柾・菊乃(鬼薊姫命・d12039)は、こんな噂を耳にした。
『居合わせた美少年や、屈強な男がホモになってしまう温泉がある』と……。
この温泉は知る人ぞ知る秘湯で、以前から利用されていたのだが、いつの頃からか妙な噂が広まり、ハッテンしていったようである。
中にはその噂を聞いて、この地に赴く者もおり、状況的にはカオス寸前。
このまま放っておけば、男達のエデンが出来上がってしまう事だろう。
しかし、この依頼……男達にとっては、高層ビルから飛び降りるほどの気合と根性が必要なモノ。
最悪の場合は男達に襲われ、あんな事やこんな事をされてしまうので、色々な意味で注意が必要。
都市伝説は男であれば、どんな姿にでもなる事が出来るため、間違って仲間を攻撃しないように気をつけておかねばならない。
その事も踏まえた上で、都市伝説を倒す事が目的である。
参加者 | |
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遠間・雪(ルールブレイカー・d02078) |
左藤・四生(覡・d02658) |
鈴鹿・夜魅(闇世ノ鴉・d02847) |
阿剛・桜花(今年の春もブッ飛ばす系お嬢様・d07132) |
柾・菊乃(鬼薊姫命・d12039) |
フェオドラ・グランツヴァルト(エンゲルデァグナーデ・d16137) |
四刻・悠花(高校生ダンピール・d24781) |
檜葉・夜星(ヒノキサイプレス・d32893) |
●ハッテン温泉
「えぇっと……、自分で耳にした噂とは言え、これは何とも……って桜花さんや四刻さんの気合いの入りようは一体全体どういう事なんでしょうかぁ……!?」
柾・菊乃(鬼薊姫命・d12039)は納得のいかない様子で、都市伝説が確認された山奥の秘湯に向かっていた。
都市伝説はウッホリ系のナイスガイで、男であればどんな姿にでもなる事が出来る上に、抜群のテクニックで男達を禁断の世界に誘っているようだ。
そのせいか、仲間達の中には妙なテンションになっている者もおり、辺りには微妙な空気が漂っていた。
「そう言えば、桜花がハッテンは大人の言葉だからフェオは言っちゃダメ……って。発展とは違うのかな? テストの時、間違えない様に気をつけるの……日本語、難しいの」
フェオドラ・グランツヴァルト(エンゲルデァグナーデ・d16137)が、自分なりに納得する。
色々と気になる事はあるのだが、それを聞いたらいけないような雰囲気だった。
「そ、その……ハッテンは大人の言葉なので、まだ中学生のフェオドラさんには早いかしら~?」
阿剛・桜花(今年の春もブッ飛ばす系お嬢様・d07132)が、フェオドラに対して釘をさす。
さすがにここで真実を知って、腐敗の道に進ませる訳にはいかない。
そうしているうちに、都市伝説が確認された秘湯が近づいてきた。
秘湯のまわりには壁の如く沢山の木々があるため、ここからでは男達の姿は見えないが、それでも野太い声があちらこちらから響いていたため、場所だけは特定する事が出来た。
「殿方達の薔薇の園は、こちらになるのかしら~♪」
それに気づいた桜花が、猛ダッシュで秘湯に向かう。
秘湯には沢山の男達が集まっており、全裸姿で人目も気にせず歪んだ愛を育んでいた。
「な、なんてことにゃ!」
それを目の当たりにした遠間・雪(ルールブレイカー・d02078)が、しばらく言葉を失った。
その手の知識がないため、男達が遊んでいるようにしか見えないが、それでもよからぬ事をしているのだけは理解できた。
「……衆道に興味はそれほどございませんが……」
檜葉・夜星(ヒノキサイプレス・d32893)が、チラ見した。
それほど興味はないが、つい見てしまう。
そうしているうちに、夜星の視線が男達に釘づけ。
なかなか目を離す事が出来ない状況に陥っていた。
「……ダークネスの本拠地に乗り込んだ事だってある。相手は一般人、恐れる事はない……」
左藤・四生(覡・d02658)が自分に言い聞かせ、深く静かに覚悟を決める。
だが、嫌な予感しかしない。
それに加えて男達の視線が、ある一部分に釘づけ。
しかも、息を合わせたかのように舌舐めずりをしていたため、色々な意味で身の危険を感じていた。
「まあ、ホモとかハッテンとか、別に当事者達がそれでいいならどうでもいいけど、都市伝説が絡んでくるとなると別だしな」
鈴鹿・夜魅(闇世ノ鴉・d02847)が、納得した様子で闇纏いを使う。
男達は行為に夢中で夜魅達の存在に気づいていないが、ここは男湯。
ある意味、男達のサンクチュアリ。
そんな中に夜魅達が入る事は、許されざる行為として、男達に認識される事である。
「ともかくもカメラ持参。4月からの高校生活を楽しむためにも、お小遣いは多い方がいいよね!」
四刻・悠花(高校生ダンピール・d24781)もカメラ片手に、旅人の外套を使って男湯に潜入。
ベストアングルから歪んだ愛の撮影に、全力を注ぎ込んでいた。
●男湯
(「これは目移りしますね」)
悠花は色々なニーズに応えるため、男達の姿をカメラに収めていた。
美少年×美少年、美少年×マッチョ、マッチョ×マッチョ。
すべては金! 金のためである。
「あ、あちらに美青年がいますわよ~?」
そんな中、桜花が黒ビキニ姿で男達の前に現れ、ビシッと四生を指差し、サウンドシャッターを使う。
「……!?」
一瞬、男達は自分の目を疑った。
桜花が男なのか、女なのか。
……嫌な汗が止まらない。
だが、この場所を知っているのは、限られた男達のみ。
そう考えると、答えはひとつ。
手術を受けた元・男!
女がこの場所に……こんな辺鄙な場所に来る訳がない。
そして、男達は納得した。
桜花が元・男で、股間に雄々しいケモノが潜んでいるのだと……!
そう結論付けた事によって、男達の興味は四生に移った。
「あ、あの……。すみません、僕そういう趣味は……」
四生が腰にタオルを巻いたまま、ジリジリと後ろに下がっていく。
「何をそんなに怯えている。怖くない、怖くないから!」
男達は無駄に爽やか。
『ようこそ、パラダイスへ!』と言わんばかりに、満面の笑みを浮かべている。
「凄く気になるの……」
物陰で様子を窺っていたフェオドラは、興味津々な様子で男達の行為に視線を送る。
「はい、フェオちゃんは見ちゃいけませんよ~」
それに気づいた菊乃が、フェオドラの目を両手で塞ぐ。
「あっ、たい焼きがお空飛んでるの!」
その途端、フェオドラが明後日の方向を指差した。
「……えっ? いや、だめですっ! フェオちゃんには色んな意味で早すぎますからー!」
菊乃がハッとした後、再びフェオドラの両目を塞ぐ。
思わずフェオドラが指差した方向を二度見してしまったが、股間を晒した男達の姿しかなかったため、何とか冷静になる事が出来た。
それでも、フェオドラが男達の絡みを見たそうにしていたが、さすがに刺激が強過ぎる。
「あ、あの……やめ……やめてください」
その間も四生は男達に襲われ、バスタオルを剥ぎ取られた。
「……無理強いとは、躾がなっていない豚共だね」
途端に態度が一変!
Sっ気満載の態度で、男達を見下した。
「教育してあげるよ。お前達も全員跪け」
それと同時に四生が、王者の風を使う。
その影響で男達が跪く。
ただ、ひとりを覗いては……。
「これは一体、どういう事だ」
筋骨隆々の男こと、都市伝説であった。
「そこまででございますっ!」
夜星が都市伝説の行く手を阻み、スレイヤーカードを解除する。
「ちなみにこのバクゥ、野郎のお尻を噛み砕くことを至上の喜びとしているにゃ!」
雪が含みのある笑みを浮かべて、バクゥ(霊犬)の頭を撫でる。
もちろん、それはただの嘘。
しかし、その事実を知らない男達は驚愕ムード。
ただでさえ、先程までの行為で敏感になっているお尻を齧られたら、その痛みも半端ない。
バクゥも内心嫌々であったが、覚悟を決めて鬼の形相。
「うっ、うわああああ!」
これには男達も戦意を喪失させ、蜘蛛の子を散らすようにして、その場を後にした。
「やらないか」
そう言って夜魅も都市伝説の前に陣取り、スレイヤーカードを解除した。
●都市伝説
「やれやれ、面倒な事になっちまったなぁ。だが、俺にはこういう力もあるんだぜ!」
それと同時に都市伝説の肉体が変化し、桜花とソックリな姿になった。
おそらく、桜花を男であると認識したためだろう。
桜花と比べて胸が厚く、股間がこんもりしているようだが、仲間達にはまったく見分けがつかないようだ。
「私が胸の有る方、都市伝説が大胸筋の有る方ですわ! ま、間違って私を攻撃してはいけませんわよ?」
桜花が身の危険を感じて念を押す。
「んー、どっちが本物とか面倒にゃ! 纏めてらりあっと──!」
雪が都市伝説めがけて、レッドストライクを放つ。
「ええい、当たった方が偽物ですっ!」
菊乃も親しい友人として自分の目を信じ、躊躇う事なく攻撃を仕掛けていく。
「……うひゃぁぁぁ!?」
その一撃を食らった桜花が、血反吐を吐いて吹っ飛んだ。
「さぁ、尻を出すでございます!」
夜星が殉教者ワクチンを、都市伝説に使う。
「や、やめ、やめてくれ! うわあああああああああああ!」
これには都市伝説も、すっかり戦意を喪失させて、色々な意味で逃げ腰になった。
「……やめてくれ? 僕が同じセリフを吐いた時、何をしたのか覚えていない訳じゃないよね? これはそのお礼……。遠慮しないで受け取ってよ」
四生がサディスティックな笑みを浮かべ、肉体的にも、精神的にも、都市伝説を追い詰めていく。
夜星も都市伝説を追い詰めるようにして、次々と攻撃を仕掛けていった。
「おらおら、どうしたっ! もっとやろうぜ!」
それに合わせて夜魅がトラウナックルを放ち、都市伝説の身体を殴り飛ばした。
都市伝説はそのままお湯の中に落下し、そのまま浮かび上がって来なかった。
「……はっ、夜星は何を……」
その途端、夜星がハッとした表情を浮かべる。
興奮しすぎて我を失ってしまったせいか、戦っている時の事をすっかり忘れているようである。
「でも、もっと見たかった……なの」
フェオドラが思いっきり残念そうにする。
チラリとしか見えなかったが、とても楽しい事をしていたように思えた。
「駄目です、あんなモノを見たら」
菊乃が不機嫌そうに釘をさす。
フェオドラは納得のいかない様子であったが、とにかく駄目、駄目なものは駄目である。
「さて、写真も撮り終わったことだし、急いで撤退しないとです。『聖地』を潰しちゃって、ごめんなさい!」
悠花が満足した様子でニコッと笑う。
肖像権など、何のその。
金になれば、それでいい。
「その写真……、言い値で買いますわ!」
桜花が財布片手に興奮した様子で、ジリジリと悠花に迫っていく。
そして、受け美少年×攻めマッチョの写真を受け取ると、ホクホク顔でその場を後にするのであった。
作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年4月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 6
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