……そこまで言われて闘いを避ける事は、確かに武人の恥。お前らを真正面から叩き潰し、それからこの男の言う修練を試すとしよう」
そして源二は背負っていた槍を構え、灼滅者達と相対する。
「えぇ…………いやまぁいいけどさ。どっちにしろ足止めはしてもらうつもりだったし。でもあれだよ? こいつら殺したらちゃんと居酒屋の連中も殺してよ?」
「分かっている……お前はどうする」
「え? 僕はさっさと帰るよ。そこの灼滅者君達も、僕には手出しできない筈だしね!」
スマイルイーターは身を翻し、ゆっくりと歩き始める。
「それじゃあごゆっくり~」
ヒラヒラと手を振りながら、スマイルイーターは去って行った。
「余計なのは消えた…………まあ、君達が行うであろう非道とか。異常な精神性とか。そんな事は正直どうだっていいんだ」
若桜・和弥(山桜花・d31076)はそう呟き、眼前で両拳を強く打ち合わせる。
それは、暴力で相手をねじ伏せるという、教えに反する行為だと忘れない為の儀式。
「要は勝てばいい。勝者だけが我を通せるというなら、そうしよう」
「よく理解しているな………………さあ、来い」
そして戦いが始まった。
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「よーし、『適当に死ね』」
スーパー布団子はスレイヤーカードを解放し、エアシューズを勢いよく駆動させて一気に跳び上がる。
そして空を蹴ると更に跳び、スーパー布団子は源二を包囲する陣形を敷く様に動く。
「そもそも、反撃しない人間を一方的に倒して強くなろーなんて、あほくさ。ぬいぐるみでも殴ってろよ」
スーパー布団子が空中で断罪輪を掲げると、展開された法陣が、灼滅者達に天魔を宿した。
「それが強く成る為の方法というのなら、俺は従おう」
「んふふ、スマイルイーターがそんなに偉大かね、源二くん……少しは自分の頭で考えたら?」
余裕のある表情で。スーパー布団子はのんびりと笑っていた。
「ふん……次は俺の番だ」
源二が槍を大きく薙ぎ払うと、そこから生まれた爆風が周囲の物を吹き飛ばしながら灼滅者達に襲い掛かる。
「はー、中々派手な攻撃やんか、おっさん! でも次は俺の番やで!」
サイは黄昏色のオーラを全身に纏い、楽しげな表情を浮かべて源二に向けて突撃する。
ただしその眼は、とても冷やかだったが。
「普段はあんまりこういう戦い方はしないんやけど……おっさんも俺と同じでチョロチョロ動くタイプみたいやし、偶には真正面から行ったろか!」
「来い」
サイは一気に源二との距離を詰め、ゼロ距離から無数の打撃を放ち、源二の身体に拳をめり込ませていく。
「中々やるな…………だが、その腰のナイフは飾りか?」
「気にすんなや、ただの戒めや」
更に畳み掛けるようにサイはオーラを纏わせた脚で蹴り上げ、源二の胸元を鋭く切り裂いた。
源二は自らの傷に目も向けず、更に槍を構えて勢いよく突き出した。
「そう簡単にやらせるか」
仲間の前に飛び出した奏夢が槍を受け止め、そのまま盾で源二の顔を殴り飛ばす。
「今だ、攻撃を」
奏夢の攻撃に一瞬だけよろめいた源二に、紫が攻撃を仕掛ける。
「スマイルイーターに利用されちゃう源二くんには、お仕置きが必要そうだね」
紫は狭い路地裏の壁を次々と蹴りながら跳び、高速で戦場を移動する。
「……動きの素早さだけは一級品だな」
そう呟いた源二は紫の動きを捉えきれず、ふわりとした甘い香りだけを残して紫が視界から消えた。
次の瞬間、源二の後頭部に燃え盛る強烈な踵落としが炸裂し、源二の身体が地面に叩きつけられた。
「ガッ…………!」
「よし。一気に畳み掛けるよ、久遠」
紫は剣を構え、霊犬の久遠と共に源二へ追撃を仕掛ける。
「無力な一般人を標的とするのも厭わないとは、戦う者としての誇りはないようだね」
紫と久遠は同時に刃を振るい、立ち上がった源二の身体に十字の傷を刻んだ。
「クッ……更なる高みに昇る為に必要ならば、それも致し方あるまい」
「高みねぇ……上ばっかり見過ぎて、足元がお留守になってるんじゃないか?」
翔琉が桜の意匠が施された槍を勢いよく突き出すと、源二の身体が吹き飛ぶ。
「まあ結局、その高みに昇る前に私たちが叩き潰すんだけどね」
和弥は吹き飛んだ源二の腹をオーラを纏わせた脚で蹴り潰し、更なる打撃を与えた。
「闇に身を堕とす事もしない半端者どもが、全てを分かったかの様な台詞を……」
「半端者だとしても、貴方に勝つ事位はできます」
十重が掲げた蝋燭から揺らめく炎の花が放たれ、源二の身体に降りかかる。
「さて、次は自分の番……君の死角はどこだろう」
仙は殲術道具を構え、源二の動きを慎重に見定める。
「戦いって判断力が要るよね。その一部を人に任せるってどうかなあ……勿論修行方法の事だけど」
「師と認めた男の言う修行方法だ……それにわざわざケチをつける理由が無い」
その源二の言葉に、仙が軽くため息を吐く。
「客観的な意見も大事だけどさ、思考停止したら終わりだと思うんだ」
そして仙はダイダロスベルト『藍緑の波』を放つ。
純白のレースが肩を貫くと、源二の動きが僅かに鈍る。
「例えどれだけ圧倒的な暴力を振るうことが出来ても、それじゃあ最強には程遠い」
仙が振り下ろしたチェーンソーが源二の身体に抉りこみ、その肉と骨を砕いた。
「グッ…………」
源二は痛みに顔を歪めて自己回復を施すと、刻まれた傷がみるみる内に塞がる。
既に戦場には多くの血が流れたが、闘いは終わらない。
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戦いが続くにつれ、源二の動きが徐々に鈍くなっていく。
バッドステータスを解除する手段に乏しく、頼みの綱のBS耐性もガンガン解除されていくこの状況では、長期戦になればなるほど源二にとって不利であった。
ちなみに源二の意識の全ては既に灼滅者達に向けられており、居酒屋の客の事など頭にない。
このまま戦闘が終われば、全ての一般人の命が助かるだろう。
「まだまだ俺は倒れないぞ……喰らえ」
源二は渾身の力を込めたトンファーの連撃を放つ。
「確かに強力だが……この程度の攻撃じゃあ、俺もそうそう倒れない」
トンファーの打撃を奏夢が受けきると、霊犬の『キノ』が即座に奏夢の傷を癒した。
「助かった」
奏夢は一言そう言い、源二との間合いを一瞬で詰めて左手の盾を力強く振り上げる。
「ガッ!!」
強烈な打撃を喰らった源二の頭部から、ドロリと一筋の血が流れ出す。
「…………」
奏夢は痺れ上がる右手を意識的に抑え込み、更に炎を纏わせた脚で源二の胸を打つ。
そして吹き上がる炎に身を包まれ、源二の全身が焼け焦げた。
「軽く蹴散らせる相手と高をくくっていたが……まさかここまで追い詰められるとはな」
今更ながら敵の力量を見誤ったと、源二が僅かに歯噛みする。
「灼滅者舐めたら痛い目見るって事だね。教訓として次から活かして行けばいいよ。次があれば、だけど」
紫が剣を突き出すと、源二の肩を深く抉られた。
「強さの理由も考えず、楽な方法を選んだから、桐ケ谷達が来たのですよ」
十重はそう言って、構えた杖に己の魔力を徐々に込めていく。
「………………強さに理由など、必要ない」
源二は槍を振るい、爆発的な風を後衛に送り込む。
その風の流れを見切り、十重はふわりとした動作で風の合間をかいくぐる。
「…………急がば周れ。もう遅いですねぇ」
そして十重が叩きつけた杖から膨大な魔力が流し込まれ、源二は爆発と共に地に伏した。
「訳の分からない修行方法を妄信したあげく、私たちの力量も見誤る……もっと頭使った方がいいよ、源二くん。頭は生きてる内に使わなきゃ」
スーパー布団子は僅かな笑みを浮かべながら、仲間の傷を確実に癒していった。
「そもそもスマイルイーターなんかの下についたのが、そもそもの間違いだったね」
仙が縛霊手を地面に叩きつけると、そこから放たれた霊力の網が源二の全身を絡め取った。
「この……!!」
霊力の網を力づくで引き裂き、源二はトンファーを使った無数の打撃を前衛に向けて放った。
「んー……なるほど。その動きは使えるかもね」
闘い中で、敵の動きをしっかりと観察していた和弥が槍を構え、全身から湧き出す膨大なオーラ『春の嵐』を纏い、源二と相対する。
槍の間合いまで踏み込んだ和弥はしっかりと地に足を付け、全身の力を込める。
「武器術は慣れないけど、やるしかないね」
そして機銃の様な激しく勢いのある突きの連打を源二に放ち、ザクザクと貫いていく。
「グハッ……!! 闘いの中で俺の技術を盗んだか……! かなりの荒業だが、グッ!!」
相当のダメージを受け、源二が苦しげに呻き膝を付く。
「もう限界が近いようだね。終わりにしよう」
更に和弥が鳩尾に拳を放つと、源二の身体が鈍い音と共に壁に叩きつけられる。
「中々楽しい闘いやったで……あんたもそうやったんとちゃうか?」
サイが手刀で源二の身体を真っ直ぐと切り裂き、そう投げかける。
「ああ……まあな。個々の力ではあの男に全く及ばないが、それでもお前らの事ははっきりと強いと言える……唯の一般人を殺す事よりも、よっぽど良い経験になった」
そう語る源二の顔は満足げかつ力強く、追い詰められたこの状況でも自分の勝利を諦めていないように見えた。
「だが……これで終わりだ。中々の馬鹿力だったが、いい加減決めさせてもらうぞ」
翔琉は恋人から貰った大切な槍、『琉璃ノ桜』を構えて源二の前に立つ。
「俺は最期まで攻撃をの手を止めはしない…………行くぞ」
源二は槍を大きく振るうと、破壊的な突風が灼滅者達に放たれた。
ある者は受け止め、ある者は避け、ある者は打ち消し、
源二の攻撃を耐えきった灼滅者達。
「回復は任せて。あとは一気に叩き潰すだけだよ」
スーパー布団子が灼滅者達の傷を瞬く間に癒すと、灼滅者達が一斉に攻撃を仕掛ける。
十重が放った美しき炎の花が源二の全身を焦がし、
和弥が突き出した鋼鉄の拳が脳天を打つ。
サイがオーラを纏わせた拳で全身を打ち、
仙が震える刃で胸を裂く。
奏夢が爆炎を纏わせた蹴りでこめかみを打ち、
紫が見えざる刃で源二の魂を斬る。
「行くぞ、一気に沈めてやる」
翔琉はエアシューズを駆動させると、超高速で源二に接近して鋭い蹴りを放つ。
「グゥッ!!」
その素早い動きに反応できず、源二の身体が大きく打ち上げられる。
「次はもう少しまともな師匠を見つける事だな」
地を大きく蹴り跳び上がった翔琉は、琉璃ノ桜を構え、狙いを定める。
「終わりだ」
一閃。
突き出された刃は源二の心臓を正確に貫いた。
すると源二の身体が徐々に崩れ始め、原形を失っていく。
そしてその身体が地面に落下すると、源二の身体は粉々に砕け散り、風に流され消え去って行った。
路地裏の闘いはこうして終わった。
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「終わったか……ありがとう、キノ」
戦いが終わり、奏夢が静かに霊犬のキノの頭を静かに撫でた。
「俺たちの勝ちか……終わってみれば随分と呆気ないな」
翔琉がそう言って、槍を静かに納めた。
「敵がこっちに集中してくれたから、思っていたより随分楽に戦えたね」
「確かに。一般人を殺すことに固執されていたら、少し厄介だったかもね」
スーパー布団子と和弥がそう言いつつ、殲術道具を封印した。
「……それにしても、スマイルイーターに干渉できないというのは、やはり不満です。あの顔はしっかりと覚えましたが……別の機会でお会いできるのを、楽しみにいたしましょう」
「スマイルイーターに利用されてるダークネスも沢山いるみたいだし、早い所灼滅したいよね」
十重と紫は、暗躍し続けるスマイルイーターについて考えていた。
「……ま、それを考えるのは学園に帰ってからってことで。せっかく沖縄まで来たんだし、ソーキ蕎麦でも食べていこうか?」
「おっ、ええなあソーキ蕎麦。激しく動きまくったから腹減ったわー」
仙とサイがそんな事を言いつつ路地裏を後にし、一同もそれに続く。
闘いが終わり、路地裏は元の静けさを取り戻した。
しかし居酒屋て楽しく酒を飲みあう客たちの笑い声は、しっかりと響き渡っていた。
作者:のらむ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年4月9日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 8/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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