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深夜1時。経営破綻やら何やらで放置された町はずれのとある廃工場。
この場所に、やたら多くの人影があった。
「おうコラ……てめぇらとは長い間戦り合って来たが……もういい加減決着を付ける時じゃねえのか? あぁ?」
そう言い放ったのは、紺の和服を身に纏い、巨大な太刀を構えたヤクザ風の厳つい男。
その男の背後には、同じく紺の和服を身に纏ったヤクザ風の男たちが、日本刀やらチェーンソーやら拳銃やら鉄パイプやらを構えて立っている。
「ふ……相川らず野蛮な方達だ……まあいいでしょう。貴方方とのチマチマした勢力争いにもうんざりしていた頃です。全員叩き潰してあげましょう」
サングラスをスチャッと抑えながらクールに返したのは、真っ黒スーツを身に纏い、メリケンサックを装着したマフィア風かつハンサム系の男。
やはりその背後には、黒スーツとサングラスを身に着けたマフィア風の男たちが、ナイフやらサブマシンガンやら火炎瓶やら特殊警棒やらを構えて立っている。
「行くぞ、野郎ども!!」
「冷静に速やかに殲滅しなさい!!」
リーダーらしき2人の言葉を切欠に、その場にいた全員が滅茶苦茶な戦いを繰り広げる。
しかしどれだけ互いに相手を倒しても、相手にダメージが通らない。
そして戦闘開始から丁度3時間が経った頃、その場にいた者達は全て煙の様に掻き消えた。
そう、彼らは『なんかあの町はずれの工場、ヤクザとかマフィアとかが戦ってそうじゃね?』という雑な噂から生まれし都市伝説。
毎晩すごくうるさくて迷惑だから誰かが灼滅した方がいいと思います。特に灼滅者とかが。
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「どうも皆さん、集まってくれて感謝致します。今回私が予知したのは、廃工場でマフィアとヤクザが抗争を繰り広げる都市伝説です。未だ被害は出ておりませんが、速やかに灼滅した方がいいでしょう」
野々宮・迷宵(高校生エクスブレイン・dn0203)はインテリ系マフィア風のコスチュームを着用し、事件の説明を始める。
「最初に申しておきますが……今回皆さんが戦うであろう都市伝説は、非常に弱いです。それはもう弱いです。どうやっても作戦が失敗する事は無いと思われますので、好きな様に戦うのがよろしいでしょう」
迷宵はそう前置きした上で、説明を続ける。
「さて、皆さんはこの都市伝説が現れた所に介入することとなりますが……この都市伝説を灼滅する方法はただ一つ。『抗争を終わらせる』ことです。それには、いくつか方法がございます」
迷宵が提示した方法は、以下の4つである。
(1)ヤクザの集団に加勢し、マフィアの集団を一網打尽にする。
(2)マフィアの集団に加勢し、ヤクザの集団を壊滅させる。
(3)未知なる第三勢力として抗争に参加し、手当たり次第にぶっ潰す。勢力名があれば吉。
(4)カオス。灼滅者達が各々好きな勢力に参加し、敵対勢力の都市伝説を叩き潰す。都市伝説自体が超弱いので何とかなる。
「自分は味方だから加勢しに来たと主張すればヤクザやマフィアは何の疑いもなく受け入れ、その人に攻撃しなくなります。ちなみにそれっぽい服を着たければ私が用意したものもありますので、よければ着て下さい」
そう言って自作のヤクザコスチュームセットとマフィアコスチュームセットを机の上に並べる迷宵。
「ちなみに都市伝説は色んな武器を使って攻撃してきますが……まあ弱いですね。その一言に尽きるでしょう」
迷宵はそう言ってサングラスをくいっと上げた。
「まああとはそうですね、やはり私的にはマフィアって響きは恰好いいなとは思います……いや強制する気はありませんが。好きな勢力に加勢して頂ければ。でもマフィアって何かかっこいいですよね? ね?」
マフィアに加勢したらいいんじゃないかな的な迷宵のオーラをスルーしつつ、灼滅者達は現場の廃工場へと向かう準備を始めるのだった。
参加者 | |
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左藤・四生(覡・d02658) |
檮木・櫂(緋蝶・d10945) |
白金・ジュン(魔法少女少年・d11361) |
柾・菊乃(鬼薊姫命・d12039) |
野乃・御伽(アクロファイア・d15646) |
神音・葎(月黄泉の姫君・d16902) |
鴇硲・しで(夕昏少女・d22557) |
星見乃・海星(ぼくは星をみるひとで・d28788) |
●カオスの幕開け
「さあやってまいりましたヤクザVSマフィアVSその他諸々。実況は鴇硲。解説はかがひこでお送りします」
廃工場の片隅にどうにかして作った実況席から、鴇硲・しで(夕昏少女・d22557)は戦場を見渡す。
「あー、これはものスゴイですね。近年稀にみる夢の競演でわたくし胸が高鳴るのが止みません。ほんとに」
そこにはヤクザとマフィアの都市伝説と、あと何かいい感じにばらけた灼滅者達がいた。
「おうおうおう! テメェらアニキが誰か分かって喧嘩売ってんのかアァン? この方はなぁ、この辺のシマ全部仕切ってる大兄貴、YAKUZAだぞボケコラアァん?? あ、アニキはいつもご苦労様っす! うっす」
迷宵ヤクザコスチュームに身を包んだ野乃・御伽(アクロファイア・d15646)が、ヤクザ陣営の戦闘に立ってもの凄くガンを飛ばしまくっていた。
「まぁ、うちの長屋も極道さん……もとい撫桐組事務所さんにはお世話になっていますし、こちら側に立つこと自体は吝かではありません…………まあ、『立つ』だけでどちらに加勢する気もないですけど」
同じくヤクザ的服装に身を包んだ柾・菊乃(鬼薊姫命・d12039)も、裏切る気満々でヤクザ側に立っていた。
「この抗争の手伝いに派遣されて来たよ……ボス(迷宵)は君達を気にかけているらしい」
ブラックスーツにボルサリーノ、白いマフラーという定番アイテムを身に着けた左藤・四生(覡・d02658)は、マフィア側に付いた様だ。
「私も加勢するわよ…………まあ、精々頑張りなさい?」
同じくマフィア側の檮木・櫂(緋蝶・d10945)は、真っ赤でセクシーなチャイナドレスに黒の羽マフラー、片手には牡丹の扇子という出で立ちで、完全に中国マフィアの女ボスに成りきっていた。
「みんな、ぼくの為に争うのは止めて!」
星見乃・海星(ぼくは星をみるひとで・d28788)は非ヒトデモードで大胆なナイトドレスを着つつ拳銃もってマフィアのボスの傍らに立っていたが、言ってることはよく分からなかった。
「よく分からねェが、一緒に戦うやつは皆兄弟だ、奴らを叩きのめすぞ!!」
「ふ……援軍とはありがたい。期待していますよ」
と言って、援軍をあっさり受け入れる双方のボス。
「なんかあのボス達恰好つけてますが、あの5人を受け入れた時点できっとアウトだと思います、その辺いかがでしょうか、かがひこさん」
しでが解説役のかがひこ(ビハインド)にマイクを向けるが、当然反応はない。あったら怖い。
「…………はい、そんなわけで、スタート」
しでがゴングをかーん、と鳴らすと、何故かその場にいた全員が戦いを始めた。カオスだから仕方ないね。
●謎の妖艶キャットスーツと希望の戦士。そして抗争、時々解説。
突撃し合った二つの陣営が衝突する直前、1つの黒い影が戦場の中心に飛び出してきた。
それは、タイトなキャットスーツを身に纏った神音・葎(月黄泉の姫君・d16902)。
「あれは際どいですね。何がどうとは言いませんが、神音選手はスタイル良くて巨乳だからエラい事になってますね。何がどうとはいいませんが」
淡々と葎の服装を語る実況者しで。
「な、誰だテメェは!?」
そしてお決まりの台詞を吐くヤクザ親分を見つめ、葎は静かに笑った。
「あなた方に恨みはありませんが、一網打尽にしますね……お覚悟を」
そう言って得物を構える葎にヤクザとマフィア達が銃弾を放つが、葎はひらりと身を翻す。
「あんまり騒いでいると……ヒトの声を聴きつけるモノが来ますよ。こんな風に」
葎が持つ蝋燭に青い炎が灯される。
するとどこからか湧いてきた小さな小鬼たちが、周囲の敵に無差別に襲いかかった。
葎によってかき乱された戦場は、早速荒れに荒れていた。
「アニキに手ぇ出す奴はタダじゃおかねえぞおうコラァ!!」
御伽は闘気を纏わせた拳を振るってマフィア手当たり次第にをぶん殴っていた。
「ついでにテメェもぶん殴ってやるぜオラァ!」
「ちょっと待て俺は味方ブゲッ!」
何故か御伽に殴られたヤクザの身体がひしゃげる。
2回に1回はヤクザを殴っている様にも見えたが、きっと気のせいだろう。
「所詮は雑魚ね。私の相手に成る筈がないわ」
櫂は余裕たっぷりの笑みを浮かべながら、足元から伸びる影でヤクザ達を喰らい尽くしていく。
しかし不意に死角から現れたヤクザが、櫂に斬りかかる。
「別挨近我(私に近寄るな)」
軽く斬撃を避けた櫂は力任せにぶん殴りながら十字架を刻み、一瞬で仕留めきった。
「ああ、なんで皆こんな争いを! 無力な……マフィアの愛人であるぼくの無力さが憎い!」
とか言いながらガンガンヘッドショットを決めていく海星。
そんな海星の前で、雑魚マフィアに向かって雑魚ヤクザが銃口を向ける!
「危ない!」
ドン、と雑魚マフィアを突き飛ばした海星が代わりに銃弾を喰らい、その場に倒れ込む(かすり傷)。
「ド……ドドゲリアスさん……きみは、生きて……」
適当な名前をでっち上げ、海星はそのまま力尽きていった(様な雰囲気をだし、そそくさと戦場を離れていった)。
「感動的なシーンでしたね。はい、次」
海星が庇ったマフィアが葎に吹き飛ばされる所まで、しではしっかり確認していた。
こんな戦場の中で、四生は冷静だった。
「ここにいる全ての命は僕の指先次第だ。安心して戦うといいよ」
四生は二挺拳銃の横撃ちで、跳弾も計算に入れた正確な射撃でヤクザ達の急所を貫いていく。
「確かにスゴイが……敵にも援軍がいるし、そう上手くは、ウッ!!」
弱気な発言をした1人のマフィアに、四生は躊躇いなく引き金を引く。
「そんな態度でファミリーの名を汚すのは感心しないな。上には勇敢に戦って散ったと報告しておいてあげるよ」
味方すらも撃つ四生に、マフィア陣営の下っ端が必死になって戦闘を行う。
「マフィア側も結構やりますね……私も負けてられません」
菊乃は小太刀を逆手持ちの小太刀と包丁の二刀流の構えで、戦場を駆け巡る。
素早い動きと共に次々と繰り出される斬撃に、マフィア達は成す術も無く倒れていく。
「……まあ、正直どっちが優勢だろうと関係ないんですけどね」
やや黒い事を言いつつ、菊乃は目の前のマフィアの胸をザックリと斬った。
そんな戦いの最中、廃工場の天井付近に、1つのシルエットが浮かび上がる。
それは、戦場を見下ろし仁王立ちする白金・ジュン(魔法少女少年・d11361)の姿だった。
「おっと、このタイミングで意味ありげに高い所に現れるという事は……ヒーローでしょうか。変身するんでしょうか、いやでも今時変身するヒーローの方が珍し」
「マジピュア・ウェイクアップ!」
「変身しましたね」
しでのコメントをぶった切り、純白のコスチュームに身を包んだ、ジュンが、戦闘を行っている皆に前口状を述べ始める。
「争いは虚しく、いさかいは何も生み出しません。それなのになぜ戦いは起きてしまうのか? それは愛が足りないからです!」
そしてふわりと跳び上がり、ゆっくりと戦場に降り立ったジュン。
「希望の戦士ピュア・ホワイト、愛を届けに只今参上!」
ビシッとジュンがポーズを決め、実況席からいい感じのBGMが流れ始める。
「私の愛(物理)を受け取りなさーい! マジピュア・ハートスタンプ!!」
ピコハン風のハンマーを地面に叩きつけると、そこから放たれた衝撃波が敵味方の区別なく襲い掛かる。
「てめえが一番暴力振るってんじゃねえか!」
「愛の鞭です!」
ヤクザの発言をバッサリ切り捨て、ジュンは両手を掲げる。
「武器なんて持つから! 争いを止められないんです!」
そして出現した巨大な十字架から、無数の光線が降り注いだ。
「さて、白金選手が武器が無くても使えるサイキックを使用した所で、抗争は後半戦です」
●裏切りの連鎖しすぎじゃね?
いい感じに両陣営の戦力が減っていた。
そしてその事を確認した菊乃が自身の紺の和服を掴み上げると、忍装束の『白南風』へと衣装を変える。
「こういうわけですので、極道の皆さん、覚悟して下さい」
あっさりと立ち位置を変えた菊乃が、今度はヤクザに向けて攻撃を開始した。
「てめえ、裏切りやがったのか!!」
「いえ、裏切ったといいますか……そもそも仲間じゃなかったといいますか……」
ヤクザの親分にあっさりとそう返し、菊乃は純白の鞭剣を振るう。
放たれた斬撃が、親分もまとめて切り刻んでいく。
「くっ……おい、もう1人の助っ人、こいつを何とかしグアッ!!」
親分に助けを求められた御伽が、問答無用で親分の顔面を殴り飛ばした。
「あ、いやもうやくざごっこ飽きた。十分楽しんだし……そろそろお開きにしようぜ?」
御伽は全身から炎を生み出すと、闘気と共に拳に纏わせていく。
「熱いのは好きか? ……そうでなけりゃあご愁傷さまだぜ!!」
そして戦場に突っ込んだ御伽は、ヤクザマフィア関係なく殴って燃やしていく。
「よえーーっ! お前らそれでもマフィアか! やくざか! もっとこう……いい感じに頑張れよ!!」
全力の拳を次々と叩き込みまくっていた御伽が、ヤクザの親分の方を向く。
「いいか、暴力は悲しみしか生まないんだ。殴られたら痛いだろ? ……つまりそういうことだ、分かったか!!」
「お前が殴っちゃ説得力なブゲッ!」
御伽の右ストレートが鳩尾に突き刺さり、ヤクザの親分の身体は壁にめり込むのだった。
「何やら敵陣で裏切りが発生したようですね……今が好機です、一気に敵陣に攻め込みなさい!」
「断るわ」
「え?」
マフィアボスに冷たく言い放った櫂は片腕を獣化させ、手近なマフィアの頭を捻り潰した。
「そう……最初からこれが目的。双方の組織を潰し、復讐を果たす事がね!」
いい感じにノッてきた櫂は、そのまま手当たり次第にマフィア達を爪で引き裂いていく。
シャワーの様に返り血を浴びてなお、櫂は楽しげな笑みを浮かべていた。
「やだ、ゾクゾクしてきた……こんな姿、彼氏に見せられないわね……あ、でもちょっと見られたいかも……」
「軽めの変態が……!」
マフィアボスがメリケンサックを構え、櫂に突撃する。
「無駄よ」
しかし櫂は一瞬でボスに向き直ると、構えた紅き日本刀から居合い斬りを放ち、マフィアボスを斬り伏せたのだった。
「おのれ……まさかこちらにも裏切り者……が?」
まだ生きてたマフィアボスが立ち上がると、そこには自分に拳銃を向ける四生の姿が。
「残念、僕もだ。ボス(迷宵)は静寂を好むお方だ。君達は少し騒ぎ過ぎたのさ」
そう言って四生は拳銃を真上に放り投げて気を逸らすと、マフィアボスの胸ぐらを掴み壁へ投げ飛ばした。
すると、この戦いの中で散々ダメージを受けていた工場の壁に一瞬にしてヒビが入り、一気に崩れ落ちた。
「瓦礫に埋もれたか……運のいい奴、と言っていい所かな」
四生はそう呟きながら落下してきた拳銃をキャッチし、背後から忍び寄っていたマフィアの脳天を振り向きもせずに撃ちぬくのだった。
「これは酷い。まさかマフィアとヤクザに協力していた内の4人が裏切り者だったとは。わたくし思わず人間不信になってしまいそうです」
崩れ始めた廃工場からちゃっかり抜け出したしでは、マイク片手に実況を続けていた。
「この混沌とした状況……この場を収めるのはやはりぼくしかいないようだね!」
そして戦場に舞い戻ってきてしまった海星(ヒトデ姿)。
「ぼくは秘密結社『スターキングダム』が開発した秘密兵器、『偽りの星』……今こそこの力を見せる時だよ!」
海星は己の身体をヒトデ手裏剣と化し、何故かジュンに向けて突っ込んだ。
「きみには、星が見えているかい……!」
「私に見えているのは溢れんばかりの愛だけです! シューティングスターキック!」
ジュンの必殺キックによって蹴り飛ばされ、海星は捨て台詞を残す間もなく流れ星の如く消えていった。
「さあ、いよいよ大詰めです! 片っ端から叩き潰しますよ!」
「結局てめぇはどっちの味方なんだこの野郎!」
「むかしお母様が言ってました……喧嘩両成敗と!!」
ヤクザ親分の問いかけに攻撃対象無差別の勧告で返したジュンが、魔力を込めた杖を振りかぶる。
「受け止めて下さい、これが私の全力、マジピュア・ハートブレイクッ!」
ヤクザ親分は杖で殴られ壁に叩きつけられると、流し込まれた魔力が大爆発を起こした。
この一撃で廃工場は完全に倒壊し、マフィアボスだけでなくヤクザ親分も瓦礫の中に埋もれてしまった。
そしてヤクザとマフィアの残党の中心に、セクシーキャットスーツの葎が姿を現す。
「まだ数だけは残っていますけど……いいですよ、全員襲ってきても。まとめて相手してあげますから」
そう言って葎が楽しげな笑みを浮かべると、残りの都市伝説が一斉に葎に攻撃を仕掛ける。
「ふふ、可愛らしい位に脆弱な攻撃ですね」
自身の言葉通り、放たれた斬撃や銃撃を軽やかなステップでの回避と破壊的な攻撃との相殺で全て捌き、葎は地面に杭を打ち込む。
そして放たれた衝撃波に大半の都市伝説が倒れたが、最後にマフィアとヤクザが一体ずつ残った。
「灰は灰に。闇はより深き闇へと還せ」
葎は異形化させた右腕で一瞬にしてヤクザを叩き潰し、左手の蝋燭から美しい炎の花を放つ。
マフィアはその花に全身を焼かれながら、静かに消滅していくのだった。
「というわけで、ヤクザとマフィアの抗争は裏切り者とヒトデと希望の戦士とキャットスーツお姉さんの手によってグチャグチャにかき回された挙句、両陣営とも木端微塵に粉砕されたのでした。どうもご清聴ありがとうございました実況のしでと、解説のかがひこでした」
●
「マジで弱かったな」
「心から弱かったですね」
戦いが終わり、御伽と葎が身も蓋もない感想を述べた。
ちなみに海星は星になった後そのまま家に帰り、
四生は仕事を終えマフィアっぽく人知れず立ち去った。
つまりフリーダムだった。
「報復結束…(復讐は終わったのよ…)」
戦いが終わった後も櫂は女ボスに成りきっていたが、復讐の内容はペットの亀をゼリーにされたというものらしい。
「これからは人の役に立つようなことをしなさい、約束ですよ?」
「七不思議さんの吸収ってどんなものなんでしょうか……興味ありますね」
ジュンと菊乃は瓦礫の中からボスの2人を引っ張り出すと、しでの前に連行した。
「離せこのトンチンカンな野郎共が!!」
「私にこんな事すれば上が黙って……」
喧しく騒ぐ2人の前に、しでが立つ。
「はい、おつかれさま。もういいよ」
しでがそう告げた瞬間2人の身体は掻き消え、しではこのヤクザとマフィアの都市伝説を己の物としたのだった。
こうしてカオスな戦いは終わり、一同は帰路についた。
ここまでカオスな事になるとは思わなかったと、誰かが静かに呟いた。
作者:のらむ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年4月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 7
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