不渡平・あると(相当カッカしやすい女・d16338)は、こんな噂を耳にした。
『大きな胸を見ると、ボールだと勘違いして、釘バットを振り回す都市伝説が存在する』と……。
この都市伝説はショートカットのボーイッシュ系つるぺた少女で、大きな胸を見ると『ボールだ、打たなきゃ!』と叫んで、釘バットを振り回してくるようである。
もちろん、それは自分にナイ物を相手が持っているため。
だが、その事を指摘されると逆切れして、場外ホームランを狙う勢いで、釘バットを振り回してくるようだ。
また胸がない事を馬鹿にされると、後先考えずに全力全開で襲い掛かってくるので要注意。
その事を踏まえた上で、都市伝説を倒すのが今回の目的である。
参加者 | |
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若生・めぐみ(歌って踊れるコスプレアイドル・d01426) |
叢雲・秋沙(ブレイブハート・d03580) |
遠野・潮(悪喰・d10447) |
御吾妻・ミレイ(サイクロンシルバー・d15650) |
不渡平・あると(相当カッカしやすい女・d16338) |
豊穣・有紗(神凪・d19038) |
リン・ベラドンナ(毒薬娘・d27871) |
天王寺・ミルキー(文字通りのカウガール・d30429) |
●つるぺたの暗黒面
「こんな噂を聞いたあたしも、あたしだけどさ……どこをどうやったら、こんな都市伝説の噂にたどり着くんだよ?! 明らかに危険人物と言うか、犯罪行為じゃねえか! 普通に警察沙汰になって、噂になる程度じゃ収まらんだろうが?!」
不渡平・あると(相当カッカしやすい女・d16338)は思わずツッコミを入れながら、仲間達と共に都市伝説が確認された場所に向かっていた。
都市伝説は巨乳の女性に対して激しい恨みを抱いており、手に持った釘バットを振り回し、自らの怒りを発散すべく襲い掛かっているようだ。
「ボーイッシュ系つるぺた少女ですか……なんか、他人事ではないですね……でも、妬んでも育たないんですよ、それよりも牛乳飲むとか、運動するとか、自己努力をしたほうがいいと思います……実る保証もないですけど」
若生・めぐみ(歌って踊れるコスプレアイドル・d01426)が、微妙に凹む。
ナノナノのらぶりんが心配そうに慰めているものの、どんよりとした気持ちは晴れ晴れとしない。
「一応、野球少女って設定なのかな~。凄い噂が立つもんだねぇ。しかも、胸が大きいと狙って来るのか……。なるほど、今回の都市伝説の特性だとボクは狙われ易いってことだねっ!!」
豊穣・有紗(神凪・d19038)がニコッと笑って、仲間達に視線を送る。
だが、仲間達は激しくスルー。
まるで腫物でも扱うかのように、なるべく目を合わせないようにしているようだった。
「……って、スルーすんなー!」
有紗が涙目になって叫ぶ。
自分でも『他の人と比べて、ちょっと小さい……と言うか、ほんの少しだけ小さい?』と思っていたが、仲間達の反応を見る限り、それでは済まないレベルであった。
もちろん、自分でも冷静に考えれば、『うう、確かに小さいかも。でも、ぺたじゃないし!』と言う結論に至るのだが、自分で掘った穴に頭から落ちたような感覚を拭う事は出来なかった。
「と、とにかく、妙な都市伝説が現れたね。普通、釘バットでボールを打たないし。むしろ釘バットに思い入れがあるんじゃないかと思えてくるよ」
叢雲・秋沙(ブレイブハート・d03580)が、苦笑いを浮かべる。
何やら気まずい雰囲気が漂ってきたため、咄嗟に話題を変えたものの、胸の話題から逃れる事は出来なかった。
「自分にないものにあこがれるのは仕方ないとして…壊しちゃいかんでしょ、壊しちゃ……。まぁ、プロレスラー(見習い?)としてそうそう壊れるわけにもいかないけどね!」
御吾妻・ミレイ(サイクロンシルバー・d15650)が、自分自身に気合を入れる。
ある意味、これはトレーニング。
都市伝説の攻撃を避けて、見事に捻じり伏せる事が出来れば、一回り強くなる事が出来るだろう。
「皆違って皆良い……じゃ無いのだろうか。何故、自身を否定し他者に刃……もとい釘バットを向けるのか」
遠野・潮(悪喰・d10447)は、険しい表情を浮かべる。
まったく意味が分からない。
こんな事をしたところで、何の解決にもならないと思うのだが、それでも都市伝説が続けている事を考えると、何らかの意味があるのだろう。
「ともかくとして、来るなら来いって感じですね?」
天王寺・ミルキー(文字通りのカウガール・d30429)が、『どんと来い!』とばかりに胸を張る。
どちらにしても、都市伝説の狙いは大きな胸。
何も考えず、たゆんたゆんと胸を揺らしていれば、都市伝説の方から現れる事だろう。
「まあ、折角なんだし、この劇薬ボディを活かしたいわね」
リン・ベラドンナ(毒薬娘・d27871)も受けて立つとばかりに、大きな胸をぽよんと揺らす。
「この野郎っ! 勝手に胸を揺らすんじゃねええええええええええええ!」
次の瞬間、都市伝説が殺気立った様子で釘バットを振り上げ、リン達に襲い掛かってきた。
●乳無きモノ
「……って、ちょっと! いきなりっ!」
リンが驚いた様子で、その場から飛び退いた。
都市伝説は狂ったように釘バットを振り回し、リンの胸をかっ飛ばす勢いで迫ってきた。
「何がいきなりだァ! これみよがしに胸を揺らしやがって! ボクはデッカイ胸が大嫌いなんだよッ! つーか、アレだろ。その胸もどうせ偽乳で、でっかいボールでも仕込んでいるのだろ! ボクがそれを証明してやるっ!」
都市伝説がイラついた様子で、釘バットを握り直す。
この様子では、冗談ではなく、本気なのだろう。
怒りに身を任せて、傍にいたミレイの胸めがけて、釘バットで打ち付けた。
「うっ……、さすがにこれは……」
その途端、ミレイがグッと唇を噛み締めた。
釘バットで叩かれただけあって、ダメージもケタ外れ。
何とか攻撃を防ぐ事が出来たものの、ポロッと涙が零れ落ちた。
「何か勘違いをしているようだけど、サンドバックじゃないのよ」
ミルキーが警戒した様子で間合いを取った。
「いや、サンドバックよ! いかにも殴ってくださいとばかりに揺らしているんだからっ! つーか、こんな幼い女の子の前で、これみよがしに胸を揺らして、恥ずかしくないのっ!」
都市伝説がムッとした表情を浮かべ、傍にいためぐみを指さした。
「……と言うか、めぐみはもう高校生なんですが……」
めぐみが気まずい様子で汗を流す。
確かに、年齢よりも幼く見られる事はあるものの、それを実際に言われるとショックである。
もしかすると、胸がぺたんこなせいかと思ったが、気持ちがションボリしてしまうので、なるべく考えないようにした。
「わわっ、嘘、嘘、嘘っ! それって冗談だよね? だって、こんなに胸が……あああっ! ごめんなさい。ボクも同じだった……」
都市伝説がションボリと肩を落とす。
これには、めぐみも苦笑い。
らぶりんも対応に困って、乾いた笑いを響かせた。
「……と言うか、アンタなんかぺったんこどころか、壁じゃないか! それに比べて、ボクはちゃんとあるし! 成長しないアンタと違って、ボクはまだまだ成長する余地があるからね! 他人の胸をどうこう言う資格なんてないと思うよ」
有紗がえっへんと胸を張る。
だが、胸の差はどんぐりの背比べ程度の違いしかない。
その事に気づいた霊犬の夜叉丸が、有紗に同情した視線を送る。
……それがすべてを物語っていた。
「私もこの中じゃ狙われる順位は低そうだけど、どっちを見ても羨ましく無いのは何故だろう……」
秋沙が気まずい様子で汗を流す。
どちらを選んでも、心にドッカンと穴が開くほどのショックを受ける事は間違いないだろう。
「まあ、胸が無いなら作れば良いだろう。とりあえず、この肉まんを服の中に入れるとかどうだろうか? 何だかふかふかして触り心地良さそうになるに違いない」
潮が殺界形成を使った後、都市伝説にアドバイスした。
「つーか、ボクを馬鹿にしているよね?」
都市伝説がジト目で睨む。
「だったら、この水ブラだ。研究、開発の末に本物の胸の様な感触を……え、それも駄目? じゃあ、もういっそ豊胸手術ってのは……」
それでも、潮がクソ真面目にアドバイス。
「別にボクは巨乳になりたいわけじゃないんだよっ! 大きな胸が嫌いなだけ!」
都市伝説がイラついた様子で答えを返す。
この様子では胸が小さくて嫉妬しているというよりも、胸が視界に入って揺れる事が許せないのだろう。
「とにかく、こんな大迷惑な都市伝説は、とっととぶっ潰すに限るな!」
あるとが自分の胸をぷるんぷるんと揺らす。
「おい、こら! ボクが言っていた事を聞いていなかったのかい!?」
都市伝説がイラついた様子で、釘バットを振り下ろす。
「おっと、あぶねえ! どうした、どうした! 動きがスローだぜ! 余計な肉が無いくせに動きは緩慢なのな! 第一あたしのを野球ボール程度のサイズと一緒にすんなバーカ!」
あるとがさらに都市伝説を挑発!
「もう許さないからねっ!」
都市伝説が顔を真っ赤にして、釘バットを振るう。
その拍子にあるとの胸が破れ、たわわな胸が飛び出した。
「ううっ……、こうなったら……吸ってやる! 吸ってしわしわのぷーにしてやるっ!」
都市伝説があるとの胸に飛び掛かり、勢いよくチューチューと吸い始めた。
「……って! 吸っても何も出ないからっ! 萎んだりしないって! こ、こらっ! ただ吸うだけじゃないのかよっ! あ、そこは、アーッ!」
そして、あるとがグッタリした。
「まったく、ボクを馬鹿にするから、こうなるんだよっ! 今度は手加減しないからねっ!」
そう言って都市伝説が含みのある笑みを浮かべて、自分の口を拭うのだった。
●都市伝説
「お互いの為、あなたにはここで灼滅されてもらいます」
めぐみが覚悟を決めて、クレセイドスラッシュを使う。
「お互いの為……!? 自分のためじゃないの? 仲間だと思っていたのに……この裏切り者!」
都市伝説が涙目になって、その場から飛び退いた。
「いっそ、『ない』方がいいんじゃないの?」
秋沙が尖烈のドグマスパイクで、都市伝説の胸を抉る。
「む、胸がァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
都市伝説が青ざめた表情を浮かべた。
まさか、自分の胸が抉れるとは夢にも思わなかったため、絶望のどん底。
立ち直る事が出来ないほど、気持ちがズドンと沈んでいった。
「まあ、胸を嫌っていたわけだし、なくても大丈夫……でしょ?」
有紗が苦笑いを浮かべる。
何とかフォローしようと思ったが、何ひとついい言葉が浮かばなかった。
「ここ、こうなったら、お前らの胸も抉り取ってやる!」
都市伝説が涙目になって、釘バットを振り回す。
「実はこんな事も出来るのよ」
リンが思わせぶりな態度で、自分の胸を変化させる。
それはスライムボディが為せる業。
都市伝説も両目をパチクリさせて、リンの身体を見つめている。
「よそ見していたら、痛い目に遭うよっ!」
その隙をつくようにして、ミレイが都市伝説にジャーマンスープレックス気味の地獄投げを仕掛け、都市伝説を放り投げた。
「これでトドメよ!」
それに合わせて、ミルキーが殲術執刀法を仕掛け、都市伝説にトドメをさした。
その一撃を食らった都市伝説が、『だから巨乳は嫌いなのよっ!』と捨て台詞を吐き捨て、跡形も残さず消滅した。
「ううっ……、またこのオチ……」
あるとが魂の抜けた表情を浮かべて目を覚ます。
何となく、オチ要因として、運命づけられているような気もするが、それを受け入れるつもりはない。
「……何とも女心は難しいモンだわな。小さくても大きくてもどっかに需要はありそうなんだから良いと思うんだが……」
潮が複雑な気持ちになった。
「あんなに歪んだ思いを生み出すなんて、やっぱり巨乳は悪という事なんですかね」
めぐみが複雑な気持ちになって、都市伝説がいた場所を眺める。
おそらく、あの都市伝説は貧乳女性達の思いが作り出したもの。
だからと言って都市伝説の遺志を引き継ぎたいとは思わなかった。
作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年4月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 5
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